Calendar

2010年12月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

Recent Comments

« チェルノブイリへようこそ/Greetings from Chernobyl
メイン
トンデモな時代の幕開け/Welcome to the brave new world. »

新たな高み/(What will you do) After the News?

世界の液体燃料生産が新たな頂上に到達しました。
国際エネルギー機関(IEA)が10日に発表した数字によれば、今年11月、世界全体では日産8810万バレルのアブラが生産されました。これは、2008年7月の記録を更新し、人類史上でかつてない規模の液体エネルギーが生産されたことになります。

2008年7月には原油価格が1バレル150ドル近くまで上がり、それが世界の金融危機の引き金になりました。原油の値段はその後、一時40ドル近くにまで下落しましたが、各国政府が税金を投入し、景気回復にともない、アブラの需要も増えて来ています。やはり10日には、ここ2年で最高の値をつけました。

rick101216.png
↑ スチュワード・スタニフォードのEarly warningより。

この数字で注意しなければならないことは、この数字は原油(プラスコンデンセート)のみの数字ではないことです。アブラというと世間一般では原油をイメージしますが、この数字にはそういう「在来型」の原油だけではなく、カナダのタールサンド、ベネズエラのオリノコ超重質原油など「非在来原油」も含まれます。それだけではありません。液化石炭、液化ガス、エタノールなどの人造石油も入っています。

「非在来」や沖合深海油田、人造石油に共通するのはEroei(エネルギー収支)がきわめて低いということです。Eroeiについてはあまり理解されていませんが、簡単にいえば、エネルギー投資とエネルギー収穫の割合です。どんなエネルギーを獲得するためにもエネルギーを使わなければなりません。この効率が悪いと、社会が獲得できるエネルギーもかなり下がってしまいます。1930年代あたりの油田では、1のエネルギーを投入して100のエネルギーを獲得することができました。それが1対30になり、最近の油田は1対15くらいだそうです。かなり落ちてきたとはいえ、人造石油などに比べればかなりましです。

rick101216_2.jpg
↑ D.ホルムグレンの近刊、『未来のシナリオ』より転載。

つまり、味噌も糞も一緒にして液体燃料をすべて含めた数字で見ると人類はこれまでにない量のエネルギーを獲得したということです。しかし、エネルギー収支という質のことまで考えると、実際に使える正味のエネルギーはそれほど増えていないのかもしれません。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/7593

コメント (6)

■コメント投稿について編集部からのお願い

《THE JOURNAL》では、今後もこのコミュニティーを維持・発展させていくため、コメント投稿にルールを設けています。投稿される方は、投稿前に下記のリンクの内容をご確認ください。

http://www.the-journal.jp/contents/info/2009/07/post_31.html

ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

すでに原油と同じ成分が抽出できる「藻類」が発見されている。大規模培養に成功すれば原油は必要なくなる。産油国は大打撃を受け、世界経済の地図まで塗り替わるかもしれない。

代替資源が、今後もエネルギー化していくのであろうが、エネルギーの貯蔵システムが破壊されていくのが、問題であろう。

本来地上であろうが、海中であろうが、植物はCO2を吸収し、地上或いは海底に堆積し石炭化,石油化していくのであるが、森林を伐採し、耕地化して、そのサイクル中にある植物から、エネルギーを作り出してしまう。

自然のエネルギー貯蔵サイクルを破壊しているのである。商業主義の採算性とは別に、太陽熱の貯蔵システムを破壊して温暖化の進むほうが、根本的に問題であろう。


リックタナカ 様

投稿内容と少し離れますがご容赦ください。

ブラジルでバイオディーゼル燃料用
作物栽培の仕事に関わっています。石油も100%自給を達成し、日本にはうらやましいようなインフレが続いている。もちろん農業大国でもある。
GM大豆によるBDF(バイオディーゼル)生産が拡大してきており、法律に因り一定のBDFのディーゼル燃料への混入が義務付けられている。ただし大豆はどちらかと言えばオイルよりより搾りかすに価値があるという面もありますが。
一方、砂糖きびからのアルコール生産と相まって穀物価格の高騰を招いた事も確かである。
また、アマゾンの森林の減少は続いており、上空から見る開発の痕跡は鞭打たれた背中の様な痛々しさを禁じ得ない。政府も開発抑制のための対応をとってはいるものの、現在の開発資本の多くは中国等外国から入ってくる。
これら新興国と言われる国々において、先進国と言われる今や斜陽国家、資本主義の成熟も終え限界の域に達している国の者が「アマゾンの森林は世界の財産でもある、大豆は食糧でもある、砂糖は値上がりしている、アフリカでは飢えている人が増加している、何とか開発を抑制し、食糧生産に切り替えてもらえないものか」と問えば「貴方の言う事は良く解ります。しかし、この国の貧しい人達には文明を享受する権利がないと仰るのでしょうか」「いやいやそうではありません、その辺をなんとかバランスを考慮し、ほどほどにお願いできないでしょうか?」「解りました、この国の国民全てが皆さんと同様の文明を享受できるようになったら、我々は必ずそういったことに取り組みますよ。先進国はこれまでの反省の下で責任をとって行動してくださいね、という事でよろしいですね」・・・・
簡単に言うとこういう話になってしまいます。
正にCOPでの議論と同じ様なことが繰り返されています。
私にはそれ以上反論できませんので、せめて廃油からのBDFを主流にしましょうよとくらいしか言えないのです。

小規模農家は政治の道具であり、超大規模農業大国ですが80%は小規模農民です。そして20%の農地しか耕していません。それ故にビアカンペシーナ等の農民運動も活発です。
しかし今年は東北部が大干ばつで地域によっては全く農業生産が出来ずに食糧の配給が行われている地域もあります。農業国家ブラジルでですよ。
彼等も若いものは町で働く兼業でかろうじて食いつないでいます。農業だけでは生きていけない状況もこの国の農業の一面なのです。

日本もそうですがこの国の皆さんも家族や地域との強い絆を大事にしてきた方々です。
物質的欲求から人々の近接性や絆といった、大きく分厚い地域社会がやはり大事なんだと、人間の幸福は他人との関係性においてしか得られないという事に改めて気付くまでに、さてもうどれほどの時間が必要なのであろうか? いやもうとっくに気付いているのではとも思えるのだが。日本こそかもしれませんね。


peacebuilderさん、コメントありがとうございます。今から20年前にブラジルに行った時、サトウキビエタノールの甘い匂いが町にあふれていたことを思い出しました。
ブラジル(やオーストラリア)のような新エネルギー大国は、ネルギーを輸入に頼らなければならない国を尻目に、これからもエネルギーや鉱業部門では経済発展が続くことと思います。しかし、その一方で、(オーストラリアと同じように)農業は気候変動の影響をもろに受けるのではないでしょうか。
ちょうど、ブラジルの大豆を襲っている「狂大豆病」について、書き出したところでした。そちらもご一読くださり、現地の様子をお知らせください。

リック タナカ 様

 お説の通り、激しい気候変動により、2010年は南米東北部が厳しい旱魃に見舞われました。
私の滞在する地域はブラジルでは最乾燥地域であり、歴史的にも度々旱魃に見舞われています。小規模農家は天水農業主流ですので、限界営農地域、あるいは境界線農業とも言えるかもしれません。1950年代までは餓死者もでたと言われています。
 現在は、好調な経済成長を背景に政府による再配分がかなり徹底しており、生活補償金を受け取りながら生活している状況であります。
 それでも彼等はこの地を離れず生きてきたのですが、僕からすれば打ちひしがれて項垂れてしまうしかないのです。

 アマゾン川河口の町Belem近郊のパーム農場(5000ha)及び搾油プラントを視察した際に、その農場では過去20年間で平均気温が3度上昇したと言われておりました。
 気候変動の原因については様々な高論があるわけですが、人間の経済活動によるインパクトは厳然としているのでしょう。しかしヒステリックに環境だけを叫んでも事は克服されるものではありません。現実はどこで折り合いと手打ちを獲得するかという事であろうと考えます。
 悩ましい課題であり、克服法は見出されていません。僕は展望という言葉は好きではありません、展望が無いから行かないのかと言えば、僕は展望があろうとなかろうと刻むしかない、そう強く意識している今日日です。

僕自身日本で30年間農業を営んできましたが、日本の休耕水田は約100万haです。仮説ですが、日本は最も稲作に適した地域です、灌漑施設整っています。もしこの休耕地全てで米を栽培したら、米ですが3000万人から5000万人の主食を賄える計算になります。農業適地である日本の役割を検証する意味は大きいと思うのですが。

また、前コメントと重複しますが、やはり人々の近接性だと思います、日本の農業は、出来るだけ多くの大切な者達の為に食糧を生産する。そういう姿を妄想しています。
 そして昨今のTPPといった議論も、単に農産物の市場開放に留まらず、農産物先物市場という、モノの移動が伴わない虚の経済の遊戯に利用されるだけではないか、もっと優先的に議論すべき事が無いのかと憤りも覚える今日日でもあります。

 オーストラリアの状況もまたアップしていただけれと思います。

Profile

リック・タナカ(Rick Tanaka)

-----<経歴>-----

信州松本出身。
1980年、シドニーに漂着。
大学中退後、ラジオやテレビ、ウエッブ、雑誌、ニューズレターなどで執筆、制作、コンテンツ制作、翻訳/通訳、音楽マネージメントなどで活動。
1997年、それまで15年暮らしたシドニーから標高千メートルの高原の町カトゥーンバに引っ越し、執筆・メディア活動と並行しながら、消費を抑え生産する楽農生活に突入する。
2007年、大陸の東南に浮かぶ島にある人口300人の村に移住、オイル・ピークと環境ゲテモノ化時代に備える暮らし、近隣社会の構築を模索中。

BookMarks

-----<訳書>-----


『未来のシナリオ』
2010年12月、農文協

-----<著書>-----


『人工社会』
2006年3月、幻冬舎


『楽農パラダイス』
2003年、東京書籍


『おもしろ大陸オーストラリア』
2000年、光文社知恵の森文庫

-----<共著>-----


『Okinawa Dreams Ok』
1997年、Die Gestalten Verlag


『Higher than Heaven:Japan, war and everything』
1995年、Private Guy International

-----<訳書>-----


『沖縄ポップカルチャー』
2000年7月、東京書籍

『首相暗殺』
ロバート・カッツ著、集英社

→ブック・こもんず←

当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.