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2008年の再来か?/Will history repeat itself? »

クルーグマンの有限な世界/What a finite world.

年の瀬になり、今年一年を回顧し、来年の予測をする記事があちこちで見かけます。

エネルギーという視点から振り返ると、今年はこれまで以上にオイルピークを認める人が出てきた年と総括することができるでしょう。しんがりはポール・クルーグマンです。クルーグマンは2008年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者ですが、12月27日付けのニューヨークタイムズでピークに言及しています。


2007-2008年と同じように、今日の商品価格の上昇は米国の需要増がもたらすものではなく、中国をはじめとする新興経済国からの需要増である。 かつて貧しかった国でたくさんの人が車に乗るようになったり、肉を食べるようになり、グローバルな中産階級を形成しつつある。それが世界の石油と食糧供給に圧力をかけている。
問題は、供給が需要に追いつかないことだ。在来型の石油生産量はこの4年間頭打ち状態にある。ある意味で、少なくとも、 オイルピークがやってきた。もちろん、カナダのタールサンドのような代替エネルギーからの石油生産が増えることは間違いない。しかし、これらの代替エネルギー源はカネの面でも環境負荷という点でもかなり高くつく。
また、この一年間、大農業地帯のなかには酷暑や干ばつなど極端な天候に襲われた場所が少なくなく、それが食品価格の高騰に大きな役割を果たした。これらの異常気象が気候変動のもたらすものだとを信じるに足る理由はいくらでもある。

商品価格の最近の上昇はどんな影響をもたらすのだろうか。
すでに述べたように、人間は有限な世界に暮らしている。商品価格の上昇は、有限な資源の制約がどんどん現実化することを示す兆候である。だからといって、それが経済成長に終止符を打つとは限らず、マッド・マックス的な社会崩壊に落ちていくこともないだろう。人間は自分たちの生き方を徐々に変えていかなければならず、資源は高いものであるという現実に沿うように経済や暮らし方を変えていくことが必要になる。

クルーグマンはピークと気候変動がもたらす相乗効果について言及しておらず、影響や対策についても疑問なところがあります。しかし、まあ、とりあえず、ノーベル賞をとるような経済学者もピークを認めるところまできた、無視できなくなったということは2010年が大きな転換期であるということを象徴しているような気がします。

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Profile

リック・タナカ(Rick Tanaka)

-----<経歴>-----

信州松本出身。
1980年、シドニーに漂着。
大学中退後、ラジオやテレビ、ウエッブ、雑誌、ニューズレターなどで執筆、制作、コンテンツ制作、翻訳/通訳、音楽マネージメントなどで活動。
1997年、それまで15年暮らしたシドニーから標高千メートルの高原の町カトゥーンバに引っ越し、執筆・メディア活動と並行しながら、消費を抑え生産する楽農生活に突入する。
2007年、大陸の東南に浮かぶ島にある人口300人の村に移住、オイル・ピークと環境ゲテモノ化時代に備える暮らし、近隣社会の構築を模索中。

BookMarks

-----<訳書>-----


『未来のシナリオ』
2010年12月、農文協

-----<著書>-----


『人工社会』
2006年3月、幻冬舎


『楽農パラダイス』
2003年、東京書籍


『おもしろ大陸オーストラリア』
2000年、光文社知恵の森文庫

-----<共著>-----


『Okinawa Dreams Ok』
1997年、Die Gestalten Verlag


『Higher than Heaven:Japan, war and everything』
1995年、Private Guy International

-----<訳書>-----


『沖縄ポップカルチャー』
2000年7月、東京書籍

『首相暗殺』
ロバート・カッツ著、集英社

→ブック・こもんず←

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