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2006年7月30日

エネルギー収支 /barrel of laugh.

アブラをどれだけ掘り出せるか、その量は重要ではない。
1バレルの原油を獲得するために何バレルの原油が必要なのか,重要なのはエネルギー収支だ。

エネルギー収支というのは、投入したエネルギー量と産出されるエネルギー量の比率のことです。
地球上で手に入るエネルギー源は太陽熱、地熱、潮力だけです。人間がエネルギーを作り出すことはありません。人間にできることは、それらのエネルギーを別な形に変えたり、消費することだけです。ですから、ある形のエネルギーを得るには別なエネルギーを投入しなければならない。投入するエネルギーと獲得されるエネルギーの比率、それがエネルギー収支と呼ばれています。

先日イタリアのピサで開かれたASPOの第5回大会の講義から、この分野の先駆者,ニューヨーク州立大学(シラキュース)のチャールス・ホール教授のスピーチを抄訳で紹介します。

(「エネルギー収支」の考え方がある程度までは役に立つものの、いくつか、欠点も指摘されています。ひとつは、これがあくまでも経済的な考え方であり、経済の範疇の外にあるもの,例えば「自然がただでもたらすエネルギーや作用」がすべて把握されなかったり,人間の文化や蓄積された知識,これらをエネルギー的に換算できないことです。
経済の範疇の外にある「無料のエネルギー」を数値化し,教育やコミュニケーションなど、人間の知恵をエネルギー換算し,総合的に捉える概念はエメルギーEmergyと呼ばれます。ハワード・オーダムとユージン・オーダムがその提唱者で、ホール教授には,ハワード・オーダムとのエメルギーに関する共作もあるようですが、ここでは、その違いには目をつぶり,話を進めたようです。ここでも「エネルギー収支」という訳語をあてておきます。)

●アブラをどれだけ掘り出せるか、その量は重要ではない。1バレルの原油を獲得するために何バレルの原油が必要なのか,重要なのはエネルギー収支だ。

●対策を考えるときも,常に「エネルギー収支」を考慮しなければならない。代替エネルギーを生産するために、それよりも大きなエネルギーを投入しなければならないオプションは使い物にならない。

●オイルピークがもたらす問題をテクノロジーの発展や市場メカニズムは解決できない。科学技術の発展もエネルギー収支で判断する必要がある。

●たとえば石油探査や採掘技術は大きく「進歩」したかのように見えるが,石油生産のエネルギー収支は悪化する一方だ。1930年には1バレルに相当するエネルギーを投入し、100バレルを得ることができた。1970年までにその比率は1:30に減少し、今日、その数字はおよそ1:15だ。

●エタノール生産のエネルギー収支はマイナスではないにしても,せいぜい1:5であり、非常に効率が悪い。

●従来の新古典主義の経済学は、エネルギー資源の有限性という現実を無視したものであり、これからの「石油時代の後半」には「生物物理学的な経済学biophysical economics」に取って代わられるだろう。

2006年7月27日

レバノン侵略に関する南半球関係の短信/war report from down south.

ヒアムの国連レバノン暫定軍(UNIFIL)本部へのイスラエル軍の空爆について、オーストラリア政府はむにゃむにゃを決め込んでいますが、ABCラジオ(オーディオ・ファイル)によれば,ニュー・ジーランドのヘレン・クラーク首相は、それが故意の攻撃であるとはっきりと非難しています。

日本でも報道されていますが、「12日以降合計10カ所のUNIFIL関連の施設が146回にわたってイスラエル軍の攻撃を受けていた」ことを考えれば,これが事故か意識的なものか判断がつきそうです。

昨年,イスラエルの諜報員二人がニュー・ジーランド人に成り済まし,パスポートを取得しようとして有罪判決を受け,イスラエル外相の陳謝でいったん収まったとはいえ,ニュー・ジーランド政府はイスラエルがどんな汚いことを組織的にやるのか,肌で知っているのかもしれません。

また、26日,レバノン南部のビントジュベイルの戦闘で戦死した9人のイスラエル兵のひとりが、オーストラリア国籍のイスラエル人であることがわかり,大きなニュースになっています。

戦死したAssaf Namer軍曹はイスラエル生まれ,10歳のときに母親とオーストラリアに移住しました。兵役の義務はなかったものの、2年半前,イスラエル軍に自ら志願したそうです。

「テロ国家」イスラエルの軍隊に志願し,戦死したオーストライア人兵士をこの国はどう弔うのか、「テロリスト」のタリバンと一緒にアフガニスタンで米軍に捕獲され、グアンタナモに野ざらしにされたままのオーストラリア人、デビッド・ヒックスは注視していることでしょう。

ふああ〜っ/oil's well.

今朝はどかんどかんと金属がぶつかる音で目が覚めました。寝ぼけてたにしても、ひょっとしてイスラエル軍かしら,なんて一瞬どきっとして、でもまあ,連中にしても,ここまでは侵攻してこないだろう、いまのところは。なんて。

音は表の通りの方から聞こえてきます。ゴミ集めのトラックの音とは違うし,なんだろう。寝ぼけ眼でおきだし,鶏を小屋から出し,それから、表に出てみると、通りには「この先作業中」って立て看があり,一台,小型のブルがパケットの中身をトラックにあけていました。どかんどかんって音はこの音でした。さすがにこの時刻,クルマの往来はありませんが、両側にひとりずつ、「止まれ/徐行」の札を持った人が立っています。シャベルを持ち,たたずんでいる人も見えます。

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朝っぱらから何やっているんだろうと近づいて見ていると,ブルは道を掃き清めているのでした。道路の両側にはユーカリの木があり,道の両脇にはコンスタントに葉っぱや樹皮が積もります。あんまり積もると水はけが悪くなり,雨が長く続くと道路が冠水することもあります。

IMG_0543.JPG

まあ,このくらいの量になるわけで,これならブルを使わなけりゃしゃあないか,とも思ったりもします。
作業をしていたおじさんは,これまで使っていた道路掃除トラックが役に立たないんで,と弁解口調です。
そういわれてみると,何ヶ月に一回,こういうトラックが来ては,道路を行ったり来たり,ほとんど一日がかりで数百メートルを掃き清めてました。これもあまりにおマヌケだったので写真に撮ってあります。

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ブラシで道路をはいて,巨大な掃除機のように吸い込むというやつで、もっと小さいモデルはどこか、都会で目にしたことがあります。ユーカリの葉っぱや樹皮,しかも,湿っているときは、とても吸い込みきれないようです。

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なので、今朝のどかんどかんになったのですが、いかにもエネルギー高消費なやり方だと思っちゃいます。大型トラック3台連ねてきて,しかも,ほとんどの仕事は小型ブルですから。しかし、6人もいたら,そりゃ、時間は少し,よけいにかかるかもしれませんが,ほとんど人間の力でできちゃうことです。

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んで,集められた落ち葉や樹皮がどこへ行くかというと,うちの裏手にあるゴミ捨て場です。糞もみそもほとんど一緒にまとめて投げ込み,あとをブルドーザーでならして知らん顔。それが今時のゴミ処理です。堆肥やマルチ材として使えば「ゴミ」にする必要のないものも,こうやってエネルギーを投入し,「ゴミ」にしてしまう。いやはや,便利な時代です。

市役所にも,こういうやり方は続けられないよって言ってはいるんですが,まだ,本気で取り組もうとする動きはありません。個人的には,今のように便利でコンビニな時代を数年後にはどう振り返るのか、すごく興味があります。「昔はね,アブラが安くてふんだんにあったから、落ち葉もこうやって集めてたんだよ」って。アブラが先細りしていく将来の世代の人たちには、「テメーラ,なんて馬鹿な使い方をしてくれたんだ」って石を投げられるかもしれませんが。

ふああ〜っ、まだ,悪い夢を見ているようです。

2006年7月25日

「議定書」の道筋/Heinberg's Protocol.

つい先日、イタリアのピサで開催された第5回ASPO会議でのスピーチからいくつか、何回かに分けて紹介しようと思います。出典

ピークへの対応の一つとして,国際社会が「議定書」を批准するという考え方があります。気候変動を世界的な問題と捉え,「京都議定書」につながったように,オイルピークも地球規模の問題であり、国際的な合意を作り出すべきだという認識から出発しています。

この「議定書」の道筋はASPOでも,早くから解決策の一つとして試案の検討が進んでおり、すでにウプサラとリミニなどの試案があります。スピーカーの一人,リチャード・ハインバーグは、それをさらに発展させ,新刊「Oil Depletion Protocol」にまとめています。ハインバーグの「議定書」論旨はウエッブなどですでに発表されていますが,講義から要点を下記に紹介します。
rh-sm.jpg

「議定書」ルートについては現実的な価値を疑問視する向きもあります。「京都」への過程でみられたように、交渉にばかり時間が費やされ,しかも,それぞれの国の事情が絡み,骨抜きにされてしまう可能性が大きいからです。「石油減耗議定書」にも、京都議定書を妨害し,骨抜きに暗躍した「炭素企業」が絡んでくるだけに,「京都」が繰り返されることは容易に想像がつきます。

個人的には国がこうした「議定書」を批准することももちろん大切で、批准を求めるロビー活動や市民運動にそれなりの意義があると思います。しかし,もっと大切なことは国や議定書に言われるまでもなく,個人がそれぞれ毎年2.6%、エネルギー消費を減らすよう自発的に取り組んでいくことではないかと思います。

●アブラを計画的に管理して使う国際体制が作られなければ,アブラを巡りあらそうことになる。
●減耗議定書の核となる考え方自体はとても単純で、それぞれの国が、世界の石油減耗率(現在は2.6%と見積もられている)と同率で石油消費を減らしていく。生産国はこの減耗率以上の生産を行わない。
●遅かれ早かれ,今世紀末までには、再生可能資源に頼らなければならないわけで,それらに今から投資しておくことには、大きな意味がある。
●議定書体制のもとで、アブラ漬けな近代農業は早急に再編成されなければならない。農業は「労働集約的で,地場の有機農業」に再編され,パーマカルチャー技術は、エネルギー降下時代を耐えぬくためにますます重宝されるだろう。野菜を庭に作ると行った単純なことから,それに取り組むことができる。第二次世界大戦中、野菜の4割は裏庭で作られていた。
●石油減耗は我々がどう計画を立てようが避けられないことではあるが,計画的に対処した方がダメージが少ない。スゥエーデンではすでに、年率2.6%を上回る率で石油消費の削減に取り組んでいる。「議定書」を批准した国が栄え、それをみてほかの国も批准するだろうから、特別な誘因は必要ではないだろう。
●「議定書」批准には第三者による国際的な監査を受けいることが義務づけられる。「議定書」にかかわらず、ガラス張りの監査は今でも,のどから手が出るほど望まれることである。
●ピークに達する前に「議定書」が発効することが望ましいが,そのあとでも、遅すぎるということはない。故意にこのプロセスを遅らせる国は、最もダメージを受けるだろう。「議定書」を実行に移す鍵は、先進国が輸入割当を導入することだ。
●長い目で見れば、「議定書」は,エネルギー下降時代を乗り切るのに,市場や価格動向に任せるよりもずっと効果的なメカニズムになるだろう。エネルギー下降を市場に任せれば,価格は不安定になり、新時代への「適応」が妨げられるが、「議定書」なら価格の大きな揺れを和らげることができる。高値が必要だが、安定していなければならず、その安定こそ「議定書」がもたらすものだ。

2006年7月24日

石油中毒/addicted to oil.

パロディと言えば,このざ・こもんずのマッド・アマノさんの得意分野ですが,知人から80年代のロバート・パーマーの「Addicted to love」のパロ版を教えてもらいました。題して「Addicted to oil」。

addicted.jpg

もちろん、ネタはinsider-360で高野さんが指摘する「アメリカは石油中毒に罹っている(America is addicted to oil)」(ブッシュの06年一般教書演説)です。高野さんの触れているバージョンとはちょっと歌詞が違いますが,はい,それなりに楽しめます。(個人的にはこの曲,キム・ゴードンがやるせなく、だるそうに歌うソニック・ユースのカバーが好きですが,はい。)

2006年7月23日

愛媛県議会でオイルピークの質疑/ First Peak Oil discussion in a Japanese prefectural assembly.

日本でも,ようやく,オイル・ピーク問題が取り上げられ始めました。日本初のピーク専門ブログ「ん!」によれば、オイルピーク問題を日本で初めて(?)取り上げたのは,愛媛県議員の阿部悦子さんです。一般メディアでは紹介されていませんが,「ん」が質疑の模様を記録しています。

etsuko2003.jpg
阿部議員の県政府への質問。

(1)ピークオイル説について、県はどのような見解を持っているのか。
(ここ2年近く、原油価格の高騰が続き、水産業、運輸業をはじめ、県民生活に圧迫を与えはじめている。米国や欧州では、原油価格高騰の問題に関連して、ピークオイルがすでにおこりつつあるのではないかとの議論が活発になっている。)
(2)ピークオイル時代の到来に備え、「緊急事態対応計画」を策定するつもりはないか。
(米国のサンフランシスコ市議会やポートランド市議会では、この春、今の石油高騰がピークオイルの印であるとして、緊急事態対処計画を策定するよう決議をあげている。 世界的な石油生産のピークが2010年までに到来するという最悪のケースを見据え、地域社会に与える悪影響を分析し、危機管理の一環として計画を立てる必要がある。また、ピークが来た際には、自治体自身が廃止縮小する事業をどのようにしゅん別し、新たな体制づくりを行う必要があると考えるが、県としてどのように考えているのか、併せて問う。)
(3)脱石油型、自動車に依存しない都市づくりへの転換を計る方向で、公共事業のあり方を見直すつもりはないか。
(2030年頃までの長期的な観点から問う。)
(以上「ん!」より転載)

世界中の人間が直面する問題に真正面から切り込んだ、まことに明快な質問です。

これに対する県の役人の答えは、かなり紋切り型ですが,(1)については、「県民生活や産業経済活動に及ぼす影響が大きい」ことを認めており、「国や地方が適切な役割分担の元、将来を見据えた省エネルギー対策やエネルギー源の多様化などの取り組みを積極的に進めていくことが重要」だと結んでいます(上甲経済労働部長)。

しかし、具体的にどうするか、となると、(2)の答えにあるように,
「国のエネルギー政策に基づき、国との役割分担の元、地域における取り組みを推進していこうとしておりまして、今の段階では緊急事態対応計画を策定するつもりはございません。また、廃止縮小する事業をしゅん別したり、新たな体制づくりを行う考えもございません」。

つまり、「国との役割分担」と言っても,しょせんは国まかせ。国がなんとかしてくれる。県レベルでできることから取り組むほど、火急の「緊急事態」とは見なしていないようです。

(3)については「物流、救命救急、それに人の移動など、数多くの分野において依然として自動車を必要としており、今後ともこのような社会のニーズに備え、適切な公共事業の推進に努めてまいりたい」(清水土木部長)と,何がなんだかわかりません。

ピークの兆候はすでに世界各地で確認されており,原油価格だけをみてもここ4年の間に3倍にあがっています。ピークに達してしまえば,エネルギー・コストは上昇することはあっても,以前のようなレベルに戻ることはあり得ません。これから訪れるのはアメリカの作家,ハワード・クンスラーが「延々と続く非常事態」と表現した時代なのです。「自動車を必要」としている「数多くの分野」において支障を来し、「社会のニーズ」に備えられなくなるのです。そんな時代に,県民の安寧を本気で心配するならば、クルマに頼らない地域社会、地域経済作りが「適切な公共事業」であることは明らかです。

しかも、「非常事態」を抜け出て、クルマに頼らない社会を作ることは一朝一夕にはできません。資源が先細りしていく将来,それはどんどん難しくなるばかりで、楽にはなりません。米エネルギー省の要請でまとめられたハーシュ・レポートは、ピークによる影響を緩和するためには最低でも20年かかるとしており、たとえピークへの到達が楽観的な2030年だったにしても,すぐに「適切な公共事業」に取り組まなければ手遅れになります。それほど,火急なことなのです。

現在,出身の信州では知事選が行われています。「海こそなけれもの沢(さわ)に 万(よろず)足らわぬ事ぞなき」と歌われた信州ですが、今はどうなのでしょう。何でも足りているのでしょうか。ピーク以降のエネルギー下降の時代への備えはどうなんでしょうね。いまでも安曇平に暮らしていたら,「蜻蛉男児」の両候補に尋ねてみたいところです。

2006年7月21日

ミツバチ/Where have all the flowers gone?

うちの裏庭には蜂の巣箱があります。うちではあんまり甘いものを食べないので,蜜を集めるでもなし,花や野菜の受粉だけに、ほとんどほっぽってあります。
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<サイエンス誌より>

冬の間,ミツバチの姿を見かけることはないので,あまり気にかけていなかったのですが,最新のサイエンス誌には、イギリスとオランダで花とミツバチの多様性が減少したことがわかったというどきっとする報告が載っています。

イギリス各地,何百ヶ所で行われた調査によれば,80パーセントの場所でミツバチの多様性が1980年に比べて減少し、中には絶滅した種もあるそうです。これらのハチの授粉に依存する野生の草花の種の数は、70パーセントの場所で減少しているのだそうです。

調査を率いたリーズ大学のKoos Biesmeijer博士は
「ミツバチの中でも一般の種は増えていますが,これまでにも比較的珍しかった受粉をするハチの種は、さらに数が減っています。ミツバチと植物が同じように減少しているのに,我々はびっくりしました。このパターンがほかの場所でも繰り返されるなら、我々が当たり前だと思っていた授粉が脅かされる」と言っています。

この傾向はオランダでも確認されたそうです。

ミツバチと花、どちらが最初に消え始めたかはわかりませんが,この傾向は穀物や野菜の収穫にも影響を及ぼすことでしょう。ミツバチなどの昆虫が受粉することをやめれば,野菜や穀物を育てるため,一つ一つ、人間が受粉して回らなければならなくなるかもしれません。うーん,それはかなり難儀だぞ。

人間の英知とやらは、さてはて,どう対処するのでしょう。

2006年7月20日

ソニックブーム/Stop doing this shit.

ピュータで何か読んでいて、何かのフレーズに出会い,ふっと、そういえば、前にこういう名前のバンド/アルバム、聞いたことがあったなあとCD棚をごそごそと探すことがあります。
たいていの場合,お目当てのCDはとっくに質流れしていることが多いのですが。

今回はソニックブームでした。正直,あんまり印象に残ってないので、改めて聞きたいとも思いませんが,調べてみると、この言葉,音楽関係ではバンド名や楽曲,レコード会社の名前などによく使われているようです。ショーゲキハ。

本来の意味は、ウィキによれば「飛行機が音速を越えて飛行する際に、機首および翼後縁付近で発生した衝撃波のエネルギーが地上に伝播し、不連続な音波として観測される現象のこと」です。そして「その大きなエネルギーを持つ音波は、しばしば地上に窓ガラスが割れるなどの被害を与える場合がある」と書かれています。超音速旅客機や超音速輸送機が普及しないのも、このソニックブームに大きな原因があるそうで、ソニックブームをなるべく出さないような研究が続いているのですが,世界にはこれを対人兵器として平気で使用する軍隊があります。

イスラエル軍です。

ソニックブームが意図的に人間に対して使われたとき,それは「窓ガラスが割れるなどの被害」なんてものじゃないようです。「地球のステージ」という日本のNGO職員で、2003年5月以来ガザ最南端の町、ラファで活動している寺畑由美は、停電の合間をぬって書き送ったレポートで次のように表現しています。(全文

「これは「恐ろしくって、腰が抜けるところだった」なんて、使い古された言葉でしか、表現することができません。これまでのところ、私には「馴れてしまう」なんてことは考えられません。どれだけ経験しても、経験する度に神経がこなごなになりそうです。衝撃音が耳をつんざき、身体が突然畏縮し、静脈という静脈は身体から飛び出そうし、皮膚のおかげでかろうじて押しとどめられている、そんな感じです。静脈が皮膚に脈打つのさえ、感じるような気がします。」

イスラエルは、民間人に危害を加え,殺害することを何とも思わないようです。エレクトロニック・インティファーダ設立者のナイジェル・パリーはイスラエルには、パレスチナの民間人を殺害する方針があるのかと問いかけます。

また,イスラエルは、必死になって事実を隠蔽しようとする傾向があります。

「イスラエル政府や軍は、このインティファーダが始まる前から、世界の向こうにいる事実を確かめる術のない人々だけでなく、自らの法廷や国民に対し、繰り返し繰り返し嘘をついてきた」(ジョナサン・クック「ガザの砂に埋められた真相」より)

今回の発端となったガザ北部の海岸での一家虐殺事件 に対しても、独立機関による調査は行われておらず,このままでは戦線の拡大とともにうやむやにされてしまうでしょう。

あなたは、本物の「ならず者国家」の蛮行に、いつまで目をつぶり続けますか。

緊急ワークショップ/Stop doing this (bloody) shit.

催し物案内です。
明日(7月21日)のことですが,東京・お茶の水で「中東戦争の深淵--イスラエルの対レバノン攻撃をめぐって」緊急ワークショップが開かれます。

(以下,中東学会案内文より転載)
----------------------------------------
7月12日から開始されたイスラエル軍によるレバノン攻撃は、ヒズブッラーによる人質作戦への反撃をきっかけとしつつ、猛烈な速さで展開してレバノンに対する全面的な武力行使の姿を見せています。これにより、多くの市民が殺傷されるのみならず、内戦後15年にわたって築き上げられたレバノンの社会基盤が根底から破壊されようとしています。一方で、イスラエルはガザのパレスチナ政府に対してもハマース打倒のために猛攻を加えています。これらはアメリカの「対テロ戦争」をイスラエルが下請けしているものといえますが、果たして今後の中東に安定した秩序をもたらすでしょうか。むしろシリアからイランまでを含めた地域全体が大混乱の崖っぷちに立っているのではないでしょうか。こうして中東のみならず地球全体に深刻な影響を及ぼしつつある今回の軍事行動について、滞日中のレバノン人研究者による分析を中心に、中東全体と欧米・日本を視野に入れながら総合的に考える機会を提供します。
皆様からできるだけ多くの方々にご連絡頂ければ幸いです。
以下に英語版、日本語版とありますので、よろしくお願いいたします。

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緊急ワークショップ
「中東戦争の深淵--イスラエルの対レバノン攻撃をめぐって」
日時:7月21日(金)午後6時から8時まで
場所:明治大学リバティタワー1階リバティホール
     千代田区神田駿河台1-1
   JR中央線・総武線・御茶ノ水駅より徒歩3分
http://www.meiji.ac.jp/campus/suruga.html
主催:
日本学術振興会人社プロジェクト「地域研究による『人間の安全保障学』の構築」        
明治大学軍縮平和研究所       
東京外国語大学中東イスラーム研究教育プロジェクト     
内容:
趣旨説明:黒木英充(東京外国語大学AA研教授)
講演:マスウード・ダーヘル(レバノン大学教授/東京外国語大学AA研フェロー)
  「イスラエルによる対レバノン戦争の真の動機」
   (英語・日本語通訳付き)
コメント:酒井啓子(東京外国語大学大学院地域文化研究科教授)

     臼杵陽(日本女子大学文学部教授)
司会:佐原徹哉(明治大学政治経済学部助教授)
入場無料、参加自由、事前登録不要
問合せ先:

「人間の安全保障学の構築」事務局(東京外国語大学AA研内)         電話042-330-5665
明治大学軍縮平和研究所 電話03-5875-0850
ーーー
Urgent Workshop on the Israeli Attacks against Lebanon
Date and Time: Friday 21 July, 18:00-20:00.
Place: Liberty Hall, Ground floor, Liberty Tower, Meiji University. Kandasurugadai 1-1, Chiyoda-ku. http://www.meiji.ac.jp/campus/suruga.html 3 min. walk from JR Ochanomizu Station.
Agenda:  
Introduction: KUROKI Hidemitsu (ILCAA, Tokyo University of Foreign Studies)
Lecture: Massoud DAHER (Lebanese University/ ILCAA, Tokyo University of Foreign Studies)
Real Reasons of the Israeli War against Lebanon
(in English with Japanese translation)
Comments: SAKAI Keiko (Tokyo University of Foreign Studies)
        
USUKI Akira (Japan Women's University)
Chaired by SAHARA Tetsuya (Meiji University)   
Language: Japanese and English
This workshop is open and free to the public.
Organized by:

Human Security Studies Group supported by Japan Society for the Promotion of Science
Institute for Disarmamanet and Peace Studies, Meiji University
The Research and Educational Project for Middle East and Islamic Studies, Tokyo University of Foreign Studies
Contact:

Human Security Studies Office: tel. 042-330-5665
Institute for Disarmamanet and Peace Studies: tel. 03-5875-0850
-------------案内文ここまで
(thanks to P-navi info)

2006年7月19日

近所の催し物案内/what's on.

先週月曜にはオーストラリア国営ABCテレビがオイル・ピークに関する45分間ドキュメンタリーをゴールデンタイムで放送するなど,ぼちぼちと社会の主流でもこの問題が遡上に上りつつあります。

番組はコリン・キャンベル(「第二の石油時代の幕開け」 参照)、クリス・スクレボウスキー(英国の業界紙「ペトロリアム・レビュー」編集長)、ロバート・ハーシュ(米エネルギー省の要請で、「世界的な石油生産ピークについて: その衝撃、緩和、そしてリスク管理について」という報告書をまとめた人間)など、すでにお馴染みの人間へのインタビューが中心の構成で、入門編としては分かりやすい内容です。ただし、ピークのもたらす影響については突っ込みが甘く,ガソリンや航空燃料の高騰によるツーリズムへの影響が心配されるだけで、一番肝心な食料問題は取り上げられませんでした。この番組,ネットで見られるようなので、そういう設備のある方は御覧下さいませ(エーゴですが)。

で、そういうご時勢なのか,オーストラリアでもピーク関連の催し物がのあちこちで開かれます。

1)まずは近所のものから。
al bartlett.jpg

アルバート・バートレットの講演ビデオ、"Arithmetic, Population and Energy"
の上映会が地元カトゥーンバのユナイティング教会のホールで開かれます。コロラド大学の物理学名誉教授でASPOアメリカ(ピーク・オイル研究学会/アメリカ)の顧問のバートレットが、ピークの必然を懇切丁寧,わかりやすく解き明かすビデオです。カトゥーンバ近辺の方はお声を掛け合い,お出かけください。
Friday 21 July  7.30pm
Uniting Church Hall, 142 Katoomba St, Katoomba

Cost $5 includes light supper. Not suitable for children.
Enquiries Bob 4784 1955

2)次はライブ講演です。
H2(S).jpg

ピーク論者の中でも積極派のふたり、リチャード・ハインバーグとデビッド・ホルムグレンが8月末、オーストラリア講演ツアーを行います。

ピーク以降の時代について,戦争や食料不足など悲観的な予想をする悲観論者が多いのですが,ハインバーグやホルムグレンはむしろ,これを好機ととらえ,アブラに頼らない骨太な地域社会を作り出していこうという積極派。ピークはわかったけど,どうしたらいいのかわからない,そういう人にはおおいに参考になると思われます。

ホルムグレンとは何年か前に日本の講演ツアーに付き合いましたが、足下から,自らの生活をピーク以降のエネルギー下降時代に合わせていく。そして主体的に地域社会を再生させる道筋を説く人です。国や企業、誰かがどうにかしてくれるだろうと他人任せにしていたら,大変なことになるぞと、自主的な行動を呼びかける人です。

ハインバーグのピーク関連書にはPowerdownThe Party's Overなどがあります。ホルムグレンはパーマカルチャーの始祖であり、ピーク以降の暮らし方の青写真と呼ばれるPermacultureの著者です。

下記はシドニー近辺の講演日程ですが、その他にも各地で講演があります。詳細はホルムグレンのサイトから確認ください。うちは8月29日、州議事堂での講演に出かけるつもりです。


POSITIVE LOCAL SOLUTIONS TO THE LOOMING OIL CRISIS
August 29, 2006 - from 6.30pm

NSW Parliament House Theatrette Parliament House,
Macquarie Street, Sydney NSW 2000
Donations at the door will be greatly appreciated!

August 31, 2006 - from 6.30pm
Kuringai Town Hall 1186 Pacific Highway, Pymble NSW 2073
Entry Fee $10 at the door

2006年7月18日

なぜ、北海油田に匹敵する油田が毎年、見つからないのか/why aren't we finding it?

今日からイタリアのピサで重要な会議が開かれます。メディアでは多分,ほとんど取り上げられることもないと思いますが,石油減耗について、ASPO(ピーク・オイル研究学会) の第5回目の年次総会が開かれます。石油地質学者のコリン・キャンベルが設立した団体で,かなり前からピークについて警鐘を鳴らしており、昨年12月の米議会で開かれた公聴会でも意見を求められています。
ASPOイタリアのプログラムを見ると,このブログでも紹介したピーク論者の名前が,キラ星のように並んでいます。

米軍の技術開発研究所(Army Engineers' Research and Development Center)が昨年9月にピークに関する報告書をまとめてたことは以前紹介しました。
オイル・ピークと米軍、その2

この報告書の大きな特徴のひとつはピークの見通しについて、政府機関である地質調査庁(USGS) などの楽観的な予測を退け、ASPOなど、民間機関の予想や民間識者の意見をを採用していることです。この理由がずっと気になっていましたが、報告書の著者のひとり、ドナルド・フォアニエーがGlobal Public Mediaのインタビューで次のようにその理由を明かしています。
なるほど。まことに至極ごもっとも。ほかの官庁との軋轢を気にして、なかなか民間の「説」を採用したがらない役人が多いのですが,こういうまともな人も中にはいる。少し,希望が出てきます。

(略)
DF:我々がこの報告書に取りかかった時、まず、あちこち、本やネットで文献をさがし、どんな発言がこれまでになされているのかそれを調べることから始めました。それらを読み、誰の言っていることがもっとも理にかなっているか、考えました。
コリン・キャンベルの著作を読み、インタビューも聞きました。シモンズやディフェイスの本も読みました。ジャン・ラレリーがUSGS報告について書いた評論も読みました。そして、はたと気がつきました。言われているような量の石油が本当にあるなら、なぜ、それが発見されていないのか。なぜ、北海油田に匹敵する油田が毎年、見つけられていないのでしょうか。

私は、どちらかと言うと悲観的な立場ですが、悲観的な見方をしておけば、悲観的な事態に対処できるわけで、もし、供給がたくさんあるなら、それに超したことはありません。しかし、生産は需要についていけず、石油価格が高騰するのが現状です。私にはそれを見ただけで十分でした。実際にピークに到達するまでもなく、エネルギー・コストの上昇が経済崩壊を引き起こすかもしれません。啓蒙された利己心を発揮しなければならなくなるでしょう、そんな気がします。実際のところ、エネルギー効率を高め、代替エネルギーを取り入れ、エネルギー効率のいい車両を開発する、そういった策すべてに真剣に取り組んでいけば、多分、需要を供給可能なレベルにまで落とすことができる、そうすれば、石油の値段も下がるのではないかと思います。
これはどちらにころんでも勝てるシナリオです。コストが下がり、しかも環境への影響も減らし、そして、エネルギー効率を高めることで国家の安全保障も高まります。三者丸もうけな方策と言えるでしょう。私はマーフィーの法則を信じます。備えあればうれい無しと言うじゃないですか。
とにかく、私は巷間の議論を眺め、USGSの2000年の報告書も読み、それに対する批判も読み、その上で、ASPOの言っていることのほうが、よりしっくり感じられたのです。
(後略)

2006年7月17日

冬は厳しく/winter is hard.

北半球はかなり暖かめなようですが、うちの近辺、今年は例年にない寒さで、7月にはいり、ちらほら、はるのようなポかポかな日もありますが、まだまだ冬はこれからが本番です。朝、鶏を小屋から出し、エサを与えに出ると、一面、雪でも降ったかのように白一色、霜のおりる朝もあります。

この寒さのためか、6月は、ほとんど卵を生みませんでした。買ってこようか、なんて相談するくらいの「卵危機」が6週間近くも続きました。卵なんて、そうそう食べなくても大丈夫ですが、うちで食べるパスタの主要原料は卵なので、それがちょっとつらい。そういう経験を何度かしたので、卵の生産シーズンには、パスタを作る時に余分に作って、ため置きしているのですが、気がついてみると、在庫はほとんどなし。あらあら。「卵危機」が「パスタ危機」に発展。

近所で鶏を買う隣人や友人たちのところでも状況は似たようなもので、会えば、「うちの鶏が最後に卵を生んでからもう何週間になる」、そんな話ばかり。この時期、草も枯れてしまい、緑が不足しているからだろうと聞けば、近所の八百屋に出かけ、野菜屑をもらってきたり、トウモロコシが効くと聞けば、早速与えてみたり。でも、あんまり効果はないようで、どうしようか、なんていっているうち、人間の思惑とは関係なくまたまた、鶏は卵を生み始めます。日照時間の関係なのでしょうか。「卵危機」の収束とともに、パスタの備蓄も数週間分に増え、「パスタ危機」もとりあえず収まりました。

現在、うちには烏骨鶏やアラカノ、バーナベルダーの3種を中心に、25羽近い鶏がいます。うちへきてから6年近くになるバーナベルダーは,さすがに,あんまり,たくさんは産みませんが,それでも、時々,思い出したように濃い茶色の卵を産みます。そうかと思えば,昨春うちで孵化したアラカノもいて、ようやくぼちぼち青い卵を生み始めています。

庭で鶏を飼う人はかなりいますが、これが雄鶏となると話は別で、かなり限られてしまいます。「雄鶏はうるさくって飼えない」という人もいます。昔は自分でもそう思ったりしましたが,それは卵や鶏のコストであり、それを払わずに、いいとこ取りしようてのは、虫がよすぎるかも知れない。そう思うようになり,それまでの夜型から雄鶏に起こされる朝型に生活も変わってしまいました。だって、こいつらがいないと、寿命がきた鶏のかわりは買いにでもいかないとならないでしょ。そして、野菜や植物と同じように、店で手に入る鶏は「卵をたくさん生む改良品種」がほとんど。鶏なんて、どれだって同じ、大きな卵をできるだけたくさん、しかも安上がりで生んでくれりゃいい。これでは多様性も失われてしまいます。

だから,今朝も、懸命に朝日を手繰り寄せようとする雄鶏の声とともに目覚めました。うちの近所にはかなりの数の雄鶏がいるようで、鳴声があちらからこちらへと、冬の朝、まだ暗いうちから響き渡ります。でもなあ、うちの雄鶏の鳴き声が一番多いぞ。定員は種族ごとに1羽で3羽なのに,現在は6羽。こちらも、ぼちぼち、なんとかしないとなあ。

(ところで「冬は厳しく」ってのはクロノス・カルテットの作品で、アーヴォ・ペルトの「フラットレス」をやったり、シュニトケやジョン・ゾーンの作品があったり、冬も底の時期になるとよく聞くアルバムです。んなこと思ってたら、そのゾーンの曲で太田裕美が朗読するテキストを書いたレックのバンド、フリクションが久々に7月18日、渋谷クワトロで演奏するそうです。フリクションはずっと大好きで、セカンドアルバムの「スキンディープ」は,未だに時々聞いては、はい,ニューセンセーション、しっかり刺激されます。何人もパンク野郎やロッカー、ミュージシャンに会ったことあるけど,レックほどかっこいいのもあんまりいない。東京にいたら、何をおいても駆けつけることでしょう。)

お久しぶりです/Long time no see.

もともと、うちのピュータから記事を投稿できず、あちこちを経由して投稿するってことで対応してきましたが、途切れがちになり、すみません。ここしばらく、新しいピュータを買うことについて、いろいろ考えていました。地主の高野さんあたりには「何をバカなことで悩んでんだ」って笑われそうですが、大したことなんですよ。読者、友人、知人の皆様、いろいろ御心配をかけ、すみませんでした。

こもんずには立ち上がった当初から、うちのピュータからは直接投稿できませんでした。新しいピュータにするか、それともマイクロソフト社のブラウザーを使うしかありませんでした。で、とりあえずは、IE搭載のお隣さんのピュータへメールでうちから送り、そこから投稿すると言うことでしのいでいました。不便さはそれほど気になりませんでしたが、そのうち、そこのピュータの調子が悪くなり、まあ、自分のせいじゃないけど、あんまり気軽にお邪魔できなくなってしまいました。

うーん。どうしよう。
まず考えたのはMS帝国のIEを使うことでした。それなら、器械を新しくすることもない。でも、できない。どうしてもやりたくない。ほとんど生き方とか信条のレベルで使いたくない。MSのソフトは使い勝手が悪いし、独占的で閉鎖的な体質も嫌い。なおかつ、イスラエルがばかすか、やりたい放題に殺人を繰り返すこの御時世、そういうテロ国家に肩入れしている企業の製品は使いたくない。そうかと思えば、MSソフトを使ってくれないと仕事を回さない、そんな圧力がごく自然にかかってくるくらい、準「国際基準」として使われていることにもかちんと反発してしまう。まあ、理屈より、生理的に「使いたくない」というところが一番大きいのですが。

うーん。困ったぞ。

80年代に最初のマックを使って以来、しばらくは、2年に1度くらいで新しいのに買い換えていました。あたかもそれが当たり前のように。ところが、ここ何年か、購入のペースが鈍くなってます。なんか、もうこれ以上「便利」にならなくてもいいんじゃないか。いろいろ、機能がついて、スピードが早くなるのはそれなりにありがたいけど、必要なのかなあ。次第にそんなふうに考えるようになりました。これまでのピュータでたいがいのことはできるし。

そんなふうに考えるようになったのは、ピュータなどをバックエンド,ゴミの視点から見始めたからでした。お釈迦になったピュータはどうなるのか。うちではSE30をしばらく骨董品のノリで置き物にしてたこともありましたが、PowerBookなんかただの灰色の固まり。置き物にもならない。で、結局誰かにあげたりして、責任をごまかしてきました。でも、最終的にはゴミ捨て場にいくってことは誰だって了解している。庭にほっぽっておけば自然に腐るようなものじゃない。
だからピュータも家電も壊れるまで使う。壊れたらできるだけ直す。もう、直せなくなったら、その時にはあわてて買い替えるんじゃなく、それが本当に必要なのか考えよう。と。

ゴミ捨て場は東京の夢の島からエストニアのシラマエにある高濃度放射性廃棄物投棄場まで、いろいろ足を運んだことがありますが、ここ何年かは、ゴミ捨て場の隣で暮らしています。といっても距離的にはうちから何百メートルか離れてますが。でも、風向きによっては匂う時もあるし、ブルドーザーの地ならしの音もしょっちゅう聞こえてきます。散歩に出れば、埋め立て地から風で舞い上がった買い物袋やプラスチックのテイクアウト容器などがフェンスを超えて散乱していることもあります。下流には2キロもしないところに世界遺産指定の国立公園が広がっているってのに。そんなことを見ているうちに、ゴミを生産することが生理的に耐えられなくなっちゃいました。

こうやってバックエンドのほう、ケツのほうから暮し方を眺めると、なかなか、ものを持ち込めない体質になってしまいます。いったんうちの門をくぐったら、自然にかえるまで、最後まで面倒を見る。そのくらい、大袈裟な覚悟をすることになります。そんなですから、どこも調子の悪くないピュータをお釈迦にすることは、ちょっとできない。

うーん、困ったぞ。
しかしなあ、いつまでも逡巡してるわけにもいかないぞ。

そこへきて、ここ何年か、腕や足がだるくて、時には感覚がなく、ひじや膝などの関節に痛みがある。原因は長年の悪さに決まっていますが、時々、電磁波過敏症のような徴候もある。この際ピュータとの付き合い方を根本的に考えたほうがいいというシグナルかも知れないぞ。

なんて、ぶつくさ、悩んでいたら友人から中古の出物がありました。3、4年落ちですが、うちのこれまでのピュータよりずっと新しい。もちろん、ここへも書き込めるぞ。いろいろ言っても、こういうことは起こるべくして起こるものだ。そんなふうに無理矢理納得させ、新中古のピュータを入手、まだワープロソフトが搭載されておらず、ちょいと不便ではありますが、とりあえず、復活のお知らせまでl。はい。

Profile

リック・タナカ(Rick Tanaka)

-----<経歴>-----

信州松本出身。
1980年、シドニーに漂着。
大学中退後、ラジオやテレビ、ウエッブ、雑誌、ニューズレターなどで執筆、制作、コンテンツ制作、翻訳/通訳、音楽マネージメントなどで活動。
1997年、それまで15年暮らしたシドニーから標高千メートルの高原の町カトゥーンバに引っ越し、執筆・メディア活動と並行しながら、消費を抑え生産する楽農生活に突入する。
2007年、大陸の東南に浮かぶ島にある人口300人の村に移住、オイル・ピークと環境ゲテモノ化時代に備える暮らし、近隣社会の構築を模索中。

BookMarks

-----<訳書>-----


『未来のシナリオ』
2010年12月、農文協

-----<著書>-----


『人工社会』
2006年3月、幻冬舎


『楽農パラダイス』
2003年、東京書籍


『おもしろ大陸オーストラリア』
2000年、光文社知恵の森文庫

-----<共著>-----


『Okinawa Dreams Ok』
1997年、Die Gestalten Verlag


『Higher than Heaven:Japan, war and everything』
1995年、Private Guy International

-----<訳書>-----


『沖縄ポップカルチャー』
2000年7月、東京書籍

『首相暗殺』
ロバート・カッツ著、集英社

→ブック・こもんず←

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