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クラーク首相、ピークを認める/We're probably not too far short of peak production, if we're not already there - Helen Clark.

clark060425.jpg
(18日、ピークについて記者会見するクラーク首相。http://www.scoop.co.nz/stories/HL0604/S00206.htm
より)

石油価格が高騰すると、どこの国でもマスコミは経済学者や「アナリスト」を引っぱりだし、またぞろ、お決まりの理由をあれやこれや垂れ流します。やれ、ナイジェリアの情勢不安であり、イランの「大量破壊兵器」であり(あれ、イラクだったっけ?)、そうでもなければ、ハリケーンです。

政治家も役所も、IEAなどの楽観的な予測にしがみつき、価格の高騰が一時的なものであるかのように言い繕い、国民の不安を鎮静しようとします。これまた、いつも通りのこと。

なんて思いながら、憧れの国、ニュー・ジーランドのニュースをチェックしていると。

なんと、クラーク首相、やってくれましたね。ガソリン価格の高騰の理由は「すでに生産ピークに達するか、それとも、かなり近いところにいるからだ」とはっきり発言しています。一国の首相がピークを口にするのは世界でも初めてのことではないかしら。クラーク首相の発言は歴史的です。

問題の発言があったのは18日の記者会見。この会見で、クラーク首相は、アメリカやヨーロッパが支援を凍結するなか、ニュー・ジーランド政府はパレスチナ自治政府への援助をこれまで通り続けることを発言し、確固たる姿勢を見せました。そちらのほうは、かなり大きく報道されましたが、同じ会見でのピークを認める発言は、メディアが鈍感なのか、それとも報道したくない理由があるのか、まともに報道されていません。

「すでに生産ピークに達するか、それとも、かなり近いところにいる」とクラーク首相が認めた影響は広範です。ピークを知りながら、何も策を講じなければ責任問題、職務怠慢に問われます。そして、緩和策をとることは経済の失速をともなう危険があります。

たとえば、現在建設中の道路はどうするのか。すぐに不要になる道路建設ではなく、これからの時代に必要になるものへ予算を振り向けるのが賢明ですが、いったん予算がついて動き出しているプロジェクトを見直すのは容易ではありません。しかし、クラーク首相が「ピーク問題」を正確に把握しているとすれば、ニュー・ジーランドではこれから、公共政策の大掛かりな見直し、転換が行われるでしょう。

経済ヘの影響も深刻です。経済「成長」にはエネルギーの消費が不可欠だからです。手に入るエネルギーの量が減退していく時代、右肩下がりの時代に、これまでのような経済「成長」はありえません。しかし、クラーク首相は「成長」の神話に慣れきった国民を納得させることができるのか。「これまでのような暮しはもうできない」なんてことは、たとえ真実であっても、耳障りのいいことではありません。

各国政府が「ピーク」を認めたがらないのは、このような理由があるからです。各国政府はクラーク首相の勇気ある発言に倣い、手遅れになる前に、ピーク以降の社会構築に踏み出すべきです。

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コメント (3)

リックさん、どうもです。
この記事を引用?させていただきました。
TBは相変わらず効きませんでした。
http://www.primeminister.govt.nz/frame-speeches.html
の首相のスピーチあたりにもちゃんと主旨が掲載されていないみたいで、あまり広めたくないのかな、とも思ってしまいます。(分からなかっただけかもしれませんが)

日銀による量的緩和解除後、金利の上昇が予想されるため、円買いから円高へと予想されている。日本人は銀行預金との金利差からマスコミ、金融機関からの言われるままに外貨預金などの対外投資を盛んに行っているが、雲行きが怪しくなってきた。ヘッジファンドは日本のゼロ金利で資金を調達し、高金利通貨で運用し利益を得ているのであるから、もし資金を引き上げたらその通貨は暴落する可能性がある。ニュージーランドドルは年末から15%も下がっている。クラーク首相は景気低迷から自国通貨の下落を容認する発言を繰り返している。金利の引き下げもあるかもしれない。オーストラリアドルもしかりである。資源国であるから投資として長期に持つと言うのであれば良いが、中国、アジアの景気が継続することが前提である。やはり、こんな時は、ユーロ、米ドルと円で管理するのが分かりやすいのかもしれない。日本の景気は回復しつつあり、日本に投資するのが良いかもしれないが、地政学的リスク、資源がないことなどを考えると分散投資である。海外通貨の高金利につられてはならない局面である。

こちらも皆にご紹介させて頂きました。ありがとう御座います。

Profile

リック・タナカ(Rick Tanaka)

-----<経歴>-----

信州松本出身。
1980年、シドニーに漂着。
大学中退後、ラジオやテレビ、ウエッブ、雑誌、ニューズレターなどで執筆、制作、コンテンツ制作、翻訳/通訳、音楽マネージメントなどで活動。
1997年、それまで15年暮らしたシドニーから標高千メートルの高原の町カトゥーンバに引っ越し、執筆・メディア活動と並行しながら、消費を抑え生産する楽農生活に突入する。
2007年、大陸の東南に浮かぶ島にある人口300人の村に移住、オイル・ピークと環境ゲテモノ化時代に備える暮らし、近隣社会の構築を模索中。

BookMarks

-----<訳書>-----


『未来のシナリオ』
2010年12月、農文協

-----<著書>-----


『人工社会』
2006年3月、幻冬舎


『楽農パラダイス』
2003年、東京書籍


『おもしろ大陸オーストラリア』
2000年、光文社知恵の森文庫

-----<共著>-----


『Okinawa Dreams Ok』
1997年、Die Gestalten Verlag


『Higher than Heaven:Japan, war and everything』
1995年、Private Guy International

-----<訳書>-----


『沖縄ポップカルチャー』
2000年7月、東京書籍

『首相暗殺』
ロバート・カッツ著、集英社

→ブック・こもんず←

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