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ブログ初心者の告白/confession of an untrained blogger »

1年の計/Tabula rasa

年があらたまるとって、あんまりあらたまることはしない方だけど、また、いちから何でも始められるような気分になるのはありがたいことで、だから、忘れないうちに今年、というか、これから12ヶ月のあいだにやりたいこと、取っ掛かりたいことをメモしておこうと思う。

●行きたい場所:キンセール
ここ何年か、気分的にもエネルギー消費の点からも、飛行機に乗って旅をすることが億劫になっていましたが、今、ひとつ、とても行ってみたい町があります。それはキンセールというアイルランドの田舎町。コーク州/県の中心都市のコーク市から南25キロほどのところにある海岸沿いの古い歴史を持つ町です。現在は保養地として知られ、観光業が産業の中心だそうですが、特に保養に行きたいというわけじゃありません。

昨年暮れ、この町はオイルピーク問題に関心を持つ人たちのあいだで一躍有名になりました。ピークを読み込んだ「エネルギー下降計画」を町当局が正式に政策に取り入れられたからです。行政がオイル・ピークに正面から受け止め、下降への道筋を探るってのは、世界でもここが初めてです。

The Party's OverやPowerdown などの著書があるピーク問題の論客のひとり、リチャード・ハインバーグはキンセールの「エネルギー下降計画」が世界中の自治体で叩き台にされるべき、きわめて重要なものだと評価しています。ハインバーグ自身、カリフォルニア州セバトポル市で減耗時代に備える政策作り、「パワーダウン計画」に関与していますが、これもキンセールの「計画」に触発されたものだということです。

この下降計画はネットでも公開されているので追々紹介していきたい、そう思ってますが、でも、やっぱりこういうのは「計画」作りに関わった人たちだとか、町当局との折衝とかに力を尽くした人たち、町長だとか行政側の人などに直接会って、話を聞いてみたい。また、町の様子や地元の人の取り組みかただとか、そういうところを観察してみたい。
エネルギー下降時代へ世界で初めて歩を進めた町に、ぜひ、見学や取材に行ってみたい。ジェット燃料をばんばん使って地球の向こうまで行く価値、大ありだと思う。

●書きたい本
何冊か、書きたい本があります。
一冊は拙著「楽農パラダイス」の続編のようなもの。構想としては、石油減耗時代の文化としてのパーマカルチャーについて、もっとディープに探ってみたい。脱石油時代の暮らしへの道しるべとなるような本を考えています。
もう一冊はオーストラリアの灯台を訪ねて回る本。これは拙著「おもしろ大陸」の続編みたいな位置になりますが、灯台、といってもかなり数が多いんで、xx年以前に建てられたもの、そしてサンダーバード1号より高いものなど、いい加減な基準で選び、それらを基点に大陸を海岸沿いにぐるりとまわり、この国を素描してみたい。安いガソリンがなくなる前に、この大陸を路上から、もう一度見ておきたい。

●翻訳出版したい本
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昨年はじめに荒翻訳が終わっているデビッド・ホルムグレンの「パーマカルチャー」という大作、これをなんとか、日本で出版させたい。パーマカルチャーをオイルピーク以後の時代にしっかりと位置付けた本で、ピーク以降の暮らしの参考書として世界中で読まれている本です。ちなみに、前述、キンセールの「エネルギー下降計画」を策定した人たちも大いにこの本を参考にしています。

ずっと翻訳したいと思いながら、机の上に置かれっぱなしになっているのが清野栄一の「デッドエンドスカイ」。清野とはかれこれ20年近く前になりますが、三崎町にあったインサイダーの事務所でプラプラしていた時にばったり出会って以来の付き合いです。それから、あちこちで遭遇して、去年は山の上に訪ねてきてくれました。その時昨年出版された2冊の小説「オール・トゥモロウズ・パーティ」と「テクノフォビア」をもらいましたが、とてもおもしろかった。さらりと読めるのに、独特のうねりがあり、読後にいろいろな思いを喚起させる小説を書く作家です。かなり触発されました。
今年はデッドエンドを何章か仮翻訳し、出版社を見つける。そんな作業に取りかかりたいと思っています。英語で世界に紹介されるべき日本の作家だと思います。


●脚力利用の適正技術開発
blender_mech2_250.jpg
(脚力利用のフードプロセッサー。
写真はフンボルト大学CCATのサイトより)

脚力の利用というと自転車、交通が普通なのですが、脚力を利用した道具を作成してみたい。使い古しの自転車などを流用し、脚力を交通手段以外に使う道具を作ってみたい。自転車を発電に使うということは誰でも考えるようで、やっている人もいますが、今ある電気製品を使えるという利点はあっても、あんまり効率はよくないようです。たとえば、ジューサーやミキサーを5分間とか回すために、1時間くらいこがないと必要な電力がたまらない。しかも、バッテリーはどう廃棄するのがいいのか、決断できておらず、抱え込むことにはまだ、ちょっと抵抗があります。
だから、ベダルの力を電気に変えて、それから使うのではなく、直接の動力源として臼だとかフードプロセッサーなんかまわす。そんなのを作ってみたいと思ってます。これなら、ジューサーを5分回すためには5分こぐだけですみます。できれば、揚水用のポンプや洗濯機なんかにも応用してみたい。インターネットを覗くとグアテマラや、カリフォルニアのフンボルト大学とかでそういうことに取り組んでいる人たちがいるようで、写真は見られるんだけど、細かいところがよくわからず、ずっと「今後の課題」のままでした。これも、今年は何とかしたい。

●貧者の建築
IMG_0183.JPG copy
昨年は波打ちトタンとフォークリフト用のパレットを使って、小屋をひとつ建てました。まだまだ改良の余地はありますが、現在の地球上でたいていどこでも手にはいる材料、ほとんどが廃材、しかも大工の経験なしでも建てられるってことで、ある程度世界的に汎用な「貧者の建築」デザインのひとつじゃないかと思っています。
どこかの国の趣味人たちのように、海外で流行りだからってだけで、わざわざ藁をベールに束ねる器械を輸入してストローベールを建築に使うような余裕は、貧者にはありません。身の回りにふんだんにあり、現代社会に見捨てられている材料を使い、雨風をしのげればそれでいいのです。なるべく安く、早く建てられ、しかも建てた後の手入れがいらない、簡単にできること、それが貧者の建築に要求されることです。
今年、素材として使ってみたいのは船積み用のコンテナ、そして古タイヤなどで、それら、現代社会の廃材がどれほど使えるのか、試してみるつもりです。
また、壁についてはある程度理解ができたんで、今年は「屋根」について、もう少し考えてみたい気がしています。というか、泥だとか、ストローベイルだとか、あれやこれや言っても、屋根になるとほとんど似たようなものばかり。なんで、今、興味があるのは屋根のない建築。といっても、青天井ではなく、ドームです。
泥を詰めた古タイヤでドームが建てられないかな、なんて思い描いてます。

●語学習得
20年くらい前に英語を学んで以来、新しい言葉の習得に取り組んでこなかったんですが、今年はひとつ、エストニア語を学びたい。別にエストニア語じゃなくてもいいんですが、あんまり使う人のいない言語を習いたい、そんなふうに思ってます。
今から10年以上も前、まだ独立回復する前のエストニアによく出かけていた頃、習おうかなと考えたこともありましたが、その時は、たかだか百万人くらいしか使わわない言語だからやめとこうと、結局手をつけませんでした。いまは、逆に、たかだか百万にくらいしか使わない言語だから、やろうというように考え方が変わってきています。英語が世界語としてどこでも通用する言葉になりつつあるのはある面、ありがたいんだけど、なんか、世界中に広がるマクドナルドみたいで。


●農業の勉強
これまであれやこれや手探り、経験主義で庭いじりをしてきましたが、そろそろ、学校に入ってしっかり勉強するべきかな、もしくはどこか、農場へでも住み込んでみっちり修行する、なんてことも考えてます。
これは今年どうのこうのなのかどうか分かりませんが。
最近、オーストラリアでも都会から田舎へ移住する人が増えてますが、その楽観主義には、ちょっと、うーんってな気にもなります。百姓たちが失敗し、廃業に追い込まれた土地を買ったり、借りたりして、土いじりをしたこともない人たちが、生計をたてられると思っている。庭いじりなんか習わなくたってできる、そういう態度が間違いだとは思わないし、奨励されるべきですが、その一方で、知
らないことを謙虚に習っていくことも大切なんじゃないか、という気持ちもあります。なんだって、誰だってできるという楽観的な気分、オレだってできるぜって、てなパンクな精神は今でも心の拠り所ですが、その一方で、知らないことを謙虚に学びぶことも必要かな。と。


なんて思ったら、すでに1月もすでに半分終わり、ってことは1/24が終わっ
てしまったってことだ。なのにまだ、何も手をつけていない。あらあら。この調
子じゃ、どれだけ達成できるのか分からないけど、まあ、気楽におちゃらけなが
ら、がんばってみるつもり。

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コメント (2)

こんにちは。
グアテマラで自転車発電ですか。私も、電気も水道も道路もないのに太陽電池と自転車発電でWiFiを使ってのネット接続を支援しているというウガンダの話を聞いたことがありますが、途上国では自転車発電もけっこう使われているのでしょうね。
インターネットどころか、電気が全く使えない生活をしている人々が、世界中で今現在でも16億人以上いるという事実があるわけで、現実的な選択なのでしょう。
そんなことは置いておいても、手作りや工夫の楽しさがありますね。

浅学の身、自転車関連だけコメントさせていただきますが、それにしても旺盛な向上心、見習いたいところです。

cycleroadさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

もう1月が終わってしまったというのに、まだ、ほとんど何も手をつけていません。また、今年もすべて、絵に描いた餅に終わるのでしょうか。こわいです。
cycleroadさんの「相応しい技術」に関する論考が下記で読めます。すばらしい考察です。ぜひ、読んでみてください。
http://blog.cycleroad.com/archives/50329542.html

Profile

リック・タナカ(Rick Tanaka)

-----<経歴>-----

信州松本出身。
1980年、シドニーに漂着。
大学中退後、ラジオやテレビ、ウエッブ、雑誌、ニューズレターなどで執筆、制作、コンテンツ制作、翻訳/通訳、音楽マネージメントなどで活動。
1997年、それまで15年暮らしたシドニーから標高千メートルの高原の町カトゥーンバに引っ越し、執筆・メディア活動と並行しながら、消費を抑え生産する楽農生活に突入する。
2007年、大陸の東南に浮かぶ島にある人口300人の村に移住、オイル・ピークと環境ゲテモノ化時代に備える暮らし、近隣社会の構築を模索中。

BookMarks

-----<訳書>-----


『未来のシナリオ』
2010年12月、農文協

-----<著書>-----


『人工社会』
2006年3月、幻冬舎


『楽農パラダイス』
2003年、東京書籍


『おもしろ大陸オーストラリア』
2000年、光文社知恵の森文庫

-----<共著>-----


『Okinawa Dreams Ok』
1997年、Die Gestalten Verlag


『Higher than Heaven:Japan, war and everything』
1995年、Private Guy International

-----<訳書>-----


『沖縄ポップカルチャー』
2000年7月、東京書籍

『首相暗殺』
ロバート・カッツ著、集英社

→ブック・こもんず←

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