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「必策」に成功した菅総理、失敗した李大統領

 政局は筋書きのないドラマだけに、映画やテレビドラマを見るよりもはるかに面白い。

 野党が提出した不信任案が通り、菅総理が引きずり下ろされると思いきや、菅総理の「秘策」により、不信任案は否決され、総理の座に踏み留まってしまった。その「秘策」とは、辞任について不信任賛成派と反対派にどちらにも都合よく解釈できるような確認事項を鳩山前総理との間で交わし、また代議士会でそのようなニュアンスの言質を行なったことだ。

 確かに菅総理は確認事項では「辞める」とは約束していない。確認事項では「復興に一定のメドをつける」ことを約束しただけだ。また、代議士会での挨拶でも「私がやるべき一定の役割を果たせた段階で、若い世代の皆さんに責任を引き継いでいただきたい」と言っただけに過ぎない。

 鳩山前総理も、小沢一郎元代表も、「辞任の意向」との見出しを載せたマスコミもどうやら復興基本法の成立と第二次補正予算が編成される1~2ヶ月の間に辞めるものと錯覚したようだ。手品師顔負けの菅総理はこの「秘策」でなんとか窮地を脱したようだ。

 そう言えば、同じ手を使った人がもう一人いた。お隣の韓国の李明博大統領その人だ。

 在任中の最後の業績として南北首脳会談を画策し、そのため北朝鮮との秘密接触でネックになっている韓国哨戒艦沈没事件と延坪島事件に関して韓国が強く求めている北朝鮮の謝罪について北から見れば謝罪ではなく、南から見れば謝罪のように見える「妥協案」を示していたことが最近明らかになったばかりだ。

 李大統領の特使は北朝鮮に対して両事件について「南北関係改善のために知恵を出して乗り越えるべき山だ」と、金に困っている北朝鮮のカウンターパートナーにそで下まで出して説得を試みたようだが、北朝鮮は「その手には乗らない」とあっさり拒絶。それどころか、そのやりとりまで暴露してしまった。

 李大統領は失敗したが、菅総理はとりあえずは成功したようだ。それもこれも鳩山前総理らの早合点のせいだ。

 そもそも党内賛成派は「菅総理の下では復興は無理」との一念から野党が提出した不信任案に同調しようとしたのに「復興に一定のメドが付いた段階」を受け入れ、「反対」に態度を豹変させるとは、それ自体がおかしい。そう思うと、信念を曲げず不信任案に「賛成」票を投じた松木謙公議員は筋が通っている。造反者は70人とも80人とも言われていたのに、すでに民主党に離党届を出している横粂議員を除いて、最後まで初志貫徹を貫いたのは松木議員った一人とは、情けない。

 その松木氏を党執行部は除籍処分にしたようだ。また、不信任案には賛成票は投じなかったものの「欠席」「棄権」で抵抗した15人の議員には党員資格停止処分にしたようだが、小沢氏についてはすでに党員資格停止になっているので追加処分はなかったそうだ。

 サッカーに例えるなら、松木氏は即「レッドカード」で一発退場(除籍)させられたのに「親分」の小沢氏は二枚目の「イエロー・カード」でも退場させることはできないということだ。

 菅総理も菅総理で、実にわけのわからないことを言っている。「復旧、復興、原発事故に一定のメドが付いた」ということは、それなりに成果を挙げたということになる。ならば、辞める必然性はない。

 本来ならば、やってみた結果、メドが立たなかったので辞めるというのが筋だ。成功すれば継続、失敗すれば、辞任というのが本来あるべき姿ではないだろうか。

 菅総理は「若い世代の皆さんに責任を引き継いでいただきたい」と言っているが、菅さんは小沢前代表や胡錦涛主席、金正日総書記よりも5つも若いし、再来年2月に任期切れとなる李明博大統領よりも6つも若い。

 結局のところ、この発言も、あるテレビ局の世論調査で次の指導者に一番相応しい人物として小沢前代表の名前が出ていたことを意識したうえでの発言で、自分が辞める時には同年代の鳩山前総理や先輩の小沢前代表を道連れにするということのようだ。実に執念深い人だ。

 とにもかくにも、永田町は魑魅魍魎の世界で、凡人にはわからないことだらけだ。

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しかし、民主党の執行部の粗末さと、昔のセクト並みの総轄は、与党には、民主主義には似合わない。言わば言論の自由を認めない、強権政治。国民は、こんな党に何を求めたのだろうか、後悔の日々でしょう。管とその側近は、何も出来ないのに、政権にしがみ付く、こんな不幸は無い。民主党は、貧しい日本の代表、世界はそう見るのではないでしょうか。

<辺様>
こんにちは。韓国の李大統領は失敗し、日本の菅総理は成功した、との見立てですが、国民にとっては最悪だ。
国難は、放射能だけではない。
瓦礫の処理が進まない。このままなら、感染症が大爆発する可能性がある。
まずは、東北全域の全市民に破傷風の予防接種、チフスやコレラのワクチン投与をしなければならない。
瓦礫の撤去が遅々として進まないのは、未だに分別ゴミなんて事をやっているからだ。法律を改正して、この際、埋め立てでも何でもしなければ進まない。
金だけでなく、人もモノも自治体では不足している。
船にでも積んで、外国に引き取って貰う位、しなければならない。瓦礫ではなく財産だ!という被災者の気持ちも判るけど、財産権を放棄させる法律を作り、一刻も早く通さねばならない。
瓦礫の下のヘドロからネズミ、蝿、蚊…大量発生が目の前まできている。瓦礫撤去の予算は不十分ながら一次補正にあるけど、ヘドロの消毒は予算計上されていない。菅は協力者の助言を排除する。官僚のアドバイスも無視する。
何より、身内の民主党議員からの提案も受け入れない。
この様な状況で、エコタウンや鎮魂の森構想など夢を思い描いている場合ではない。
今すぐ、そこに危機があるのに、何もしない総理。
少しでも生活の足しにして欲しいと出した浄財=義援金は1割しか被害者に渡っていない。昨日は被災女性三人が売春で検挙された。生活に困窮した果てのことだと報じられている。これが、精神が普通ではない総理が統治する先進国日本の姿である。
今すぐ、たとえ10万円でも被災者に渡さなければ、10万人に及ぶ避難所の方々は、毎日カップ麺になる。
私たちは、感謝しなければならない。菅総理退陣の為に動いた政治家に。
胸に留めなければならない。不信任案否決が決定的な本会議において、自民党大島副総裁の涙ながらの演説に込められた想いを。党派は関係ない。菅では日本がダメになるという止むに止まれぬ想い。
しかし、常人の神経も情もなく命を虫けら同然に考える菅の胸には届かない。うすら笑いを浮かべ、総理の椅子にしがみつく醜悪な老人の姿を只ただ曝しただけである。
日本経済は沈没寸前だ。電力をケチっている場合ではない。財務省が金を出さず、石油や天然ガスが買えないなら、財務省に金を出させる術を持つ政治家にやらせるしかない。野田ブ-じゃムリだ。菅総理、策略に使う頭しかない貴方ではムリなんです。

拉致問題に集中し過ぎ.異常.北朝鮮の現状が酷いならば今こそ日本が賠償という形で前提条件なしに援助すべきではないか.過去を見たくないので必死に拉致にすがりついている感じだ.本当に拉致問題を解決したいのか疑問だ.ヤンバダム問題と一緒.現状維持が本音.拉致された人の身になっているのか?受け入れることが出来ない条件をつけてはまとまる訳がない.まとめる気もないのでは.誇りの問題.金にまみれて人間の尊厳を忘れている.辺さん,苦しいところだが,頑張って.

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Profile

辺 真一(ぴょん・じんいる)

-----<経歴>-----

1947年東京生まれ。
明治学院大学(英文科)卒業後、新聞記者(10年)を経て、フリージャーナリストへ。
1980年 北朝鮮取材訪問。
1982年 朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」創刊。現編集長。
1985年 「神戸ユニバシアード」で南北共同応援団結成。統一応援旗を製作。
1986年 テレビ、ラジオで評論活動を開始。
1991年 南北国連同時加盟記念祝賀宴を東京で開催。北朝鮮への名古屋からの民間直行便開設に助力。
1992年 韓国取材開始。(以後今日まで二十数回に及ぶ)
1998年 ラジオ短波「アジアニュース」パーソナリティー。
1999年 参議院朝鮮問題調査会の参考人。
2003年 海上保安庁政策アドバイザー。
2003年 沖縄大学客員教授。
現在、コリア・レポート編集長、日本ペンクラブ会員。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
「辺真一のコリア・レポート」

-----<著作>-----


『「金正日」の真実』
小学館、2003年1月


『金正日「延命工作」全情報』
小学館、2002年11月


『強者としての在日』
ザ・マサダ、2000年11月


『「北朝鮮」知識人からの内部告発』
三笠書房、2000年1月


『北朝鮮亡命730日ドキュメント』
小学館、1999年6月


『北朝鮮100の新常識』
ザ・マサダ、1999年5月

『ビジネスマンのための韓国人と上手につきあう法』
ジャパン・ミックス、1997年12月

『朝鮮半島Xデー』
DHC、1994年8月

『表裏の朝鮮半島』
天山出版、1992年4月

-----<共著>-----


『読売 VS 朝日 社説対決 北朝鮮問題』
中央公論新社、2002年12月

『韓国経済ハンドブック』
全日出版、2002年3月

『一触即発の38度線』
飛鳥新社、1988年7月

-----<訳書>-----


『北朝鮮が核を発射する日』
PHP研究所、2004年12月

『凍れる河を超えて(上)』
講談社、2000年6月

『凍れる河を超えて(下)』
講談社、2000年6月

『私が韓国をキライになった48の理由』
ザ・マサダ、1998年9月

『潜航指令』
ザ・マサダ、1998年7月

『生きたい!』
ザ・マサダ、1997年7月


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