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北朝鮮は日本の早期警戒管制機を撃墜できるか »

北朝鮮は3度目の核実験をできるのか

 国連で北朝鮮に対する新たな制裁決議が採択されれば、北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射するのではと、警戒している最中、米CNNテレビは昨日、米政府筋の話として、北朝鮮が新たな核実験を準備している可能性を示す兆候があると報じていました。

 フォックスニュースも、北朝鮮が国連安保理の決議案採択に対抗して3度目の核実験を強行するとの情報を米情報当局が把握し、オバマ大統領に報告したと、伝えていました。

 フォックスニュースは、CIAが北朝鮮は対抗措置として4つの行動に出る可能性があるとして、その4つの行動を、①核燃料棒再処理によるプルトニウム生産②ウラン濃縮への動き③西側軍事基地からの大陸間弾道ミサイル追加発射、そして④3度目の核実験を上げていました。

 フォックスニュースは「世界で最も情報が取りにくい北朝鮮についてCIAがどのようにして情報を把握したのかについては触れていなかった」と報じていましたが、どのようにもなにも、CIAでなくても、誰でも簡単に予想、把握できることです。

 北朝鮮の対抗措置がICBMなのか、3度目の核実験なのか、どちらが先になるのかだが、順当ならば、ICBMでしょう。ICBMを発射すれば、国連安保理が再び召集され、今度は軍事的手段を含む臨検など強硬な制裁が科せられます。北朝鮮がまたそれに対抗して、核実験に踏み切るでしょう。

 この米国からの報道に接して、北朝鮮が5月25日に核実験を強行したばかりなのに、1ヶ月もしない間に可能なのか?プルトニウムの浪費ではないか?2度実験が行なわれた豊渓里の地下実験場は使えるのか?などの疑問が沸くのは当然です。しかし、よく考えてみますと、インドも、パキスタンも続けて核実験を行なっていました。

 インドは1998年5月11日に3回、13日に2回の計5回行なっていました。実験には驚いたことに水素爆弾も含まれていました。

 実験場所は初めて実験を行なった1974年と同じくラジャスタン州の砂漠にあるポカラン試験場で、実験は全て地下で行われました。ちなみに爆発の最大規模は地震計により最大12キロトンと推定されていました。

 パキスタンもインドに対抗して1998年5月28日、30日と核実験を行なっています。28日は西部バルチスタン州のチャガイ山地にある核実験場で計5回、30日は場所を替えて、バルチスタン州のチャガイ丘陵付近で実施されています。

 「パキスタンの核開発の父」と称されるカーン博士は28日の5回の核実験について「原始的な装置ではなく、コンパクトで強力な兵器だ」と強調していました。しかし、実験による地震波は1回しか観測されていなかったそうです。

 一日に本当に核実験を連続して5回もやったとは信じがたいとして、一部では計5回の実験をしたインドに対抗して数字を合わせたとの見方も出ていました。

 米情報機関は「実験は2回で、規模も5キロトンから10キロトン」との見方を取っていましたが、探知が困難な小型の核爆弾だったとの可能性も指摘されていました。

 米政府は回数も含めて核実験を分析中としたものの、結局最終的な報告書を出さないまま今日に至っています。その後、パキスタン国防省は、短距離ミサイル搭載用の核弾頭開発のための核爆発実験が実施されたことを明らかにしていました。

 北朝鮮の5月25日の核実験についても同様で、米国はまだ正式な見解を発表していません。米国同様に日韓も出せないでいます。

 北朝鮮の核実験については本当に核実験だったのか、放射能が探知されないのはなぜか?核実験なら失敗したのか、成功したのか?仮に成功したなら、規模はどの程度なのか?小型化の実験の可能性はないのか?弾道ミサイルに搭載は可能なのか?様々な疑問がそのまま残されています。

 疑問が晴れないまま、北朝鮮は今まさにICBM、そして3度目の核実験をやろうとしています。

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中国のある海軍少将が自身のブログで「北朝鮮の核実験で日本は大きな衝撃を受けたが、日本が先制攻撃を行なうことはない」と書いていたそうです。
海軍少将ともあろう人が自分のブログでって。驚きです、中国も言論の自由があるのですね。
田母神氏が自衛隊内部で敵地攻撃を想定した議論をしただけでも問題になり、政治問題にまで発展しけしからん任命責任を問えという事になってしまう、自衛隊は言論封殺されていて、とても民主主義国家とは思えないと自伝で述べておられたそうですが、中国側では有事を想定した個人の言論については、自国に批判的でなければ、日本よりも自由に発言できるのかもしれません。

国連で制裁決議が採択された後の北の動きについて、何かを想定しまた対処するなどの議論自体も与野党内で封殺し、後手後手対応するのでしょうか?
災害天災と同じで専門的対策本部が必要です。

辺氏のコメントは事実を知る上で等ためになるでしょう。
辺氏は何を言いかよく判りません。
 北朝鮮の意図
 日本のとるべき対策
 米、中、韓、露国の対応について等々。
自分の意見。見通しを含めたコメントを希望します。

いつも拝見しております。大変勉強になります。

北朝鮮は、国家の最高利益が侵害される場合、核実験やミサイル発射をいくらでも行う権利を持っており、それは正当防衛措置だと主張していることから、北はタイミングを見て、ICBMを発射するのではないかと思ってしまいます。

インドも、パキスタンも続けて核実験を行なった例があることから、北朝鮮が3度目の核実験をできることもありうるのですね。
また、米政府は回数も含めて核実験を分析中としたものの、結局最終的な報告書を出さないまま今日に至った例があることから、北朝鮮の5月25日の核実験についても、そのようになることもありえるのですね。
大変勉強になります。

北の2度目の核実験を受けた国際社会の制裁の動きに対し、北は、特別に日本を非難しているようですね。本当に困ったことです。与党は何を考えて、北から余計に睨まれることをするのでしょうか。全く意味不明です。この時期に、先日、鳩山さんが訪韓したことは危機的な日本の外交を救うのに、きわめて有益であったと私は思っています。
公海上で船舶検査について、自民党内の一部から驚くべき暴論があがっているようですが、とても正気とは思えません。とんでもないことです。

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Profile

辺 真一(ぴょん・じんいる)

-----<経歴>-----

1947年東京生まれ。
明治学院大学(英文科)卒業後、新聞記者(10年)を経て、フリージャーナリストへ。
1980年 北朝鮮取材訪問。
1982年 朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」創刊。現編集長。
1985年 「神戸ユニバシアード」で南北共同応援団結成。統一応援旗を製作。
1986年 テレビ、ラジオで評論活動を開始。
1991年 南北国連同時加盟記念祝賀宴を東京で開催。北朝鮮への名古屋からの民間直行便開設に助力。
1992年 韓国取材開始。(以後今日まで二十数回に及ぶ)
1998年 ラジオ短波「アジアニュース」パーソナリティー。
1999年 参議院朝鮮問題調査会の参考人。
2003年 海上保安庁政策アドバイザー。
2003年 沖縄大学客員教授。
現在、コリア・レポート編集長、日本ペンクラブ会員。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
「辺真一のコリア・レポート」

-----<著作>-----


『「金正日」の真実』
小学館、2003年1月


『金正日「延命工作」全情報』
小学館、2002年11月


『強者としての在日』
ザ・マサダ、2000年11月


『「北朝鮮」知識人からの内部告発』
三笠書房、2000年1月


『北朝鮮亡命730日ドキュメント』
小学館、1999年6月


『北朝鮮100の新常識』
ザ・マサダ、1999年5月

『ビジネスマンのための韓国人と上手につきあう法』
ジャパン・ミックス、1997年12月

『朝鮮半島Xデー』
DHC、1994年8月

『表裏の朝鮮半島』
天山出版、1992年4月

-----<共著>-----


『読売 VS 朝日 社説対決 北朝鮮問題』
中央公論新社、2002年12月

『韓国経済ハンドブック』
全日出版、2002年3月

『一触即発の38度線』
飛鳥新社、1988年7月

-----<訳書>-----


『北朝鮮が核を発射する日』
PHP研究所、2004年12月

『凍れる河を超えて(上)』
講談社、2000年6月

『凍れる河を超えて(下)』
講談社、2000年6月

『私が韓国をキライになった48の理由』
ザ・マサダ、1998年9月

『潜航指令』
ザ・マサダ、1998年7月

『生きたい!』
ザ・マサダ、1997年7月


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