Calendar

2009年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

« 北朝鮮に報復能力はあるのか?
メイン
国連安保理「議長声明」の次は »

国連の経済制裁と逆行するEU企業の北朝鮮進出

 北朝鮮は核とミサイル問題で国連の経済制裁に直面しているが、驚いたことに水面下ではEUなど西側企業による北朝鮮市場への進出が始まっている。

 北朝鮮が外交的に孤立しているのは事実だが、それでも国連加盟国(192か国)中、160余か国と国交を結んでおり、EU加盟国ではフランスを除くすべての国と国交がある。但し、北朝鮮とEUとの貿易は北朝鮮の全体貿易量の10%程度に過ぎない。それでも、08年上半期は8、800万ドルと、2007年上半期の7、000万ドルから26%も増加している(EUの対北輸出6400万ドル、輸入2400万ドル)。

 平壌にはすでに欧州11の企業から成る欧州企業連合会が結成され、合弁事業を展開している。
 進出企業を国別でみると、以下のような企業がすでにビジネスを展開中である。
 イタリアはブリンデルリ法律会社と世界的運送会社のDHLが進出しているし、英国は、オリンド(Orind)社が北朝鮮のマグネサイトに食指を伸ばしている。
 また、アミネックス精油会社が北朝鮮との油田開発との関連で20年間の試掘契約を締結し、採掘を行なっている。採掘している石油埋蔵量について40~50億バレルと同社では推定しているが、資金の調達が難航し、足踏み状態にある。
 この他にロンドンの金融監督庁監督下にある「アングロ・ジノ・キャピタル投資会社」などが北朝鮮向け「朝鮮開発投資ファンド」(通称:朝鮮ファンド)を設立し、資金募集に乗り出している。鉱山や鉱物の開発への投資が目的である。
 フランスは北朝鮮と国交がないものの、パリには貿易の窓口として北朝鮮通商代表部がある。また、ラファース(Lafarse)社は平壌祥元(サンウォン)セメント会社に1億1千5百万ドルを投資しているエジプトのオラスコム社を150億ドルで買収している。オラスコム社は07年7月に祥元セメント工場の持ち株50%を取得しているので、実質的にラファース社の手にあると言っても過言ではない。
 スウェーデンは「NOKO Jean社」が北朝鮮では資本主義の象徴とみなされているジーパンの委託加工工場を北朝鮮企業と合弁で建設し、生産、輸出している。
 オランダでは昨年9月27日から10月4日まで7泊8日の日程で15の企業から成る市場開拓事業団(トレードミッション)が訪朝している。今年4月には北朝鮮から経済ミッションを招き、EU企業を対象に対北投資説明会を開く予定だ。
 西側企業にあって北朝鮮に進出しているのはEUだけでない。オーストラリアのRHIという会社も07年に端川のマグネサイト鉱山に800万ユーロを投資している。また、マラタナ信託会社が07年2月22日に北朝鮮の財務省と合弁で小規模の貸付金融合弁会社を設立し、すでに貸付を始めている。
 北朝鮮への経済制裁を解いていない米国でも、スターテック社が北朝鮮逓信会社との間で音声、インターネットプロトコール供給契約を締結している。
 北朝鮮に進出しているエジプトのオラスコム・テレコム社が今年1月から平壌で携帯電話の開通とインターネット高速サビース事業を開始したが、オスラコム・テレコムのバックには米企業がいる。オラスコム・テレコム・ホールディングを傘下に置いているウェザーインベストメンツの株を大量に取得しているのが米投資会社のブラックストーングループとエイペックス・パートナーズワールドワイドLLP社なのである。
 韓国の現代経済研究院が昨年2月3日に発表した「EU新アジア戦略分析と視点」と題する報告書によると、EUは北朝鮮を鉱物資源の宝庫とみなし、北朝鮮の発電設備や通信網の近代化事業、鉄道運輸システムの現代化事業から委託加工事業、観光事業への投資に大きな関心を寄せている。

 昨年9月(22-25日)に平壌で開かれた国際商品展覧会に中国、ロシアの他、英国、ドイツ、スウェーデン、デンマーク、ポーランド、シンガポール、インドネシアなど150か国の企業が訪れている。その中には平壌滞在中に携帯電話ゲーム、ソフトウェア開発に関する契約を交わした企業もある。
 今年も5月9日から16日までの間に開かれる国際商品展覧会にオランダ、スイス、スペインなどの企業から構成される対北事業団が参加し、情報技術やIT関連を中心に北朝鮮企業を視察する予定だ。◆

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/1941

コメント (2)

「オバマ外交に戦略無し?」
北朝鮮対策には、まだ何もに詰まって対応後手後手なのでしょうね。経済経済で厳しいのは判るけれど、訳の判らない日本の言う事を聞いていてもどうしょうないのでは?
 本来なら日本の言う事を聞いてくれるのはありがたいけれど、こんな遣り方では誰にとってもありがたいものは無い。でも、強いて言えば、何も見えてない国民が表面的な判りやすい対応で、麻生政権やっているねと思って、少し支持率が上がる程度の話だけ。
 残念だけどこの流れは数ヵ月後に、北朝鮮が核実験をやると言う事になるのでしょうね。また、遠回りをしてしまった。

『北朝鮮と台湾の関係』 核廃棄物

核開発などで何かと話題に上る北朝鮮と台湾の以外な関係をまとめてみましたので
ご参考まで。

 http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2004/00241/contents/500.htm

 http://72.14.203.104/search?q=cache:Dgo-61n9W8sJ:nippon.zaidan.info/seikabutsu/2004/00241/contents/500.htm+%E6%A0%B8%E5%BB%83%E6%A3%84%E7%89%A9%E3%80%80%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E3%80%80%E6%9D%8E%E7%99%BB%E8%BC%9D&hl=ja&gl=jp&ct=clnk&cd=2
 
  日本財団 図書館
  1997/06/10 世界週報

  必ずしも足並みがそろわぬ米側の対応

  加えて、四月一二日、李登輝総統は、イギリスの賓客との会見の中で、
  北朝鮮問題とそれに関する台湾の対応策に言及したといわれる。
  だが、かねてから話題となっていた台湾の核廃棄物を北朝鮮で処理する問題については、
  既述のギングリッチ米下院議長ですら李登輝総統との会見で抑制を促したもようである。

 http://ritouki-aichi.sblo.jp/article/31540733.html?reload=2009-08-27T15:15:16
  愛知李登輝友の会ブログ
   2009年08月23日
    のコメント欄をご覧ください

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※[投稿]ボタンをクリックしてから投稿が完了するまで数十秒かかる場合がございますので、2度押しせずに画面が切り替わるまでお待ちください。

Profile

辺 真一(ぴょん・じんいる)

-----<経歴>-----

1947年東京生まれ。
明治学院大学(英文科)卒業後、新聞記者(10年)を経て、フリージャーナリストへ。
1980年 北朝鮮取材訪問。
1982年 朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」創刊。現編集長。
1985年 「神戸ユニバシアード」で南北共同応援団結成。統一応援旗を製作。
1986年 テレビ、ラジオで評論活動を開始。
1991年 南北国連同時加盟記念祝賀宴を東京で開催。北朝鮮への名古屋からの民間直行便開設に助力。
1992年 韓国取材開始。(以後今日まで二十数回に及ぶ)
1998年 ラジオ短波「アジアニュース」パーソナリティー。
1999年 参議院朝鮮問題調査会の参考人。
2003年 海上保安庁政策アドバイザー。
2003年 沖縄大学客員教授。
現在、コリア・レポート編集長、日本ペンクラブ会員。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
「辺真一のコリア・レポート」

-----<著作>-----


『「金正日」の真実』
小学館、2003年1月


『金正日「延命工作」全情報』
小学館、2002年11月


『強者としての在日』
ザ・マサダ、2000年11月


『「北朝鮮」知識人からの内部告発』
三笠書房、2000年1月


『北朝鮮亡命730日ドキュメント』
小学館、1999年6月


『北朝鮮100の新常識』
ザ・マサダ、1999年5月

『ビジネスマンのための韓国人と上手につきあう法』
ジャパン・ミックス、1997年12月

『朝鮮半島Xデー』
DHC、1994年8月

『表裏の朝鮮半島』
天山出版、1992年4月

-----<共著>-----


『読売 VS 朝日 社説対決 北朝鮮問題』
中央公論新社、2002年12月

『韓国経済ハンドブック』
全日出版、2002年3月

『一触即発の38度線』
飛鳥新社、1988年7月

-----<訳書>-----


『北朝鮮が核を発射する日』
PHP研究所、2004年12月

『凍れる河を超えて(上)』
講談社、2000年6月

『凍れる河を超えて(下)』
講談社、2000年6月

『私が韓国をキライになった48の理由』
ザ・マサダ、1998年9月

『潜航指令』
ザ・マサダ、1998年7月

『生きたい!』
ザ・マサダ、1997年7月


当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.