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「拉致成果ゼロ」の安倍政権 »

「安倍辞任」で拉致問題は動くか

 安倍総理の辞任は、順番からすると、韓国の盧武鉉大統領、ロシアのプーチン大統領、米国のブッシュ大統領の後の筈だったのですが、他の誰よりも真っ先に辞めてしまいました。

 「安倍辞任」には米国、中国、韓国をはじめ各国が素早い反応を示しましたが、北朝鮮は今も沈黙したままです。朝鮮中央テレビの放送を待つまでもなく、おそらく北朝鮮は諸手を挙げて「大歓迎」でしょう。拉致問題との関連で、北朝鮮に対しては「強攻策」で対抗してきた「憎き安倍」が辞めたわけですから当然かもしれません。

 安倍さんは各国の支持を取り付け、国際包囲網を築き、北朝鮮を孤立させ、経済制裁で干し上げ、譲歩を引き出す、という戦法をとってきました。世界各国に拉致問題を訴え、あさりも松茸も、船も止め、そして朝鮮総連も締め上げてきました。それでも音を上げなければ金正日政権のレジーム・チェンジも辞さないと、強気一辺倒でした。

 小泉政権の官房長官の頃から北朝鮮に妥協なき戦いを挑み、総理になった今は、まさに金正日政権とのチキンレースの真只中にありました。直前の所信演説でも「すべての拉致被害者が帰国を果たすまで、鉄の意志で取り組む」と、一歩も引き下がらないとの決意まで表明していました。それが、決着を見ないまま、レース途中で下りてしまったわけですから、これでは「敵前逃亡」と言われても仕方がないかもしれません。拉致被害者の家族が落胆、失望する気持ちもわかります。

 「安倍さんなら必ず拉致問題を解決できる」との国民の期待を受けて発足した政権ですが、この1年間、結局拉致問題では何ら結果を出せませんでした。成果はゼロでした。むやみに時間を浪費したに過ぎませんでした。それもこれも北朝鮮が「安倍政権相手にせず」との強気な態度に出てきたことに尽きます。

 「安倍を利するようなことは一切しない」と、小泉政権の時とは違って、参議院選挙前も動きませんでした。先の日朝作業部会では「誘い水」として北朝鮮が求めていた「過去の清算」に言及し、また人道支援を示唆するなど少しはソフトに出たものの北朝鮮は全く乗ってきませんでした。期待していた「再調査」という言葉を引き出すことができませんでした。そして皮肉にも、安倍政権がこのような形でレジームチェンジを強いられることになりました。結果として日本でなく、北朝鮮のほうが終始一貫「毅然たる外交」を貫いた格好となりました。

 「兵糧攻めにすれば、必ず落ちる」「日本の協力なくして北朝鮮の経済再建はないから」と、誰かの入り知恵で対北外交、政策の柱とした「強攻策」が裏目に出た今となっては、次の政権は誰がなっても軌道修正を余儀なくされるでしょう。米朝が関係修復に向かっている最中、また米国、中国、韓国、ロシアなどからも柔軟に対応するよう「圧力」が予想されることから日本一カ国だけが「抵抗勢力」でいられるはずはありません。また、北朝鮮にとっては日朝関係の「癌」のような存在だった安倍総理が取り除かれた今、これ以上日朝交渉や拉致問題でのサボタージュは許されません。「安倍辞任」で日朝が進展し、拉致問題が少しは動くかもしれません。

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Profile

辺 真一(ぴょん・じんいる)

-----<経歴>-----

1947年東京生まれ。
明治学院大学(英文科)卒業後、新聞記者(10年)を経て、フリージャーナリストへ。
1980年 北朝鮮取材訪問。
1982年 朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」創刊。現編集長。
1985年 「神戸ユニバシアード」で南北共同応援団結成。統一応援旗を製作。
1986年 テレビ、ラジオで評論活動を開始。
1991年 南北国連同時加盟記念祝賀宴を東京で開催。北朝鮮への名古屋からの民間直行便開設に助力。
1992年 韓国取材開始。(以後今日まで二十数回に及ぶ)
1998年 ラジオ短波「アジアニュース」パーソナリティー。
1999年 参議院朝鮮問題調査会の参考人。
2003年 海上保安庁政策アドバイザー。
2003年 沖縄大学客員教授。
現在、コリア・レポート編集長、日本ペンクラブ会員。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
「辺真一のコリア・レポート」

-----<著作>-----


『「金正日」の真実』
小学館、2003年1月


『金正日「延命工作」全情報』
小学館、2002年11月


『強者としての在日』
ザ・マサダ、2000年11月


『「北朝鮮」知識人からの内部告発』
三笠書房、2000年1月


『北朝鮮亡命730日ドキュメント』
小学館、1999年6月


『北朝鮮100の新常識』
ザ・マサダ、1999年5月

『ビジネスマンのための韓国人と上手につきあう法』
ジャパン・ミックス、1997年12月

『朝鮮半島Xデー』
DHC、1994年8月

『表裏の朝鮮半島』
天山出版、1992年4月

-----<共著>-----


『読売 VS 朝日 社説対決 北朝鮮問題』
中央公論新社、2002年12月

『韓国経済ハンドブック』
全日出版、2002年3月

『一触即発の38度線』
飛鳥新社、1988年7月

-----<訳書>-----


『北朝鮮が核を発射する日』
PHP研究所、2004年12月

『凍れる河を超えて(上)』
講談社、2000年6月

『凍れる河を超えて(下)』
講談社、2000年6月

『私が韓国をキライになった48の理由』
ザ・マサダ、1998年9月

『潜航指令』
ザ・マサダ、1998年7月

『生きたい!』
ザ・マサダ、1997年7月


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