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例の「スパイ事件」は米国!!

 北朝鮮の治安機関である国家安全保衛部は9月5日、北朝鮮国内で外国情報機関によるスパイを摘発したと発表しましたが、外国情報機関の国名や「経済人を装って潜入した」スパイの名前は今も伏せられたままです。そのため、日韓のマスコミの間ではこの「外国情報機関」がどこの国を指すのかに多くの関心が集まっています。

 日本では、逮捕されたのはもしかして日本人ではないかとの観測も流れました。日朝作業部会の当日に発表されたこともあって「日本を牽制するため意図的に仕組んだ」というのが根拠の一つにされました。一部では「中国説」も出回っていました。「相手が友好国の中国なので名前を公表できなかったのは」と。

 しかし、日本でも、中国でも、韓国でもありません。「スパイ事件」を発表した国家安全保衛部広報官が「帝国主義諜報謀略機関」とか「敵対勢力」という表現を使っていたことから当初から「米国」ではないかと睨んでいましたが、やはり米国の公算が高いです。と言うのも、北朝鮮の金英逸総理が8日の建国記念報告大会で「米国は対話の裏で我が国を内部から瓦解させる心理謀略戦を行なっている」と米国を批判していたからです。

 国家安全保衛部広報官の会見でも「敵対勢力は我が国を対象に心理謀略戦を行なっている」という文言がありました。広報官の発言と李総理の演説を照合すると、「外国」が「米国」を示唆していることがわかります。逮捕されたのは、おそらくCIAか、DIAのエージェントで、中国系朝鮮族か、米国籍を持った在米韓国人ではないでしょうか。「青い目」の外国人には北朝鮮で人目に付かず活動するのは不可能だからです。

 そう言えば、8年前にも「カーレン・ハン」という名の米国籍の韓国人女性が北朝鮮の自由貿易地帯、羅先市を視察中にスパイ容疑で逮捕され、1ヶ月以上も拘束されるという事件が起きています。駐韓米大使館に勤務したことのある元米外交官と結婚し、北京で繊維関係の事業をしていたこの女性は、サムソン物産がピョンヤン近郊で計画していた繊維賃貸加工工場の仕事に関わる一方で、韓国の財閥と北朝鮮を結ぶロビイストの仕事をしていました。

 92年頃から北朝鮮に出入りし、驚いたことに金正日総書記の実妹、金慶喜党経済政策検閲部長とも面識がありました、彼女はカトリック系宗教団体が羅先自由貿易地帯に病院を建設する費用(300万ドル)の一部(10万ドル)を届けるため羅先市の招待を受けて99年6月15日、中国の延吉から入国し、病院関係者らと会って、17日にホテルを出るところ、逮捕され、連行されました。

 この年は、金正宇対外経済協力推進員会委員長ら対外経済関係者や対南関係者らが収賄容疑やスパイ容疑で相次いで逮捕され、失脚しましたが、一連の調査の過程で、彼女の名前が出てきたそうです。

 今回、北朝鮮は国名を公表しなかったことについて「国家安全上の理由」としていますが、米国との関係が改善しつつある状況下にあって、またテロ支援国指定の解除を求めている最中に、米国を公然と刺激するのは得策ではないとの判断があり、配慮したのでしょう。このまま公表しないで水面下で内々処理するのか、あるいは表沙汰にするのか、それもこれも米朝関係の進展如何にかかっています。

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Profile

辺 真一(ぴょん・じんいる)

-----<経歴>-----

1947年東京生まれ。
明治学院大学(英文科)卒業後、新聞記者(10年)を経て、フリージャーナリストへ。
1980年 北朝鮮取材訪問。
1982年 朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」創刊。現編集長。
1985年 「神戸ユニバシアード」で南北共同応援団結成。統一応援旗を製作。
1986年 テレビ、ラジオで評論活動を開始。
1991年 南北国連同時加盟記念祝賀宴を東京で開催。北朝鮮への名古屋からの民間直行便開設に助力。
1992年 韓国取材開始。(以後今日まで二十数回に及ぶ)
1998年 ラジオ短波「アジアニュース」パーソナリティー。
1999年 参議院朝鮮問題調査会の参考人。
2003年 海上保安庁政策アドバイザー。
2003年 沖縄大学客員教授。
現在、コリア・レポート編集長、日本ペンクラブ会員。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
「辺真一のコリア・レポート」

-----<著作>-----


『「金正日」の真実』
小学館、2003年1月


『金正日「延命工作」全情報』
小学館、2002年11月


『強者としての在日』
ザ・マサダ、2000年11月


『「北朝鮮」知識人からの内部告発』
三笠書房、2000年1月


『北朝鮮亡命730日ドキュメント』
小学館、1999年6月


『北朝鮮100の新常識』
ザ・マサダ、1999年5月

『ビジネスマンのための韓国人と上手につきあう法』
ジャパン・ミックス、1997年12月

『朝鮮半島Xデー』
DHC、1994年8月

『表裏の朝鮮半島』
天山出版、1992年4月

-----<共著>-----


『読売 VS 朝日 社説対決 北朝鮮問題』
中央公論新社、2002年12月

『韓国経済ハンドブック』
全日出版、2002年3月

『一触即発の38度線』
飛鳥新社、1988年7月

-----<訳書>-----


『北朝鮮が核を発射する日』
PHP研究所、2004年12月

『凍れる河を超えて(上)』
講談社、2000年6月

『凍れる河を超えて(下)』
講談社、2000年6月

『私が韓国をキライになった48の理由』
ザ・マサダ、1998年9月

『潜航指令』
ザ・マサダ、1998年7月

『生きたい!』
ザ・マサダ、1997年7月


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