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参議院選前に拉致被害者帰国の「仰天情報」

 「参議院選挙一週間前に拉致被害者を乗せた万景峰号が日本に入港する案が日朝間で台頭している」とのソウル発の「びっくり仰天情報」が飛び込んできました。発信源は脱北者らが運営する韓国インターネット新聞「ザ・デイリーNK(ノースコリア)」で、「日本の外交消息筋」の話として伝えています。

 同紙は、「現在、日朝両国は拉致問題を解決すべきであるという点で意見の一致をみている」とし、「どのような方法で解決するかが首相官邸及び金正日委員長の関心事である」と伝え「万景峰号入港案もその論議の中で出てきた」と書いています。日本のメディアには全く伝えられていないことが書かれているから奇妙です。

 一言で言って、荒唐無稽と言わざるを得ません。「ネタ元」の「日本の外交消息筋」は架空で、おそらく記者の自作による作文でしょう。記事を書いた記者は、経済制裁が解かれない限り、万景峰号が入港できない事実さえわかっていません。

 第二に、二日前に出された北朝鮮外務省スポークスマンの声明を読めば一目瞭然です。朝鮮総連本部売却問題との関連で「朝鮮総連弾圧策動を決して傍観しない。当該部門で必要な措置を講じる」と日本政府を非難していましたが、安倍政権のことを「安倍一党」と称していました。「一党」という表現は日本的に言うと「一派」あるいは「一味」という意味です。この敵意丸出しの呼称からも北朝鮮にその気がないことは明白です。

 ロイター通信の6月28日付の記事が引用されているところをみると、おそらく便乗したのでしょう。ロイターは「金正日総書記が拉致問題で徹底的な調査を行なうよう指示した」と、「北朝鮮に近いある関係者」の話として伝えていました。

 北京発からして、この関係者は中国人とみられがちですが、おそらく26日まで北朝鮮を訪問していた欧州議会代表団のメンバーではないでしょうか。欧州議会訪朝団は韓国に出発する27日まで北京に滞在していました。

 調べてみると、欧州議会代表団と会談したのは外務省の人間で、一行は金正日総書記には会えませんでした。仮に本当に金総書記が再調査を命じたならば、それは米国の顔を立てたからではないでしょうか。是が非でも拉致問題の進展が欲しい日本はヒル次官補に北朝鮮への説得を依頼していました。ヒル次官補も日本に経済支援させるためにも再調査に応じるのが得策だと進言していました。

 案の定、麻生外相は早速、金総書記の徹底調査指示が事実であれば「拉致問題の進展」と評価する発言をしていました。もちろん、「行動を見てから(進展かどうかを)判断する」と、釘を刺していましたが、拉致問題で進展がなければ、核問題で米国と共同歩調が取れない安倍政権に「淡い期待」があっても不思議ではありません。

 北朝鮮が再調査に着手して、その結果が拉致被害者家族にとって「吉報」となれば良いのですが、おそらくこれまでと同じ「ゼロ回答」となる公算が強いです。むしろ日本への「最後通牒」となる可能性が高いです。今月は6か国協議と参議院選挙がありますので、拉致問題絡みで何か動きがあっても不思議ではありません。

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Profile

辺 真一(ぴょん・じんいる)

-----<経歴>-----

1947年東京生まれ。
明治学院大学(英文科)卒業後、新聞記者(10年)を経て、フリージャーナリストへ。
1980年 北朝鮮取材訪問。
1982年 朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」創刊。現編集長。
1985年 「神戸ユニバシアード」で南北共同応援団結成。統一応援旗を製作。
1986年 テレビ、ラジオで評論活動を開始。
1991年 南北国連同時加盟記念祝賀宴を東京で開催。北朝鮮への名古屋からの民間直行便開設に助力。
1992年 韓国取材開始。(以後今日まで二十数回に及ぶ)
1998年 ラジオ短波「アジアニュース」パーソナリティー。
1999年 参議院朝鮮問題調査会の参考人。
2003年 海上保安庁政策アドバイザー。
2003年 沖縄大学客員教授。
現在、コリア・レポート編集長、日本ペンクラブ会員。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
「辺真一のコリア・レポート」

-----<著作>-----


『「金正日」の真実』
小学館、2003年1月


『金正日「延命工作」全情報』
小学館、2002年11月


『強者としての在日』
ザ・マサダ、2000年11月


『「北朝鮮」知識人からの内部告発』
三笠書房、2000年1月


『北朝鮮亡命730日ドキュメント』
小学館、1999年6月


『北朝鮮100の新常識』
ザ・マサダ、1999年5月

『ビジネスマンのための韓国人と上手につきあう法』
ジャパン・ミックス、1997年12月

『朝鮮半島Xデー』
DHC、1994年8月

『表裏の朝鮮半島』
天山出版、1992年4月

-----<共著>-----


『読売 VS 朝日 社説対決 北朝鮮問題』
中央公論新社、2002年12月

『韓国経済ハンドブック』
全日出版、2002年3月

『一触即発の38度線』
飛鳥新社、1988年7月

-----<訳書>-----


『北朝鮮が核を発射する日』
PHP研究所、2004年12月

『凍れる河を超えて(上)』
講談社、2000年6月

『凍れる河を超えて(下)』
講談社、2000年6月

『私が韓国をキライになった48の理由』
ザ・マサダ、1998年9月

『潜航指令』
ザ・マサダ、1998年7月

『生きたい!』
ザ・マサダ、1997年7月


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