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次は、総連の許宗万副議長か

 島根、大分での講演のため二日間、東京を留守にしている間、朝鮮総連中央本部の土地・建物売却問題をめぐる幾つかの謎が徐々に解き明かされつつあります。

 これまでの報道を整理しますと、①売主の朝鮮総連の許宗万責任副議長と買主の緒方重威元公安調査庁長官の仲介者は元日弁連会長土屋公献弁護士ではなく、都内在住の不動産会社元社長であった②元社長はかつて住宅金融債権管理機構の債権回収を逃れようとしたとして強制執行妨害容疑などで逮捕された経歴がある③元社長は度々訪朝し、朝鮮総連とは深いかかわりがあった③35億円の出資者も元社長が斡旋し、緒方氏に紹介した④出資者は新宿にある経営コンサルタント会社の代表である。

 要は、許責任副議長が元不動産会社社長に売却先を依頼し、元社長が買主を見つけたうえで緒方氏に売買取引の受け皿になることを要請し、緒方氏が承諾したので朝鮮総連側から代理人の元日弁連会長土屋公献弁護士が出てきたというストーリーになります。

 単純に考えてみると、元社長が出資者の経営コンサルタント会社代表をダイレクトに総連側に紹介し、売買契約を交わせば済む話です。普通の売買契約ならば、わざわざ緒方氏のペーパーカンパニー(ハーベスト投資顧問会社)を経由させる必要はありません。理解に苦しみます。やはり朝鮮総連を提訴している整理回収機構(RCC)への対策上、緒方氏の名前、元肩書きが必要だったのではないでしょうか。それで緒方氏を間に挟んだのでしょう。

 問題は出資者が本当に経営コンサルタント会社代表なのか、本当に一人で35億円を出そうとしていたのか、それとも経営コンサルタント会社も単なるトンネル会社だったのか、売却契約が裁判所の差し押さを回避するためのペーパー上の仮装取引かどうかを解く重要な鍵となりそうです。

 また、緒方氏が言うように仮に経営コンサルタント会社の代表が購入代金を調達していたとするならば、その資金の出所、特にそこに朝鮮総連のマネーは介在していないのかどうかも東京地検特捜部の調査対象となるでしょう。まさかとは思いますが、仮に朝鮮総連が経営コンサルタント会社に隠し金を用意していたとすれば、右のポケットから出して、左のポケットに入り、それをRCCに収め、差し押さえを回避するという計算になるからです。

 今回のスキームを描いたのは、一見元不動産会社社長のように見えますが、おそらく不動産会社社長はあくまでフロントで、実際は許宗万責任副議長ではないでしょうか。

 RCCによる628億円に上る返済訴訟となった朝鮮信用組合(朝銀)の破綻原因は他ならぬ財政責任者である許責任副議長にあると朝鮮総連内部では言われています。というのも、朝銀(16行)の債務2千億円のうちその多くは許氏の指示により北朝鮮に還流されたと囁かれていたからです。彼はその「功労」でNO.2の地位にまでのし上ったというのも今では定説になっています。一部には許氏を指して「第2の金炳植」(1970年初頭に朝鮮総連を私物化した第一副議長)と呼ぶ人さえおります。

 策士である許氏は敗訴→差し押さえ→立ち退きを回避することを最優先に今回の売却計画を考えたと思われます。特に「5年内の買戻し」を契約条項に入れたのは、5年内にRCCに全額返済する見通しがあってのことではなく、日朝関係が好転すれば、日朝政治決着でチャラになる、あるいは日本が北朝鮮に供与する戦後賠償金(1兆円相当)から棒引きしてもらうとの計算が働いたと思われます。

 今回の「闇取引」の発覚により独断でやってきた許責任副議長は窮地に立たされることになりそうです。頼みの綱の緒方氏は「非常に苦しくなった。引き下がるときは引き下がる」と述べていますし、代理人の土屋公献弁護士も18日に判決が出る628億円の返還訴訟で「敗訴した場合は直後に登記を元に戻したい」と語っています。そうなれば、もう打つ手がありません。それどころから総連内部からの批判にさらされることになるでしょう。

 また、今回の件で緒方重威元公安調査庁長官、元日弁連会長土屋公献弁護士に続いて、仲介者の元不動産会社社長まで家宅捜査をした東京地検特捜部が許氏をこのまま放置するとは考えられません。まして、許氏には「渡辺秀子幼児拉致事件」との関連で警視庁から参考人としての事情聴収の要請が出ています。許氏は策に溺れ、墓穴を掘ったようです。

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Profile

辺 真一(ぴょん・じんいる)

-----<経歴>-----

1947年東京生まれ。
明治学院大学(英文科)卒業後、新聞記者(10年)を経て、フリージャーナリストへ。
1980年 北朝鮮取材訪問。
1982年 朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」創刊。現編集長。
1985年 「神戸ユニバシアード」で南北共同応援団結成。統一応援旗を製作。
1986年 テレビ、ラジオで評論活動を開始。
1991年 南北国連同時加盟記念祝賀宴を東京で開催。北朝鮮への名古屋からの民間直行便開設に助力。
1992年 韓国取材開始。(以後今日まで二十数回に及ぶ)
1998年 ラジオ短波「アジアニュース」パーソナリティー。
1999年 参議院朝鮮問題調査会の参考人。
2003年 海上保安庁政策アドバイザー。
2003年 沖縄大学客員教授。
現在、コリア・レポート編集長、日本ペンクラブ会員。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
「辺真一のコリア・レポート」

-----<著作>-----


『「金正日」の真実』
小学館、2003年1月


『金正日「延命工作」全情報』
小学館、2002年11月


『強者としての在日』
ザ・マサダ、2000年11月


『「北朝鮮」知識人からの内部告発』
三笠書房、2000年1月


『北朝鮮亡命730日ドキュメント』
小学館、1999年6月


『北朝鮮100の新常識』
ザ・マサダ、1999年5月

『ビジネスマンのための韓国人と上手につきあう法』
ジャパン・ミックス、1997年12月

『朝鮮半島Xデー』
DHC、1994年8月

『表裏の朝鮮半島』
天山出版、1992年4月

-----<共著>-----


『読売 VS 朝日 社説対決 北朝鮮問題』
中央公論新社、2002年12月

『韓国経済ハンドブック』
全日出版、2002年3月

『一触即発の38度線』
飛鳥新社、1988年7月

-----<訳書>-----


『北朝鮮が核を発射する日』
PHP研究所、2004年12月

『凍れる河を超えて(上)』
講談社、2000年6月

『凍れる河を超えて(下)』
講談社、2000年6月

『私が韓国をキライになった48の理由』
ザ・マサダ、1998年9月

『潜航指令』
ザ・マサダ、1998年7月

『生きたい!』
ザ・マサダ、1997年7月


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