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日朝と米朝作業部会の行方 »

拉致問題の「進展」とよど号

 6か国協議の合意に基づき遅くとも3月13日までには日朝作業部会が開かれます。日本は当然、懸案事項の解決、即ち拉致問題を話し合うことを最優先として臨み、一方の北朝鮮は、「拉致問題は解決済み」との態度を変えておらず、過去の清算と国交正常化交渉を前提に出てきます。早くも双方は入り口の段階で食い違っています。それだけではありません。開催場所もまだ決まっていません。米朝作業部会は米国と北朝鮮、ニューヨークと平壌で首席代表のヒル米国務次官補と金桂寛外務次官が相互訪問しながら、開催することで合意しています。日朝は、日本政府が経済制裁の一環として北朝鮮からの入国禁止と国家公務員の北朝鮮渡航自粛措置を取っている関係上、東京―平壌は不可能で、第三国の中国か、シンガポール、あるいはマレーシアあたりに決まりそうです。
 日朝作業部会の代表の顔ぶれが誰になるのかも、注目されます。6か国のうち中国の武大偉、ロシアのロシュコフ、韓国の千英宇の3人の首席代表はそれぞれ朝鮮半島の非核化部会、北東アジアの安全保障部会、経済・エネルギー支援作業部会の責任者に決まりました。米朝作業部会の共同責任者となった米朝首席代表を除くと、一人決まっていなのが、日本の佐々江賢一郎首席代表だけです。日朝作業部会を受け持つことになるとみられますが、北朝鮮側のパートナーは、金桂寛次官よりも格下のあの宋日昊(ソン・イルホ)日朝担当大使が出てくるでしょう。宋大使は、昨年2月に決裂した日朝平行協議の代表で、日本が偽者と鑑定した遺骨を返さない限り、交渉再開には応じないと、終始強気の姿勢を崩さなかった人物です。日朝作業部会が開かれても堂々巡りになる公算が高いです。
 日朝と米朝作業部会は平行して開かれますが、6か国合意では「ある作業部会における作業の進捗は、他の作業部会における作業の進捗に影響を及ぼしてはならない」と定められています。日朝作業部会が進展しないからといって、米朝作業部会の進展を妨げてはならないというふうにも解釈できます。米朝作業部会の議題は、テロ支援国家指定の解除と国交正常化です。日本政府は、拉致問題を盾に米国にテロ支援国リストから外さないよう米国の袖を引っ張っています。しかし、リストから解除しなければ、核問題は進みません。ブッシュ政権が拉致問題のため自国の国益である核問題を犠牲にするとは考えられませんが、日米同盟関係重視から簡単には解除に踏み切れないのもまた事実です。そこで、注目すべきは、最近日本政府が使い始めた拉致問題の「進展」という言葉です。

 日本政府はこれまで「拉致問題解決なくして国交正常化はない。国交正常化しない限り経済協力はできない」という3段論法を取ってきました。ところが、6か国合意後からいつの間にか「解決」ではなく「進展」という表現に変わっています。TV番組でこのニュアンスの変化を指摘しましたが、横田めぐみさんの父親の滋さんも安倍総理にどのような違いがあるのか質すとしています。官邸サイドでは「一人、二人帰せば」という意味のことを言っているようですが、12人の政府認定の安否不明者及び36人に及ぶ特定失踪者の問題は「オール・オア・ナッシング」の問題であって、一人、二人帰せば済む話ではありません。まして、「生存者は一人もいない。他に拉致した人はいない」と再三言い張ってきた北朝鮮がこれまでの立場を180度翻すとは考えられません。
 安倍総理は作業部会で北朝鮮が前向きの対応をしない場合、制裁を強化すると、20日に面談した横田夫妻らに約束しましたが、制裁は北朝鮮の反発と憎しみを増幅させるだけであって、拉致被害者家族の会の蓮池透氏が「サンデー毎日」で言っているように拉致問題の解決につながってないのが実情です。実際、北朝鮮は外務省報道官を通じて安倍政権を「安倍一味」と呼ぶほど露骨に批判し、「代価を払わせる」と強弁しています。日本が望むような前向きの対応はとても期待できそうにもありません。しかし、「朝日新聞」の世論調査の結果、80%以上の国民が対北強硬姿勢を評価していることや、横田夫妻らも全面支持していることもあって安倍総理もまた、強気です。あえてソフト路線に転換する必要もありません。支持率が急落中の安倍政権にあって拉致問題は唯一の拠り所です。
 問題は安倍政権が頼りにしている米国の今後の対応です。自らの政権下での核問題の解決を目指すブッシュ大統領としてはいつまでも拉致問題の解決を待っているわけにはいきません。従って、米国としても拉致問題を進展させるための「策」を講じる必要があるかもしれません。北朝鮮をテロ支援国指定から解除する条件は、よど号容疑者らの日本への引渡しと拉致問題の進展です。仮によど号容疑者らが日本に送還されれば、有本恵子さんら欧州から拉致された3人の解明にもつながり、一石二鳥です。米国を仲介してよど号容疑者らの引導問題が今後水面下で話し合われることも考えられます。引渡しを「進展」とみなし、米国がテロ支援国指定を解除し、同時に日本がエネルギー支援に加わるというシナリオが浮上するかもしれません。「進展」とは何か、今後の焦点となるでしょう。

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コメント (3)

よど号ハイジャック人のなかに日本のロックンローラーがいたことを思い出しました、詳しいことは 田原さんも知っている加山りかさん 彼女の夫 山崎春美さんがご存知ですが 山崎春美さんは芥川作家の町田康さんにかつて文筆法を教えたと公言していた あの山崎春美さんです つずく、、、

以外に早くつずきですが なんで山崎春美さんブログやってないの 春美の文筆に飢えているのいっぱいいるのに
よくいっておいてください 加山りかさん。
 
いきがかりじょう 辺さんこの場をおかりしました
THANK YOU VERY MUCH。

誤字 訂正 >>>香山りかさんです

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Profile

辺 真一(ぴょん・じんいる)

-----<経歴>-----

1947年東京生まれ。
明治学院大学(英文科)卒業後、新聞記者(10年)を経て、フリージャーナリストへ。
1980年 北朝鮮取材訪問。
1982年 朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」創刊。現編集長。
1985年 「神戸ユニバシアード」で南北共同応援団結成。統一応援旗を製作。
1986年 テレビ、ラジオで評論活動を開始。
1991年 南北国連同時加盟記念祝賀宴を東京で開催。北朝鮮への名古屋からの民間直行便開設に助力。
1992年 韓国取材開始。(以後今日まで二十数回に及ぶ)
1998年 ラジオ短波「アジアニュース」パーソナリティー。
1999年 参議院朝鮮問題調査会の参考人。
2003年 海上保安庁政策アドバイザー。
2003年 沖縄大学客員教授。
現在、コリア・レポート編集長、日本ペンクラブ会員。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
「辺真一のコリア・レポート」

-----<著作>-----


『「金正日」の真実』
小学館、2003年1月


『金正日「延命工作」全情報』
小学館、2002年11月


『強者としての在日』
ザ・マサダ、2000年11月


『「北朝鮮」知識人からの内部告発』
三笠書房、2000年1月


『北朝鮮亡命730日ドキュメント』
小学館、1999年6月


『北朝鮮100の新常識』
ザ・マサダ、1999年5月

『ビジネスマンのための韓国人と上手につきあう法』
ジャパン・ミックス、1997年12月

『朝鮮半島Xデー』
DHC、1994年8月

『表裏の朝鮮半島』
天山出版、1992年4月

-----<共著>-----


『読売 VS 朝日 社説対決 北朝鮮問題』
中央公論新社、2002年12月

『韓国経済ハンドブック』
全日出版、2002年3月

『一触即発の38度線』
飛鳥新社、1988年7月

-----<訳書>-----


『北朝鮮が核を発射する日』
PHP研究所、2004年12月

『凍れる河を超えて(上)』
講談社、2000年6月

『凍れる河を超えて(下)』
講談社、2000年6月

『私が韓国をキライになった48の理由』
ザ・マサダ、1998年9月

『潜航指令』
ザ・マサダ、1998年7月

『生きたい!』
ザ・マサダ、1997年7月


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