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2009年10月29日

【第15回】政治家に訊く:石関貴史

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───────【基本情報】───────

名前:石関貴史(いしぜき・たかし)
政党:民主党
選挙区:群馬2区
生年月日:1972年2月18日
血液型:O型
座右の銘:我以外皆師(われいがいみなし)
趣味:映画、釣り
好きな食べ物:ラーメン、味噌汁、そば
ホームページ:http://www.ishizeki.jp/

───────【質問事項】───────

Q1:なぜ政治家になったのですか?

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一言で言えば...人間に興味があるから。

私の実家は自営業で、祖父が自動車の修理工場を経営していたのですね。小学校から帰ると、お茶菓子を食べながらお茶を飲んだり昼寝をしている人がいたり、面白い環境だったんですね。祖父の仕事をする現場を見て、手伝いをしながら、職種や立場関わらず、人に関わるのは政治だなぁと思った。今考えるとそれが一番の理由だと思う。

もっと小さいとき、高校生かそれ以前は、警察官や弁護士とか、少なくと公の仕事をしたいとは思っていたが、大学生になり、そろそろ就職と悩んでいたときに、地元の先輩に相談したら、「政治の仕事があっている」、そう言われました。

Q2:政治家になる前はどのような仕事や活動をしていましたか?

親は離婚して早くからいないし、実家も自動車修理工場、政治的な家族や親戚もいない。ならば役所に入り、政策を自分で立案をし、法律を作ったり改正したり、行政の現場で働いてみて、それでも政治の仕事がしたかったら、まだ志があるのなら、地元に戻ったらどうか、と先輩の後押しがありました。そうか、そういう道があるのか!と、まず旧郵政省に入りました。5年弱勤め、法律改正等をさせてもらったので、郵政省の係長を辞めて地元に戻って、市議会議員に立候補しました。

市議会を4年間地元でやり、二期目の立候補は県議会になり、その頃、民主党からお声がかかりました。ただ、群馬県は自民党が非常に強くて、ですので無所属の一人会派として活動はしていましたが、行動は自民党の方々と共にしていたんです。

で、参議院選挙が当時ありまして、自分の実感として自民党政治は時代おくれではないか...という気持ちが高まっているところに、民主党の方からお誘いがあり、後援会の皆さんともご相談し、民主党で国政にチャレンジさせていただいたのです。

Q3:どのような政策にいちばん力を入れていますか?

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親が、生まれてすぐ離婚し祖父母に育ててもらったんですね。ですが保護者の祖父も大学生のときに亡くなり、大学四年の最後の半年は、奨学金を貰って卒業しているんです。なので今回、民主党でも奨学金の充実、子供手当てマニフェストでお約束し、高校の無償化、学費の無償化お約束をしてやってきた。こういったものに力をいれていきたい。実感としては大学教育、志のある人には誰でも教育がうけられる、そういう環境作りに力を入れたい。

Q4:今回の「政権交代」をどう感じていますか?

群馬県の保守系無所属の県会議員として活動し、その以前は市議会議員のお仕事、その前は旧郵政省で仕事をしていて、中央官庁と地方議員の両方をやってみて、「今の政治システムがもたない」という実感があったところ、衆議院選挙でお誘いがあり民主党から出させていただいた。

政治システムは必ず変わるし自民党ももたない。この四年間ひたすら政権交代を目指してやってきた。2005年の選挙では復活当選させて頂いたのですが、当時も民主党は政権交代を掲げてましたが、小泉さんが郵政改革を掲げ、逆に民主党は惨敗した。政権交代の土壌は、その当時から醸成されてきていたが、まだ至ってはいなかった。でもその四年間で、自民党のシステムが全く駄目だ!と、国民の皆さんに知れ渡り、民主党もこの四年間ひたすら頑張って、一定の力をつけた結果、地殻変動の下地は確実にあって、政権交代が実現したわけです。自民党下における日本の地盤がグラグラしていた。その地滑りの先の民主党がしっかり受け止めて新しい土壌と基盤を作らねばならない。大変な仕事だと思っています。

Q5:民主党政権のポイントになるところはありますか?

マニフェストを掲げ政権交代をさせて頂いた。マニフェストとは例えるならパッケージなんです。全部が入ってどうですか?という商品のイメージを買っていただいたにすぎない。個別の子ども手当て、高校の無償化、公共事業無駄を見直し、群馬にある八ッ場ダムの見直し、中止を認めて貰ったということもあります。

有権者の人にとっては「商品買ったけど、こんなの細かい説明まで知らないよ」というのがあると思う。それに関しては、閣僚中心に丁寧に説明し、我々党員も説明し、「こういう理由でマニフェストに載ったんです、だから実行させて下さい」とするべきですし、マニフェストが例えば10本あるとしたら、きわめてスピーディーに実現するもの、すべきもの、逆に問題があり説明が必要なものは丁寧にやっていくとか。

高速道路などに関しては意見が分かれていますが、お約束した以上は一部でもいいからやってみて、データを皆さんに提示して、こんなに得ですという結果なのか、あるいは、やってみたら皆さんのご懸念のようにあんまよくない、とか、やっぱり正直に政権を運営する、ということですね。

政治って、胡散臭いとか、ウソついているんじゃない?とか、日本では前提になっている気がする。確かにすべてのマニフェストをお実行するのは難しいが、でもだからって傷隠しのようにツギハギしたり、絆創膏を貼ったりしてきたのが、自民党が政権を失った原因だと思う。民主党はそうではない、実際、やろうとしたけど困難だったとか、財源とか苦労していますが、やる方向性を示し、正直に伝えていくこと。誤魔化しはいけない。そうじゃないと自民党の二の舞になる、私はそう思います。

Q6:地元で抱える一番の問題点は?またそれに対しどういう対策をとっているか?

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農業もこの先どうして行こうか?というのもあるし、産業も製造業で支えてきたというのが群馬なんですが、去年の秋以前は、有効求人倍率が全国の中でもトップレベルだったのが、秋以降、一気に最悪レベルにまでなってしまった。既存の製造業を出来る限りいろいろな振興策で元に戻す、金融の円滑化の法案も出ますから、こういうものは着実にスピーディーにやって、以前のレベルに有効求人倍率に戻すというのが目標です。

世界の製造業の排置の状況等を考えると、新しい製造業、グリーンニューディール的な新しい産業を興す必要がある。でもこれは基本的には地元の皆さんの創意工夫でやらなければならない。国が何かもってきてやる、とかではないので、地元で立地しやすい環境作り、支援をする方策というものを政府で打ち出せるように、民主党で応援をしていくことだと思う。

─補助金をばらまくわけではない?

やはり補助金というものが、いろいろ検証した結果、不効率を招いてきたのは事実だと思う。補助金だけでは駄目で、長いスパンで考えることが必要なんです。地方主権にすると、今までは地方自治体が陳情にくる、それをぶん取り合戦をして、うちの地元にこれだけと...とやることで政権を保ってきたわけです、今までは。今はそういう時代ではないんです。これからは、一括交付金として自治体にお金あげますから、創意工夫でやって下さいということなんです。極端に言えば、ある地方に100円あげます、うち90円をどうしても道路に使いたい、というならご自由です。うちは子育ての自治体にしたい、60円を保育で使いたい、など、ね。極端ですが、こういったことも地方に任せる。こういう道筋を作ることが国の政治として大事だと思う。あれください、これください、でない政治にします、というのが民主党が提示する政治なんです。

中央政府と地方政府という概念でとらえなおし、地元の住民自治をやりやすい環境づくりが一番だと思う。その過渡期にあるので、地元選出の国会議員として出来る限り尽くしていきたい。

─地元意識は?

「小選挙区で生まれ育ったところから出られる」というのは結構減っているんです。先任者がいれば出られないし、同じ党は勿論ですし、自民党の候補者がいればそこは埋まっている、ということですし。北海道の人が大阪で、というのは当たり前になってきている。私自身は生まれ育ったところから選出させて頂けているので、その点では恵まれている。だからこそ、地元の陳情は最大限努力するのは当たり前だし、やはり地元に強い執着がありますね。

Q7:読者からの質問

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─八ッ場ダムについて...「ダムに依らないまちづくり」として実際どのようなプランを長野原・東吾妻町に提示するのでしょうか?またその行程表は?(投稿者: R.Amemiya | 2009年10月29日 13:49)

これは申し上げたように中央政府と地方政府です。創意工夫で頑張れる環境作りをする。まさにこれがひとつのケースだと思うんです。国がダムに依らない環境振興策とか、住民がもっと増えてもらえるような策を提示するというよりは、そこに住んでいる方々からご意見を出してもらって、それを最大限バックアップする、というのが国がやるべきことなんですね。動物園を作りますよ、カートレース場作りますよ、とかは国がやることではないと思う。

今回の中止についても、前原国土交通大臣は、当初から作りかけの道路は全部作ります、保障はやります、そうおっしゃっています。ダムはなくなりますが、その他については、やりきる!と申し上げているんです。ですので、プラス「こういうものがダムの代わりにあれば、飯が喰える、お客さんが来てくれる!」など、地元の方々に創意工夫をしてもらう、考えていただくということなんです。ダムの代わりに何が必要か、真摯に、切実に考える、それを国は実現するために最大限にバックアップする。そういうスタンスなんです。

Q8:国民・支持者にいまいちばん言いたいひと言を!

群馬は草津温泉とか四万温泉などがあり、災害が少なく住みやすい街です。ザスパ草津とかサッカーチームがあります。草津温泉地にあるチームなので、優勝した際は、ビール掛けでなく、温泉を掛け合っていたり(笑)。

地理的にも都内に程よい近さだし、県内にいれば1時間以内に温泉にもいける、というところですから、「住みやすさ」が一番のウリです。

余談ですが(実に個人的ですがと前置き)、群馬県のキャッチコピー「心にぐぐっと群馬県」、これは変えたほうがいい(笑)。何が言いたいのかわからん!何が「ぐぐっ」なんだろう?まさに創意工夫が必要だと思うんです。私なら「いい湯だな群馬県」「八ッ場もあるぜ群馬県」とか、パッと頭に浮かぶもの、じゃないと。

───────【こだわり】───────

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鶴嘴(つるはし)です。

育ててくれた祖父がニューギニア戦線から生還したんですね。工兵から二等兵、最後は准尉(じゅんい)にまでなってるんですが、最後、終戦で敗戦で捕虜になったんです。祖父はもともと工兵だったようで、捕虜になった後、戦車等の整備をした。最後、復員してきた時、米軍からこれだけをリュックに入れて生還し「これだけは俺の形見だ」と、子どもの頃から聞いてたんです。なので非常に思い入れのあるものです。

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ここにUSAって刻印されている。当選後、地元から持ってきて置いて、思い出しています。いろいろ言われますが、わたしは祖父の戦争体験を聞いてますので、戦争はおこしちゃいかん、は勿論、日本は軍隊は持てませんから、軍備、しっかりした防衛をしないとな、と...そういうものを考えるようになりますね。

2009年10月29日、衆議院第一議員会館:《THE JOURNAL》編集部取材&撮影

2009年10月28日

【第13回】政治家に訊く:中田 宏

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───────【基本情報】───────

名前:中田 宏(なかだ・ひろし)
政党:元横浜市長(第20代)
生年月日:1964年9月20日
血液型:
座右の銘:
趣味:
好きな食べ物:
ホームページ:http://www.nakada.net/

───────【質問事項】───────

Q1:なぜ政治家になったのですか?

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「今の社会に満足していないから!」この一言に尽きます。勿論、世襲ではないし、これからもやりたいことは勿論たくさんある。なによりも僕の原点は、今のままじゃ嫌だから、というところです。社会の不条理を取り除きたい!そうした想いが原点です。

なんでこんなところにゴミが落ちているんだ?落ちているどころか日本全体がゴミの島になっちゃっている!なんでこんなところに自転車が放置されているんだ?例えばそういう日常の中における素朴なところなんですよ。なんでこんな社会が営まれているんだろう...と考えていたら「政治」に突き当たった、ということです。

─生活の中で想いが積み重なっていくものもあった?

うちの父親の"ぼやき"じゃないでしょうか。前楽天の野村監督じゃないですけれど、朝、新聞見ながらぼやいているんですよ。「まったくなんでこんな税金がこうも不公平なんだ」とかね。勿論、当時は「不公平」なんて言葉の意味なんてわからない。だけど、そういうことが世の中に発生しているんだ、とインプットされていって、父親の"ぼやき"も、今の政治家になる自分の原点に繋がってきたんだろう、と思います。

Q2:政治家になる前はどのような仕事や活動をしていましたか?

ゴミの問題、ゴミの研究をやっていました。まさにこれも日常の中からスタートなんですが、横浜市って、とにかくなんでもかんでも一緒くたにして捨てていたんです。一ヶ月に一回の粗大ゴミ以外はなんでも一緒。おかしいでしょう?日本は省資源国とずっと教わってきた筈なのに、なんでもかんでも捨てるのかな、と最初疑問でした。だったらこれをずっぽり研究しようと。日本全国のゴミ処理処分の仕方を見に行って、というより中に入って収集車に乗ったり、清掃工場で実際に仕分けしたり、それを二年くらいやってそれから論文書いたり、地方で講演活動をしたりアドバイザーを始めたり、ゴミ問題に没頭していましたね。

─それはどこかの研究機関で?

松下政経塾の中です。松下政経塾というのは面白いところで、行っている人が圧倒的に少ないから誤解というか、なにか教えて貰う学校と思っていると思うかもしれないけれど、そうではなくて、一年生は確かに教えて貰う機会や時間があるけれど、二年目以降になると、完全に自分自身が研究活動に取り組み始めるんですね。その研究も資料を取り寄せて、とかではなく、全部現場に行って、ずっぽり、どっぷり入って、それでまとめていく、モノを知っていく、仕組みを提案していく、ということになるんです。ですからゴミの問題になると、まさにゴミの現場に行くしかない。ゴミまみれでした。

Q3:どのような政策にいちばん力を入れていますか?

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鳩山さんが、25%のCO2削減と意欲的な数字を出しているんですが、僕は環境問題と経済、われわれの暮らしをどういうふうに融合させていくか、が、今後の世界のテーマだし、そこにこそ日本の発展のひとつの大きな分野があると思うんです。環境に対する技術は日本はものすごく開発可能であるし、それからモノを大切する、節約する、日本語で「もったいない」という文化はマータイ(ワンガリ・マータイ、Wangari Muta Maathai)さんに教えられるまでもなく、本来日本人が大切にしてきた精神文化である。

そういう「もったいない」という気持ちと、しかし一方では、日本人が戦後ずっと謳歌してきた物質文明、さらに乱暴的な整理をすれば、資本主義的、欧米的な思考回路だったものと、一方では「もったいない」という明らかに精神的な意味における東洋文化みたいなね、そのものを融合させていく、そうした文明的な役割が日本にあると思う。それを考えたときに、環境に対するアプローチは...

■技術
■社会システム
■価値転換

この3つだと思います。

日本だからこそ開発出来る技術、日本だからこそ作れる社会システム、そして心の持ちよう。これからの世界のために、日本はおおいにここを伸ばしていくべきだと思うし、そのことに向けてわたしは行動していきたい。横浜でゴミを思いっきり減らした、これも市民の皆さんが本当にゴミを分けてくれることに協力してくれたんです。今まで、僕が原点でお話したように、全く分別していなかったんです。それが「15」に分けてる。
これは本当に市民の皆さんが協力し意識高くやってくれた、でも自分がやるからまた学びになったと思うんです、もしそれが行政の下請けかなんかがやっていたら、それでは学びにならないんです。どこかで誰かがやっている、ということだったら、学びにならないでしょう、そういう意味では社会システムを作って、参加出来るようにすれば、日本国民は自分達があたためている気持ち、「もったいない」「大切にしなくちゃな」とか、そういった気持ちを具体的にあらわしていくんだと思うんです。

─こういう日本にしたい、というのは環境を通じて?

環境を含めて「自立」ってことだと思います。日本全体が自立ということをより価値として共有をする社会にしなければならない、ということだと思います。どういうことかというと、国の自立、地方も自立、個人も自立、ということをもっと意識する必要がある。昨今の物言いをみていると、社会のせいにする、しくみのせいにする、そういうことが非常に多い。日本がこれまで近代国家として、そして現代に至るまで発展してきた、その時、福沢諭吉が、「自立」そのためにはそれぞれが学ぶ、だから『学問のすゝめ』となっていたように自立が大きなテーマだと思うんですよ。

だから、国の自立ということになれば、軍事力をどんどんどんどん持って、それで世界に合していこうなんていう考えでは整理がつかないのであって、どうやって外交力を高めるか、さらには経済もきちっと営みをもって、結果としてね、その経済力を活かして問題解決をしていく自立というのが必要になる。一国で安全保障体制をすべてハリネズミのようにめぐらせるようなことはムリなんだから、それは日米安全保障体制というような、やはり世界の中での安全保障を考える、これも自立だと思うんですね。

それから地方の自立。これはもうメディアなんかで取り上げられておりますが、地方分権ですよね。やはりそれぞれに自分達が政策を決定し、それに対する責任を持つ、という風にしないと、国から補助金貰う、そのために陳情する、国の基準をやっているんだからこれのサービスで仕方がない、という思考回路をヤメにしないと、お金のない時代ですから、そのお金を有効に使うためには自分の頭で考える、ということをしなければダメで、分権というのは自立の在り方ですよね。

個人においてもそうで、行政のせいだとか、そういうことにしていてはいけないし、たとえば福祉ひとつとってみても、ずーっと働く意思がないような福祉にしてはいけないですね。障害がある人、そういう人たちに対する福祉、ハンディキャップのある人に対するセイフティーネット、これは絶対必要。しかし一方では、じゅうぶん働く能力があるのに、働く意欲がなくなるような福祉の在り方ではいけないし、また医療ひとつとってみても、病気になってからお医者さんにかかる、駆け込むという医療制度ではなくて、日頃から健康を維持して、そっちのほうにお医者さんが関わるという医療展開していくことも僕は自立だと思うし、そういう意味では僕のキーワードとして、価値提示は「自立をする」、自立をするからこそ人にも優しくなれるし、お互いの尊重がし合える、というのがあります。

─民主党のマニフェストにも自立という言葉はかなり出ていて、
補助金をやめます、ただセイフティーネットは設定しておいて、それぞれが活動をするNPOには支援する税制だったり改革をするという形になっていますが、実際、ヨコハマと違い、地方は自立出来ると思いますか?

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机上の論だと思うんです。横浜は人口がでかいから財政規模が大きいだけなんです。裏を返せば一人当たりの税のリターンは横浜市の方が少ない。小さい町の方がよほど税のリターンは大きいわけで、そういう意味では単純にこういう比較をしても仕方がない。
ただ、小さい1000人の村、2000人の町、というのがあるとすれば、そういうところが制度設計からなにから全部自分のところで考えて、そして大きなプラントを持つとか、中核的な機関都市をつなぐような道路を作るというのは無理ですよ。だからそういうところは広域で解決をしていかなければいけないと思うんです。

広域的とは何か、道州制だと思うんです。今、各都道府県があるけれども、もっとそれを広域にする必要がある。なぜならば、たとえば鳥取県の人口は70万いかないくらいだと思うんです。そうすると民主党が言うように人口30万人位の市にまとめます、というと、2つになっちゃう。で、それで自立しなさいというのも無理だと思うし、また鳥取だけの自立というのも難しいわけであって、じゃあ中国地方、例えば広島とか岡山とかが入ってくる、これを中国地方とする、そういうのが道州制ですね。そうなるとひとつの道州というより広域的なところで政策の立案をし、産業もあり、インフラもあり、そういうところをまかなっていく、一方では国民に市民、町民、村民に基本的なサービスというのは、それぞれの基礎自治体がやっていく、という住み分けをしていくことが必要だと思うんです。

今はどんな小さな県もフルセットで全部求めるんです。産業も誘致しなければならない、空港も作らなければならない、港も欲しい、その結果が日本の国際競争力をどんどん落としているという状況にもなっている。広域化するところと一方では政府が基礎自治体をもってして再編する、ということが必要だと思いますね。

Q4:今回の「政権交代」をどう感じていますか?

民主党に対する大賛成「Yes」ということでは多分ない、と思います。むしろ自民党に対する「No」が大きかった、という風に思いますね。じゃぁ自民党に対するNoって何だったの?となると、僕の分析だと、先送り、骨抜き、微調整という自民党の得意芸が、有権者からしたら「これじゃ変わらないなぁ」と最終的に判断されたと思うんです。先送り、骨抜き、微調整ということは、いろんなところで言われてきていて、表面化して現象として出てきていた、年金制度はかねてから若い人が少なくなるんだからもたないよと言って来たわけですから、受給年齢を引き上げるだとか、税の投入を増やすとかこういう議論しか出来ない。抜本的な見直しをしないから、大丈夫なの?と不安が募るだけなわけです。もっと整理するならば「役人政治」ということでしょう。先送り、骨抜き、微調整は、本来、役人がやる手口なわけです。それを自民党は今まで肯定してきてしまった。結局、冷戦構造が終わった後に、自民党は自分達がどんな社会を創るという
価値提示が出来ないまま、既得権の擁護政党となってしまったわけです。


民主党はそれに対して、お金の流れを見直す、透明度を高くする、政策設定を見直しそのプロセスをわかるようにするという「政治主導」。これは政策決定のプロセスを変更するということですよね。そういう意味では民主党は自民党の政治に対するいくつかのアンチテーゼというのが形になっている、そこに対する期待があると思います。ただし民主党自身にもやはり、どういう国をつくっていくのか、目指していくのかという大方針が見えてきていない、これからの民主党政治にとっての懸念材料になっていると僕は思います。

Q5:自民党の再生のポイントと、民主党が政権を維持するポイントは?

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民主党はなによりも、今国民の皆さんと約束したことが出来るのか、お手並み拝見だと思います。今までは「自分たちが政権とればやる!」と約束してきたわけで、政権とれば無駄遣いを減らせる、そこで予算は作れると言って来た。そのことを立証というのができるか否かがポイントでしょう。今まで約束してきたことがどんどん目に見えて、実感できるようになればとりあえず、維持できるでしょう。国の大方針はさておいてもね。でもそれができなければ、たちどころにすべて厳しくなる。

自民党の再生ということになれば、僕は国をどういう風にしていくか、というのは自民党のほうが民主党よりよほど出しやすいと思いますよ。寄せ集めと違いわかりやすく言えば「保守政党」なんだから、冷戦構造が終わったあとなんら日本の国の方向性について打ち出せなかった、そこを打ち出していく必要があります。

グローバリゼーションが進んでいる、このことは止めようがないんですよ、インターネットを日本が遮断するわけにいかないワケです。グローバリゼーションが進むというのは、なにも我々が英語が出来る国際人になるということではなく、なによりもわが国日本人としての矜持(きょうじ)をしっかり持ち、日本とは何かを学び、そこに自分たちのアイデンティティーを持ち、それを伸ばす産業、それが世界に役立つ戦略、こういうことをしっかりと打ち立てるからグローバリゼーションの中で生きていける。どの国もそういうことだと思いますし、自民党はここを出せるかどうか、だと思います。

いずれにしても僭越(せんえつ)なことを言っていますよね(笑)「お前に言われる筋合いがない!」と怒られそうですけど。

Q6:企業献金廃止に反対ですか?賛成ですか?

基本的には廃止した方がいい。企業献金にも善良なるものがある、けれどそれを確かめる術がない。問題なのは、個人献金が根づかないという日本の風土があると思う。賛否両論が山ほど出ると思うけれど、システムを作らないとダメだと思う。例えば、納税の額にいくらか上乗せして、その上乗せした政治資金という分は有権者が任意で選ぶ。そういうシステムを作らないと、どんどんアングラにもぐりこむことになると思う。

政治に金がかかる、と言うじゃないですか。ヘンな言い方だけどこれは本当だし嘘だと思う。嘘から言うと...特別にかかるわけじゃない、いまどき金を配るとか、一部やっている人もいるかもしれないけれども、今はほとんどいないと思いますよ。毎晩10万くらい食事したり飲みに行ったりする人はいないし、それは誤解であり嘘である。

本当だというのは...活動すればお金がかかる、電話やファックスを使い、事務所を借り、車で移動する。そうすると家賃を払い、自動車を買い、ガソリン代を払い、電話料金を払い、保険料を払っているということなんです。これはビジネスなら、売り上げの中からコストとして回収できるわけです。スーパーだってチラシを撒くのは、あれは売り上げがあるからチラシを入れる。そのチラシを見た人が買ってくれるからチラシを入れるんです。でも政治家のチラシは見ても売り上げはないですよね、だからその部分をどうやって賄うか、だけなんですよ。だからその意味では資金は必要、お金はかかる。

賄い方を個人ベースにするのは僕は大賛成なんだけれども、この賄う仕組みを作らないとアングラマネー(帳簿に載せない金、個人献金を装った事実上の企業献金)に流れると思う。

Q7:国民・支持者にいまいちばん言いたいひと言を!

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目を覚ませ!ということでしょうね。表面のうわついた議論だけをやっていると、どんどん日本は危うくなると思う。高速道路が千円になったというのも、(民主党は無料化を言っているので横におかせてもらいますが)ガソリン税その他、今まで道路にかけてたもの、別途ソリューションが考えてやるのがポイントだと思うけれど、少なくとも今の千円は穴埋めしているんです。公金から我々が支出しているわけで、喜んでいる場合じゃないと思う。政策の各論が、マスメディアで取り上げて、それに関して関心を寄せて、これが終われば次の話題と流れる風潮、これはとても危ういと思う。

自民党の再生、民主党の懸念で述べたように、僕は日本という国はどういう風な国を目指していくか、僕は「自立」と価値提示をしたけど、しっかり国民に訴え、だからこっちのコストは削る、こっちは値上げをする、これは続ける、これは休みにする、というような、ひとつひとつの判断をしていくことがないまま、マスメディアの風潮に流されるようではいい国をつくる、には繋がらないと思う。

僕は今回、「よい国運動」というのを、国民みんなで意識をし、やって行こう!と立ち上げて、といっても僕は下働きなんですが、どうやってこの運動を多くの人に知って貰い、日本の現実を見るか、というようにしないと、政治は変わらないと思うんです。借金は国民の金融資産だから大丈夫、そんなレベルじゃないんです。税収の二割は金利の支払いだけに使われているような国で、どんどん財政の自由度が減り、借金を返す割合ばかり増えている国なっています。借金を国民の金融資産だからと悠長にかまえている時代じゃない。経済大国二位、これも来年は三位に転落する。何らかのきっかけでトリガーがひかれたら、大暴落を始めるワケですから、こういうことを考えて行動しなければならない。それなのに政治家は手当てをつけます、無料にします、耳に優しいことを言っている。横浜の時もそうですが、真面目にやっている知事や市長達は口に苦いことを言い、耳に痛いことを言う、だから嫌われもする、誹謗中傷にも遭う、それでもやらないと社会はよくならない。最後に国民がそこに目を覚まさないと政治は変わらない、そう思います。

2009年10月28日、TOKYO FM:《THE JOURNAL》編集部取材&撮影

読者からお寄せいただいた「質問」に関しては、数が多いため別記事で掲載いたします。しばらくお待ちください!

2009年10月23日

【第14回】政治家に訊く:蓮舫

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昨日、10月22日(木)、民主党参議院議員の蓮舫(れんほう)氏と別件でお会いしたのですが、その際、時間をさいて「政治家に訊く」の取材を受けていただきました。

───────【基本情報】───────

名前:蓮舫(れんほう)
政党:民主党参議院議員
選挙区:東京
生年月日:1967年11月28日
好きな食べ物:台湾バナナ
ホームページ:http://www.renho.jp/

───────【質問事項】───────

Q1:なぜ政治家になったのですか?

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仙谷由人さんから打診があったのが政治家になるかを考えた一番のきっかけです。何が出来るんだろうかという考え方をしたときに、もっとも自民党政権で光があたっておらず、政策が真剣に語られたり施策が講じられてないなと思ったのが「子ども」だと思いました。

私はメディアにいたときに、ドキュメンタリー番組のレポートをしたことがありました。私も子どもがいましたが、今の子たちがおかしくなっているなと思ったころです。栃木県黒磯市(現那須塩原市)で13歳の中学一年生が英語の先生のお腹を十数カ所刺して殺めてしまった事件を2ヶ月ほど取材したことがありました。この事件を契機に同じような事件が連鎖して起こりました。子どもたちにインタビューするときに、まず目を合わせる子どもがいない、返事がない、日本語がしゃべれない、「あなたは○○くんとクラブが一緒だと思うけどどういう子だった?」と聞いても「別に」「わかんない」などと答える。つまり会話ができません。照れとか隠すためじゃなくてコミュニケーションが取れないという子が一人や二人じゃなくいました。最初私の勘違いかなと思いましたが、いくつもの現場で取材してて同じようなことに何度も出会いました。

また、町を取材して思ったのは、どこの町も同じということです。畑があって、山があって、魚のいない川があって、そしてコンクリートで固められた道路があって、閉ざされた空間の地域にあるものはビデオ屋とファーストフードとファミレス、本屋、カラオケというどこにいっても同じ光景が広がっていました。私は日本のどこにいるんだろうと思うぐらいで、どこも一緒でした。そこで育った子どもたちはテレビをつければ銀座は映る、渋谷も米国もとにかく楽しいものばかり見られるけど自分の周りはどこも同じようなものと閉塞的なものばかりで、想像力が広がらない中にいます。

その時コミュニケーション能力が減っている理由ってなんだろうと思いました。しゃべらなくても買い物が出来る環境が広がっているんです。コンビニ、自販機、大型スーパー、レンタルビデオ、本屋、ファミレス、どこもお金があれば会話しないでも何でもできてしまう、そうするとトレーニングされないで子どもがどんどん育っていって、家庭が子どものコミュニケーション能力を意図して高めていかないと地域はないし会話する場所もなくていきなり学校に行ったら友達ができなくどうしたらいいかわからない、学校がつまらなくなる、すると保健室に行くんですよね。保健室もいけなくなったら、不登校になるんですよね。不登校になるまで親の無関心が続くと今度は自宅の一番いい空間から出られなります。引きこもりになります。そこに私は「キレる」とかなぜか手が出てしまう現象が起こるんだということを漠然と感じていました。

自分の子どもだけが事件や事故に巻き込まれなきゃいいなと思って親は育てるけれど、この子たちは同世代の子どもたちと一緒に育っていくわけで、自分の子どもたち以外もいい環境を大人が用意してあげないとみんなおかしくなっちゃうということにふっと気付いたんです。これまでの政治は子どもは有権者じゃないから、子どもへの政策は惨憺たるものでした。その現状もメディア側にいて知っていたので、じゃあ政治家になって子どものことに真剣に向き合える人間でずっといたいなと思ったのがきっかけです。

Q2:子どもの環境について気づいたのは打診をうけてからだったのですか?

フラッシュバックしましたね。なんだろう、自分の持っている問題意識って何かなと思った時に出てきた話です。

Q3:これまでの政権に対する怒りもあったのでしょうか?

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児童虐待がニュースになって、新聞の一面を飾っていたのって久しいでしょう。今は社会面の一行ですよ。同じですよ、内臓破裂して、頭蓋骨が陥没して、虐待で死んだ子どもなんて衝撃じゃなくて慣らされてきています。慣らされて関心がなくなると国は予算をつけなくなります。そうするとどうするかというと、児童養護施設に入る子どもの7割は虐待児ですが、施設は満員で、どこに行くでしょうか。0歳児の赤ちゃんがいる乳児院は空きがあるでしょうといって年齢制限を撤廃したんです。乳児院にまで虐待児を入れているんですよ。こんな届かない政策は絶対やっちゃいけないんだと思います。

細野[豪志]さんが言っている障害者施策も同じだと思います。基本的に頑張れる人には「頑張ってくれ!」と言っていいと思います。でも頑張れない人に頑張れというのはきついですよ。

─セーフティーネットが壊れている?

雇用のセーフティーネットって、50年前に作られて、終身雇用で男性中心で、ひとつの企業に40年間勤め上げるっていう制度設計で作られた雇用保険が、いまや期間工とか派遣とかパートアルバイト、あるいはフリーター、ニートの人たちは入れないんだもの、そんな制度ないでしょう?一方で規制緩和して、非正社員を増やしておきながら、セーフティーネットには手をつけてこなかった。特別会計で埋蔵金だけ増やしているというような非効率な国というのは、変えるしかない。ここはわたしが政治家になってから感覚がリアルに変わってきて、「ムダがいっぱいあるじゃない?!なんでこんなところにお金があるのに、そのお金を必要としている人や子どもに回せないの?」これは政治家になって、わたしの原点。だから今回の政権交代はいいきっかけだし...早く変えないとダメですよね。

Q4:07年の参院選、今回の衆院選とどちらも候補者の立場でありませんでしたが、「政権交代」はどのように感じましたか?

今回の衆院選は、公示してから全国100箇所以上応援に行きました。2年前の参院選も全国応援しに行ってます。手に取るように町の反応が違いました。こんなに空気が変わっているんだと実感しました。今回の選挙は、10人いる場所で街頭演説すれば100人集まりました。100人の場所では300人になります。人が全員立ち止まってくれる、ものすごい期待度です。07年の参院選も期待は感じましたが、当時はどちらかというと農村地域です。今回は日本全国です。空気が違うというのは実感しています。表には言いませんでしたが、絶対に政権交代できると確信していました。

でもここでおごってはいけません。そこでおごってしまった4年間を私たちは見ているだけに、石にしがみついてでも頑張らなきゃいけないんです。

─海江田さんの演説を取材した際、蓮舫さんが応援にいらしてて、[こういうのは]もう少し人が集まりやすい場所でやってくれないかな〜と思いました。

私たちは[民主党は]人が集まるような、そういう経験がないんですよ。(笑)

こわいよね、来年の参院選は...

Q5:「こういう日本にしたい!」という[具体的な]ものはありますか?

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みんなが誇れる国にしたいです。日本であるということが自分のアイデンティティとしてがっちり根元にある国にしたいです。日本という国が恥ずかしいとか、願いが叶えられないと誇りを持てなくなってくると思います。子供は生まれる場所も国も親も選べないから、そこは政治がシステムとして作らないといけないと思います。こういう経済状況で色んな働き方がありますが、仕事がなくなれば家もなくなるという信じられない国になってしまっていて、家も仕事もなくて追い出された人間がどうやってプライドを持てますか。家庭がある人は捨てるしかないなんてこんな話おかしいですよ。なぜここまで放っておいたのかなという思いがあります。

少子化で学校がつぶれているという時代にまだ受験をしなければいけないのか、学校があれるとか全部おかしい。今私が思う誇りというのは、子どもたちが生き生きとできる社会は大人がどうどうとしている社会だし、国家がみんなを捨てていないという国です。今は見捨てられていると感じている人が多いんだと思います。

Q6:地域についてどうお考えですか?

実は国だけではありません。地方自治の問題も同じです。本当は届かなければいけないところに基礎自治体がいて、それでも届かないところに都道府県があり、それでもダメなときに国があるというのが本当の地方主権だと思います。今は全部一緒くたになっています。この点をしっかり整理してあげたいです。そして必ず見捨てないと思えるものを一つは行政がやらないといけないと思います。

Q7:当選した2004年の最重視政策では「ママフェスト」を掲げ、子ども政策に力をいれていましたが、今は子ども政策から少し変化があるのではないですか?

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ほんとにいろんな事をさせられるんですね、いい経験をたくさんさせてもらっています。総務委員会にいったり、文科、予算、今回の事業仕分けは農水、防衛ですからね。任命された時にはどこまでいくんだろうと思いました。ここまでいったら全部いきたいぐらいです。

─そこまでできるんですか?

やります!基本的に私の考え方はシンプルで、税金がどう使われているかという軸足だけ持っていれば、どこの省庁の政策でも対応できると思っています。専門性がなければその省庁の立案作業ができないかというと、そういうことはないんだと思います。専門性は役所がもっているはずですからね、そこは一緒にやりましょうっていう話で、政治は指示を出して、行政監視をして、そして決算、あとは予算を繋いでいく作業だと思うんです。

難しくしちゃダメなんですよ。なぜこんなにテレビに出る政治家は難しく言っていたんだろうと思います。私はわかりやすい言葉を使いたいと、5年間ずっと維持してきてるつもりです。

Q8:わかりづらいと言えば、事業仕分けで出てくる「概算要求」というのはどういうものですか?

「概算要求」も難しい言葉です。あれは「おねだり予算」のことです。各省庁がちょっと甘えながらここまで出してもいいかなというものです。これまでもらっていた1,000円のお小遣いを、「中学生になって上げてあげるから、いくらほしいか言ってごらん?」と言われ、「3,000円は言いすぎかな...2,500円にしとこうかな」、こうやって様子見しながら子どもも親に言うでしょう?これがおねだり予算、つまり概算要求なんです。

これからが事業仕分けで、何に2,500円使うのか内容を出してきなさいと聞いたときに、「参考書、ゲーム...」と言ってきます。「じゃあゲームはいらないでしょう、削りなさい。それじゃあ2,000円にしましょう」という作業が事業仕分けで、これからそれをやるのです。

─得意そうですよね...

そうね、数字はウソつかないからね。

───────【こだわり】───────

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赤ペン!

これじゃないとダメなんです。

秘書もいつも持ち歩いてます。

メディア時代からずっとコレなんです。

書きやすいよね〜

国会でも、予算の質問の時もほとんど持ってますよ。

集めてるワケじゃないですよ、使ってるだけですから。(笑)

2009年10月22日、参議院議員会館:《THE JOURNAL》編集部取材&撮影

2009年10月17日

【第12回】政治家に訊く:石井登志郎

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───────【基本情報】───────

名前:石井登志郎(いしい・としろう)
政党:民主党
選挙区:兵庫7区
生年月日:1971年5月29日
血液型:A型
座右の銘:意志あるところに道あり
趣味:園芸、マラソン
好きな食べ物:明太子、鯛
お気に入りの店・ショップ・ブランド・グッズ...など:ユニクロ
ホームページ:http://www.toshiro.jp/

───────【質問事項】───────

Q1:なぜ政治家になったのですか?

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近くに政治家が今も現役でおりますし(伯父は石井一[いしい・はじめ]民主党参議院議員)、政治家を意識する家で育ったのは勿論なんですが、身近だったからこそ「何で政治家?」という明確な答えが決定的に無いまま、社会人となったんです。

卒業後、神戸製鋼に勤めていたんですが、企業というのは、儲けを出すことがすべてにおいて「善」なんですね。社会的にいいことでも、赤字になったら会社は存続しないので、それは善ではない。当時、僕はアルミの屑(くず)を買っていた。アルミのスクラップを使うというのは、環境面によくても儲けにはならない。そうすると企業は使わないわけです。「社会における善」と「企業社会における善」が違う。一方で政治が、環境税をかけるとか、アルミのスクラップを使いやすいように税金を工夫するとか、そうすれば社会の善が企業の善にもなる。繰り返すと、「社会にとって善であることと経済的に善であることを繋げることが出来るのが、しくみ創りであり政治なんだ」と会社に入ってから「政治」を意識しました。

Q2:政治家になる前はどのような仕事や活動をしていましたか?

神戸製鋼でサラリーマンでした。アルミの原料部で、資材を買う部署にいました。最終的にはビール缶とかサッシとかエアコンのフィンの一部とかになるわけですが、それを作るための原料を買う仕事をやっていました。社会人での原体験は、今日までの人生に影響を及ぼしたと思う。

Q3:どのような政策にいちばん力を入れていますか?

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政策という前に僕が絶対やりたいのが「インターネット選挙の解禁」です。今は日本のシステムは、選挙が始まったらインターネットをフリーズせざるえない状況なんですよ。単にインターネットを使い選挙をするという目的だけでなく、これは民主主義のすそ野を、政治家サイドが閉ざしている、というわけなんです。

理想的なのは、投票率100%に近づくために、個人が個人の責任によって一票を投じる、その投票率100%の形に近づけていくための改正なり規制、改革をやっていきたい。政権交代もしたわけですし、民主主義改革の一環で、これをやっていきたいと思っています。

Q4:日本をどのような国にしたいですか?

僕の政治理念。

「政治の本質的な役割は市場の失敗、つまり経済で出来ないことをやることだ!」

ということなんですが、会社で、つまり経済活動にのっとってすべてがうまく回るなら、極端な話、政治がいらないわけです。経済活動で出来ない回らない、つまり手の届かないところに政治の役割がそこにある。まずこの考え方が基本的に根底にあるんです。

2つのことが言えるのですが、経済の原理にのっとってまわるものはそれでいい、そのために規制があるなら、その規制は撤廃していかなければならない。一方で経済の論理からこぼれ落ちた環境問題、教育問題は政治がしっかりやらなければならない。すべての分野に手を出したくなるが、特に今の環境と、文部科学委員なので、教育分野に関して大いに物申していきたいと思っています。

Q5:地元で抱える一番の問題点は?またそれに対しどういう対策をとっているか?

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[子供を]学校に通わせている父兄が多い町なので、日本の教育はどうなっているんだ?など、教育をしっかりやって欲しいという意識を持った方が多い。

─教育というのが選挙区の課題ですか?

今までの教育論は、道徳といえば社会が良くなるとか、学校の教師が悪い、数が少ない、とか、何が悪いかかにが悪い、というところでしたが、これからは誰かに任せておいて回るという時代じゃない。広がった発想で言えば、コミュニティースクール、一部の人達だけでなく地域の人も関わって頂く。学校の先生は汲々としているわけです。例えば、モンスターペアレンツというのがいる。学校側があんたおかしいよ、と言ったら問題になる。でもコミュニティースクールの父兄が5〜10人いて「あんたおかしいよ」といったらしゃーないで済むんです。学校の先生にすべてを任せ、数を増やして何かが解決するというスキームは現実問題難しいわけです。

一方で、「よみ・かき・そろばん」の基礎的素養が足らない人もいる。おちこぼれを出さないために、学校の先生はどうしてもそちらに目がいく、上の方の目指す子供は放置されるから塾へ行く。しかしどっちも大切なんですね。教師を増やす経済状況でもないし、教師が増えたらおちこぼれにかかりっきりになるだけで、上の方を目指す子供は放置されるから塾へ行くわけです。ならば教師だけが勉強を教える、指導する、それに限る必要がないわけで、手薬煉(てぐすね)ひいて待っている人は社会に沢山いるのだから、社会のリソースを活用してモデルを広げていけばいいわけです。

─学校運営協議会、これでかなり変わっていく?

属人的ケースもあれば、システム的なものもあるわけです。今、その二つの差を検証しているところです。単に教師のやる気の問題か、あるいは父兄の協力の度合いの問題なのか・・・。ただ根底にあるのは、どこかの誰かに罪をなすりつけるわけでなく、そこにいるすべての人に責任と可能性を自覚していただいて教育を立て直していく、そういう必要性があるということだと思います。

Q6:今回の「政権交代」をどう感じていますか?

僕は非現職から現職になった。これは大きく変わった。先ほども西宮市の副市長さんがいらして地域の要望をいただいたんですが、現職であれば野党であっても来たのかも知れないが、今まで自民党支持していた業界団体の方が、ご挨拶に来ていただいて、皆さんの要望を聞かせていただく機会が増えた。

一方で、先輩方が政務三役はじめ内閣を回してらっしゃいますが、今までは野党だから気軽にモノが言えたわけです。「ネット選挙解禁しろ~!」というのも、「自民党は投票率を下げたいんだ、おかしいじゃないか?」と言えたが、今は、「おかしいじゃないか!」いう立場じゃない。言うだけではなく、おかしいものを変えられるようになった。自民党政治のように、これが悪い、かにが悪いとスケープゴートを探すのではなく、今度は、なんにせよ結果を出さなければならない。予算のつけ方にしても、要望ではなく決める方なんですから、これには責任を伴うと感じています。

Q7:民主党は政権を維持できますか?

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語弊を恐れずに言えば、民主党政権の役割がある限り続けばいいと思うんです。まず、民主党の政権の役割は「日本の大掃除」をする、それをした後にまだやれというメッセージを国民からいただかなければ続かない。でも大掃除を20年もやってたらいけないわけです。仮に、1期2期やった、3年、5年、7、8年やる、その後、国民の生活が第一だと、で子育て支援が第一だという理念より、日本の大掃除をして欲しいというニーズが強かったわけで、それが終わった時、今後の民主党の考え方を理解して頂けるか、次にはその山が来ると思います。

Q8:国民・支持者にいまいちばん言いたいひと言を!

ローマは一日にして成らず。成果を出したいと焦る気持ちはありますが、環境、教育というフィールドは、目に見える成果を感じて頂けるまでには時間がかかるかもしれません。しかし真面目に取り組んでいきますので、あたたかく、時にに叱責(しっせき)を頂きながら、ローマは一日にして成らずという言葉のとおり頑張りますので、よろしくお願いいたします。

Q9:読者からの質問

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インターネット選挙に関しては、どの様に秘匿性(ひとくせい)を担保したらいいのでしょう。この国は、イージス艦の情報すら漏れてしまう位、役所のセキュリティが一番信頼できません。また、電子投票には強制的な投票の恐れがついて廻ります。バソコンの側に誰かいてもチェックできません。宗教団体や利益団体が個人の投票行動を縛る事になりませんか?(投稿者: em5467-2こと恵美 | 2009年10月18日 17:06)

まず、ネット選挙の解禁があって、電子投票の問題があって自宅から投票するという、アメリカアリゾナ州の共和党、民主党予備選挙であったんですが、それだと、うちにいて奥さんの名前で旦那がクリックしてとかなるので・・・。

─解析をしても、「誰がそれをおこなったか」が結局特定できないわけで、他人名義で投票したり、お父さんの意思で家族全員が投票とか、あると思うのですが?

投票コードにしてみても、民主主義にしてみても、コストとメリットがあると思うんです。家でクリックして投票するってのは、わざわざ投票所へ行かず、着替えもせずやれるというメリットがある。それにはいまおっしゃったことが、かなり乗り越えなくてはならない問題となるわけなんですけど、でもこれを乗り越えるだけのコストを掛ける成果があるのかどうか、それに踏み切るかどうかなんです。

アメリカで、なぜこれが続いているかというと、国土が広大なのが大きいわけです。選挙も確定申告も「近くて5キロ」とか離れているわけですから。このようにこれにかけるコストがメリットより勝るならやるべきなんです。ですが日本は、ピコピコ歩いて行けるところに[投票所が]あるわけです。今は期日前に、駅前とかショッピングモール投票出来るようになってきている。

個人が固定できる技術はないので、まだすぐにはできないでしょうね。

─電子投票もそうですが、オンラインで個人を特定する場合、現在、アナログ・デジタル含め難題が幾つかあると思われます。西暦と昭和の混在、JISキーボードで入力できない旧漢字名、また、役所間が紙ベースでやりとりすることによるミスと、都度発生する多種[免許証番号、年金手帳番号、健康保険者番号など]の番号や文字列。つまり、現在、いろいろな番号が個人を取りまいていますので、これを統合するのも難しいだろうし...森内閣のIT戦略以降、どの担当者(11人?)も国民総背番号制に踏みこめていない、というのもありますが、もろもろどうお考えですか?

これは究極の行政改革で、国民総背番号制というのも、導入するコストとメリットなわけです。国家管理が大変だという人もいるわけで、ですが国家管理の管理の仕方が見えるようになれば、不穏当な情報流失がないようなシステムになればいいわけです。社会保険庁と税務署が違うだけでこんなに問題になる。統合することにより、かなり行政コストはカットされる筈ですよね。自分がどれだけ税金払ったか、どれだけ、かにした、どうしたっていうリスクをどれだけ排除出来るか。メリットとして年間100億円の行政コストがカットできる、そこのストーリーが国民の皆さんに納得されるか、なんですよね。そこは勉強しないといけないですね。

日本はセキュリティーに優れてはいますが、最後は原発にしても人為的なものにかかるわけです。そこを極端な話、大きな罰則を設けるとかトリプルチェックなど設ければ、技術にもましてセキュリティーが整うと思うのです。

─以前、泥棒に入られた経験があるのですが、その際、刑事さんと話してて、「インターネットを経由して個人情報が漏れることよりも、ポストから請求書を盗んだほうが早いんだ」と言うのです。いくら[ネットの方が]安全と言われても、国民性からして心配性だし、それも踏みこめない原因の1つだと思うのですが。

だから、それもコストとメリットなんです。自民党が進めてこなかったわけは、あまりにもリスクが大きいと踏んだからなんです。あることないこと書かれて炎上したり、裏社会の"2ちゃんねる"が表に来る、そこにリスクがある。戸別訪問は駄目なのに戸別訪問をOKした時、どこぞの党が200人300人戸別訪問に出す、物量の差で負けてしまう、格差が生まれるリスクがあるから駄目なんです。とまっているのは政治家の怠慢さもあるけれど、天秤にかけたときに、リスクを伴う、リスクが重い、だからとまっているものが多いわけなんです。

電子投票なんかね、今、8時に選挙が終わり、9時に開票。むちゃくちゃ早くて1時間、大体3時間かかる。インターネットならカードをひとつのところに集めてきて(神戸の場合)128個のカードを集めれば20分くらいで終わる。ネットで繋がってたら5秒でいく。でも今は3時間で手作業でやる。3時間を3秒にすることは、専用ケーブルであってもネズミが齧るとかそれはリスクになる。ネットで繋がってたら5秒でいく。車なら20分だけど、また再選挙というリスクとか。3時間を3秒にすることは痛快で面白いし、悶々とした時間がないことによってドキドキしなくていいというのはあるけれど、3時間を3秒にすることは、どれだけのリスクとコストがかかるか、を考えると止まっているんです。インターネット選挙というものは中傷されるのが当たり前で、リスクを過大評価しているわけだからやるべきだと思うんです。

次の参院選までは現実問題は厳しいです。法案を見ると、ただ中傷されたら、例えば誰かが「石井登志郎が浮気した」と書き込みしたとする、事実でないものは削除できて止められることが出来るわけです。しかしパソコンの特定しプロバイダー等は情報を、選管に出さなければならない規定があるわけです。民間のこうした企業に対するリスク管理のガイドラインを作らねばならない。準備には1〜2ヶ月以上かかるだろう。今の臨時国会はとおらないでしょうし、来年の通常国会も2〜3月ですから、参院選も目指しますが、その先に形になればご理解いただけるんじゃないか、と思う。

───────【こだわり】───────

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細いペン!

─時代はどちらかというと「太い」流れじゃないですか?

そうなんですかね...なぜ細いペンか...なんだろう、ゴツいのが嫌なんですよね。

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いいペンてゴツいでしょう?ゴツいといろいろ[あちこちに]あたるんだよね〜

かさばるのは嫌ですね。

最近は財布持ってるんですけど、そういう意味では"マネークリップ派"だった...だったんだけど、「ちょっと柄悪い」と言われてね、しょうがないから財布にしたんですけど。

2009年10月22日、衆議院第一議員会館:《THE JOURNAL》編集部取材&撮影

2009年10月16日

【第11回】政治家に訊く:石川哲久

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───────【基本情報】───────

名前:石川哲久(いしかわ・のりひさ)
政党:
選挙区:
生年月日:1948年1月1日
血液型:B型
趣味:テニス
好きな食べ物:魚
ホームページ:http://www.ishikawa-norihisa.com/

───────【質問事項】───────

Q1:政治家になろうと思ったきっかけは?

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政治家といってもいろいろあるかと思いますが、私が志そうとしていますのは、故郷(千葉県木更津市)の「市長」であるわけですけれども、[理由の]1つは、現在の木更津が非常に残念な状況にあるというのが基本的にあります。それは、私がライフワークとしてきた「町づくり」「地域づくり」というようなところから見て、いろんな可能性がある木更津が、「なんでこんな状態になっているんだろう?」というというのがあって、それに対して、いろんな要素があるのかもしれないけれども、私なりの経歴で見ればですね、特に、トップの持つ力というのは、大きいだろうと、そういう意味で地域に貢献できる可能性があるんじゃないか、また、貢献することによって地域の活性化になればいいという思いです。

Q2:政治家になる前はどのような仕事や活動をしていましたか?

いろんなところで仕事をしてきましたが、大きく言うと、大学時代に、都市計画関係の講座、都市工学科というところで学びまして、そのあと、当時の旧建設省に住宅建築系の技官(ぎかん)として入りました。入った時の気持ちというのは、高度成長になる頃だったでしょうか...実はいろいろと民間会社とか、コンサルタントとか、もう少し給料が高いところがあったのですが、やはり、都市づくり地域づくりをするうえで、ある意味でパブリックな仕事というのが、私には向いていると思ったので、あえてそういうところを選ばせていただきました。「日本・地域・社会を良くしたい」という思いがありました。

その後、旧建設省関連の中で、昔の国土庁や地方公共団体にも出向しました。それぞれ各地域での町づくりに携わりましたが、そういう中でも常に原点にあったのが、「故郷木更津との背景との比較」があって、いろんなうまくやっている事例もあれば、うまくやっていない事例もあるのですが、そういうものを経験してみたら、やはり、人としての役割として、貢献したいという思いになったということでしょう。

Q3:ということは、力を入れる政策というのは「町づくり」ということになるんでしょうか?

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もちろん、町づくりということになるんですけれども、単にハードのことを言っているのではなくて、つまり、町づくりというのは劇場の舞台と同じなんですよね。演劇をやるときには劇場があって、活動する俳優がいてシナリオがあるでしょ、何が欠けてもいけないわけで、舞台だけ作ったって俳優がいなければ空洞になっちゃうし、また、俳優が具体的には市民や企業になるわけですけれども、そういう方々が元気よく活動できるためには、場とか環境づくりが必要だと思います。

ですから、ソフトもハードも含めてのことです。市民が幸せな生活をおくれるというのが最終目的です。そのために必要なのは、社会的なインフラであったり、物理的なインフラであったり...それを整備するのが行政の仕事だと思いますし、あるいはセーフティーネットをするとかですね、安心して市民が豊かな生活を実感できるような...市政でも県政でも国政でも同じだと思います。

Q4:今回の「政権交代」をどう感じましたか?

いろんな思いがありますが、私自身一番大事にしたい「生活者の視点」というのがありましたので、どちらが生活者の視点で大事かという目で見ていました。従来の対立する概念とは思っていなくて、人間が昼間に生活しているところと、個人の生活としてエンジョイしているところとあるでしょ、それは、一長一短があるというのかな、逆に言うと、二大政党の時代だけれども、必ずしもそれだけで物事が割り切れるのかなという気はします。

地方と二大政党制というものが、今後、どうやって調整がついてゆくものか分からない中で、私は手をあげようとしているのですが、おそらく市民にとってみると、かなり共通のテーマ、あるいは目的は同じだと思うんですよね。ですから、具体的にどこまで二大政党によって差が出てくるかというのは、ケースバイケースなので、どちらかというと、軸足を生活者側に置いている民主党と、やや生産者側に置いている自民党という立場は従来からあったのだろうと思います。

ただ、それが今回こういう形になったというのは、例えば、大企業に勤めている方がおられて、その企業が自民党を応援していたとしても、1人の生活者という立場で考えると、「民主党の個人ウェルフェアの方がいいよね」と思う方が多かったので、組織としては自民党を応援していても、票がさほど出なくて、結果的には、個人票を集めた民主党が勝ったのだと思います。また、お父さんがそうだからといって、奥さんやお子さんまでが同じ仕組みにはならないので、つまり、個人の気持ちが非常に重要視される政権交代だったのではないでしょうか。

Q5:日本をどのような国にしたいですか?

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まず1つは、個人の選択肢の多さというのかな、自由な国でないといけないですよ。

それからもう1つは、今の世代が、環境とか財産を消費してしまうのではなくて、次の世代に残せるようにしてゆかなければいけない。それは、子育てということになるかもしれない。政治として見ると、必ずしも現在の有権者に対して給付するということではなくてね、我慢をしてもらわなくてはいけないことがあるんだろうと思うんですよ。耳あたりのいい言葉だけで票を集めるとかですね、基本的にはおかしいんだろうと思う。

例えば町づくりや国土感というのは、千年単位で考えたいと思ってるんですよね。人間の寿命って、長くて約百年じゃないですか。先人が丁寧に使ってきた国土があって今僕たちはいるわけだから、それを次の世代に残さなければならない。そうやって見ると、あまりにオーバーヒートしてしまうようなものは具合悪いなと、いう風に思います。

─1年、10年ではなく、千年単位だと

自分は千年生きてませんけどね。(笑)

流れの中で物事考えてゆかないと、それは、今の民主主義という中での難しさでもあるんだけど、やはり、投票するのは現在の人ですから、その、投票する人が、自分達の子供のためにどう思うかという投票をしてくれないと、ついね、多消費型の社会になってしまうんじゃないかと。それを言うためには強い政治家でないと、選挙には勝てないからね。キツいことや本音を言えるという意味で、今回支持された方はそういう方が多いと多いと思いますよ。

Q5:最初の話に戻りますが、木更津を見たときに「残念だな」と思われた一番の問題点はなんですか?また、対策はありますか?

木更津というのは、今は衰退してると思うのですが、江戸時代から、東京に近いというのもあって繁栄していた時期もあったのですが...産業に関しては時代の流れがあるけれども、一番の問題と思うのは、みんながあきらめてる、地域の雰囲気がね、閉塞感が漂っているというのが残念なところですね。

それは、バブルがあった中で、木更津は横断道路ができたりというのが、あとのバブルだったというのがあって、地価問題に代表されるように、いろんな痛手を受けてるんですね。立ち直るきっかけを失ったまま、次の産業を興すことについて、少し前向きじゃなかったと。

反面、東京という大消費地があって、道路もあり空港もあり港もある。それだけのインフラがあるにもかかわらず、新しい次の産業の可能性がある、房総の農産・自然食品、首都圏のオアシスとしての価値もあるわけですし、首都圏の過密に対しての対策も出せるし、それらを活用すれば、いくらでも元気になる要素があると思うんだけれども...残念ながら痛手が大きすぎたのか...

逆に言うと、それだけ東京に近いので、人がよく東京に出入りしちゃうんですよね。最近では人も増えてきていますので、まだこれからだと思いますね。

Q6:国民にいまいちばん言いたいひと言を!

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国民と言いますか、地元(木更津)の方々に対しては、「自信を持とう!」ということですね。

自信を持って将来に向かって、もう一回がんばろうよ。

その時には僕も、一緒にがんばるから。

国民には、少し我慢することも含めてね...一番は環境問題でしょうね。

CO2削減にしたって、産業型の廃棄物は落とせてる、ところが、僕たちが日々生活する、シャワーとかね、あれはCO2をたくさん排出しているわけですから、生活水準が上がったと言えばそうなんだけど、ほんとうにそういうことでいいんだろうか、というのはありますよ。全てそうですよ、環境を使ってゆくと持続型の社会が難しくなる、資源もそうでしょうね。

鴨川の辺り、房総半島もいいところですし、アクアラインができたことによって、「こんなに東京が近いんだ」ということを理解してもらえれば、いろんな人に交流してもらえるし、これは、地域にとってもプラスになることだけど、首都圏全体にとってもね、力づけになると思うし、羽田を使えば、日本が、特にアジアに向けて元気になるきっかけになるんじゃないかと思います。

石川哲久(いしかわ・のりひさ)プロフィール
昭和45年東京大学工学部都市工学科卒業後、建設省。元国交省建築指導課長。本庁の課長を歴任。メキシコ大地震の日本側調査団長。まちづくり、防災の専門家。木更津市長をやった祖父、父のDNAで木更津市の活性化を目指す。

2009年10月15日、ANAインターコンチネンタルホテル東京:《THE JOURNAL》編集部取材&撮影

【第10回】政治家に訊く:近藤鉄雄

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───────【基本情報】───────

名前:近藤鉄雄(こんどう・てつお)
政党:元自民党衆議院議員
生年月日:1929年8月11日
血液型:O型
趣味:乱読
好きな食べ物:しゃぶしゃぶ
ホームページ:http://www.ines-japan.com/

───────【質問事項】───────

Q1:政治家になろうと思ったきっかけはなんですか?

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僕は軍人(海軍)の息子なんですよ。親父が戦死しまして、海軍兵学校、高等商船学校を経て東京商科大学(一橋大学の前身)に入り理論経済学を勉強し、経済政策で国家社会の役に立ちたいと考えるようになりました。その後、大蔵省の役人になったワケですが、出向先で三木武夫(みき・たけお)さんの秘書役・通訳として世界一周をし、その時、政治家の方が役人より幅が広いしダイナミックだな...「政治は面白いな」と、単純にそう思い踏み出しました。あまり難しい理由ではないんです。ただ、選挙活動は苦手でしたね、最初の頃は「これはオレの大好きなこと」と、自己暗示かけながらやってましたら好きになりました。(笑)

Q2:当時の選挙について聞かせていただけますか?

僕は選挙に関して9勝2敗なんだけど、いつも考えてる。選挙期間に入ったら、顔写真と名前の入ったポスターは公定枚数が決まってる。そこで、最初は「何をキャッチコピーにしようか?」と、「誰よりも〜」「中小企業の〜」とか...そこで考えたのが「こんどこそコンテツ(近鉄)」だった。ポスターも「こんどこそコンテツ」。ウグイス嬢も「こんどこそコンテツ」。それでは飽きるから、時々、よけいな事も言いたくなるんですが(笑)。「こんどこそコンテツ、近藤鉄雄」だけ叫んでましたね。あとで聞いたら、投票用紙の中に、「こんどこそコンテツ」と書いたのがけっこうあったらしいのですが、これは「余事記載(よじきさい)」でダメなんです。極端なものになると、「こんどこそ」しか書いてなかったらしいです...それくらい連呼してました。自分ではなかなかいいキャッチだと思ってるんです。今回の民主党の「政権交代」もいいし、小沢(一郎)さんの「国民の生活が第一」もよかったよね。

Q3:政権交代についてどう思われますか?

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池田(勇人)が佐藤(栄作)に変わったのは「病気」なんですよね。佐藤は長期政権ですよ。沖縄返還を契機に佐藤内閣から田中(角栄)に変わるワケ。田中(角栄)が2年で辞めたのはスキャンダル、ロッキード事件ですよ。その後、三木(武夫)となったのですが、党内がおもしろくないワケですよ、クリーン三木だから。福田(赳夫)、大平(正芳)と引き継いで、その後は、鈴木(善幸)になった。元々総理になりうるタイプでもなかったから中曽根(康弘)に、中曽根は長期政権ですよ。その後の竹下(登)はリクルート事件ですよ。宇野(宗佑)が辞めたのはスキャンダル。宮澤(喜一)政権が潰れるのは自民党の内紛ですよ。細川(護煕)政権が潰れたのは佐川急便のスキャンダル。そして、村山(富市)政権に、村山はイヤになって投げ出す。橋本(龍太郎)は党内がまとまらなくて、小渕(恵三)に。小渕は病気。小泉(純一郎)は長期政権。あと、安倍(晋三)、福田(康夫)、麻生(太郎)...

こうやって見るとね、政権が代わったのは、病気になるか死ぬか、または、党内でひっくり返るか、スキャンダルか...基本的には、野党によって潰れてはないんです。政権をとった党というのはそれくらい強い。民主党だってそうですよ。もし民主党が潰れるとしたらスキャンダル。例えば、今いわれている、鳩山(由紀夫)さんや小沢さんの献金問題かも。玉石混交(ぎょくせきこんこう)だから、民主党だって聖人君子(せいじんくんし)ばかりではないんだから、スキャンダル...もあるかもしれませんね。逆に言えば、スキャンダルさえなければ、今の民主党は相当続くと思います。

タクシーに乗ったら政権交代について聞くんですよ。そしたら、10人が10人、みんな「よかった」と言いますね。「自民党残念だった」なんて言う人は誰もいないよ。まだ分からないけど、みんな「よかった」と言う。

成田(空港)にしても、森田健作[千葉県]知事の頭の中は千葉県しかないんだよ、なにがなんでも成田を守りたいというだけで、これだけのグローバルなエアライン競争の中で、普通はいろんな意見があるべきだと思うんだけど、何もない。ただ「困る」ではね。

前原(誠司)さんはいいと思うよ、成田にしても八ッ場ダムにしても、ハコモノ行政はそういう形で全部見直すことも大事だと思うんですよ。

─今、見直す時期にきてると?

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ダムだって空港だって、だんだん効率の悪いところに作っていく、そうしないと仕事がなくなってしまうからでしょう。まず、旧建設省(国土交通省)が作って、お役人が建設大臣に「こういうダム計画がありますが」と言えば大臣は反対しない。そこでお役人が、旧大蔵省(財務省)と折衝して予算をとるのですが、大臣の「顔をたてる」ワケです。ですから、大臣折衝といっても、全部、旧建設省と旧大蔵省の公共事業担当が話をし決めている。ですから、大臣の予算折衝といっても、話がついていることだから5分で済んでしまう。でも、5分じゃカッコつかないから、あとの25分は雑談してるんです。

Q4:民主党の人事については?

内閣人事は、よく考えていていい人事だと思う。

─農林水産大臣に関しては?

篠原(孝)さんは農林省(農林水産省)出身でしょ、僕はね、彼を政務官にしてあげればよかったと思う。舟山(康江)さんはいい政務官だと思うけれど...舟山さんを口説いたのは篠原さんなんです、彼女は彼の部下だったわけなんですから。彼は農林省の役人の中で非常に真面目で独創性のある男だったし、妥協せず言いたいことを言う。赤松(広隆)大臣を、篠原さんが副大臣または政務官としてカバーすれば、もっとよかったと思う。

Q5:自民党はまだ放心状態な印象を受けますが、それについては?

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自民党の政党の寂しさは、「自民党をぶっ壊す」という人を総理にしたこと。文字通り、小泉(純一郎)さんが壊したんです。彼を総裁にしなければ勝てなかった自民党は、もうその時期からアウトなんです。それを国民が、"小泉純ちゃんは面白い"とバックアップしたからあの時は大勝した。自民党には哲学がなかった。政権であることだけがウリの政党だったんです。政権政党だからこそ価値があった、政権を失って価値が無くなった。いま、自民党は、政党としてよって立つ政治理念を構築しなければダメです。

近藤鉄雄(こんどう・てつお)プロフィール
元自由民主党衆議院議員。三木派・河本派に所属し、経済企画庁長官や労働大臣を歴任。現在は、新時代戦略研究所を主宰して、各界の著名人を講師に招き、毎月朝飯勉強会を開催、政策提言を行う。民主党衆議院議員・経済産業大臣政務官の近藤洋介(こんどう・ようすけ)は長男。

2009年10月15日、新時代戦略研究所:《THE JOURNAL》編集部取材&撮影

【第9回】政治家に訊く:石井一二

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───────【基本情報】───────

名前:石井一二(いしい・いちじ)
政党:元自民党参議院議員(3期18年)
生年月日:1936年7月24日
血液型:
趣味:チェス、ゴルフ
好きな食べ物:[カウンターで食べる]寿司
ホームページ:http://www.picotec.jp/

───────【質問事項】───────

Q1:なぜ政治家になったのですか?

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僕はね、サラリーマンを二年ほどやっていたんですよ、でもちょっと現状を打開したいな、と思って、貨物船に乗ってアメリカに行ったんですよ。少し割愛しますがいろいろ苦労して、帰国した。それから事業家を目指して、それはうまくいっていたんだけれど、日本全体をみているとね、やはりその中に入って自分で行動を起こさないと世の中変わらないと、だからうまくいっていた事業から一歩外れて、政治の道に入ろうと思った。ただ、まずはね、地方議会からやろうと思って、県会議員になったのが34歳でした。12年、3期務めて、それから国会議員になりました。

外から批判しても世の中よくならない、実際に自分でその中に飛び込んで改革をしよう!というのが主なきっかけでした。

Q2:政治家になる前はどのような仕事や活動をしていましたか?

事業をやってて、アメリカに留学して国際的な分野の活動をしてきたから、国際的な仕事というと、当時は、アメリカのスーパーマーケットの「買いつけ」を日本でやってモノを輸出してたんです。輸出貢献企業という、当時は、ドルを稼いでくれということだから、毎年表彰されていましたよ。

─国家政策とリンクした感じですか?

大きく言えばそうなるよね、ただまぁ、トヨタが自動車を輸出するようなのとは桁が違いますけどね。当時はね、ワンダラー(1ドル)ブラウスなんていうのが出てて、ニューヨークで日本のブラウスが1ドルで売っているというのがセンセーショナルになったような時代で「安かろう、悪かろう、日本製品」というところから始まってたんです。怒られるかもわからないけれど、今の中国や台湾とかね...そういう時代に僕はそれをやっていたわけなんです。

Q3:どのような政策にいちばん力を入れていたか?

何かひとつというよりも、世の中全般を見て、中小企業問題もあれば、国家全体の問題もある、地方政治と国の問題も違うし、大きな夢だけ描いても、実際、いち政治家が実行出来ることは小さいですよね。一点集中的にこれだけ、というのではなく全般に政治をやろうと思ったんです。

Q4:今の社会の問題を通して政治家が重視すべきところは?

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今と当時は違うけれども、今であれば、ものすごく政治に無駄が多いからね。ここは民主党がやっていることと合致するんですが、特に官僚の天下りだとか、用もないのに外郭団体をたくさん作る。そういうムダを無くすことによって、世の中の行政的な資金の効率がよくなり、結果、国民の幸福度の増強ということになるんじゃないかと思うんです。だから、基本的に民主党の政策には賛成しているんです。

Q5:今回の「政権交代」をどう感じていますか?

交代して大ボラ吹いているけれど、「実際に実行してくれるのか?」と、僕は重視してみている。ただ、やろうとしているターゲットは正しいと思う。もうちょっと見てみないと、言うだけで終わるか実行できるか、これからでしょう。だけど、日本は変わりつつある、というのは肌で感じます。

─一時期、小泉・竹中路線で「自民党をぶっ壊す」という流れがありましたが、あの当時と今と違いますか?

違いますね、あの当時小泉さんがやったことは、今から比較すると非常に間違いが多い。だけども、結果として自民党はぶっ壊れちゃったわけだから、彼の公約は正しかったのかもしれない。だけど、今からのは「基本的な路線を変えよう」ということですからね、小泉さんの言うものとは違うんです。

─「基本的な路線」とは?

たとえば、はっきりと「天下りは禁止!」というところや、公共事業の見直し、ダムを中心に一旦凍結しようとかね、そういうところが見えるんです。

小泉さんのときは、何となく勢いよく今ある路線をを突っ走るイメージでね、特に規制緩和なんてことをやって、自由競争を大いに推奨したりしたわけだけれども、タクシー業界なんて非常に悲惨なものですよ。それから議員年金も思い切ってカットしてたけれど、これは、積立金的な要素のある年金なんですね。だから、やったことはやや間違っていて、僕なんて被害者なんですよ。小泉さんのやったことというのは、緻密なデータに基づいた政策決定というものではなくて、勘と度胸で行ったところがあると思うんです。

それに比べて民主党は、マニフェストがあって、やっていることはもう少し理論的だと思うし、今朝もテレビ見ていたら、成田空港と羽田空港の問題があって、非常に現実的な議論だと思う。

─今までの自民党ができなかったことをやっている?

できなかったというより、しようと思わなかったことを、新たに柱を立ててやりだしている。自民党がやろうと思ってターゲットに向かっていたけれどできなかった、という意味ではないんですよ。アングルと視野が違う話なんです。

Q6:民主党は政権を維持するのに必要なポイントなどは?

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できたばかりで、もう少し見ないと分からない。新たに増えた議員は「ひよこ」みたいなものでしょう?右も左もわからない。今までの野党の立場で批判していた人たちが、一生懸命新しいことをやって・・・民主党について語るには時間が必要、半年後だね。

─1993年にも転換期があった、それに比べて、今回の政権交代はどう映りますか?

55年体制というのは、大きな政界大編成という区切りだったわけですが、その途中の1993年というのは、ちっぽけなひとつの変動期であって、今回はガラッと変わった政治大改革なのです。その途中の内閣がどうだったっていうのは、いわばちいさな波のような話で、大きな波としては、55年体制と今回の政権交代、この2つじゃないでしょうか。

Q7:自民党は再生できますか?

これは、民主党がいかにうまくマニフェストに、あるいは、国民とのお約束にのっとって、国民の目線から見て、自分たちの幸福度という面できちんとやっていくかどうか、ですよ。民主党がエラーしたら自民党しかないんだから、民主党の政治がうまくいくかどうにかかっているワケです。ただ、近い将来...例えば来年の参議院選挙、4年後の衆議院選挙までの再生はありえない。

Q8:企業献金廃止に反対ですか?賛成ですか?

これはね〜、ないと政治ができないと思います。方向としては、これからは個人献金なのだろうけれど、日本で個人がお金を出すというのはまだまだ少ないんですよね。アメリカなら個人献金でオバマさんなんか非常に多くの献金を集めてきているが、日本で「個人献金をお願いします」と言ってもなかなか難しいですよ。そういう意味でも企業に献金をお願いせざるえない。ただね、上限を決めないと、「出してやるからこれやってくれ」みたいな古いパターンの取引が起こるのはいけない。

個人献金については、ちゃんとした口座を設けて、そこへ振り込んで、振り込んだ人が課税対象から外れるような制度化すればいい。ただアメリカほどは集まらない、それだけ国民の政治にお金を出そう」という理解度が薄い。

Q9:日本をどのような国にしたいですか?

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BRICs(ブリックス)という言葉があるでしょう?ブラジル、ロシア、インド、中国ね、これらは、国力が大きいし資源もあるし人口も多い。これらの国に対し、今までのように「日本の方が上ですよ」というのをキープしにくくなっている。シンガポールのような小さな国が、第二次大戦以降のびてきて、今でも高い数字を保っているけれど、ああいう生き方をしたら日本も生きる道がある。中国には及ばないけれど、アジアの第二の大国として世界をリードしていく力はあるんじゃないかと思う。

日本の特徴というのは、島国根性!一国一民族主義というのはもの凄く強いんですよ。顔も言葉も同じ。そして、国際的な移民や難民の受け入れに壁が高い。しかし、これはいつまでもこうというワケにはいかないのだから、徐々に緩んできて国際化が進んでいくでしょう。

少子化時代で労働力が足りない分野もあるので、国際化をもっと進めて、世界中をマーケットに...技術レベルを高くして、環境問題もそう、世界に貢献しながら、先進国としての立場をかろうじて維持していく。それでいいのではないでしょうか?200年、300年後のことは分かりません。

BRICs(ブリックス)
ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の頭文字を合わせた言葉。近ごろ経済成長著しいこれら4つの新興国をまとめてこう呼ぶ。

Q10:国民に対してひと言を!

よく働き、自分の義務を果たし、善良な国民として生きていってもらいたい、ということですが、むしろ、マスコミ、特に週刊誌なんか、なんでもかんでも政治の足をひっぱるような記事を書く、そのことによって内閣の寿命が短くなる、政治家の地位も低くなるという...報道規制じゃないけれど、マスコミ、特に二流紙、三流紙が、気品と品格と常識をもって記事をかいてもらいたい。

国民に対しては、いろんな人がいるから一概に言えないけれど、清く正しく生きていくことが、結果として、国家がよくなるということになるのではないかと思う。

石井一二(いしい・いちじ)プロフィール
政治評論家。元自民党副幹事長、参議院議員18年、兵庫県議12年、徳田虎雄と自由連合を設立。現在は徳州会理事長代理。兄は民主党参議院議員:石井一(いしい・はじめ)

2009年10月15日、石井一二事務所:《THE JOURNAL》編集部取材&撮影

2009年10月 9日

【第8回】政治家に訊く:中川秀直

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───────【基本情報】───────

名前:中川秀直(なかがわ・ひでなお)
政党:自民党衆議院議員
選挙区:広島4区
生年月日:1944年2月2日
血液型:A型
尊敬する人:坂本龍馬、J・F・ケネディ
好きな食べ物:ラーメン、餃子
妻との約束:毎年1回、谷村新司さんのライブに一緒に行く
ホームページ:http://www.nakagawahidenao.jp/

───────【質問事項】───────

Q1:政治家になるきっかけは?

私は政治家になる前は記者でした。社会部から遊軍記者に、厚生省、労働省を担当していきました。足かけ約9年間ぐらいでしたが、残る4年間は政治部でした。その時に、当時自民党国対委員長だった金丸信(かねまる・しん)さんに会いました。大事なことを決める時の話ですが、金丸さんが「私が国対委員で責任持って野党と協議しているんだからいろいろ言うならバッジを外す!」と言って私たちの目の前でバッジを叩きつけたことがありました。たまたま会議でその光景を見て、やっぱり政治家はそれぐらいの気迫でやっていくものだなと魅力を感じました。国民の代表として大事なことを決めていく気迫を感じ、政治家の道も男らしい生き方だなと思いました。

また記者生活を通じて、官尊民卑という官が民間より偉いということに違和感を感じてました。官尊民卑は政治の世界だけでなく、経済界や国民やマスコミ界にもありました。そういう通年的な空気を打破したいと思ったことも政治家を志したきっかけです。

Q2:一番力を入れる政策は

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私はこの近年、適切な規模の通貨を発行しながら、デフレにしない方向性を示した成長改革路線を頭に思い描いていました。所得も増えなければ分配する富も創造できませんからね。そういう成長改革路線の本を『上げ潮の時代』という本にまとめました。

引き続き執筆した『官僚国家の崩壊』という本にまとめましたが、では官僚国家を変革、打破することを目指しています。

そしてもう一つは経済政策です。分配する富を増やそうという仕事を一心不乱でやりました。そういうことをしないと若者が自信と希望や元気を持つような国にはならないと思います。成長していくには若者に自信と元気がなければ成長しません。それと新しい出会いやわくわくすることがないと成長しません。そういう国をつくるには、官僚国家の打破と経済政策における成長改革路線が必要です。私が自由民主党の政調会長だった時は、政調という時を「成長」と自称していたほどです。

Q3:若者との接する機会はありますか

数少ないですね。だから今はネットをずいぶんやっていますよ。mixi(ミクシィ)には毎日1,500通ぐらいのメッセージが来ます。なるべくいろんな意見を聞くようにいしています。

Q4:「政権交代」をどう感じられますか

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国民が選べばいつでも交代出来るのが民主主義国家ですからいいことだと思います。国民が民主党を選んだことについては、我々はこれから野党として徹底的にやって、どんどん議員立法を出して、丸呑みさせるぐらいの勢いで臨みたいと思います。そうすればまた政権交代していくんじゃないでしょうか。政権"再"交代していきます。野党は、時の政権をチェックしていかなければいけませんし、その役割があると思います。

Q5:自民党再生のポイントは

しばらく民主党に対して国民は寛大だと思います。しかしこのままいきますと失業率が相当高くなる可能性が十二分にあり、そうなると批判が出てくるでしょう。ともかく今の与党メンバーは最低でも予算編成を2回やりたいというところで結束しているんだと思いますけど、すでに政権1ヶ月で政策決定の主要ポストは過去官僚、元霞ヶ関の高級官僚が占めてしまっています。財務省や経産省出身者が政務官以上を占めているところを見ると、手堅い政策をやろうとしているのではないかと思います。

この状況で経済が失速し、財政当局主導の財政運営の結果生まれてくるのは増税路線です。

予算編成を2回したら民主党は増税路線に必ずなると思います。それは財務省がずっと言ってきていることで、野党である自民党内にもその増税路線が正しいと言っていた人たちがいることも確かです。経済の失速と増税路線が重なるとき、政権の危機がくるんじゃないかと思います。

一方、だからといって自民党に政権を任せるといった単純なことにはならないと思います。自民党自身が根本から生まれ変わらなければならないと思いますが、背景としては経済の失速や財政当局主導の財政運営の結果増税路線になった場合に、生まれ変わっていれば自民党再生、政権"再"交代になっているでしょう。

その時自民党は何から生まれ変わらなきゃいけないか。官僚依存、経済模索、増税支持のような政策ばかり言っているようでは再生のチャンスは来ないでしょう。地方分権や道州制など国のあり方を変える話を避けては通れません。再生できなければ、与野党両方ダメという世論になってしまうのではないでしょうか。

Q6:読者からの質問

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─小泉・竹中構造改革路線の総括もお聞きしたい(投稿者: ナゴヤシミン | 2009年10月12日 12:07)

それは中心メンバーの一人として、お答えしなければいけないと思います。

反省点として大きく3つあります...(別記事として下記に掲載)

【News Spiral】中川秀直:小泉・竹中路線を総括!「3つの反省点」(11/3)

───────【こだわり】───────

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「1,000円になるまで吸い続けなきゃいけないんです」

たばこと健康を考える議員連盟」で会長を務める中川氏がこだわるのは禁煙のタイミングです。

民主党・前原氏など超党派の国会議員が集まる議員連盟で、健康に悪いとされる煙草を1,000円に値上げをして医療費を削減しようとしているそうですが、禁煙した後に値上げすれば文句も言われてしまうだろうということで、現在は引き続き愛煙家でいるとのこと。

ただ、健康に配慮して煙4割カットの煙草を吸っているそうです。

「なんとか1,000円にしようとしたんだけどJTが反対して...」とぼやく一面もありました。

2009年10月14日、中川秀直事務所:《THE JOURNAL》編集部取材&撮影

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関連記事
中川秀直:自民党は消滅する!?(10/16)
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2009/10/post_393.html

2009年10月 7日

【第7回】政治家に訊く:海江田万里

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───────【基本情報】───────

名前:海江田万里(かいえだ・ばんり)
政党:民主党衆議院議員
選挙区:東京1区
生年月日:1949年2月26日
血液型:AB型
座右の銘:人生意気に感ず(じんせいいきにかんず)
趣味:映画、漢文、漢詩
好きな食べ物:羊のしゃぶしゃぶ
お気に入りの店:ユニクロ、GAP
ホームページ:http://kaiedabanri.jp/

───────【質問事項】───────

Q1:なぜ政治家になったのですか?

私の父親は新聞社の政治記者でした。幼少時代から政治が身近にあり、子どもの頃は政治家になりたいなと思っていました。ところが大学に入るとちょうど大学紛争の時で、「議会制民主主義は虚構だ」なんてことを言ってたものですから、政治家とは距離を置いて生きようかと思っていました。

しかし1993年細川政権が出来る前の宮沢内閣の頃、自民党の小沢一郎さんたちが不信任案に賛成して、自民党が割れた時、政治が変わると思いました。政治が変わるなら自分も一つかけてみようという気持ちになりました。

中国の詩人であり政治家でもある魏徴(ぎちょう)が作った「人生意気に感ず、 功名誰かまた論ぜん」という一節がその時頭に浮かびました。 「人生意気に感ず」 ...よし、やる気になった時にやってみて、うまくいくかどうかは後からついてくる。そう思いました。

そしていよいよ解散になり、総選挙まで1ヶ月というところで立候補しようと決意しました。その時京都で講演があったので新幹線でラジオをずっと聞いていました。覚えてますよ今でも。京都に着いてから友達に「おれは政治家になろうと思っているんだ」と言っていました。

Q2:政治家になる前はどのような仕事や活動をしていましたか?

経済評論家としてテレビやラジオに出演してました。いい言葉じゃないですけど「売れっ子」でしたかね。忙しかったです。それも10年ほどやって、収入は良かったのですがお金ではなく何かやろうと思った時が変わり目でした。

Q3:どのような政策にいちばん力を入れていますか?

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今はまだ政権交代して間もないですから、マニフェストで約束したこと、何と言っても「官僚との戦い」が一番大きい要素になっていますが次のステップを準備している所です。

「成長戦略がない」と批判されることがあります。もしその「成長」が旧来の言葉として使われているのであれば、成長戦略はなくてもいいと思います。しかし社会保障を充実する時の財源について、無駄遣いの削減から作っていくというのはどうでしょうか。もちろん削減はすべきなのですが、将来お金持ちや儲かっている企業から高い税金をとって充てるようなことがあれば、どこかで行き詰まってしまうと思います。 日本の企業や国民がちゃんと稼げるような仕組み作りをしなければいけないと思い、今まとめているところです。成長に置き換わる言葉を探しているのですが、いい言葉が浮かばないんです。

Q4:地元(東京)の問題と対策は?

東京1区は千代田区、港区、新宿区で、大きなビルをイメージしたりすると思います。私は選挙期間中に路地裏を相当歩きました。1,800ぐらいのスポットで演説しましたが、そこでは有権者、地元の人に悲鳴にも似た言葉を聞きました。まずは地元の人の声である年金や社会保障にのとりかからなければいけません。

それと同時に、東京はこのままでいいのかという気もしています。民主党の政策は「コンクリートから人へ」と言うのですが、それはその通りなのですが、都心部のビルが環境に優しいビルになっているのでしょうか。2025年温室効果ガス25%削減という目標があります。その時に地球環境に優しい住まいのあり方はやらなきゃいけません。東京は直下型の地震が起こるのか、震災対策も必要です。かなり遅れているんじゃないでしょうか。そういう意味で、お年寄りが住み子どもが元気に遊べ、震災に強く環境に優しい町づくりをぜひやりたいですね。

Q5:日本をどのような国にしたいですか?

都心で安心して生活できて、環境に優しく、次の世代にバトンタッチできるような、そういう都心作りをしたいですね。「緑の東京革命」じゃないですが、都市をもう一度リフレッシュしたいです。 また環境は日本が生き延びていく一つの大きな力になると思います。環境対策として環境技術をもっと政治が後押しをすることは、日本の技術力をさらに高めることにつながると思います。

Q6:今回の「政権交代」をどう感じましたか?

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まだ実感はないですが、達成感はあります。「オリジナル民主党」は13年前に立ち上がりました。13年前から政権交代を何とかして達成したい、と思い続けていました。細川さんの日本新党に入る16年前に立候補しましたが、その時からの政治活動は「日本を変えたい」「政権交代したい」という思いでした。そういう意味で達成感はあります。「思えば、遠くへ来たものだ」...やっとここへ来れたという思いは人一倍あります。

─「オリジナル民主党」を作るときは深夜まで議論されていたようですね。

イチから立ち上げるんだからいっぱいやることがありました。深夜まで酔っぱらって議論してましたよ。みんな若かったからね、40代後半で血気盛んでした。 最初は20人ぐらいでした。その後羽田さんや最後は小沢さんが加わりましたが、歴史があります。一応民主党結党は去年で10年という数え方をしていますが、オリジナルから数えると13年の歴史があるんです。これについては高野さんがよく知っていますよ。

Q7:民主党の政権維持のポイントは?

まずは国民との約束、マニフェストを出来るだけきちっとやることですね。全部マニフェスト通りにそのままの状態で進めていくようにはならないと思いますが、マニフェストは国民に対する選挙での約束ですので、麻生さんのように俺は反対だったんだなんてことは言わないようにしたいです。

もう一つは情報公開です。本当の意味での説明責任です。経済が右肩上がりの時は、政治の役割はバラマキをするだけで説明責任なんていりません。例えば年金が5万円もらえるはずが7万円だったらみんな何も言わないでしょう。だけど今まで5万円だった年金が3万円になる...もちろん民主党はやりませんよ、やらないけれども別の形で負担がかかるという時にこそ説明責任が重きをなしてくるんです。だからこれから説明責任、特に与党になったわけですから、さっきも言ったように約束は出来るだけやらなければいけない、でも出来ないこともあるだろう、じゃあその時にどんな理由で出来なかったんですかをきちっと説明するということが大きなポイントになると思います。

Q8:国民・支持者者に対して一言!

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東京1区の 支持者に対しては、本当にありがとうございました。おかげで私も議席を回復することが出来ました。選挙期間中に頂いた皆さんの声をしっかり国の政治で活かしていきたいとこれは本当に思っています。

今回の政権交代というのは世論調査しても7割以上の人がよかったなと思っています。ありがたいなと思います。私たちはその期待に応えていきます。ただ、すぐに出来ることと時間がかかることがあります。100日経つとマスコミの論評がきつくなると言われますが、長い目で見て少なくとも4年間でどういう仕事をしてきたかということを評価してもらいたいと思います。

Q9:読者からの質問

落選中の4年間どんな生活だったのですか?

選挙が頭から離れたことはありませんでした。昨年の7月、14ヶ月前ぐらいからラストスパートに入りました。月曜から金曜まで朝は駅に必ず立ちましたし、それが終わったら路地裏をずっと回って、今度は昼ご飯食べて、午後も回り、夕方はスーパーの前に行って演説です。土日は祭りに参加したり、ずいぶん餅つきましたよ。

その前は現職の人と意識がずれないように現職の人たちを囲んだ勉強会をしたりしていました。

───────【こだわり】───────

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かなりレアな情報ですが、「ヒコーキ好き(マニアかな?)」だそうです。

特に、「複葉機(ふくようき・主翼が2枚以上ある飛行機)」がお気に入りで、あまり作る時間はないようですが、プラモデルも収集されています。

「長くなるので、次回またゆっくり話すよ」と言われました。

2009年10月14日、衆議院第一議員会館:《THE JOURNAL》編集部取材&撮影

2009年10月 6日

【第6回】政治家に訊く:石川知裕

───────【基本情報】───────

名前:石川知裕(いしかわ・ともひろ)
政党:民主党衆議院議員
選挙区:北海道11区
生年月日:1973年6月18日
血液型:A型
座右の銘:不撓不屈(ふとうふくつ)
趣味:野球
好きな食べ物:豚丼(帯広名物)
ホームページ:http://www.tokachi-ishikawa.com/

───────【質問事項】───────

Q1:なぜ政治家になったのですか?

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私の生まれ故郷は北海道の足寄町(あしょろちょう)という、香川県とほぼ同じ面積の日本一広い町です。過疎化が進んでいる町ですが、地域を元気にしたいという思いのが一番のきっかけです。

Q2:政治家になる前はどのような仕事や活動をしていましたか?

私は大学在学中から小沢一郎さんの書生として働き始めました。小沢事務所は必ず東京と岩手両方の事務所で勤務することになっています。私の場合はまず東京で日程調整や経理を務めました。その後岩手で何年か働き、また東京へ戻りました。片方だけだと仕事が身につかず、地域のこともわかりませんので、必ず転勤することになっているのです。

Q3:どのような政策にいちばん力を入れていますか?

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私の選挙区は十勝地方です。面積は1万km2と岐阜県とほぼ同じ面積です。基幹産業が農業です。生乳の生産量は全国で約800万トン、その半分が北海道産です。十勝については100万トンと日本の生乳の8分の1を生産している地域です。そんな十勝では農業政策に一番力を入れていきたいです。

地方の雇用は公共投資によってある程度守られていましたが、だんだんと公共投資は減ってきました。これからは1次産業を基盤とした雇用を作っていかなければいけません。いま民主党が掲げている6次産業化、いわゆる農業と商工が一体となって連携を取り合うことに力を入れたいです。

Q4:6次産業化は地域の中で連携させるのですか?

北海道で捕れたスケソウダラが九州へ移動して高額な明太子になりますが、加工や流通で生み出される付加価値はできるだけ地域に落ちるようにしたいと思っています。そのためには規制を緩めたり、申請に必要な膨大な書類を簡素化することも必要です。そして何より地方分権を進めて、自分たちの町が生きていく方向性を自ら決められるような体制にしてあげることが大切だと思います。

Q5:日本をどのような国にしたいですか?

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かつては総中流社会といわれ、活力ある国でしたが、今は格差が広がり何より若者が夢や希望を持てなくなっています。明治維新の場合は近代国家を目指し、太平洋戦争が終わり国土が荒廃した後は三種の神器に象徴されるような物で生活を豊かにしてきました。ここに来て日本という国が目標を失いかけている。これからの日本人は世界に出て世界中をもっと豊かにしていくんだという若者を作れるよう教育をしていくことが大切だと思います。

Q6:今回の「政権交代」をどう感じましたか?

新しい政策を次々に打ち出していることが一番政権交代の実感がわくところです。政権交代によって政策転換ができていることは国民の皆さんが一番感じているかと思います。これまで大胆な政策転換はできませんでした。それは自民党も官僚も一体となって物事を進めてきた結果、自分たちの失政を認めることにつながる政策転換はできなかったということです。

Q7:民主党の政権維持のポイントは?

これから政策を実行するにあたり、新しく法律を作る、または1つの政策を変えるとなったときに、それによってプラスになる方もいればマイナスになる方も出てきます。そこで常に民主党が「国民の生活が第一」ということを忘れずに改革を進めていけば必ず選挙で勝利できると思います。

Q8:地元(北海道)で抱える問題は?

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雇用が問題です。私の選挙区でいうと農業の総生産高は約2,500億円で10年前から徐々に伸びています。公共投資はピークが約1,900億円で今は800億円を切っています。半分以下に落ちている中で雇用も失われています。だから農林漁業といった1次産業を基幹としてどのように雇用を作っていくかが今後の課題です。そうしないと仕事がないから札幌に行くという発想になってしまいます。

北海道の人口は3分の1が札幌近辺に集中しています。郡部といわれている地域は仕事が減り地域を離れ、今度は病院の機能が札幌に比べると弱くなり札幌に行ってしまいます。どんどん一極集中が進んでいきますから今度はその流れを変えなくてはいけません。私は日本全国を考えても都会を住みづらくしても良いと思っています。住みづらいから田舎に行こうというようしていけばいいと思います。

─北海道は全国でも都市と農村の生活差が顕著にわかる地域かもしれませんね

スポーツができないんですよ。野球チームが作れません。昔は各学校ごとにあったチームが今では2、3の学校で1つのチームを作っています。そういうものを見ていると何とかしなきゃなと思います。子供がいないとさみしいでしょう。

...といいつつ私も独身だから偉そうなことは言えませんが(笑)

Q9:読者からの質問

─衆議院選挙の途中で立ち消えたようなFTAと農家の戸別保障について石川議員の本音をお聞かせ下さい。(投稿者: 古人 | 2009年10月 7日 10:15)

日米FTAの締結とマニフェストに載り、その後党内で協議した結果「促進」と変えました。自由貿易の促進は世界の流れですし、日本もFTA・EPAは9カ国と交渉して妥結しています。ただ国内農業にどういった影響を及ぼすかを考えながら、現在は慎重に物事を計っております。今の時点で日米FTA締結はありません。

ただ二国間のFTAと違い、WTOは日本が嫌だと言っても世界が決めてしまうと日本の農業が不利な立場になってしまいます。そのために戸別所得補償を制度化して農業者が安心して営農できるように体制を作っていきます。日米FTA交渉を進めるために戸別所得補償制度を整えようという考えではありません。

これから畑作と稲作は来年モデル事業を始めて、再来年から完全実施。酪農・畜産、林業、水産業については数年かけて制度設計をし、導入していくというのが戸別所得補償制度のタイムスケジュールです。

Q10:書生時代の暮らしをもう少し詳しく教えてください。

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これは面白いですよ。一年間は名刺ももらえず、ジャージ姿でひたすら仕事をします。まず朝5時に起きて、最初1ヶ月は車の運転の練習です。戻ってきて庭掃除です。7時に一緒に散歩をした後は、ご家族と秘書約10人分の朝食を奥さんと作り、先生が出られるまで準備を手伝います。その後も雑務がたくさんあります。

いろいろ失敗もしました。小沢先生は鳥が好きで、一度江沢民元国家主席からオウムをもらいました。オウムと一緒に2匹のツグミももらい、飼うことになったのですが、翌日になって2匹のうちの1匹が死んでるんですよ。その時はクビかと思いました。日本の環境に合わなかったそうなので、小沢先生は「生き物だから仕方ない」と言っておられましたが、顔面蒼白でしたよ。

Q11:国民・支持者にメッセージを!

政権が代わって一つ一つ政策を実行していっております。戦後60年間、自民党が築き上げてきたシステムではもはや限界ということで、国民のみなさま方から民主党に政権を移そうと、任されました。

日本を病人にたとえるとお医者さんが自民党から民主党に代わったのです。すぐ薬を飲んで治る病薬はありません。それを同じように、いまようやく我々も病気にかかっている日本を治すためにどういう薬、療法が良いのか、模索しながら徐々に回復させようとしています。すぐ結果が出てくるわけではありません。国民のみなさまにはこの改革を少し長い目で見て、支持して頂きたいと思います。

───────【こだわり】───────

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「衆参国会議員で設置しているのはうちだけなんですよ!」

石川氏は独身のはず...と思ったのですが、実はこのベビーベッドは秘書用のものだそうです。

議員会館には託児所がなく、国会議員はもちろん子供持ちの秘書の方々はご苦労されているようです。

「働きながら子育てをと言っているだけに自分から実行しないと!」

2009年10月7日、衆議院第一議員会館:《THE JOURNAL》編集部取材&撮影

2009年10月 3日

【第5回】政治家に訊く:後藤田正純

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───────【基本情報】───────

名前:後藤田正純(ごとうだ・まさずみ)
政党:自民党衆議院議員
選挙区:徳島3区
生年月日:1969年8月5日
血液型:B型
座右の銘:逆命利君(ぎゃくめいりくん)
趣味:碁、野球
好きな食べ物:タイ料理、チャーハン
ホームページ:http://www.gotoda.com/

───────【質問事項】───────

Q1:なぜ政治家になろうと思ったのですか?

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小学校の卒業文集に「政治家になって国を動かしたい」と書きました。私は身内の関係で小学校時代から電車に乗って議員会館に来て、秘書さんと遊んでもらったりしていました。そのうちにいろいろなものを見聞きし、政治へのあこがれを抱くようになっていました。大学時代には大叔父である後藤田正晴さんの事務所で1年ほど手伝いをして、政治の世界に入ろうと考えていました。

大学卒業してからすぐに秘書にしてくれと大叔父に言ったのですが、「社会勉強しない政治家が多すぎる、政治の世界にどっぷりつかるのは駄目だ」と一喝され、商社に入ることになりました。入社後3、4年経った頃には先代が引退し、その時にも大叔父にやらしてくださいと言ったのですが「26、7歳の奴が政治をするなんておこがましい。出直してこい」と怒られました。

今になってみれば人生経験もない、人の世話もしてない若い奴がいっぱしの使命感を持って政治をやろうというのは、ひとりよがりの何物でもないと思います。立候補までの時期は私にとっての我慢の時であり、よく考える時間を与えて頂いたと大叔父には感謝しています。

Q2:政治家になる前の商社ではどのような仕事をしていましたか?

三菱商事で鉄鋼の商売をしていました。商社というと世界を渡り歩くイメージがありますが、私の場合は全く逆で、とりわけ国内の中小企業の方を相手にしており、浦安や川崎、北関東などいろいろ回りました。企業の方々の苦労を感じられる部局にいたので、その時の経験は今になってみると非常にいきていると思います。

Q3:どのような政策にいちばん力を入れていますか?

力を入れるのは経済問題です。これまでは大企業が良くなればその利益は下の企業にまでしたたり落ちると言われていましたがそうではなかった。実った果実を一部の人が食べているだけでした。世の中はピラミッドですから、大きな高い山を築くためには裾野から健全にしなければなりません。健全な消費者と労働者がいなければ消費も増えません。

とはいえ民主党は内需主導と言ってますけど、今はもう成熟社会です。車も家もみんな持っているでしょう。あれが欲しいから仕事を頑張ろう、ということも今はないでしょう。だから外に輸出する成長産業を国益のためにやっていこうと思っています。

Q4:日本をどのような国にしたいですか?

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弱者への光と未来への光、「2つの光」が私の哲学です。より気の毒な方を少なくし、より少しでも繁栄し長く持続する国家にしたいです。これ以外に政治の仕事はないと思います。「いい世の中にしますよ」と皆言うのですが、マスコミを含め財源の議論はしないですね。これに今、本当に憤りを感じます。私は消費税の議論からも逃げることはありません。

Q5:今回の「政権交代」をどう感じていますか?

このたびの選挙については、正直なところ自民党は代わってよかったと思っています。これは日本にも、自民党にも、もちろん民主党にとってもよかったということです。

私は今回の選挙で苦しみましたがとてもいい勉強になりました。私自身にも慢心があったし、自民党も慢心がありました。それを崩壊前に気付かせてくれたのはよかったと思います。

Q6:今回の政権交代について大叔父の後藤田正晴さんはどうお感じになられていると思いますか?

完全に予測していましたよ。自民党にとっても国家にとっても良かったと思っているはずです。もし存命であれば、政権交代は必然だったと言うでしょう。実は政権交代が可能な仕組みを作ったのは、うちの先代をはじめとした当時の政権中枢にいた方々です。一党独裁なのに、自民党が交代させられることを覚悟して新しい政党を作って競わせました。

大叔父は生前「政治は緊張感がなればいけない」と言っていました。会社も競争相手がいなければ良いコンテンツ(内容)も技術も生まれません。政策としての作品は惰性で創られてきたのではないでしょうか。

私は当選してから自民党のいろんな惰性的な政策、ガバナンス(統治)、人間関係に憤りを感じていました。私は自民党の中でも革新的で、本当は民主党より革新的かもしれません。今は派閥にも政治家にも気迫がなくなりました。

Q7:民主党は政権を維持できますか?

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政治は政党のためにありません。国民のためにあります。私の発言は常に政党を超えています。自民党を、民主党を維持するということは問題ではないと思います。

自民党独裁の時、野党は審議引き延ばしたり国会をさぼったり不真面目な部分が見えました。僕らが野党になったらそういうことは絶対してはいけないと思います。政党は国家、国民にとっての道具です。与野党間で足りないところをお互いに補い合う、良いところは誉める、そういう国会論戦をすれば「お、自民党はなかなか大人だな」って思われるでしょう。そして国民の皆さんも冷静になって政策論争が頭に入ってくると思います。次第に自民党の言っていることの方が正しいねと思い始めたら交代は早いですよ。

Q8:自民党再生のポイントは?

「国民の皆さんの政治」をすれば結果として自民党の支持も上がると思います。自民党のために政治をしていたらいけません。そういう意味では民主党は危ないと思いますよ。将軍様がいるでしょう、小沢さんに日本国民が支配されているような感じがあります。これは危ないですよ。鳩山さんや若い立派な政治家にはそこをブレーキかける役割もあると思います。

今の民主党は男で言うとスネ毛も生えていなく、爪にマニキュアを塗り、ダイエットした表向きだけ装っているような政党です。政治というのはもっと猛々しく筋肉つけてスネ毛も生えていないといけないんです。本当に魅力的なのはどちらですか。どちらの方が本当に世の中が良くなるのかと聞きたいです。

Q9:地元(徳島)で取り組みたい課題は?

人口減少と過疎化です。地方のあらゆるところが同じ現象と思いますが、仕事場がありません。ここで必要なのは私の哲学である「2つの光」のうちの1つ、成長戦略です。未来へ持続な国にしたいと思います。

そのために最低限の競争条件を作ろうと選挙では言ってきました。徳島は日本で一番女性社長が多かったり、LEDで世界的に有名な日亜化学があったりと地域資源は豊富なのですが、道路はなく、水不足も毎年起こります。もしかすると昔っぽい政治家の発言になるかもしれませんし都会の方からは公共事業反対と言われるかもしれませんが、少なくとも最低の条件として社会基盤の整備をしたいと思います。また、これからはバイオや医薬です。我が県は大塚製薬があったり、"石を投げれば医師に当たる"と言われるほど医師の数は多い。しかし過疎地においては医者不足という現状があり、日本の縮図のような矛盾を抱えています。そこは徳島のよさを活かした医療県をつくっていきたいと思います。例えば世界から患者を連れてくる、世界に医療を教えに行くこともいいと思います。

Q10:読者からの質問

ー政界再編をしたいと、度々発言されてきましたが、どんな軸で再編されるつもりでしょうか?自民党の再建をしたいのでしょうか?自民党を離党して新しいグループを作ることを優先したいのでしょうか?(投稿者: em5467-2こと恵美 | 2009年10月 3日 22:55)

私は離党する前の渡辺喜美さんには自民党を出ちゃいけないと何度も説得しました。今いたら総裁になっているかもしれません。今回の選挙でもわかったと思いますが、二大政党の中では自分のやりたいことは一人じゃできません。遠回りはできないからこそ今回は自民党の中で戦いました。これからは参議院で自民党が勝って、ねじれを作り、政策の引き出しをもう一度入れ直します。

今度の参院選挙では自民党は本当の民意を問えばいいと思います。マニフェストばかりでファッショ的な政治をする民主党か、一から出直して民意を聞き取った自民党、どちらがいいかという対立軸を作っていきます。今の民主党はヤマタノオロチのように8つの首で1つの胴体という状態です。負ければ必ず分裂します。その時キャスティングボートを握るのが自民党です。そういう意味での再編です。党のための再編でなく、国家・国民のためのものです。

Q11:国民・支持者にいまいちばん言いたいひと言を!

これから10年間は初心に返ってやっていきたいと思います。この2、3年間は充電期間です。そしてまた政権交代を達成する時に、自民党総裁になっていたらいいなと思います。そうしたら総理大臣ですね。乞うご期待といったところでしょうか。

───────【こだわり】───────

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月に1度はタイ料理屋に行かないと気が済まないそうです。

もちろんパクチーは大好き!

「学生時代に行ったタイを思い出します。エネルギッシュな町でした」

───────【アイテム】───────

2009年10月6日、衆議院第一議員会館:《THE JOURNAL》編集部取材&撮影

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政治家(国会議員・公認候補者・知事・市長...引退した方々など)の基本情報はもとより、政策から人柄までが分かるような「生きた」データベースを、取材や対談を元に構築してゆきます。
党や団体のイメージではなく、あくまで“政治家本人”にスポットをあてたコンテンツです。
できるだけ取材予告しますので、その政治家に対して“言いたいこと”や“聞きたいこと”がありましたら、コメント投稿ください。その場合、内容は簡潔にお願いします。
このページを通じて、閲覧者・政治家・編集部おのおのの相互理解が深まり、更に深い意見交換が生まれることを願っています。

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