Calendar

2010年12月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

Category

« 練達の百姓がうめいた TPPを迎える農の現場から
メイン
グリーンエコノミーが生態系と農民コミュニティを壊す ヴィア・カンペシーナは主張する »

TPP 狙いは日米同盟強化 ── 経済政策より政治選択だった

 TPP(環太平洋経済連携協定)という聞きなれない言葉が、ある日突然メディで踊りだした。10月1日の国会での所信表明演説で菅直人首相が取り上げたのが発端なのだが、それはいかにも唐突であった。政府・与党内でも国会でもほとんど論議されないままいきなり総理の口からTPPという聞きなれない言葉 が国の重要政策として飛び出したのだ。待ってましたと、経済団体がTPPに参加し、世界の自由貿易の流れに乗れという要望書を政府に突き付け、新聞、テレビには「このままTPPを見送ると日本は滅んでしまう」という論調であふれた。いったいTPPって何なのだ。

 この一連の動きは単に騒がしいだけでなく、いかにも奇妙なものであった。まず、菅首相の唐突なTPPへの関心表明に至る経過がさっぱりわからない。

 いっそう奇妙なのは、権力の動きを監視するのが任務のはずのメディアが、その奇妙さを全く無視、「TPP参加こそが日本を救う道」と、TPP参加の太鼓 をたたき続けたことだ。しばらくしてその謎が解けた。TPPを日米同盟と重ね合わせる議論がメディアを飾るようになった。

 朝日新聞の船橋洋一主筆は10月8日にワシントンで米外交問題評議会と同社の共催で開いたシンポジウムで、「(日米同盟の課題の一つは)TPPに日本も参画し、日米が提携して『自由で開かれた国際秩序』を作ることだ」と発言した。

 読売新聞は葛西敬之JR東海会長の「日米同盟はまさにわが国安全保障の基軸であり、TPPはその展開形である。速やかに参加し、米国とともに枠組みづくりに名乗りを上げるべきだ」とする二ページにわたる長い論考を掲載、キャンペーンを張った(11月8日付「地球を読む」)。

 世界の成長センターであるアジア太平洋地域で経済のイニシアティブを握ることは落ち目の米国経済にとって、今や最重要事項をなっている。ところが、この地域で最大 の経済連携体であるASEAN(東南アジア諸国連合)を含む東アジアとの連携では中国がすでに主導権を握り、鳩山由紀夫前政権は東アジア共同体を政権の目 玉として打ち出して、こともあろうにこの地域の経済連携から米国を締め出すそぶりさえみせた。

 昨年までTPPは目だたない小国どうしの経済連携体であった。オバマ米大統領はその小国の連携に手を突っ込むことで、TPPを大きく変えた。落ち目の米国にとって、TPPはこの地域で米国が中 国に対抗して主導権を取れる唯一の経済連携グループとなったのである。TPPにかむことはそのまま米国をサポートすることにつながる。TPPは菅政権に とって普天間で揺るぎ、尖閣でその効用を再認識させられた日米同盟を立て直す切り札だったのだ。それは経済政策というより政治的選択だったのである。沖縄 の人々の思いより日米同盟優先でキャンペーンを張った主流メディアがTPP太鼓をたたいたのも当然の帰結だった。

(この記事は「日刊ベリタ」から許可を得て転載しました)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/7573

コメント (6)

■コメント投稿について編集部からのお願い

《THE JOURNAL》では、今後もこのコミュニティーを維持・発展させていくため、コメント投稿にルールを設けています。投稿される方は、投稿前に下記のリンクの内容をご確認ください。

http://www.the-journal.jp/contents/info/2009/07/post_31.html

ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

大野様
菅首相は10日、今年を表す一字に「行(ぎょう)」を挙げた。

 首相官邸で記者団に「行」と書いた直筆の色紙を披露した首相は、「何に対しての修行か」との質問に、「首相という仕事は修行している身だという意識でやらなければいけない。そういう仕事だ」と述べた。

(2010年12月10日20時10分 読売新聞)

これをどう取るか、マスコミからは何の声もないが、奇妙である。
国民のトップである。政治家としても人間としても凡人がはるかに越えられない位置にあるから総理になったのではないか、そして天命として己の信念、理念で持って国民をリードしていくのが首相たるものである。今さら修行ではあるまい。
何年か総理をして相当なる業績を残して更なる天命を極めるための行であれば謙虚であると言えるが、何の業績どころか国を混乱させ、他国から舐められ、国民からは支持率大低下の総理の行とは、己の信念とは関係なく、米からの要望、官僚からの要望をやりたいのに、党内の反対で思い通りいかないから、日夜耐え忍ぶように、いやいやお勤めをするのが総理の仕事であり、修行ということか。
まさにTPPはその典型である。
米からの要請で動いたは良いが、党内をまとめられない。そして毎日の高級料理三昧これも首相には修行なのだろうか。
熟議と言ったが、熟議の前に己の信念、政治的野心があるべきだが菅首相にはそれがなく、目の前に現れた米国、中国からの課題、官僚からの課題、マスコミ推奨の課題に、突骨に飛びつき、抱きつき、食い散らしては放りだす、何一つ解決しない首相の行に、国民は完全に苦行である。
何の準備もなく、米からの要請でTPPに踏み込んだ首相に日本の農業は大混乱であるが、日米同盟強化といえば何か対等な言葉であるが、ただ米に従属しただけの話で、TPP加盟したとしたら農業だけでなくその後に米からの無理難題があらゆる分野に及ぶのだ、日本にとっては米中の盟主争いの問題どころではない。
TPPに中国が加盟するのかどうかも不明であり、日本としては首相のリーダーシップのなさでうやむやで加盟しないのが一番だ。
日本はアセアン+6で良いのではないか。
大野様菅首相の力量に期待しましょう。我々も行です。

 都会育ちの議員さんには、TPP推進は「貿易解放」で遠慮なく工業製品をどんどん売れ、と財界の顔色みて賛成でしょう。質が人気の日本の農産物もアジアに輸出しろ、なんてバラ色の夢を語るが、そう夢のような現実はありえない。
 農村地域選出の議員さんにとっては切実だ。民主系の議員さんは「菅内閣でTPPを決めるのだろう、民主は支持しない」と次の選挙で農協や農村の突き上げがあろう。地方議員の民主党候補は選挙で落選続出だろう。農村関連産業は打撃を受けて雇用も失い、ゴーストタウンの町も出てくる。農村地方は悲鳴をあげるのではないか。
 米国の農村地帯のカリフォルニアは有名な俳優が知事だが、この夏に農産物を売り込みにきた。カリフォルニアは財政赤字で苦しんでいる。牛肉、野菜、果実を日本に輸出したがっている。アメリカの農地は日本の90倍だ。同じ土俵ではない。まともに相撲にならない。関税撤廃で安くなるかもしれないが、質、安全で不安だ。なんせ、農薬を飛行機でまく国なのだ。狂牛病もまぎれこむかもしれない。
 小泉改革で競争の原理が働きすぎて、格差社会で若者、労働者は生活に追われ、とても消費にまわらない。商店、飲食店、コンビニ、次々と店をたたんでいる。
菅直人総理は総理を辞める前に、地方の現状を視察していただきたい。小沢一郎さんは岩手の議員ですから、TPPいきなり推進では危険と認識しているようです。TPP推進は亀井静香氏も危ういと述べていた。

TPPも小沢一郎潰しも経済破綻に限りなく近い米国の悪あがきの圧力のよるものであることは誰の眼にも明らかなことである。

 いよいよ実力行使開始である。時間がないのである。米国の経済が如何に落ち込みつつあるか、何が何でも日本のカネが必要なのである。

 目的の為には反米組織と見なされている邪魔者は一掃すべく、息の根を止めんがため、その手先は攻撃を露わにしてきている現下の政治状況である。

 日本国民はバカではない。NHKが如何に菅や仙石、岡田の戯言を垂れ流しにしようが騙されないし、騙されてはならないのである。

 今の日本にバカの一つ覚えの「証人喚問」を言っている暇はないのである。

~年末政局 - 小沢派の追放と大連立、クーデターと逆コースの仕上げ~

通常、この季節は予算と税制でマスコミ報道が埋まるけれど、今年は年末政局の騒動になっている。大連立が喋々され、小沢一郎の除名と新党結成が話題の中心である。いろいろな解説や憶測がされているが、この権力闘争の本筋は、菅直人と仙谷由人が政権の浮揚と安定のために小沢叩きをやり、さらに小沢斬りを断行するということだろう。小沢叩きの政局を演出すれば、マスコミが菅政権の支持率を引き上げてくれる。小沢一郎が離党してくれれば、連立の組み替えに持ち込むことができる。菅直人と凄雲会は、小沢一郎と小沢派を追放処分する気だ。そして小沢一郎の粛清は、連立組み替えの数合わせと意味が重なっている。すなわち、離党者の数が少なければ公明党と連立を組み、数が多ければ自民党との大連立に移行する。そういう計算と論理だろう。マスコミは、現時点では大連立に積極的な評価を控え、渡辺恒雄の動きに揶揄と冷笑の視線を送っているが、これから小沢政局が本格化し、小沢派の集団離党が確実な情勢になれば、必ず大連立せよと囃し立てるに違いない。参院選後に星浩が報ステで何と言っていたか。大連立でねじれを解消して、消費税増税せよと言っていたではないか。これは官僚の要請であり、米国の要求でもある。大連立によって、①消費税、②TPP、③武器輸出三原則、④集団的自衛権を解決する。
【続き - 以下は有料です 転載禁止】

世に倦む日々様の投稿通りの様相ですが、大連立がもっと真実味を帯びた時、民主党内旧社会党系、自民党郵政民営化反対派、いわゆる地方派が大臣と与党復帰ということで簡単にまとまるのだろうか。凌雲会と自民ネオコン派ならツーカーであっても、上記議員連中にとっては消費税、TPPと集団的自衛権は難問である。だから殺小沢でまとめようとしているのだが、選挙では小さいことだ。
自民党にしたら選挙すれば政権が取れるのである。マスコミに踊らされて菅政権を支える愚をすれば、歴史の七不思議となる。
党勢は一気に衰退する。
それ以上民主党が大転換となれば、旧社会党系が自民党以上に選挙で壊滅する。なんせ民主党がかつての自民党以上の自民党小泉ネオコンになるのだから。
そして当然米ネオコン同様日ネオコンも行政改革はしない、小さな政府で大きな財政支出である。
国民の求める行政改革が政治的課題として浮上する。
当然選挙調整など進むわけがない。公明、みんなの党、小沢新党が連携すれば第一党か二党になる。政治の激動化が起こる。
もっとも渡辺が清和会や森と袂を分かつ可能性も低いが。
連携のキーワードは行政改革と減税、地方主権である。これなら人気が出る。
候補者もみんなの党、小沢新党で全区に出せる。公明票が上乗せになれば強い。
更に橋下や河村との連携も可能だ。小沢はゾンビ、復活する。
渡辺総理、小沢副総理、河村官房長官、橋下総務大臣、鳩山邦夫財務大臣なら支持率80%だ。
次期選挙で民主党は大連立なら壊滅である。自民党も地方で大苦戦する上、都会はみんなの党にかなわない。
そんな方向を民主、自民が選ぶなら大歓迎だ。政治の大転換が一気に加速する。
私は大連立はないと思っているが。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※[投稿]ボタンをクリックしてから投稿が完了するまで数十秒かかる場合がございますので、2度押しせずに画面が切り替わるまでお待ちください。

Profile

大野和興(おおの・かずおき)

-----<経歴>-----

1940年愛媛県生まれ。
農業ジャーナリスト。
四国山地の真只中の村で育ち、農業記者として約40年を日本とアジアの村を歩く。
「日刊ベリタ」現編集長、「脱WTO草の根キャンペーン実行委員会」事務局長、「アジア農民交流センター」世話人、「国際有機農業映画祭」実行委員会代表。

BookMarks

-----<著書>-----


『食大乱の時代』
2008年7月、七つ森書館


『百姓が時代を創る』
2008年2月、七つ森書館(増補版)、共著

『日本の農業を考える』
2004年4月、岩波書店

『百姓は越境する』
1991年8月、社会評論社

→ブック・こもんず←



当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.