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《映像記事》イスラエル人入植者に土地も水も奪われて

 「守るも攻めるの農業なんだな」と同行の農民作家山下惣一さんがつぶやいた。佐賀県唐津市でミカン農業を営みながら小説やエッセイを書く有名人だ。筋骨たくましい、ごつい風貌に似合わぬ鋭い感性の持ち主で、物事の本質を短い言葉でずばりといい当てる。

 パレスチナといえば、爆撃される都市、瓦礫となった街、ぐったりとなって抱きかかえられる子どもたち、けが人でいっぱいの病人、発射されるロケット弾...。テレビを通して流れるそんな映像しか思い浮かばない。パレスチナにおける農業や農村のもつ社会的重要性はきわめて高いのだが、多くの人はパレスチナに農業があることさえ知らない。そんなパレスチナの村を歩いてみたいと日本の農民何人かと2月初め、現地に入った。村に入っての第一声が、冒頭の山下さんの言葉だった。

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岩を崩してオリーブの木を植えていく

 パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地域。乾燥した大地が続く。石だらけの山の斜面は一面オリ‐プが植えられている。土の上に石があるのではなく、石の隙間に土があるという感じだ。平場で野菜畑や麦畑を見るとほっとする。これらの土地のかなりがイスラエルからの入植者によって侵食され、農業だけでなく生活にも欠かせない水源の85%はイスラエルの管理下にある。

 本来、止まっているはずの入植者の侵入は今も続き、数が増えている。その分、土地も水も浸食される。実質的なパレスチナのイスラエル化が狙いではないかという気がする。

◆ まず軍隊がやってきた

 周りをイスラエルからの入植者で囲まれている西岸地区北部の村を訪ねた。そのひとつスリフ(Sureef)村は500家族で人口3000人ほどの農業の村だ。村の面積は400ヘクタール、うち農地の面積は150ヘクタールほどだが、その面積を大きく上回る170ヘクタールほどが入植者に接収されてしまっている。150ヘクタールに農地のうち140ヘクタールがオリーブ園。オリーブはこの村の主要産業なのである。

 土地を接収されるとは、どういうことなのか。村のリーダーの一人に質問した。

 「いろんな形がある。(イスラエルの)軍隊がまずやってきて、ここを摂取すると宣言、続いて入植者がやってくる場合もあれば、入植者が自ら武装してくるときもある。軍隊と入植者が一緒にくる場合もある。家を壊し、農地をブルで踏みにじり、オリーブの木を切り倒して、農民をその土地から追い出す」

−入植者はそれからどうするのか。

 「そうやって場所を確保したら、そこに家を建て、防御体制を整える。そして徐々に自分たちの面積を拡大していく」

−法的な所有権はどうなっているのか。

 「2000年に当時のイスラエルの首相のシャロンが、山はすべてユダヤ人のものと宣言した。それ以来彼らは勝手にやってくる」

◆ 彼らは山の上からくる

 入植地はたいがい山の上に作られる。常に村を上から見下ろしているかっこうだ。山の上の入植地から一気に駆け下りてくると、真っ先にぶつかるお宅を訪ねた。6人家族のお宅で、うち4人が小さな子どもたちだ。

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鉄扉には複数の攻撃の跡がある

 この家はこれまで何度も入植者の集団に襲われている。10代の子どもから大人まで集団でやってきて石を投げ、火をつけ、斧を振り回して窓を壊し、催涙弾を投げ込む。繰り返し繰り返し襲われた。襲撃の間じゅう、幼い子どもたちは震えながら物陰に身を潜めて過ごす。

 家の人の案内で壊された窓を見ることができた。彼らは家や塀の壁にユダヤ教あるいはユダヤ民族を象徴するダビデの星を落書きして帰っていく。

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家の壁に書かれたダビデの星

 村の人は何もできないのか、と質問した。

 「彼らが襲撃するときには、必ずイスラエルの軍隊がやってきて道路を抑えている。昨年、襲撃があって村の若者が駆けつけた。イスラエル軍は若者たちを撃ち、7人がけがをした。イスラエルに兵士は警告ではなく、最初から狙って撃つ」

 こうして入植地が次第に拡大している。爆撃機や戦車による攻撃ではない、もうひとつの攻撃がここにはある。農地を奪い、水を抑え、人びとが農業をあきらめ、村で暮らせないようにする。パレスチナに対するイスラエルの占領の本質がここにある。パレスチナでは、山下惣一さんが言うように、農業と農村がもうひとつの最前線なのである。

写真:天明伸浩

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中東問題を考える上でイスラエル・パレスティナの現状抜きでは核心が見えてこない。
イスラム教徒のテロや反米的なイランのことが問題のように報じられるが、その根っこにはイスラエルの横暴がある。
これを解決しない限り中東問題は収まることができないだろう。

日本とある意味重なって見えないこともない。
イスラエル・パレスティナの研究は大事である。

そして、アメリカがイスラエルに協力的になる限り、イスラエルは更に蛮行にいたる。そして、アメリカはイスラエル系が多く、勢力があるから、そう簡単には方向を変える訳に行かない。ここで、アメリカが政治的にも、武力でも弱くなって行く事で、何かが変わるか(?)

<大野様>
恐ろしい事に、ヒットラーを支持しそうになる自分がいる。背景にアメリカの政治資金に関する構造的な問題がある。
巨大なユダヤ金融資本からの政治献金が自由だから、アメリカの人口に占める割合が低いユダヤ系の発言権が大きくなる。アメリカの大統領は、事実上、これらユダヤ資本の支援なくして、大統領選挙に勝つ事は難しく、イスラエルの暴走問題はアンタッチャブルである。
これからも、国民皆保険すら社会主義とする国民世論がある限り、献金の自由を縛る事はできない。
問題は、アラブ諸国がどの様に動くか?原油のドル決済をいつまで続けるのか?相対的にアメリカの国力の低下を待つしかないが、気が遠くなる時間がかかるだろう。また、国連改革ができるか?イスラエルに対する非難決議がでる度に拒否権を使ってきたアメリカ。常任理事国の拒否権を剥奪できるか?非常に難しい。

 平和な農村がイスラエルによって侵略・強奪される映像は初めて見ました。
 ガザ地区のジェノサイドをよく眼にして怒りを感じていました。
 しかし、このイスラエルの移植者による暴力的な強奪は、また、イスラエルの日常的な”侵略の実態”を見せ付けます。
 緑の農村風景と重なり、ここに住む家族のつつましい日常的な営みを、何の根拠もなく奪う理不尽さが、本当に伝わり、憤りを感じます。
 

イスラエル・パレスチナ口では言い表せないことばかりです。日本人も現実を知らなすぎます。福岡FM局小さな放送局ですが、この中で、元レバノン大使の天木直人氏がパレスチナ問題に触れて対談
います。必見です。Style FM
http://www.768.jp/

投稿者: 匿名 | 2010年4月20日 14:57 です アドレス貼り付けます。
http://www.google.co.jp/search?q=%C5%B7%CC%DA%C4%BE%BF%CD&hl=ja&ie=EUC-JP&oe=EUC-JP&as_sitesearch=www.768.jp

イスラエルは入植を停止せよ、と国際社会の非難に、まったく耳を貸そうとしないイスラエル。

アメリカがこの前、イスラエルに対し面目を潰されたと激怒した。それで、ちょっと大人しくなったとしても、変わらない。

ハマス幹部たちを暗殺するモサド。

占領、封鎖、入植、やりたいほうだいのイスラエル。

日本では、イスラエル、パレスチナもどっちもどっちの紛争と見られがち。
イスラエルのこの酷さを日頃のニュース報道は伝えることがほとんどない。
たまに、NHKのドキュメンタリー番組があるだけ。

この映像を見て、日常における入植の横暴さを知ることができました。
その横暴によって、農村で普通に生きていくことさえ奪われるパレスチナ。

子どもを殺すこともわれわれには許された行為である、という。
狂気である。まるでヒトラーのしてきたことと同じではないか。

国際社会はそれに何もできないのか。国連は。

国際社会は絶対にこれを許しておいてはいけない。

まず、この事実を知らない日本人に一人でも多く、それを知ってほしいと思う。

匿名 | 2010年4月20日 09:53様の「日本と重なって見える」がどのような意味で重なって見えるのかは分かりませんが、私にも重なって見えることがあります。
イスラエル問題を見るときに、資本主義の強奪という見方もあると私は思っています。
農業は、国の根幹であり、それを強奪されることは国力を奪われることにもなるのです。
公共事業の旗印の下、日本の農業は衰退していった面がないと言い切れないのです。
日本においても、資本経済が農業を奪っているとも言えます。
経済効率だけで語れないのが、農業であるのです。
けれど、その資本経済と共存していかないと農業も衰退します。
その道を模索しているのが、現在の日本の農業であり、この経験がイスラエル問題の解決に繋がる手法にもなりえるのでないかと思えるのです。

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Profile

大野和興(おおの・かずおき)

-----<経歴>-----

1940年愛媛県生まれ。
農業ジャーナリスト。
四国山地の真只中の村で育ち、農業記者として約40年を日本とアジアの村を歩く。
「日刊ベリタ」現編集長、「脱WTO草の根キャンペーン実行委員会」事務局長、「アジア農民交流センター」世話人、「国際有機農業映画祭」実行委員会代表。

BookMarks

-----<著書>-----


『食大乱の時代』
2008年7月、七つ森書館


『百姓が時代を創る』
2008年2月、七つ森書館(増補版)、共著

『日本の農業を考える』
2004年4月、岩波書店

『百姓は越境する』
1991年8月、社会評論社

→ブック・こもんず←



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