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« 日本は、世界第二の経済大国の地位を中国に抜かれたことを、なぜ報じないのだろうか?
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さよならニューヨーク! そして、それでもオバマは歴史を変えると信じたい。

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2010年9月初めのニューヨークから見たアメリカの風景を僕なりに素描してみよう。

経済の全般的停滞が続いている。景気は相変わらず思わしくない。NY現地時間の3日に発表されたばかりの米労働省雇用統計によると、8月の失業率は9.6%と、7月の9.5%とほぼ横ばいでなかなか改善の兆しが見えない。民間部門の雇用者数が6万7000人増加したとしているが、全体的には8月だけで12万1000人が職を失った計算になる。オバマ政権の繰り出してきた経済刺激策も不発気味で、雇用統計の内容を受けて、追加景気刺激策が来週中にも発表される。オバマ大統領は「正しい方向に向かっていると確信しているが、より力強い景気回復を促進し、雇用創出を加速させていきたい」と述べるにとどまっている。今年第2四半期のGDP(国内総生産)も1.6%と下方修正されたばかりだ。景気の減速感が一層鮮明になっている。こうしたなかで、中国が日本を抜いて世界第2位の経済大国になった。2030年には中国が世界一の経済大国になるという予測があることはある。ただ、中国の成長にも減速感が出てきており、世界経済の先行きに不透明感が強まることも予想される。バーナンキ、サマーズ、ガイトナーという名前に人々が拒否反応を見せ始めていることを注視し続けなければならない。

「グラウンド・ゼロ・モスク」問題。僕が今一番興味を抱いているのがこの通称「グラウンド・ゼロ・モスク」と呼ばれているイスラム・コミュニティ・センター建設問題だ。2001年の9・11同時多発テロ事件で2棟のワールド・トレード・センターが崩壊した場所から2ブロック離れた場所に、イスラム教のモスク(礼拝所)や文化施設を建設しようという計画が明らかになるや、この問題はアメリカ人の精神の健康度を測定するリトマス試験紙のような機能を果たし続けている。オバマやブルームバーグNY市長が建設に寛容な姿勢を見せるや(オバマ発言「イスラム教徒はほかのアメリカ国民同様、自らの宗教を実践する権利を持っている」8月16日)、民主党のハリー・ライド上院院内総務やハワード・ディーン民主党全国大会委員長、ペイターソンNY州知事らが反対の意向を表明した。共和党はもちろん大反対だ。トークラジオやFOXニュースは建設阻止の大キャンペーンを張り続けている。この問題は医療保険制度改革の時以上に感情面がもろに衝突して世論が完全に二分されている。9月3日付のニューヨークタイムズの世論調査では、ニューヨーカーの3人に2人がこのグラウンド・ゼロ・モスク建設に反対を表明しているという結果だった。面白いのは、そのうち67%はイスラム教徒の信教の自由を支持していることだが、あの場所にだけは造ってほしくないということだろう。だが、考えてもみよう。そもそも同時多発テロとイスラム教モスクがどのような直接的な因果関係があるというのか。東京にだってモスクはある。信教の自由が日本以上に保障されているはずのアメリカでなぜこれほどまでに反発が強いのかは、おそらく経済の停滞と鬱積する国民の自尊心という面が深層で関わっている。先日ニューヨークで起きたタクシー運転手襲撃事件は、実にショッキングなものだった。21歳のドキュメンタリー映画専攻のマイケル・エンライトという若者がアフガニスタンの戦地に赴き、アメリカ軍部隊に同伴取材(embeded)して帰還した。映画を完成させた彼はある夜、酒に酔って乗ったタクシーの運転手に「おまえはイスラム教徒か?」と客席から質問し、「そうだ」と答えたバングラディッシュ系のドライバーがいきなり首や顔を刃物で刺したというものだ。ニューヨークのタクシー・ドライバーはバングラディッシュからの移民が多くつく職業の一つでイスラム教徒もたくさんいる。この種のヘイト・クライムが頻発している。このような問題が下手をすると中間選挙でのオバマへの攻撃材料になる。

醜いアメリカ人。その集会の参加者は白人が多かった。なぜか太った人が多いようにも思えた。8月28日にワシントンDCのあの歴史あるマーチン・ルーサー・キング牧師の「I have a Dream」演説がまさに行われたその場所に、右派メディアの急先鋒FOX News Channelのホスト、グレン・ベックが呼びかけた集会「Restoring Honor Rally」に20万人を超える人々が集まった異様な光景を僕はテレビで見ていた。初期の頃は嘲笑を買っていた「ティー・パーティー」運動がここまで「成長」するとは一体誰が予想できただろう。草の根保守の不気味な蠢動である。地方選挙でもこの「ティー・パーティ」旋風が一定の力を発揮している。現状の政治への不満が「反現職」「反ワシントン」という軸でまとまり出して大きな力となっているのだ。政治家としてのキャリアがほとんど未知数の人物が「反現職」「反中央」というだけで勝利したりする現象がみられる(アラスカ州共和党上院予備選で現職のマカウスキ議員が敗退したケースなど)。その主張は右翼愛国運動的なスローガンに満ちていて、オバマをイスラム教徒、社会主義者と罵倒する。矛先は経済政策から移民排斥、同性婚の禁止、進化論の排斥と宗教教育の強化へと向かっている。サラ・ペイリンと前記グレン・ベックらがその旗振り役だが、これに対抗するリベラルの側のパブリック・インテレクチュアルがアメリカ社会に見当たらない。ニュースのパロディ番組のジョン・スチュアートがその役割を担っている皮肉な現象をどうみるか。

消えぬダイナミズム。ただアメリカ社会はまだ若い。活力がある。BPによるメキシコ湾での原油流出事故の対応の遅れがあったものの、副次的な効果として環境問題の重要性への警鐘を鳴らす役割をこの事故は演じた。さらに巨大企業の危機管理のいい加減さをも同時に見せつける効果があった。ハイチ大地震での素早い対応はオバマ政権の性格をよく示していたし、最高裁判事の任命でオバマがみせた選択(ソトマイヨール、ケーガンともに女性判事)は多くの国民の支持を取り付けている。ただ、その分、ジョン・ロバーツ最高裁長官のもとで最高裁自身が反動化しており(よく言われているのは保守4、リベラル4、中間派1の構成は変わっていないが彼のイニシアティブが強力なのだという)、ニューヨークタイムズは「この数十年間で最も保守的な最高裁」(2010年7月24日付)と評していた。一方、同性婚を禁じたカリフォルニア州の地元からサンフランシスコ連邦地裁が8月4日、同性婚を禁止した同州の憲法改正が米国憲法に反するとの判決を出した。この問題には長い長い歴史があるが、2009年11月に行われた住民投票で同性婚禁止の条例が賛成多数で承認されていた。連邦地裁判事は「同性愛者に対して結婚を拒否する合理的根拠が提示されておらず、憲法が保障する法の下の平等に違反する」と判決理由を述べていた。この違憲ジャッジに大きな波紋が広がっており、当然、連邦最高裁まで争われるだろう。このようなダイナミズムをアメリカ社会はまだまだ失っていないと僕は思う。

メディアの地殻変動。最近のメディア・コミュニティ内での最大の出来事は内部告発サイトWikiLeaksによるアフガニスタン戦争での米軍機密文書の暴露である。ジュリアン・アサンジらによってたちあげられたこのサイトは、すでに今年の4月にイラクでの米軍アパッチヘリからのイラク人機銃掃射映像を暴露しており、既存のメディア報道を上回る成果を見せた。いわゆるメインストリーム・メディアの凋落のひとつのケース・スタディとしてこの出来事を位置づけることも可能なほどだ。既存のメインストリーム・メディアのこの出来事に対する反応は実に臆病だったというのが僕の印象だ。ここニューヨークにいるとメディア社会の地殻変動が現在進行形で起きているのがわかる。PCはやや時代遅れの感があり、iPad をスマートに使いこなしている若者たちが目につく。紙の本を地下鉄のなかで読んでいる人に代わってKindleを操作している人がやたら多く目につくようになった。ペーパーレス社会と本格的ネット社会への移行が実感として迫ってくる。僕は本当に思うのだが、なぜ日本はWiFi環境の整備が遅れていることに気づかないのだろうか? 大学構内や公共施設でのWiFi環境の整備は当たり前ではないか。

ジャーナリズムという観点からすれば、アメリカでさえ、旧来型のメディアの大新聞やテレビに代わるオルタナティブ・メディアが完全に代替機能しているとは思えない。オンライン・ジャーナリズムはその意味でまだ完全な勝者ではない。

イラク撤退とアフガンの泥沼化。アメリカは戦争国家である。オバマが昨年暮れオスロのノーベル平和賞受賞記念演説で触れたように「正しい戦争(Just War)」という考え方がアメリカ社会では生き延びている。オバマが大統領就任後に一番最初に署名したグアンタナモ収容所の閉鎖さえ実現されていない。このままではグアンタナモ収容所の閉鎖問題は下手をすると霧消するおそれさえある。僕が今年の5月に現地取材をした時に開かれていた軍事法廷の被告オマール・カドル(拘束当時15歳)への判決が最初のテストケースとなるだろう。カナダ国籍のこの男性の兄はすでにカナダの留置所から釈放され自由の身になっている。国外追放処分も免れた。「15歳の戦争犯罪人」を裁くというのはアメリカの裁判史上でも例がない。だがアメリカの関心事からグアンタナモ収容所は見えなくなってきている。ひどいものだ。

すべては中間選挙と再選のために。今後のアメリカの国内政治はすべては11月の中間選挙に向けて、そしてオバマの再選をかけた2012年の大統領選挙に向けて動く。下院では現在の情勢ではオバマの民主党は大幅に議席を失う可能性が高い。ただ上院は過半数を維持するのではないかと言われている。だがふたをあけてみなければわからない。マサチューセッツ州の例もある。共和党もティー・パーティー運動と必ずしも連動しない候補もいる。最新のコロラド州立大学の調査結果が興味深い。大多数の若者が民主党を見限っている、との世論調査がある。オバマ当選の原動力になった若者層が離反すれば、中間選挙も2012年の大統領選挙もオバマにとって大変な苦境を迎えることになる。

「ザ・コーブ」と新・日本異質論。和歌山県太地町のイルカ漁を「虐殺」と告発した映画「ザ・コーブ」がアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門を受賞して以来、アメリカではこの映画の評価は日本で想像する以上に高まっている。全米ケーブルTVのアニマル・プラネットはこの「ザ・コーブ」をつい先日放映した。このアニマル・チャンネルはちょっと前にもシー・シェパードの密着ドキュメンタリーを大々的に放映していた。このドキュメンタリーのなかでシー・シェパードは完全なる英雄扱いだった。日本のクジラ捕獲船はいわば悪の象徴である。このドキュメンタリーを日本で放映したら一体どのような反応が返ってくるのだろうか。僕はこういう映画がつくられてアメリカで普通に放映されていることを日本人はもっと知っているべきだと思う。根拠のない「日本異質論」に覆われないためにも。かの「ザ・コーブ」の主人公、リック・オバリー氏に先日会って話を聞いたが、彼の場合、イルカ漁をやめさせることは残された人生の目的(mission)になっていることがよくわかった。つい3日前、同じく全米ケーブルTVのディスカバリー・チャンネルに武装した環境運動家が侵入し、人質をとって立てこもり警官隊に射殺されるという事件が起きた。アメリカの環境保護運動のある一部は非常に過激・原理主義的であり、平和的ではない。日本の外務省や水産庁が息をひそめるようにしているのが、果たしてよいことなのかどうか。「日本はわれわれ先進諸国とは異なる奇妙な野蛮な国だ」という欧米諸国に生じやすいある種の「偏見」にはきちんとものを言うべきではないか。対話はかならず何かを生みだすと思う。日本異質論は、クジラ、イルカばかりか日本型会社経営にまで及んでいることは先のトヨタ・リコール問題に関するアメリカ・メディアの報道からも感じられたことだ。4年のあいだに6人もの総理大臣が生まれかねない国はやはり異質に映るのだろう。

「見えない鎖国」。日本が現在陥っている苦境の真因のひとつには、極端な「内向き志向」ということがあるのではないか。前記の「ザ・コープ」での非難や沖縄普天間基地問題での公約放棄などで自信を喪失した末に、国家的な「引きこもり状態」にあるようにみえるのが今の日本だ。海外への留学生を募っても応募してくる学生が定数に満たないケースが頻出しているという。日本の新聞の一面には国際ニュースがほとんど載らない。草薙君やのりピー、押尾学容疑者の事件や裁判が連日トップニュースで詳しく報じられているあいだに、日本のメディアはたいせつな鳥瞰的な視点を喪失してしまったのではないか。

さて、このニューヨーク発「チェンジング・アメリカ」の連載にお付き合いいただいた読者のみなさん、2年にわたる応援、叱咤、激励に感謝いたします。また新しい場所から発信し続ける所存ですが、最後に触れた「見えない鎖国」状況に穴をあけるような発信でありたいと思っております。ではでは。

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

金平さん。毎回大変刺激的で、ヴィヴィッドな情報、熟読していました。NYを離れられるのですか。残念です。アメリカに関して金平さんのような情報チャンネルが、ほかにはなかなかないものですから。

<金平さんお疲れ様でした>
長い間この通信を通じて様々な問題提議をしていただき、有難うございました。今、世界全体を見渡したとき、資本主義というシステムじたいが変わらなければならない時期にきているのだと思いますが、いかんせん、それを補完するシステムが現れていないというのが実状なのでしょう。アメリカはダイナミズムがあるとはいえ、あまり良い状態ではなかったの無いですね。特に精神的に問題がある。おそらくアメリカにおけるキリスト教プロテスタントが右派と統合し、純粋教義より、政治を優先したためでしょう。恐ろしい事が起きなければ良いとおもいます。
私は日本が内向きというよりは、若い人に生活感と生活力がなくなったことが何より大きいと思う。それは何より教育、ゆとり教育がわるかったと言う人がいるが、そうではなく個々の家庭教育が衰退したためと感じています。ある程度年齢が達した人の再教育はコストもかかるし、効果も期待できないけれど、今の現状、意識では最低の生活もままならなくなると言う危機感を持たせることは必要かと思う。日本人の変わりたくない、と言うマインドは病的だがそれで内向きを理由に甘えてる余裕など日本には無い。金平さんのような善意のジャーナリストから真実の海外情報を注入してもらい、思考しアクションするしかないと思う。金平さんの仕事に今後も期待してます。コネでも学歴でも、パフォーマンスでもなく、本当の仕事を評価され、対価が得られる社会に、日本がなって欲しいと願っています。

今度は日本国内で本当のアメリカの現状を発信していってください。
もう嘘のニュースはコリゴリです、土曜夕刻の『報道特集』を担当すると伺っておりますが楽しみにしております。

現地からの詳細な情報をありがとうございます。
日本のメディアを見ているだけでは世界の動向はさっぱり分かりません。

メディアの劣化には著しいものがあります。表面に現れている事象の背後にある、本質的に重要な問題点など全くと言ってよいほどに報道されることはありません。たとえば地球環境に深い関心をもっている者にとって、メキシコ湾での原油流出事故の現況はCNNやBBCだけが頼りでした。お蔭で英語の勉強になりましたが・・

政治面では、メディアは”政治とカネ”という呪文を連発し、検察組織と一体となって小沢一郎さんを政界から排除しようとしています。しかし、ネットからの情報で、それが既得権益側からの、白を黒とする卑劣な攻撃であることは明らかなのです!

金平さんにお尋ねしたいことがあります。私は米国のメディアも日本と同じようなものだろうと思っていますが、現実はどうなのでしょうか?

私が今抱いている大いなる疑問の一つは、9.11事件に関連したものです。私は、それが陰謀による自作自演の出来事だったとつい最近気付かされました。それまでは、なんか変だな?と思いつつも、米国メディアの報道を鵜呑みにしていました。今では、ネット情報に真相を伝える情報は十分あります。

9.11事件は戦争を推進する上で非常に効果的だったのです。

諸悪の根源は、ごく一部の人々(国際金融資本家)であり、まさに、聖書に登場する悪魔サタンのような人間どもです。その連中が自分たちの最終目標である”新世界秩序”に向けて、計画的に戦争や金融危機などを推し進めているようですが、メディアは彼らの支配下にあり、情報は周到に隠ぺいされているので大多数の人々は気付いてもいないし、おそらく理解もできないと思います。

オバマさんが彼らに利用されていないことを信じたいのですが、彼らのパワーを考えると簡単には否定できないと感じます。

そういう恐ろしい状況の中ですが、少数のジャーナリストの方々が、命の危険を感じながらも、勇気をもって情報を発信してくださっています。

私たちはあまりにもひ弱ですが、正確な現状認識をもつよう日々、努力し、それを身近な人たちに知らせることくらいはできると思います。

金平さんの今後のご活躍に期待しています。

お帰りなさい、お疲れ様でした。私は今でもスポーツ、芸術等世界を引っ張っていったアメリカに敬意をもってます。 負を可にするエネルギーを持っていた
エネルギッシュなアメリカ!
だからオバマに期待してます。今日nhkの北方領土問題見てとても悔しくて落ち込みました。ロシアのプロパガンダがの上手さに関心するばかり。 敗戦国はそういうものなんて言われたくない。どうして日本ばかり非難されロシアの進攻は非難されないの?
日本はしくじった! もっと取るべき方法はあったのに・・・・

これからのご活躍期待してます!

ご存知の通り、日本ににも、草の根保守運動があり、その主張は一般の人たちにはまったく共感不能な、差別・排外主義に満ちたもので、聞くに堪えない、吐き気を催すほどのものです。
この運動に多くの若者が参加しているのだから、これからの日本を背負っていくだろう若者のなかに、この種の人たちがいることを考えると、将来の日本の行く末がどうなるのか、不安で仕方ありません。

映画『ザ・コーヴ』の日本上演に対し、その保守派市民運動が、その内容が反日であるとし、上演抗議行動がありました。その抗議の過激さを問題視するジャーナリスト、メディア、法律家、市民運動家などがこれに批判することで、事態は沈静化しました。

この件をきっかけにしたかどうかは不明ですが、警察は、それまでのこの種の右派市民団体に対し、かなり甘い対応をしていたことから少し転換し、ある程度のそれなりの対応をするようになりました。

私は右派市民団体のことは別にして、いまの若い人のなかに、精神的未熟さ、幼稚さを持つ人が少なからずいることが大変気になります。個を確立することに失敗して、自尊、排他で個を保とうする病的さを感じてしまうのです。西洋的な個の確立が日本に求められているのかといえば、そうではなく、日本が古い時代から具えてきた共生の精神が失われ、他とのつながりをなくした個の確立を必死に求めてしまった。それは誤りであるにもかかわらず、それを認めない病的さに気づくことがいまの日本に求められているのだと思います。
西洋的な精神性を自立とするならば、東洋的な精神性は共生であるという大雑把に分別してしまうとして、グローバル化した世界に生きるわれわれは現在の西欧と東洋との交わりの中で生きざるを得ない時代にあるわけですから、その精神性を両立する自立と共生の精神性を具えていく必要があるのではないかと私には思えるのです。

民主党の理念にはそれがあります。そこにこれからの日本の生き方があるように思っています。

独善排他は何も生み出しません。いや、憎悪や敵意、犯罪や戦争を生み出します。

われわれは世界のなかで生きているという自覚がなければ、幼児的な自己愛の世界で生きることになってしまうのでしょう。

われわれはその危険をよく認識し、共生する道を探究していくよりほかないのでしょう。そのような日本を創っていく必要を感じます。


金平さん、長い間の連載、お疲れ様でした。これからの新たなご活躍を心から期待しております。

ご苦労様でした。筑紫さんのNEWS23でワシントンからの辛口コメントがいつも心地よかったブッシュ政権時代を思い出します。ぶっちゃけ、私は国家の姿勢が振り子のように動く事は歴史の流れと思っていますが、以前イラク戦争で掻き消された米国の小型核兵器開発に関する金平さんのレポートは、今後も『報道特集』にて、機会があればやって頂きたいと思っております。そして、願わくば、ドメスティックな話題に終始仕勝ちな日本のメディアに、かつての佐々木さんの番組の様に、海外から見た日本のビューというものを、是非今後も取り入れて欲しいと思っております。

新しい場所でのご活躍を期待しております。

英米圏の日本異質論の根本の土壌は、毎日毎日報道される、英語圏マスコミのフレームアップ問題だと思います。
英語圏新聞、英語圏テレビニュースを見ていると、十年一日のごとくヤクザ・エロ日本・右翼・軍国主義・イルカ・鯨。

そういうものは英米圏でもアジアでも当然存在する、どころか、日本より過剰に存在する。911爆心地のモスク問題にしろ、UKの宗教対立にしろ、中国漢人民族主義、朝鮮半島血統民族主義、等々。

しかし、日本のマスコミは外国報道に対してはまだ抑制が利いているから良いが、英米・外国は違う。

もしくは、反00の目的のために、英米・外国マスコミに迎合して日本異質論を強化している日本マスコミ、という面もある。

金平さんなどは反右翼傾向、まあ自分もそうですが、しかし、フレームアップして英米・もしくは中韓アジアマスコミの劣情にエサを与えるような行為は謹んで頂きたい。

事実の報道自体はドンドンすべきなのですが、
問題は分量の問題なのであって、排外主義は当然問題ですが、英米圏に比すれば日本では小数点レベルの勢力、行動です。
英米はその問題で、日常的に普通に殺人・暴行行為が起きている。タクシー運転手殺しやら、街頭での暴行やら。

報道量のバランスだけには、日本のマスコミも留意していって頂きたいです。

キレる若者報道と同じ構図です。
実際には若者凶悪犯罪は少数だったに関わらず、マスコミのフレームアップ大報道量のおかげで、不当な治安悪化感情や若者バッシングが起こったことと同様に。

ニューヨークからの発信、興味深く拝読しました。私自身の仕事が山積で、コメントを送る余裕がありませんが、何日遅れであっても必ず読んでおります。今後は別の地にいらっしゃるのか、帰国なさるのか存じませんが、切れ味鋭い観点からの発信を続けてくださいますように。
激しく動く世界の中で、内向きな日本の若者が埋没する将来像が気になります。親の過保護、経済格差など、原因は様々ですが、教育現場での大改造が求められます。教科書が何ページ減った、増えた、の小手先の変化ではなく、優れた指導者の養成、あるいは発掘を心がけ、ダイナミックな教育現場が求められているように思います。先ず、生意気という概念を捨てる。若者の発信には真摯に耳を傾ける。発信されたものを、さらに論理的に構築、発展させる指導が行える。現在の教育現場は逆行しているかのごとく、指導者の小さい器、内向きさが映っているのではないでしょうか。こうして育った若者が、突然世界に送り出され、好きなように活躍しなさいと言われても途方に暮れるでしょう。
まとまりのないコメントで申し訳ないです。今後も、金平氏のダイナミックな発信を楽しみに。

いつも金平さんのレポートは楽しく読ませてもらっています。
報道特集のキャスターをされるということで、とても期待しています。

苦言を一つ。最近の報道特集を見ていると、逮捕前の日本人の顔にはボカシ、逮捕後の日本人や逮捕前でも外国人だとボカシがなかったりします。ボカシをかけるかけないかの基準って何なんでしょうか?
綿密な取材によって不正行為を行っている確立が高い団体が出てくることがあります。自分も注意したいし、更なる行為を防ぐためには実名を出す方がいいと思うのですが、仮名で終わってしまったり・・・。
一度番組内でわかりやすく説明してくださると大変うれしいです。

ところでお願いが一つ。
上記で「バングラディッシュ系のドライバーがいきなり首や顔を刃物で刺したというものだ。」と書かれていますが、
バングラデシュ系のタクシードライバー、アームド・シャリフ氏はマイケル・エンライトに刺されたのであって、彼が刺した訳ではありません。申し訳ありませんが、訂正願います。内憂外患の方も。

《「そうだ」と答えたバングラディッシュ系のドライバーがいきなり首や顔を刃物で刺したというものだ。》

正しくは、『刺された』ですよね。

金平様
本日のインタビューお疲れさまでした。
http://tinyurl.com/22r6gh5

でも、1955年生まれの私でさえも、世界はもと大きい(海外にでた経験はほとんどないですが)と感じております。

どうぞ、副島隆彦氏とコンタクトをとることを願います。きっと、新しい世界が開けると思います。

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Profile

金平茂紀(かねひら・しげのり)

-----<経歴>-----

1953年北海道旭川市生まれ。1977年に在京の民間放送局に入社、以降、一貫して報道局で、報道記者、ディレクター、プロデューサーをつとめる。「ニュースコープ」副編集長歴任後、1991年から1994年まで在モスクワ特派員。ソ連の崩壊を取材。帰国後、同局で筑紫哲也氏がアンカーマンをつとめるニュース番組のデスクを8年間つとめる。2002年5月より在ワシントン特派員となり2005年6月帰国。報道局長を歴任後、2008年7月よりニューヨークへ。

BookMarks

-----<著書>-----

ブログが本になりました!
↓ ↓ ↓

『報道局長業務外日誌』
2009年6月、青林工藝舎


『米原万里を語る』
2009年5月、かもがわ出版、共著


『テレビニュースは終わらない』
2007年7月、集英社

人気のWeb日誌、出版!
↓ ↓ ↓

『ホワイトハウスから徒歩5分』
2007年6月、リトル・モア


慶應義塾大学出版会、部分執筆


『ジャーナリズムの条件4』
2005年5月、岩波書店、部分執筆


『従軍のポリティクス』
2004年7月、青弓社、部分執筆


『二十三時的』
2002年11月、スイッチパブリッシング

『電視的』
1997年12月、太田出版

『ロシアより愛をこめて』
1995年3月、筑摩書房

『世紀末モスクワを行く』
1994年12月、パルコ出版

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