Calendar

2010年6月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

« マクリスタル司令官解任の衝撃
メイン
トロント・ダイアリー(2) ── 内側と外側の目の眩む落差 »

トロント・ダイアリー(1) ── Big Brother Is Watching You.

kanehira100626.JPG
↑ インターナショナル・メディア・センターは寒すぎる。地球温暖化どころじゃない。

 24日の夜にカナダのトロントに着いた。美しい街だ。G8サミットの取材は一体何回目になるだろう。9回目くらいか。モスクワにいた時と、ワシントンにいた時、それと東京にいた時をあわせるとそれくらいになってしまう。所詮は会議取材だ。政治の舞台がグローバル化するなかで、世界のリーダーたちが集って共通の関心事であるアジェンダを話し合うとしても、自ずと限界がある。それにサミットの役割とか評価がこのところ随分と変化した。「サミット不要論」が公然と語られるばかりか、今ではサミット会場の外側と内側の落差というか障壁の方がニュースになったりする。そういうなかで、サミット取材のあり方も問われる時代に僕らはいる。

 2時間遅れで到着したトロント国際空港でいきなり面白い経験をした。パスポート・コントロールを無事通過したと思ったら、係官にImmigrationの別窓口に行けと言われたのだ。 ??? 一体何が起きたのか不思議に思っていたら、サミット警備を強化するなかで、記者、プレスを名乗って入国をしようとする人間たちがいるので、プレスの人には特に厳重にチェックをしているのだとの説明を受けた。そういうものかなあ、と若干不快に思いながら説明に従ってチェックを続けていたら、係官がコンピュータの画面を見ながら、過去の経歴について質問をしてきた。「あなたは以前モスクワにいたことがあるか?」「あなたは以前ワシントンにいたことがあるか?」「あなたは以前、報道局長をしていたことがあるか?」そういうことならば、まあ仕方がないと思っていたら、次のような質問をされたのでびっくりしたのだ。「キヨシロー・イマワノって誰だ?」「あなたは以前にリュウイチ・サカモトにインタビューをしたことがあるか?」確かに過去に僕は彼らにインタビューをしたことがある。でもね、こんなことまで、僕の記録・経歴欄に書かれているのか? 怖いったらありゃしない。4番窓口の係官はアジア系の男性で終始にこやかだったが、そういう記録が残っていること自体が怖いのだ。

 日本の外務省が押さえていたホテルはチェックインして入室しようとしたら、受付で腕にプラスチックの青いテープを巻かれた。「これを常時付けていないとダメよ」とレセプションの女性にソフトに言われた。「まるで囚人みたいですね」と笑って言ったら「そうね」と受付の女性は言った。夜、遅くアクレディテーション(記者証)を取得して街に出た。いつもの夜なら人出で賑わうトロントのダウンタウンは真空地帯みたいになっていて、そういうなかを日本人のプレスの一行が(僕らもそのなかの一部だ)束の間の散歩をしたりしている。25日からG8サミットが始まる。グアンタナモ・ダイアリーのようなものを残しておこう。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/7088

コメント (2)

■コメント投稿について編集部からのお願い

《THE JOURNAL》では、今後もこのコミュニティーを維持・発展させていくため、コメント投稿にルールを設けています。はじめて投稿される方は、投稿の前に下記のリンクの内容を必ずご確認ください。

http://www.the-journal.jp/contents/info/2009/07/post_31.html

ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

“Big Brother Is Watching You.”

恐ろしいタイトルだなあと思い、恐々読んでみたら・・・

ちょっとだけ声を出して笑ってしまいました。
後ろめたい事なんぞ全くなくても、Immigrationで別室インタビューされるのは、何故かドキドキソワソワしてしまう私ですが、「キヨシロー・イマワノって誰だ?」なんて聞かれた日には、喜んで「コンナヨルニ、オマエニノレナイナンテ〜〜〜♪」って、アクション付きでシャウトしてみせる事でしょう。
金平さん、次回は是非やってみて下さい。

それにしても、Big Brother は、どこかしこにテレスクリーンを設置しているんだなあ。
いきなりブラックな笑いではありましたが、今回もオーウェル同伴の取材が始まるのですね。
楽しみにしています。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※[投稿]ボタンをクリックしてから投稿が完了するまで数十秒かかる場合がございますので、2度押しせずに画面が切り替わるまでお待ちください。

Profile

金平茂紀(かねひら・しげのり)

-----<経歴>-----

1953年北海道旭川市生まれ。1977年に在京の民間放送局に入社、以降、一貫して報道局で、報道記者、ディレクター、プロデューサーをつとめる。「ニュースコープ」副編集長歴任後、1991年から1994年まで在モスクワ特派員。ソ連の崩壊を取材。帰国後、同局で筑紫哲也氏がアンカーマンをつとめるニュース番組のデスクを8年間つとめる。2002年5月より在ワシントン特派員となり2005年6月帰国。報道局長を歴任後、2008年7月よりニューヨークへ。

BookMarks

-----<著書>-----

ブログが本になりました!
↓ ↓ ↓

『報道局長業務外日誌』
2009年6月、青林工藝舎


『米原万里を語る』
2009年5月、かもがわ出版、共著


『テレビニュースは終わらない』
2007年7月、集英社

人気のWeb日誌、出版!
↓ ↓ ↓

『ホワイトハウスから徒歩5分』
2007年6月、リトル・モア


慶應義塾大学出版会、部分執筆


『ジャーナリズムの条件4』
2005年5月、岩波書店、部分執筆


『従軍のポリティクス』
2004年7月、青弓社、部分執筆


『二十三時的』
2002年11月、スイッチパブリッシング

『電視的』
1997年12月、太田出版

『ロシアより愛をこめて』
1995年3月、筑摩書房

『世紀末モスクワを行く』
1994年12月、パルコ出版

→ブック・こもんず←



当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.