Calendar

2010年4月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

« 「Black Widow(黒衣の寡婦)」の絶望的な蜂起について
メイン
グアンタナモ・ダイアリー(その1) »

衰滅していく日本外交 ── 核安全保障サミット会場で考えたこと

kanehira100416_1.jpg
↑ 締めくくりの記者会見をするオバマ大統領

kanehira100416_3.jpg
↑ 鳩山首相のいないワシントン・ポスト1面

kanehira100416_2.jpg
↑ 巨大なインターナショナル・プレス・センター

kanehira100416_4.jpg
↑ オバマ記者会見に押し寄せた報道陣(写真はすべて筆者撮影)

 先ごろ亡くなった作家の井上ひさしさんの代表作のひとつに『父と暮らせば』がある。美しい、そして心をえぐられるような作品である。原爆投下で生き残ってしまった娘と、異次元にいるその父親との密度の濃い対話劇だ。自分たちの国の史実として、原爆投下、核兵器の実相を知っている者たちの責任とは何か。さまざまな問いを突きつけられる作品だ。英語やドイツ語、ロシア語にも翻訳され海外でも上演されている。この戯曲の悲しみと愛は、国境を越えて共有され得るし、また共有しなければならないものだと思う。

 オバマ大統領が提唱した核安全保障サミットが鳴り物入りで開かれた。米大統領がホストをつとめる国際会議としては、1945年の国連設立を決めた会議以来の最大規模の国際会議となった。47の国と地域からの指導者が一堂に会した。直前にポーランドやキルギスタン、タイなどの政変・惨事があったが、会議は予定通り開催された。オバマにとっては自らの外交キャリアでの勲章がまた一つ増えた形だ。僕は、2日目の会議からこの会場に入って、サミットの空気を知りたいと思った。ワシントンは冷たい雨の一日で、会場のコンベンションセンターの回りは厳戒態勢がとられ交通はマヒ状態だった。記者証を受けとるまでにかなり時間がかかり、冷たい雨の下で立っていたので風邪をひいてしまった。
 会議の成果だの何だのは既報なので、ここに今更記すのは無駄というものだ。ただ、どうしても記しておきたいと思ったのは、この核安全保障サミットにおいては、日本の姿が全くと言っていいほど見えなかったという現実だ。核兵器をテーマにした国際会議はこれまで数多く開催されてきたが、これほどまでに日本の姿がみえない会議は前代未聞ではないか。その理由のひとつは、核についての議論の焦点が、国家間の核軍拡から核物質テロへと移ってしまったことにある。「ヒロシマからアルカイダへ」。ジョン・ミューラー・オハイオ州立大学教授の著書のサブタイトルである。ヒロシマの原体験をもとに、これまで国際会議の場で一定の発言権を有していた日本は、この新たな方向付けに対して積極的に提言を行えなかったばかりか、脇にさえ追いやられた形となった。こんなことでは核問題の本質的な解決には至らないことを日本は一番熟知しているはずではなかったのか。日本は核兵器の問題について実際に肌身を以て経験しているがゆえに、イランや北朝鮮の核開発に対して強く非難すべき立場を有しており、さらにはアメリカを含む現在の核保有国に対しても究極的には核兵器の廃絶を求めてきたのではなかったのか。テロリストの手に核物質がわたったら大変だという問題に、核問題を「矮小化」すべきではないという原則ではなかったのか。歴代の日本の首相はこれまで何のために広島や長崎の平和祈念式典に参列していたのだろうか。
 鳩山首相は、と言うより、外務省その他のビュロクラッツは、鳩山首相とオバマ大統領とのバイラテラル会談の設定に失敗したばかりか、世界に対して日本の核兵器に対する原則的な考え方をアピールする機会を失し、さらには「残念賞」(ワシントンポスト紙)のように設定された夕食会での隣席同士の10分間会話で、「普天間基地の移設問題は5月末までに決着させますのでご協力を」などという、何とも空回りな発言を行った。そんなことをあの場で伝えて一体どんな成果と効果が得られると考えていたのだろうか。
 日本で各紙が引用して報じたワシントンポスト紙のコラムを読んでみた。「哀れなハトヤマは最大の負け犬」とあった。アメリカの政権内でも鳩山首相に対する信頼は急速に失われ、「哀れ」で「徐々に馬脚を現している」との評価が広まっているとコラムは記す。そして次のように畳みかけていた。「ユキオ、盟友だったはずだろう。アメリカの高価な核の傘のおかげで何十億ドルも節約してきたんじゃないか」。核の傘のおかげ? 核に関するサミットについてのコラムでこんなことを書くものか? 実にたちの悪いコラムである。そして、こんなものを相手に官房長官が一々何かを言うのもおかしなものだ。さらにそれを引用する日本の新聞は、引用する前に自分たちの目で首相の動静を評価すべきではないのか。まあ、ひとつだけ確実に言えることは、沖縄の基地問題のことなどまともに理解もできていないような政治ゴシップを書くコラムニストの書いた記事を気にするよリは、結局のところ、この問題を解決するのは独立国・日本の意志であり、その際には沖縄県民の民意が重要なのだということを再認識することだと思う。
 次回サミットは、2012年に韓国で開かれるそうだ。大体、次のサミットを日本で開催しようという発想がはたして日本側にあったのかどうか。また、韓国での開催決定を日本政府はいつの時点で知ったのか。何だか、はなはだ心もとない状態が続いている。
なぜ、こんなことになってしまったのか。官僚と政府閣僚とのあいだの相互不信もあるだろう。外交が何か非常に不健康な形で機能不全に陥っているようにみえる。確かに、普天間問題をめぐる鳩山首相および閣僚たちの発言の軽さとブレは目を覆いたくなる。だがその一方で、アメリカのジャパン・ハンドラーたちや、国内の日米関係での既得権をもつ人々からの揺さぶりもヒドい。キャンベル国務次官補だって、かなり混乱している印象を受ける。このままでは、11月のAPEC横浜会議でのヒロシマ訪問どころではなくなるかもしれない。

 さて、『父と暮らせば』の悲しみと愛は共有され得るものだと前に書いた。僕自身はまだその希望を失っていない。オバマ大統領がプラハで発言した高邁な理想を矮小化させてはならない。そのためには、人を説得し、引き込むだけの豊かな塑像力と構想力が必要だ。それが鳩山政権以前の諸政権にあったとは思えない。だからこそ、普天間の問題は放置されてきたのではなかったか。
 これから『父と暮らせば』を日本から取り寄せてみようかと思っているところだ。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/6847

この一覧は、次のエントリーを参照しています: 衰滅していく日本外交 ── 核安全保障サミット会場で考えたこと:

» あなた方に言われたくない!『ワシントン・ポスト』/「哀れでますますいかれた鳩山首相」 送信元 晴れのち曇り、時々パリ
いやしくも<一国の首相>に対する表現だろうか。 ▶「哀れでますますいかれた鳩山首相」…米紙酷評(読売見出し) >14日付の米ワシントン・... [詳しくはこちら]

コメント (26)

■コメント投稿について編集部からのお願い

《THE JOURNAL》では、今後もこのコミュニティーを維持・発展させていくため、コメント投稿にルールを設けています。はじめて投稿される方は、投稿の前に下記のリンクの内容を必ずご確認ください。

http://www.the-journal.jp/contents/info/2009/07/post_31.html

ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

>この問題を解決するのは独立国・日本の意志であり、その際には沖縄県民の民意が重要なのだということを再認識することだと思う。

おっしゃる通りだと思います。
高野氏が再三指摘されてますが、日本の次代の外交と安全保障を根本から考え直すべきです。
普天間問題だけを取り出して考えても問題解決には至らない。
民主党は勇気を持って仕切り直して事に当たるべきだ。

 ワシントンポストのコラムに対しては、藤崎大使も「一国の首相に非礼だ」などとコメントしてる。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/380739/
 
 そんなパフォーマンスなんて国民にとっくに見透かされてるというのが、分かってないんだろうなぁ。

 それにしても、鳩山とオバマの10分の会話の内容で、ありもしないことを吹聴してる政府関係者って誰なんだ?。

会話の内容を知る立場にいる関係者はごく限られてるだろう。

基地一つのこともまともにまとめられない首相やその国を相手にしないのは当たり前に思えます。どんな高邁な発言しても実行力が伴わなくては意味がない。実行力の無いことを自ら示しているのですから。

この度のサミットは実質的には「オバマ大統領の(アメリカの)」「対テロ」に即した会議であったように思われます。そのような場において日本の核廃絶の理想を全面に訴えることは効果的とは考えられません。
 『国際会議』なるものは、どこの国がどれほどの存在感を示したかという事実より、その会議でどのような議論、提言がなされ、どのような認識の共有が示されたか、ということに焦点をあてるべきと考えます。
 鳩山内閣メールマガジン第27号によれば、鳩山首相がワーキング・ディナーにおいて基調演説を行い(以下引用)
(1)アジア諸国の核セキュリティ強化に貢献するための総合支援センターを今年中に作ること、(2)米国と協力して、核物質の測定・検知や核鑑識に係るより正確で厳格な技術を3年以内に確立し、各国と共有すること、(3)IAEAが行う核セキュリティ事業への人的貢献と資金協力を行うこと、(4)世界核セキュリティ協会(WINS)の国際会議を今年中に日本で開催すること (引用終わり)
 という、サミットの主題に沿った、非常に具体的な提案をしています。これらは十分報道されているでしょうか。
 私は鳩山政権とは、よりよい良い結果を生む為の「試行錯誤」そのものであると考えています。その過程をどこまで表に出すか出さないか、という問題はありますが、なるべく出していこうというスタンスが現政権には感じられます。私は一市民としてこの態度を歓迎すると共に、その過程を冷静に注視し、評価していくことが何より大事であると考えるものです。実際政治に疎くジャーナリストでもない私にとってどれほど政治を考えるきっかけになっているか知れません。
 私は、政治や外交というものに何かを求めるというより、個々が、常に大局的視野に立って、地域、国家、国際社会のそれぞれに如何に貢献出来るかを考え、その延長に政治や外交がある、そのように考えたいと思っています。
 

外務官僚、藤崎駐米大使の頭の中は未だ自民党時代の米国従属体質から抜け切れていないのではないだろうか。政権交代して、半年も経ってあの体たらく、抜けきる気もないのでは思ってしまう。はやい話、思考停止の状態ではないだろうか。

鳩山首相が昨年発表した日米関係の理念に沿って、日本がなすべき新たな外交戦略を頭が熱くなるほど考えているのだろうか。とてもそのようにまじめにやっているとは見えない。勘違いならご容赦頂きたい。

官僚は米国従属外交から脱し、互いに対等の立場での創造的な外交戦略など既に考えることが出来ているのだろうか。それを首相に提示し、議論している努力をしているのだろうか。

世間で優秀といわれている偏差値頭を鍛え直し、新たな思考回路を示してやらないと道を切り拓くには、米国従属外交の惰眠を貪ってきた官僚たちはもはや使いものにならないのではないかと言いたくなる。

今回の核安全保障サミットに臨んだ鳩山首相の頭の中は、日本が被爆国でありながら、核の安全保障に対する認識はどうなっているのだろう。

民主党政策集2009の中で記載の「原子力政策に対する基本方針」で記載の民主的、安全性とは裏腹に国民の意向を無視した原発建設推進とが明らかに不整合であり、何ら、国民に安全性を示し得ていない。

日本の甘い甘い危機管理体制の原発でテロが一度起これば、立ち直りが出来ない位、日本は壊滅的打撃を受ける。危機意識に基づいたリスク管理もままならず、今回の会議もきっと、普天間基地移設問題で上の空であったのではなかろうかと想像する。

核安全保障は原発とは別問題とでも鳩山首相は勘違いしているのではなかろうか。原発から出る使用済み核燃料は立派な核である。日本中に原発があり、核が散在しているのが現実である。

恵まれた裕福な家庭で育ち、人格は悪くはなさそうだが、鳩山首相も所詮偏差値だけで突き進んでこれた人であろうと推察する。偏差値のみが優先される国家公務員採用人事制度は、激動の世には対応できない位、脆弱といえるのではなかろうか。その代表が官僚たちだ。

文科省も、教育用として内容に非常に偏りがあり、実に不適格な小学生向けの洗脳の原発副読本「わくわく原子力ランド」、中学生向けの洗脳の原発副読本「チャレンジ!原子力ワールド」を刊行している。このようないかがわしい副読本企画を考える暇があるのなら、偏差値のみを重視するのでなく、多様な思考回路を持てる、まともな人材形成のための教育制度を根本的に考え直してもらいたい。

日本の画一的な偏差値教育制度を大いに見直さないと日本の将来が危ない。政治の世界を見渡しても、人材が余りにも少ない。

偏差値に重きが置かれ過ぎている。多様な思考回路を重視する教育制度へ脱皮しないと、これだけでは益々複雑化、多様化する世の中で起きる問題に対処できないことははっきりしている。

反面教師が今の外務官僚、外務省OBであり、さらには霞ヶ関を覆う未だ省庁権益しか頭になく、観念化思考から抜けきれない、思考停止の官僚症候群というは言い過ぎだろうか。

日本に存在感が無ければ、わざわざワシントンポストが鳩山首相をとりあげることもなかったでしょう。

鳩山首相を悪し様に罵っているのは、存在感云々が原因というよりは、アメリカが苛立っているからでしょう。苛立っているのは、金の問題です。日米安保が密約がらみで見直され、日本からの金(おもいやり予算等)が無くなると、アメリカの財政負担増を余儀なくされるので苛立っているのです。普天間は金の問題を交渉するための道具でしょう。

オバマは原発を世界中に建設しようとしています(オバマ利権!)。すると、原爆の材料が世界中にばらまかれることになりますから、テロ組織が容易に原爆を入手できることになります。その主要な標的は、おそらく欧米、特にアメリカでしょう。その意味で、テロ問題は、迫りくる現実の危機です。決してテロ問題に矮小化したわけでは無いようです。むしろ、核軍縮とか核廃絶などのお題目を掲げたセレモニーよりは、はるかに実践的・具体的な会議でしょう。

上のような意味で、この会議で日本に存在感が無い、ということは、テロの標的になっていない、という意味で、良いことなのではないでしょうか。

普天間の問題ですが一番迷走してるのは鳩山政権でもなくアメリカ政府でもなく他ならぬマスコミだと思います。元々2014年までに海兵隊の大半がグアムに移転することは規定路線なのにもかかわらず、マスコミはそれをほとんど報じず真偽不明の情報にのっかって右往左往しているようにしか見えません。そもそも外交交渉というのは水面下の交渉で行うものであってその水面下で何が起こっているのかをきちんと掘り下げて伝えることこそがマスコミの役割だと思うのですがいかがでしょうか?

「核なき世界」、なんとも美しい言葉だ。
しかし、こんな事をアメリカが本気で考えているはずがない。ロシアも同様だろう。
ただ、核兵器を所有し続ける事のコストの大きさに嫌気がさしてきている事は事実で、そのコストを大きく下げたいという欲求はあると思う。
そして、その意識はロシアも共有しているのだろう。

アメリカにしても、ロシア・中国・ほかの核保有国にしても、本当に恐ろしいのは、自国での核を用いたテロ行為なのであり、今回の会議の主目的はこの点につきている。
わが国の代表や、外務省は、この点に気づかなかったのか、知っていてもどうしようもなかったのか。
日本人にとっては「核問題の矮小化」なのかもしれないが、アメリカにとっては「喫緊の課題」になっているのだろう。
いづれにしても、頓珍漢なな存在として出席してしまったのだろう。

だからと言って、オバマの鳩ポッポに対する応接は日本人としては不快この上ない。また、この国のメディアときたら、一緒になって馬鹿にしている。
我々は、普通、親を馬鹿にされれば怒る、時には烈火のごとく怒る。
それを、我が国のマスゴミは、一緒になって馬鹿にしている。情けない、まさにマスゴミだ。

*アメリカは、日本から出来うる限りの「利益」を引き出すことだけを考えているように思える。
そんな相手に「まともな会談」を望んでも無駄というモノ。
こちらも、アメリカがじれて何か言いだすのを待っているしかないのかもしれない。
持ちこたえる努力は、国内向け。
鳩ポッポに出来るかな?

自立する日本について
唯一の被爆国である日本が、核安全保障サミットで何故中心的な役割を果たせないのだろうか?
これまでの日本の外交は、アメリカの影、アメリカ頼みで行なって来たからでないかと思うのです。
外交というのは、国際政治のなかでの権力闘争ともいえます。
それをほとんどアメリカの庇護の下に行なってきた。北朝鮮拉致の問題にしてもアメリカにお願いに行く始末、何故ロシアや中国、韓国に直接支援を頼まないのか?
アメリカの顔色を伺うようにしていないか。
今回のワシントンポスト紙のコラムは、云わば世界中の国が日本をこのように影で見ていると思える。つまりは、日本は国際社会の中で半人前以下としか見られていない。
アメリカ中心の外交努力しかしてこなかった「つけ」である。
アメリカのご機嫌さえとれば、国際社会の一員として認められていると錯覚しているのでないだろうか?

先のCOP15にしても、日本は中心的な役割を果たせなかった事を見ても明らかなのに・・・。
その点、マグロ交渉ではうまく立ち回った、アメリカが反対票を投じると分かったとたんに日本のマスメディアは、日本は苦しい立場に追い込まれたと報じた。結果は・・・。
アメリカにある意味対抗している、若しくは距離を置いているリビアやエジプトを中心としたアフリカ諸国や中東諸国の票を中国と一緒に取り込んだ結果と思っている。これが外交交渉でないだろうか。
アメリカにすれば、癇に障る行為であったろう。そのことが今回の会議や小沢訪米に現れていると思いたくないが・・・。

今回の核安全保障サミットにおいても、事前にロシアや中国、EU諸国にもっとアピールしておくべきでないか。
日本は被爆国であり、その悲惨な結果を唯一実体験しているのだと、そうしたことがなされていたのか私は知る術はないが、世界会議の場でそうした発言が、なされた記憶は私にはない。
それを実行したアメリカの配慮?
普天間問題にしても、在米基地のあり方を世界各国に発信し、影の圧力を高めることもできると思えるのである。
アメリカ一辺倒でなく、小さな国も国際社会では一票のある独立国である。
自立した国「日本」であるために、国際社会でも発言力を高めるのが、外交手腕でないだろうか。

金平さんのコメントは、矛盾しているし、視点が定まっていない。その上に最後は『父と暮らせば』という文学作品に情緒的に寄りかかろうとしているだけで、まったく共感できません。
ワシントンポスト紙の記事を「たちが悪い」といいつつ、日本がいかなる存在感も示せなかったと嘆く。いまの時代が、時間的にヒロシマから遠く隔たってしまったのは事実、いまは「テロと核との戦い」だという認識でこの会議が行われている以上、日本がこの会議の中心にいる必然性はまったくないと思います。そして会議の性格も、オバマ大統領のパフォーマンスの要素が強く、私は個人的に見ていても、心を動かされませんでした。金平さんをはじめとするジャーナリストは、もっと先を見据えるべきです。日本が「...大国」と奉られ、いつも話題の中心にいる国であることよりも、ある新聞の論説委員がいわれたように、ミドルパワーとして、もっと充実した生き方をしてほしい、私はそう思っています。それにしても、ジャーナリズムの質の低下にはため息が出ます。

Oka氏の意見に賛成。アメリカという国の姑息さは、身から出たさびの始末を、あたかも人類全体で共有すべき問題かのように平然と言い募ること。その厚顔無恥な大統領に会った時間の長さで、他国の首相を評価するワシントンポストのコラムニストなど評価に値しない。日本がするべきは自ら主導権を握って核サミットを開催することであり、なぜアメリカへテロを企てる輩が生まれたか、その根っこのところを見据えること。アメリカにいて、アメリカを客観視する力を失うジャーナリストが多いのは残念。

核サミットには、直前まで鳩山総理の出席が決まっていなかったようですね。首脳会談のセットもうまくいかなかったようです。

ただ、オバマ大統領の対応が非常に冷たかったようで、これにはアメリカのマスコミも驚いたのではないでしょうか。

この冷たい対応が、普天間の問題なのか、それ以外の問題に基因しているのかは、新聞などを読んでも分からないのが、ちょっと不気味です。

アメリカが普天間問題における日本の対応に不満があるのは当然ですが、事務協議レベルでも話し合えない状態なのに、総理が普天間について大統領に説明するのも、いささか不思議に感じます。

こんなろくでも無い会議にわざわざ足を運んでやったのにこの非礼は何なのだろう。そもそも米国が、核安全サミットなるものを開く資格があるのかはなはだ疑問である。自国を核テロから守るために世界の首脳を呼び集めるなどバカげた話ではないか。アメリカ人は世界の人々がどれだけこんな会議を懐疑的にみているのか分らないのだろうか。

そもそも、一般市民に核爆弾やダ−ティボムを使ったのは何を隠そう、米国でしょうが。広島、長崎に核爆弾を落とし、ベトナム戦争では枯れ葉剤、イラク戦争では劣化ウラン弾。多くの一般市民をどん底に陥れてきた悪の枢軸、ならず者国家でしょう。それで、自分たちだけはそんな苦しみは無用と世界の首脳を集めるずうずうしさは呆れるほかない。

WPの下品なコラムは、まさしく米国の態度を代表している。「属国の日本が何を自分の考えをいっちゃてんの」といわんばかり。一国の首相をつかまえて、loopy Japanese Prime Ministerとは一体何様なのでしょうか。この侮辱にちょうちん記事を付ける産経と、同じように鳩山叩きをする“公共放送”NHKはいったいどこの国のマスコミだ。

自民党は結局、米国の傀儡政権に過ぎなかったことがはっきりしてきた。やっぱり普天間の移設は日本が米国から独立できるかどうかの試金石だ。

世界に対して日本の核兵器に対する原則的な考え方をアピールする機会を失した、と金平氏は断ずるけれども、日本政府は、日米核密約の存在を認め、国是である非核三原則が、実は内実がともなわないものだったことを、国民と国際社会に認めたばかり。
言ってみれば、「日本の核兵器に対する原則的な考え方」を、もう一度内実あるものにしていかなければ、何を世界にアピールするのでしょう。そうした議論もビュロクラッツお任せで良いんでしょうか。
ジャーナリズムの果たす役割も大きいと思うのですが、核持ち込みについては、過去にラロック発言やライシャワー発言もあり、メディアの世界ではおおよそお題目だと認識されていたのではないですか。
西山事件と言い、密約の存在を知りながら国民の知る権利に応えてこなかった日本のジャーナリズムの衰微を激しく感じていますよ。

> ただ、どうしても記しておきたいと思ったのは、この核安全保障サミットにおいては、日本の姿が全くと言っていいほど見えなかったという現実だ。

現地の情報ありがとうございます。
マスコミは信用できませんが、金平さんの生情報は信頼できます。

これからも真実に迫る情報を期待しております。
がんばってください。

普天間は交渉事でしょう。アメリカ人は個人の考えで国を思うだけだと思う。コラムニストであれば書きたいように書けますから。大新聞であればその影響も解った上で載せているでしょうし。自分の国が単純に損する事が解っているのでしょう。まるで1年前の中川さんの時みたいですね~。

日本人はまだそこが解っていないから、メディアも含めルーピーとか言って簡単に自国の代表を馬鹿にしてしまう人間が多くなってしまうのだと思う。これも本末転倒な話なのだがそこを気づいていない。
僕は抗議はした方がいいと思います。しなければなめられる。しつこくするかどうかは、本当の中身によると思いますが。
核サミットで端に追いやられてるのは、政治家というより段取りした人達の責任の方が大きいでしょうね。官僚はあまり優秀じゃないようですね。ま、民主党政権打倒の一環ですかね?

ところで、小沢さんの訪米は何故なくなったのでしょうね~?

<冷戦発想から抜け出せ>

日本人はまだまだ冷戦時代の発想しか出来ない輩が多い。数年後には米中軍事同盟が結ばれ、米国は東アジアの覇権(北朝鮮も含め)を中国に任せようとしている時代だ。

そうなれば沖縄や日本の米軍基地の軍事的価値は無くなるだろう。但し「米国が世界の警察官」であるべきと考えている共和党右派は中国を敵対視しており沖縄を手放すことには抵抗している連中もいる。

しかしこんな連中は既にシーラカンスになりつつある。とにかく鳩山政権は世界の軍事情勢をよく分析し基地問題を適切に処理すべきだろう。

そして自衛隊と国連待機軍による2本立ての安全保障体制を早く確立すべきだ。それによって鳩山もオバマと対等に話せるようになるだろう。

核安全保障サミットへの論評よりも、金平さん、こちらの仕事の方が重要でしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=QHTqPmB4_R4&feature=related
驚きました。

戦争と平和 | 2010年4月19日 06:48 様

視聴しました。

2007年イラクでの米軍ヘリからのロイター記者や子供を含むイラク市民を銃撃、救助に来た人達も撃ち殺す映像ビデオの内部告発による流出。

金平さんの解説を交えながら、あまりにも衝撃的な映像、改めてイラク戦争、もはや米国の国家犯罪であることを再確認。

米軍ヘリの銃撃を行った米国海兵隊員、もしかしたら、沖縄の普天間基地から飛び立ったのではないだろうかと思うと、心が痛むどころか、米軍の国家犯罪を日本が支援していることになる。一刻も早く普天間基地は国外退去へと、日本の全国民が声を上げねばならない。

本映像から読み取れること、関連していることは大変多様で、またマスメディアの報道の有り様をも考えさせられ、金平さんが仰るとおり、他人事ではない。

日本のマスメディアはこの衝撃的な映像報道をどの程度報じるかで、その劣化、腐敗ぶりがわかるだろう。

ジャーナルはいつも見ていたサイトだが、1回投稿したコメントが削除されていることに気が付き、再度投稿したが、これも削除されている。

信用できなくなった。

ebiko | 2010年4月19日 12:20さん

削除されるということはジャーナルが正常に機能しているという証です。

中味は知りませんが、余程の内容だったのではないですか。老婆心ながら投稿規定をよく読んでから投稿されては如何ですか。

ebiko | 2010年4月19日 12:20さん
> 信用できなくなった。

そんなことをおっしゃらないで、信じてください。
信じる者だけが救われるのです。

物凄く単純な疑問なのですが、日本国内のマスコミ関係者で海外の英字新聞を原語のまま理解出来る記者はどのぐらいいるのでしょうか? まさか中間業者に翻訳や通訳を丸投げし、本人達は原語に目を通した事も無い様な人達が殆ど…なんていうんじゃ無いでしょうね?

今日本ではアメリカの圧力に業を煮やした小沢幹事長が代表選を前倒しして、自分が総理になり、参院選後大連立を組む事を模索しているような情報もあります。

日本の文部科学省が27日、検定を通過させたネニョンヨン高校教科書39種のうち21種 "独島は日本領土"という内容が載せられた。独島歪曲教科書が従来の18種から3種に増えた。この日の検定を通過した教科書は、日本が周辺国と対立している独島·釣魚島(钓鱼岛)·千島列島の4つの島の "私たち(日本)が、正当に主張している立場に基づいて領土問題への理解を激化する必要がある "は、2009年改定された文部科学省の学習指導要領書に基づいているからです。

日本は2010年に "独島が日本領土"と記述した小学校の教科書5種検定に合格させ、2011年には独島を日本領土だと減らず口主張した中学の教科書12種検定した。日本政府は、全体の高校の教科書103種を2014年までに3回に分け検定するという計画を立てて、今年最初の39種の検定を終えた。 2014年までに残りの64種の検定を終了すると、独島歪曲教科書はさらに増えるだろう。日本政府は歴史を捏造した虚偽の資料を小·中·高校の生徒たちに独島が日本領土という虚偽の事実を教えて、将来の禍根(祸根)を植えてくれているのだ。

ソウル核安全保障サミットに出席した野田大臣は、日本の文部省が教科書検定を発表する2時間前に日本に帰った。李大統領は会談期間中、主催国の首脳として、22カ国と首脳会談を行ったが、野田大臣とは会談していなかった。日本の有力メディアは "韓日首脳会談が開かれていないのは、慰安婦問題で両国関係がコヨトギだ"と指摘した。野田大臣は、核安全保障会議に出席するため訪韓する直前の26日午前、日本の国会で、在(驻韩)日本大使館の前に立てられた慰安婦 "ピョンファビ"に込められた "日本軍性(性的)奴隷"という表現について、 "正確に記述されてなのかと大きく乖離がある "と答えた。日本軍慰安婦を "性奴隷(sexual slavery)"で規定した国連の国際労働機関(ILO)の決議を否定したのだ。

日本は韓国が実効的に支配している独島が自分の領土だという意地をくちばしながらも、中国が日本の実効支配下にある釣魚島の領有権を主張すれば "挑発"と素早く書き留める。まったくつじつまが合わないという論理だ。日本政府が日本の未来を担う世代に "独島は日本領土"という偽りの洗脳をさせると、その子供たちは、国際秩序を知らずに道を迷う国際迷子(迷儿)になってしまうのだ。そんな世代がリードし、日本の未来も絶望的ならざるをえない。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※[投稿]ボタンをクリックしてから投稿が完了するまで数十秒かかる場合がございますので、2度押しせずに画面が切り替わるまでお待ちください。

Profile

金平茂紀(かねひら・しげのり)

-----<経歴>-----

1953年北海道旭川市生まれ。1977年に在京の民間放送局に入社、以降、一貫して報道局で、報道記者、ディレクター、プロデューサーをつとめる。「ニュースコープ」副編集長歴任後、1991年から1994年まで在モスクワ特派員。ソ連の崩壊を取材。帰国後、同局で筑紫哲也氏がアンカーマンをつとめるニュース番組のデスクを8年間つとめる。2002年5月より在ワシントン特派員となり2005年6月帰国。報道局長を歴任後、2008年7月よりニューヨークへ。

BookMarks

-----<著書>-----

ブログが本になりました!
↓ ↓ ↓

『報道局長業務外日誌』
2009年6月、青林工藝舎


『米原万里を語る』
2009年5月、かもがわ出版、共著


『テレビニュースは終わらない』
2007年7月、集英社

人気のWeb日誌、出版!
↓ ↓ ↓

『ホワイトハウスから徒歩5分』
2007年6月、リトル・モア


慶應義塾大学出版会、部分執筆


『ジャーナリズムの条件4』
2005年5月、岩波書店、部分執筆


『従軍のポリティクス』
2004年7月、青弓社、部分執筆


『二十三時的』
2002年11月、スイッチパブリッシング

『電視的』
1997年12月、太田出版

『ロシアより愛をこめて』
1995年3月、筑摩書房

『世紀末モスクワを行く』
1994年12月、パルコ出版

→ブック・こもんず←



当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.