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オバマ大統領当選から1年後の現実を直視する(3)── 医療保険制度改革 »

オバマ大統領当選から1年後の現実を直視する(2)── 戦争国家

 明と暗。NYヤンキースの優勝祝賀パレードを沿道に並んで熱狂のなかでみながら、ちょうど同じ今日、金曜日に、テキサス州のフォートフッド陸軍基地では、「追悼の日」が営まれていることを心の片隅で思っていた。

 テキサス州のフォートフッド陸軍基地で起きた銃乱射事件は、アメリカ国内の軍事基地内で起きた事件としては史上最悪の乱射事件であり、13人が死亡30人が負傷した。この事件は、9/11以降、アフガニスタン戦争、イラク戦争に突き進んだ戦争国家としてのアメリカのあり方に大きな疑問符を付きつける象徴的な事件だと思う。事件から、オバマ政権の戦争をめぐる政策の今を考える上で、いくつもの手がかりを引き出すことができるだろう。アメリカ国民にも衝撃が広がっている。あまりにも生々しい事件で、僕はなぜか東京で起きた秋葉原の例の事件のことを思い出した。

 容疑者のニダル・マリク・ハシン少佐(39)は、この基地の精神科医で、戦場から戻った兵士たちの心の病の治療などにもあたっていた。近々、アフガニスタンに派遣されることになっていた。本人は敬虔なイスラム教徒で、イラク戦争、アフガン戦争に反対であることを公言していたという。そんな人物がなぜ陸軍に勤務していたのかがそもそもの疑問だが、親族の話では、本人は除隊を希望していたが受け入れられなかったという。

 当日の現場の記者会見では、記者のなかから、イラクやアフガンで伸びきった状態の軍は、任務を遂行するにはあまりにも「too small」なのではないか、との質問が出ていた。

 すでにアメリカのメディアはなぜこのような惨劇が起きたのかの動機解明に焦点が移っている。

 AP通信が報じているところでは、ハシン少佐がインターネットに最近書き込みをしていたことが、捜査当局の注視対象になっていたという。書き込みは、イスラム教徒の自爆攻撃を日本の神風特攻隊と比較して「自爆攻撃をする兵士を不適切と言うが、より高貴な大義のために命を犠牲にする勇敢な英雄という方がより適切だ」などと記していたという。

 ハシン少佐は、パレスチナ移民の子息である。父親は16歳のときにヨルダン川西岸地区からアメリカのバージニア州に移住してきた。両親はバージニア州ロノーキーのビントンという小さな鉄道の町でブルーカラー向けの飲食店を経営して生活を営んでいた。両親は勤勉に働いて家族を養った。アーリントンで生まれ、ロノーキーで育ったハシン少年は、子供のころから内気だが利発で、高校卒業後、カレッジに入学、その後、名門バージニア工科大学にまで進み、1995年に卒業している。ところが、父親は1998年に心臓発作で52歳で死亡、母親も49歳の若さで2001年に腎臓病で他界した。家族はその時点でバラバラになった。ハシンの叔母の証言では「9/11以降、イスラム教徒であることから様々な嫌がらせや中傷を受けていた」という。大学卒業後は、メリーランド州のウォルター・リード陸軍病院に8年間勤務していた。そこでイラクの戦場から戻った負傷兵の治療にあたり相当のショックを受けたことを親族に打ち明けていたという。

 ハシン少佐の親族は事件後、声明を発表したが、その内容は痛ましいものだった。「私たちは私たちの国を誇りに思っています。ですから今日の悲劇で悲しみに打ちひしがれています。状況はまだ明らかではありませんが、今は悲しみを皆さんと共有する以外に何もできません」。

 メディアの取材が集中したのは、敬虔なイスラム教徒であるハシン少佐が通っていた同州シルバー・スプリングにあるイスラム・コミュニティ・センターだ。同センターのイスラム教徒仲間のひとりは「彼はよき友人で、自分たちのお手本だった」とメディアに語っている。だが、同センターは当惑気味で、彼の行為と同センターは無関係だと防御の姿勢を示している。全米のイスラム教徒の権利保護団体であるCAIRも素早く声明を発表し、「卑劣で凶悪な行為」で、イスラム教の教義とは何の関係もないと強調している。 

 以上記してきたようなさまざまな事実の断片から僕らは何を考えるべきだろうか。ひとつは、戦争が「憎悪の連鎖」を確実に生み出してきたという歴史の連なりである。パレスチナ西岸地区での戦争は、ハシン少佐の両親の世代に憎悪を蓄積した。1967年のイスラエルによる占領を前にこれを恐れた人々の移民が急増した歴史がある。2001年の同時多発テロ事件で、イスラム教徒に対する憎悪がアメリカ国民のなかに広く蓄積された。アルカイダの暴力はアメリカ国民に憎悪を蓄積したのである。アフガン戦争、イラク戦争では、イスラム世界のみならずThe rest of the worldからのアメリカに対する憎悪が蓄積された。蓄積された憎悪はまるでマグマのように噴火の機会をうかがっている。より多くの暴力が費やされれば、より多くの憎悪が蓄積される。戦争はまちがいなく究極の暴力である。だから、アフガニスタンへの増派は、物理的な暴力の単純な増大以上の意味をもつ。

 もうひとつ。アメリカ銃社会という暴力の是認システム。ハシン少佐の卒業したバージニア工科大学では、2007年の4月に韓国系移民の子息(ハシン少佐と同じ第二世代)による銃乱射事件が起きて33人が死亡している。ハシン少佐が事件に使用した2丁の銃は軍のものではなく個人所有のもの(一個はセミオートマチック)だとされているが、基地内部では、銃の持ち込みの管理が甘くなっていた。なぜならば、軍では職業的に日常的に銃を扱うからである。その軍の文化の土壌は、基地外でも広く共有されていることが、アメリカ社会の病理である。

*            *

 オバマ大統領は、連邦政府の建物に半旗を掲げるように命じ、緊急声明を発表した。そのなかで「海外の戦場で勇敢なアメリカ兵が戦死するだけでも心が痛むが、まさかアメリカ本土の基地内で銃撃を浴びるとは、恐ろしいことだ」と述べている。オバマ大統領は、この事件の犠牲者の追悼式典に出席するために、予定されていた訪日日程を1日ずつ後ろにずらすことにしたようだ。このため、11月13日の金曜日に首脳会談などの日程が集中することになるのだろうが、オバマ政権にとっては、もちろん日米首脳会談よりは、この乱射事件の意味をしっかりと受け止める作業の方が重要であろう。それは戦争国家としてのありようの根本にかかわることがらだからだ。今後のアフガン政策の行方にも大きな影響を及ぼすことになるのだから。

*            *

 なお、フォートフッド陸軍基地から戦地に送られた兵士・軍人のうち、これまでイラク・アフガン両戦争でおよそ500人が戦死し、10人が自殺している。

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 先の総選挙を受け鳩山政権が発足してから約50日ほどが経過した。  この間、シロアリジミンの旧政権が食い散らかしていった内外の諸課題に対し、誕生したばかり... [詳しくはこちら]

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

01年9月の米同時多発テロをきっかけに米国が始めたテロとの戦いは今秋、9年目を迎えた。戦闘が長期化するなか人員不足を補うため、国防総省は兵士の従軍期間を従来の1年から15カ月に延長。休息期間も2年から1年に短縮した。さらに除隊希望者には1年前後の延期を求める措置「ストップ・ロス(損失防止)」を適用し、拒否した兵士は医療保険や学費補助などのを受給する権利が奪われた。」毎日jpワシントン大治朋子氏記事(11月6日11時38分)

大きな代償と引き換えに、実質的に除隊希望は持てないアメリカの現状が浮き彫りにされた悲しい事件です。

金平茂紀さん

日本の報道だけに頼っていては知りえない貴重な現地情報に、多謝申し上げます。

過去のアメリカの永きに亘った「世界の一極、世界の警察機能、自らが定義した(=異民族の定義を無視した)人権の押し付け」などが急激に音を発てて崩れていることの証左の一つなのでしょう。その大きな変動の軋轢が、最初にアメリカ国民の中で弱い立場の人達に悪しき影響を及ぼしたということなのでしょう。
本人にもご家族にも被害者の方々にも、深く悲しみを禁じ得ません。

事件の性質は異なるにせよ、日本人に対する「政治を『野放し』にしていては同じ道筋を辿ることになる」という警告として、受け止めさせて戴きました。

沖縄の米軍軍事基地問題もこういう事件との関連で真摯に考えないといけない事を痛感した。

アメリカは、ベトナム戦争で学んだことがあるはずなのに、なぜ、こうも戦争を繰り返すのでしょうか。武器商人とか石油利権とか以前に、ごく素朴に疑問を感じることです。そして、その疑問は、アメリカ政府に対してではなく、アメリカ国民に対して向けるものです。

テロとの戦いと言われれば思考停止になってしまう。全ての軍事行動が正当化され、勝てる当ても無く、事態を収拾できる当ても無く、ただ単に突き進む。いろんな所でフラストレーションが爆発してくる。

わが国も単に、米国に加担し後方支援をやっているが、その中身には全くむとんちゃくだ。給油の単純延長は良いタイミングで、一旦引いてこれまでの行動を振り返り、次のステップに進むべきだ。

メディアも給油に代わる方策が示されていないことを批判しているが、一旦引くということが代案で必ずしもすぐに何かをしなければならないということではないはずだ。日本も日米安保といわれるとみんな思考停止に陥る。米国につきあうことで余計に日本のリスクが高くなる場合もあるということをしっかり思考しなければならない。

 「戦争国家」とは、戦争をしている国または、戦争をしていないとやっていけない国。
 もしやアメリカは、後者になってしまたのでは。
 金平さん、まさかそうじゃあ有りませんよね。

「米国は戦争国家だ!」

かつてアイゼンハワーが大統領退任演説で国民に向け「軍産複合体」の危険性を訴えて以来、米国が戦争国家であることは世界中、周知の事実になっている。

何しろ軍産複合体は世界の軍事予算額総額の半分以上を占める米国の軍事予算(2008年度は60兆円)を権益とする世界一の利権集団でもある。

さらに軍産複合体の会社には米国や欧州の大統領、首相、閣僚経験者が多数、顧問として暗躍している。彼らにとって戦争はビジネスであり、それが無ければ死活問題となる。

このように最強の力を持つ彼らは、戦争遂行のために米国大統領でさえ動かす力を持つといわれている。例えばベトナム戦争からの撤退で軍産複合体に逆らったケネディー大統領は暗殺され、次のジョンソン大統領はベトナム戦争を一気に拡大した。

またブッシュ前大統領も政権後期にイラク撤退を検討したが、暗殺を恐れ任期中は出来なかったといわれている。イラク撤収を公約したオバマ大統領ですら、軍産複合体の意を汲みイラク撤収の代替案としてアフガンへの増派を実施した。

さらに彼らはオバマがアフガン戦争を本格化させるように、国防総省の秘密機関が操るアルカイーダを通じタリバンのテロ活動を活発化させたり、カルザイ政権を腐敗させ国内を混乱させようとしている。

今回のイスラム教徒による銃乱射事件も、軍産複合体によるアフガン再増派の世論盛り上げ工作の一環でなければいいがと危惧している。

フォートフッド陸軍基地での銃乱射事件の犯人が、パレスチナの出身者で、しかも精神科医であったということに、衝撃を受けました。
パレスチナ問題は、21世紀に残された、20世紀からのもっとも重大な問題のひとつです。
第2次大戦の戦勝国は、パレスチナの地の居住者であったパレスチナ人々の同意もなく、一方的にイスラエルを建国しました。このことが、現在の「テロとの戦い」の根底にあります。
パレスチナの人々は、イスラエル建国の被害者です。しかし、戦勝国アメリカイギリス、ヨーロッパの国々、いえ、西側世界は、大戦中のユダヤ人虐殺の記憶の負い目あるために、パレスチナ人の窮状に目をつぶっています。

ホロコースト、イスラエル建国、パレスチナ人へのイスラエルの不当な仕打ちと虐殺、これらの流血の悲劇の延長上に、現在の「テロとの戦い」があり、イラク戦争があり、アフガンがあります。

悲劇の連鎖は、人間の精神を破壊する。
その意味でも彼が精神科医であったことに、深い意味があるように思われます。

ハシン少佐というこの象徴的な人物によって、流血の悲劇の連鎖の歴史に、強烈な一ページが新たに書き加えられてしまいました。
彼に殺傷された方々だけでなく、すべての人々が、心にキズを、また新たに、負ったはずです。

このような情報をザ.ジャーナルsで知ることができたことを、感謝します。

<金平様>
銃を乱射したハシンの宗教的な背景やアメリカ社会の病巣を伝えて頂き、また、賢明なコメンテーター諸氏からさらにアメリカやアラブの様々な情報をお伝え頂き、とても勉強になります。
戦争国家アメリカの軍産複合体と背後にある金融資本は、アメリカの中だけで、暗殺でも何でもしていれば、まだ日本に被害はないのですが、日本の政権中枢に影響を与えているとの見方もあり、それが日本にも深く影を落としている。
アメリカの不興を買えば、政権は長続きしない。と言われて久しく、事実、田中角栄は政権を追われ、小沢は、チンケな西松事件にやられた。
アメリカのCIAの影響を受けているとされる知日派の在日アメリカ人は、当初、小沢氏を庇いながら、第七艦隊発言以降、あからさまに小沢叩きに発言をシフトした。
日本社会の底流にアメリカCIAとマスメディアにどの様な繋がりがあるのか?
電通が仕掛けたとされる官=悪、民=良のイメージ戦略に費やされた宣伝調査費は何処から出ていたのだろう。
竹中がアメリカに豪華なペントハウスを多数所有していると言われているが、何の成功報酬で金の出所は何処なのだろう。
なぜマスコミは前原や岡田ばかりを持ち上げるのか?今年、西松事件のただ中に前原と岡田が連れ立って外遊したとき、誰と逢ったのだろう。
前原と自民党安倍がアメリカに外遊し、政府高官に引き合わせたと伝えられているが、真の目的はアメリカの軍産複合体のとの顔合わせではなかったのか?
鳩山総理は、沖縄県外の基地移転に望みを捨てていないし、急いで結論をださない。結論を出す時は私が決める。としているのに、岡田がとても焦っている様に見え、事実上、総理の見解を否定し、オバマ来日前にアメリカサイドと会談して、外堀を埋めてしまうような動きを止めようとしないのは、何故なのか?
民主党政権内で獅子身中の虫が、いよいよ蠢きだしたと見るのは、穿ちすぎだろうか。

「暗殺」は米国だけのことではないですよ!

パレスチナ問題とアルカイダ問題を同列で述べるのには抵抗を覚えます。
前者の方ははるかに歴史的にも民族的にも根深いものであり、決して「テロ対策」などというレベルで論じるべき事柄ではないと思っています。

今回の事件が、パレスチナ問題とイスラム問題が複合しているからこそ複雑なのですが、今回の事件で「イスラム教徒」ゆえの新たな「迫害」を許すべきではありません。
むしろ、少佐がイラク派遣を拒否する術がこうした「事件」しかなかったことを愁うるべきだと思います。それ以上のことは、何もわからないのです。ですから、これを産軍複合体うんぬんとかイラク問題とかテロ事件と同一視することは、避けるべきではないでしょうか。悲しんでいるのは、イスラム教徒だけでなく多民族国家の米国民それぞれなのです。

さて「産軍複合体」の日本版ではないですが、「官房機密費」は、いわゆる米国CIAやNSA、かつてべ兵連や社会党に資金援助していたことが公開された旧ソ連のKJBと同じく、日本国家の保有する内閣情報局の「秘密機関」としての活動のための公的な費用です。この過去も含めた情報を公開することは、陰に陽に、過去の政権の「産軍複合体」やらとの関係を直接間接的に露見させるものでしょう。故に公開には、日本独自で判断できるものではないのでしょうが、それにしても塗りつぶしなしの、情報を政権交代した民主党政府が閲覧したとき、一体いかなる印象を感じたのだろうか、と思っています。

内閣官房機密費ですから「官僚」とか「省庁」とかからは独立した「政府専権」項目なのですから、政権交代した今、民主党政権はその「事実」はすでにご存知なのでしょう。それを「公開」しろって言っても、なぁ、とう言う感じです。ただ米国で公開された公文書に関する限り、トレースはできるはずです。、、日本政府に公文書の公開の度胸がつくか否か、今はわかりませんね。

日本の「産軍複合体」もあるし今は「温暖化対策」のための「原発推進運動」に連動した日米の原発プロジェクトが進行しています。「不毛地帯」で示されている「歴史」は決して「過去」でないことを、是非皆さんには注意してご覧になっていただきたく思います。
瀬島さんはついに最後まで「墓場」まで「極秘マター」を携えていかれてしまいました。現在進行形の世界中のすべての事象の裏にある「真実」にどこまで肉薄できるのか、低次元の恣意的キャンペーンしかできない日本のマスゴミやジャーナリストには到底及びもつかない世界なのではないでしょうか。

最近のアメリカ映画は嫌いだ。
潤いも何もない、ただかさかさした乾燥し切った感覚。
かつてのおおらかさや、包容力など、どこかへ消えてしまった。
評判になる映画の特徴は、「実際に有った話」。
映画の持つ「創造性」を、どこかに置き捨てて、わずか300年ばかりのくだらない歴史を懐かしんでいる。

つまらない国、アメリカ合衆国。

特攻隊とテロの違いいつも考えてました。 言いたい事はいっぱいありますが 殺し合いにはどちらにも正義は無いという事。
いつかのベトナム戦争で後遺症患った大勢の人達のこと ついこのあいだの事を思い出して・・・。

熱烈な自民党支持者さん | 2009年11月 8日 10:42 引用【何しろ軍産複合体は・・世界一の利権集団でもある。】といい・・、
ねこのしっぽことsumikoさん | 2009年11月 8日 14:15 引用【パレスチナ問題は、21世紀に残された、20世紀からのもっとも重大な問題のひとつです。】といい・・、
深く重いご見解に触発されて・・。

1.パレスチナ然り、イラン然り、バルカン半島然り、東西ドイツ然り、台湾問題然り、朝鮮半島然り・・、
例えば戦争の勝利者が一時的な傲慢に煽られて、「軽薄かつ余計なことに」、他国・他民族・他地域の国境の線引きを遣り直した結果、民族を分断して将来の紛争の火種を仕掛けて、時を経て火が噴く・・などのケースは20世紀に限らず、古来歴史上数え切れず、真に人間は「人間の業(七つの大罪もその一つ)」から脱することが出来ない生き物であると、また逆に観れば「人間・民族の業」が歴史を造って来たのだと、改めて実感します。

2.国家や民族が夫々に、事柄によって数世紀や数十年に亘って積み上げてきた自らの歴史と自らの秩序への拘りや誇りを捨て切れずにいる。(極端には、ユダヤはTheExodusから数十世紀に亘る歴史に強く拘って、周囲に歩み寄る考えは無いように観える。)
欲望を含めた「人間の業間の交錯」とか土地や自民族のIdentityへの執着など「民族固有の業間の交錯」に根差す歴史的事象は、今流の正義感から軽々しく「善し、悪し」で論じられない事柄もあり、多くの国際問題は複雑であり、短兵急に解決策が観えるものではないという現実もある。

3.この脈絡では、沖縄のアメリカ軍駐留地の移転問題も、冷戦時代の世界の二極の一方を担ったアメリカが国家戦略によって数十年の年月を掛けて造り上げてきたもの(=アメリカにしてみれば、決して「日米二国間の安保問題だけ」ではない複雑さと広がりを持つもの)であり、ポッと生みだされた鳩山民主党政権が「一方的な被害者意識」で短兵急に拙速に動くのには、危うさを感じる。
政権の思考には、高度の戦略性とともに、「永い時間軸」が不可欠ということでしょう。自民党にはその戦略性も時間軸の永さも無かった。民主党には、其れら(=高度の国家戦略、永い時間軸など)を組織にBuiltInして、多くの内外の課題について、「賢明」に立ち振舞うことを求めたい。(「賢明」に反する事例を卑近に求めると、山積する内政の緊急課題を掻き分けて、鳩山流が進めている「日本が主導する東アジア共同体構想」(内容は定かではないが・・)は規模の大きさを含めて極めて唐突で、私の「永い時間軸」を以ってしても実現可能性が私には観えてこない。同じ不可解さは、鳩山流の「右脳だけの友愛精神」にも通じる。)

4.古人曰く、「天の時、地の利、人の和」という、また「不知彼、不知己、毎戦必敗」という。
「賢明」であるとは、時に拠り「人間の(自らの)英知の限界を知る」ことでもあり、また時に拠り「熟柿が落ちるのを待つ戦略的辛抱強さ」を指すこともある。
研鑽を重ね見識の高みにあれば自ずから戦う土俵の大きさが違うのであって、「単なる優柔不断」や「単なる先送り」との差異は自ずから顕われる。

「戦後はいつ終わるのか?」
敗戦から64年、依然として戦勝国の軍隊が敗戦国に留まっている。敗戦国の国民はそろそろお引取り願いたいと思っており、民意を受けた政権がそれを実現しようと努力している。しかし、その努力を非難しているのがなんと、当の敗戦国「メディア」であるという現実を我々はどう考えるべきか。
 日米関係が重要であることに異議はない。日米関係を保ったまま、在日米軍をグアム・ハワイまで撤退してもらうという方法論について議論するのが「メディア」の本分ではないか。筋が悪すぎる。
 普天間問題についていえば、そもそも沖縄返還のときの交渉の経緯から再検証すべきではないだろうか。極東における沖縄の戦略的重要性から考えて、冷戦真っ只中に日本に返還してきたということは、かなり大きな密約があったのではないだろうか。今後100年は米軍が滞在してもいいとか。そのあたりから検証していかないと、米国との溝は埋まらないように思える。

「海外の戦場で勇敢なアメリカ兵が戦死するだけでも心が痛むが、まさかアメリカ本土の基地内で銃撃を浴びるとは、恐ろしいことだ」と演説するオバマ大統領、500人の戦死者と10人の自殺者の存在は恐ろしいことではないのか?人を効率的に殺す事をビジネスとしている軍産複合体の存在は恐ろしいことではないのか?それより何より米軍に殺された大量のイラク・アフガン人たち(特に民間人)の存在は恐ろしいことではないのか?ノーベル平和賞受賞大統領としてのコメントを聞いてみたいものだ。

皆が迷っている。
世論調査でも、普天間問題は国論が分かれているようだ。賛成、反対、わからないが、均等に分かれている。

戦中戦後に渡って、沖縄を犠牲にしてきた本土国民も、犠牲にされてきた沖縄県民も、自民党政府方針へ反発を続けてきた勢力にも、政権交代した今も、沖縄の現実はかわらない。

本当にどうすべきか、「基地なき沖縄」が理想として、現実解はどうすべきなのか、政府のみならず国民一人一人が背負うべき「戦後問題」なのである。

「犠牲の対価」はなんなのか。改めて政府とともに国民に問われている。

「密接に関係する普天間移設問題と米軍再編」

共和党右派の論客でハドソン研究所の日高義樹は普天間基地問題について次のように述べている。

「米国は北東アジアの軍事情勢が変化(北朝鮮が核武装化)したことにあわせ、最前線にいる米軍兵士の被害を最小限にするために在日米軍(陸軍、空軍、海兵隊)をグアムに移動させる計画を進めていた。

その際米国政府は「沖縄の基地周辺住民への配慮が必要との日本政府の要請と移転費用の半分を日本政府が出してくれる」ことを名目として議会から移転費用の承認をもらったようだ。

米国議会では当初、日本のために移転するのならば日本にもっと負担させればよいという反対意見もあったようだ。従って普天間から辺野古への移設が進まなければ、議会でグアムへの移転費用が認められなくなり、米軍再編が進まなくなる」というカラクリのようだ」

そうであるならばグアム移転費用の全額(10億ドル)を日本が全額負担すれば辺野古の問題も全て片がつくように見える。しかし日本政府内でそのような論議がされていないのは何故だろうか。

毎年、思いやり予算で2000億円も米軍に支払っていたことや辺野古に滑走路を作る費用(3000億円)を思えば、10億ドルは安いような気がするが。やはり日本側の方に利権が絡んでいるのだろうか。

>やはり日本側の方に利権が絡んでいるのだろうか。

そういうことだったのですか。
これは事実を解明していただかないといけない。沖縄問題にまで「利権」がらみとは、本当にとことん腐っている。自公政権時代の裏を一日もはやく曝露すべきであろう。それまで「判断」する必要なし。

金平さん。今週号のTIMEの表紙をみましたか? ハサンを早く吊るせとばかり、顔に目隠しをしていましたね。アメリカという国の多元性をもっと伝えてください。

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Profile

金平茂紀(かねひら・しげのり)

-----<経歴>-----

1953年北海道旭川市生まれ。1977年に在京の民間放送局に入社、以降、一貫して報道局で、報道記者、ディレクター、プロデューサーをつとめる。「ニュースコープ」副編集長歴任後、1991年から1994年まで在モスクワ特派員。ソ連の崩壊を取材。帰国後、同局で筑紫哲也氏がアンカーマンをつとめるニュース番組のデスクを8年間つとめる。2002年5月より在ワシントン特派員となり2005年6月帰国。報道局長を歴任後、2008年7月よりニューヨークへ。

BookMarks

-----<著書>-----

ブログが本になりました!
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『報道局長業務外日誌』
2009年6月、青林工藝舎


『米原万里を語る』
2009年5月、かもがわ出版、共著


『テレビニュースは終わらない』
2007年7月、集英社

人気のWeb日誌、出版!
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『ホワイトハウスから徒歩5分』
2007年6月、リトル・モア


慶應義塾大学出版会、部分執筆


『ジャーナリズムの条件4』
2005年5月、岩波書店、部分執筆


『従軍のポリティクス』
2004年7月、青弓社、部分執筆


『二十三時的』
2002年11月、スイッチパブリッシング

『電視的』
1997年12月、太田出版

『ロシアより愛をこめて』
1995年3月、筑摩書房

『世紀末モスクワを行く』
1994年12月、パルコ出版

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