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クリントン電撃訪朝のインパクト

090806kanehira1.jpg

090806kanehira2.jpg
↑ ニューヨーク・タイムズも1面トップの扱い(筆者撮影)
2ショット写真の拡大版はコチラ


 こういうことが実際に起きてみると、「実行力」という言葉のもつ意味が実感をともなって迫ってくるようだ。クリントン元大統領の北朝鮮への電撃訪問は、いま現在、この文章を書いている時点では、①クリントン元大統領とキム・ジョンイル総書記とのあいだで会談が行われたこと②拘束されている2人の女性記者に対して「特別恩赦」が実施されて身柄の解放が実現したこと③クリントン氏はピョンヤンをすでに離れたこと④クリントンの乗った機内に2人の女性記者が同乗していて、ロサンゼルスで家族との再会を果たすであろうこと。まずは困難な問題のひとつが終息に向かっていることだけは確実であろう。
 
 クリントン氏は、キム・ジョンイルがこれまでに会った人物のなかで最もハイランクにある人物であることは間違いない。第一次の朝鮮半島核危機の前にオルブライト国務長官をピョンヤンに派遣した際の米国大統領であり、キム・ジョンイル総書記が最も会いたがっていた人物とも言われている。2人の女性記者の問題解決には、これまでもこのテレビ記者たちの所属するカレントTVのオーナーであるアル・ゴア元副大統領やリチャードソン・ニューメキシコ州知事らの名前が交渉役として取りざたされていた。だがクリントン氏の登場で事態が一気に加速した。

 交渉が困難な厄介な相手とも、常にチャンネルを閉ざさない「オバマ流」が、ここに来て功を奏したと言えるだろう。個人のミッションのような形をとりながらも、この電撃訪問はオバマのホワイトハウス、およびヒラリーが長官を務める国務省との綿密な連携がなければ実現しなかった動きだ。北朝鮮側が発表した報道文によると、オバマ大統領の口頭メッセージが会談のなかで伝えられたとしているが、ホワイトハウスは、今回のミッションが個人的なものだと強調して、ギブス報道官などは、伝達されるべきメッセージの存在を否定するほど、神経質になっている。
 
 APやAFPが配信した写真で面白いのは、クリントンが全く笑っていない点だ。こわばった表情でさえある。それに比して、キム・ジョンイルの方は2ショット写真では笑っている。クリントンは表情を硬くしている。この会談の含むところをこの写真は暴露してしまっているのだ。 

 この電撃訪朝によって、米朝関係が劇的に改善するとは思えない。だが直接交渉のチャンネルが機能し、アメリカにとって思った通りの成果があったことだけは客観的な事実である。この間、中国や日本、韓国にどれほどの出番があったのかどうか。興味深いのは日本の外交当局に、どの時点でこの電撃訪朝のことが伝達されたのかという点だ。あるいは個人的なミッションということで全く何も伝えられていなかった可能性もある。そしてその可能性のほうが大きい。
 
 キム・ジョンイルの健康不安説は、拡大の一途だった。一時は死亡説まで流れて継承問題がにぎやかになったが、今回見る限り、激ヤセしているが公務につけないほどではないことがわかった。しかし、健康に問題があることは間違いないので、それまでに何かが起こるのだろう。
 
 オバマはクリントンであろうが誰であろうが、自分の力になってくれる人物をしっかりと登用する。今回の「得点」が国内政治のかじ取りにどれほどの影響はあるのかどうかは分からないが、少なくとも米メディアで報じられ方は「よかった話」と受け止められている。

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冗談じゃない!
日本の拉致犠牲者は置き去りか。
政府の馬鹿、外務省のばか、自民の馬鹿、何故日本の拉致問題に関してコメントしないのだ。ふざけるな。

わが国は力至らず、クリントンは自国の記者を奪還できても、私共はできません、と謝るべきだ。

金平さん、こんにちは(いま8月5日pm2:00頃です)

やっぱり、アメリカってすごいと思ってしまいました。
役者が実に多いですね。
それを生かすのも殺すのもオバマとしう男のセンスなんでしょうが。

政府の対面よりも実質をとる。
核廃絶の演説にしても、
中東やドイツでの演説にしても、いままでの政治家がやっていた建て前というものがない。
一歩も2歩も踏み込んで本質に迫ろうとしているんです。
こんな政治家を目の辺りにできることはすごいことだと思います。
この大統領に互角に対することができるか?
日本の鳩山さんの力量が試されますね。

 北朝鮮を動かせるのはトップ間の交渉以外に手立てはないのではと思う。
 辺さんの記事の際にもコメントしたが超大物特使の派遣し、金正日主席と会談し不信感を取り除くことから始め、最終的には日朝友好条約を締結し国交正常化に持ってゆく必要がある。
 拉致問題について、被害者の生存を前提とした昔の不確実な情報が輻輳しているが伝聞が主で物的証拠は殆んどなくここ最近の情報は皆無である。
 最近田原氏は政府筋の情報だと言いながら被害者死亡説を公言していますが。被害者家族の感情を刺激しています。
 中国の核を始めとする建国以来一貫して続けられている軍拡はいまや台湾海峡の軍事バランスを大きく中国側に傾けその範囲は東から南シナ海にと範囲を広げつつありますが国交がありお互いに自制する大人の対応ができているため
脅威論を唱えている者は少数派で国民大多数の認識とはなっていませんが、北朝鮮の武力は中国と比べれば蟻のような小さい軍備でも大きな脅威として認識させられ政治的に利用されています。
 大局を判断する必要があるのではと思います。
 金正日体制はまだ確固たるものがありますが健康不安が取りざたされておりこの強固な体制が何時まで続くか懸念されます。
 この総選挙で政権交代が起これば新政権は直ちに手を打つべきでしょう。
 小沢さんを首相の特使として派遣し交渉すべきです。そして米朝、韓朝、日朝関係の同時国交正常化を行うべきです。
 極東東アジアの不安定要素を軽減し、安定した地域にすることで民主党に向けられている外交安全保障に対する回答になると思います。それこそ中国を見据えた米軍再編に大きな寄与になると思います。
 北朝鮮の安定化を図り取り込婿とにより拡大思考の中国に対応で切る体制が築けると思うが。
 拉致被害者家族にはその際政府を始め国家として真摯な対応をとることが必要です。

誤 取込婿と
正 取込むこと

妹尾さん
 拉致被害者家族にはその際政府を始め国家として真摯な対応をとる事が必要です。私もそのとうりだと思う。しかし一部家族会の中で 民主党主導の政権には批判的な人がいます。何が気にくわないのか定かではないが ハッキリ言って家族会にも可笑しな人がいますよ…。

「外交の麻生」と自画自賛する麻生氏は、米国の成功をどう思っていることだろうか? 

拉致問題を北朝鮮憎悪のためだけの政治道具(ナショナリズム扇動)に利用してるだけで、拉致被害者を帰国させることなどどうでもよいどころか、ホンネは北朝鮮憎悪を永遠に続けさせるために、拉致問題が永遠に解決しないことを願っている麻生政権にとって、日本の国内世論が軟化して、たとえば「日本も安倍前首相を北朝鮮に特使として派遣したらどうだ?」というような世論が沸きあがることを死ぬほど警戒しているのではないだろうか?

もちろん、好戦的で狂気じみた憎悪発言を繰り返し、北朝鮮に核爆弾を落したくて仕方の無い安倍前首相は、頼まれたって北朝鮮に行く気は無いだろうけど。

クリントン元大統領の土産は何だったのでしょうね。どなたか情報お持ちの方いませんか。
 最悪のシナリオは、6カ国協議の枠組みから日本が実質上排除されることです。キッシンジャーによる米中接近を持ち出すまでもなく、米国は日本の立場などまったく気にしていません。拉致問題にしても、米国が日本の手助けをしてくれるなんて幻想は捨てるべきです。彼らはドンキホーテではありません。

よかったです。安心しました。
これを機会に、米朝関係が改善され、両国の対話が促進されていくことを強く願っています。

今回は報道陣の前で金正日総書記が写真撮影にて普段よりも笑顔であった事に深い意味を感じます。

私は、ま、拉致問題の件はともかく、今回の件で、金正日がまだまだまともな判断力があり、外交上の駆け引きを上手く乗り切る理性を保持していることに少し安堵しました。

 「同胞」といわれる民族が数百万日本に住み、かつ止め処もなく「打ち出の小槌」である日本自体を、金正日も忌み嫌っているわけではないと思っています。

 ただひとつ、彼の「思い」に答えるに足る日本の政治、政治家が現われず、腹が立ちイライラするのは無理からぬことで、我々国民の感覚と対して変わらないのじゃないかと思います。
 その意味で、「政権交代」をもしかしたら北朝鮮も望んでいるのかもしれません。何十年も埒のあかない外交をしてきたのは、我々の国の方なのかもしれません。

 だからといって拉致問題の正当化を認めるものでは決してありません。日本の本来果たすべき外交次第で、両国関係はもっと改善される可能性は大いにあるきがします。

騎兵隊は救出に駆けつけるのに「もののふ」は絶滅してしまったのか、TVカメラの前だけなのか。

米国のオバマが衆議院選挙後でないと日本に来ないのも、ロシアのメドベージェフが領土問題で麻生首相を相手にしなかったのも、北朝鮮が拉致問題再調査の約束を反故にしたのも、日本の自民党政権の不安定さに起因していることは間違いない。

しかし政権交代後、日本の政治家は米ロや中国、北朝鮮に対しタフな外交が出来るのだろうか。外交が得意と言っていた麻生首相も英語が得意なだけで成果は上がっていないように見える。

かつて竹下政権の時代、官房副長官として、難題であった日米通商交渉を取り仕切ってきた小沢一郎のようなタフな政治家は殆どいないのかもしれない。

やはり「圧力」だけでは物事は動かせない、という事だ。
アメリカにはB.クリントン氏以外にもカーター氏などがいる。
対して日本ではどうだ。
人物が皆無であるばかりか、アメリカという“虎の威を借り”ようとする輩ばかり。
北朝鮮が日本を無視するのもむべなるかな。

金平さん
こんにちは。
アメリカという国の、行動力の凄さを感じましたが、それ以上にクリントン氏の表情をみれば、北朝鮮のしたたかさに、恐怖感を覚えました。
この一件で、日本の政治家、外務省の外交手腕程度では、北朝鮮との交渉が難しいことを痛切に感じました。やはり長い歴史大国をしょって生き抜いた朝鮮民族のDNAでしょうか。「圧力だ」、「対話だ」と寝言をいう前に日本は外交手腕、いわゆる「人間力」の修行が足りないのでは。いままで政権担当をしてきた自民党だけではなく、独自のパイプも信用も築けなかった、社民党も共産党も、政治家として、自らのヘボさを自覚し、もっと猛反省して頂きたいです。「自国の国の国民はどこまででも助ける」そういうスタンスをアメリカ外交から感じましたが、「自国の国民が、拉致されて40年、どこにいるのか知っていて放っておいた」国家など、どんなに勇ましいことを言っても噴飯ものです。

>かつて竹下政権の時代、官房副長官として、難題であった日米通商交渉を取り仕切ってきた小沢一郎のようなタフな政治家は殆どいないのかもしれない。

もちろん、冗談ですよね。

同じアメリカ人でもそのお里を常に意識して、普段からジャパニーズ・アメリカンやコリアン・アメリカンと表記を分け、日常では黄色人種を十把一絡げに認識するお国柄なのに、今回に限り最初から最後迄アメリカ人として扱われているのには納得がいきませんね。大統領選で黒人を出さずアメリカ人として当選したオバマ政権らしいと言えばらしいところもありますが・・・。

金平さんの報道姿勢を以前から見ていると、失礼ながら金平さんは南北朝鮮に思い入れが大きいようですね。
北朝鮮による日本人拉致問題や核開発も逃げずにブログで取り上げてもらいたい。
日本人の一人として切にお願い申しあげます。

金平さんの報道姿勢を以前から見ていると、失礼ながら金平さんは南北朝鮮に思い入れが大きいようですね。
北朝鮮による日本人拉致問題や核開発も逃げずにブログで取り上げてもらいたい。
日本人の一人として切にお願い申しあげます。

ヒラリーが夫の仕事について記者会見で聞かれて、「国務長官は私よ」とマジ切れしてたのは面白かったですね。

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Profile

金平茂紀(かねひら・しげのり)

-----<経歴>-----

1953年北海道旭川市生まれ。1977年に在京の民間放送局に入社、以降、一貫して報道局で、報道記者、ディレクター、プロデューサーをつとめる。「ニュースコープ」副編集長歴任後、1991年から1994年まで在モスクワ特派員。ソ連の崩壊を取材。帰国後、同局で筑紫哲也氏がアンカーマンをつとめるニュース番組のデスクを8年間つとめる。2002年5月より在ワシントン特派員となり2005年6月帰国。報道局長を歴任後、2008年7月よりニューヨークへ。

BookMarks

-----<著書>-----

ブログが本になりました!
↓ ↓ ↓

『報道局長業務外日誌』
2009年6月、青林工藝舎


『米原万里を語る』
2009年5月、かもがわ出版、共著


『テレビニュースは終わらない』
2007年7月、集英社

人気のWeb日誌、出版!
↓ ↓ ↓

『ホワイトハウスから徒歩5分』
2007年6月、リトル・モア


慶應義塾大学出版会、部分執筆


『ジャーナリズムの条件4』
2005年5月、岩波書店、部分執筆


『従軍のポリティクス』
2004年7月、青弓社、部分執筆


『二十三時的』
2002年11月、スイッチパブリッシング

『電視的』
1997年12月、太田出版

『ロシアより愛をこめて』
1995年3月、筑摩書房

『世紀末モスクワを行く』
1994年12月、パルコ出版

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