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さすがに靴は飛ばなかったブッシュ最後の記者会見

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大通りに設営された就任式パレード見物席

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就任式間近の議事堂前

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ずらりと並ぶ仮設公衆トイレ

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どこに行ってもオバマだらけ

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ビレッジボイス紙の「ジョージ、行かないで!」

(いずれも筆者撮影)

一体、この8年間は何だったのだろうか。ジョージ・W・ブッシュ大統領(以下、Wと記す)のホワイトハウスでの最後の記者会見が1月12日の朝、開かれた。一番直近の会見は、電撃訪問したバグダッドでの例の「靴投げ会見」である。今回はさすがにホワイトハウス詰めの記者たちを対象にした最後の公式会見だったので、「不届き者」はおらず、Wに靴を投げつけるというような事態は想像の外の出来事である。だが、記者たちからのWに対する質問は容赦のないものだった。任期中の「業績」を問われる代わりに、この間の「過ち(mistakes)」は何だったと思うか、と聞かれると、Wはさまざまな表情を浮かべながら、質問に答えていた。だがWは、対テロ戦争の一環としてイラクとの戦争に踏み切った自らの決断を、決して間違いだとは認めなかった。Wがはっきりと間違いだったと認めたのは、フセイン政権が崩壊した直後2003年5月に「任務完了(Mission Accomplished)」の横断幕を掲げて空母リンカーンの上に戦闘機でタッチダウンした時のことで、「あの横断幕を掲げたのは明らかに間違いだった」と述懐していた。さらには、大量破壊兵器がみつからなかったのには「失望した」と弁明した。開戦の最大の大義が大量破壊兵器だったことを忘れたかのように。ほかにも、アブグレイブ刑務所での拷問やハリケーン・カトリーナへの対応などで後悔を滲ませていたが、基調は自らの「業績」を強調するものだった。「(ブッシュ政権が)国際社会におけるアメリカの道徳的な立場を傷つけたのではないか」との質問にはさすがに気色ばんでいたが、否定したわりには反論の中身はなかった。

13日夜には、CNNの「ラリーキング・ライブ」にWはローラ夫人とともに出演していた。15日の木曜のプライムタイムでも、国民に向けた「お別れスピーチ」が放送されるそうだ。キーTV局の幹部は困惑しているという。「Village Voice」紙の最新号でWard Harkavyが『ジョージ、行かないで(Don’t Leave, George!)』という超辛口の文章を寄せている。ダメなブッシュから最大の恩恵を被っていたのは実はメディアのジャーナリストたちだったじゃないか、と毒を込めた皮肉が続く。「バラク・オバマは大統領に選ばれた最初の黒人かもしれないが、ブッシュに比べれば全然、色がない(Colorless=つまらない)。記者たちだって、きっとオバマの記者会見での大言壮語や遊説に遊説を重ねる取材にうんざりするだろうさ。」 逆説的に言えば、そういう面もあることはあるのだ。

就任式を1週間後に控えたワシントンDCに足を運んでみた。街中、今やどこに行っても、オバマ、オバマ、オバマで溢れかえっている。何だかアメリカが歴史的なイベントを自己演出しているような気さえした。4年前の二期目のブッシュの就任式の寒々とした光景が脳裡に甦ってきた。そう言えば、僕らはあの時は何時間も寒空の下にいて、トイレに行きたくてみんな我慢していたことを思い出した。それだけだね。今回もインスタントの公衆トイレがすでに整然とセットされていた。歴史的な公衆トイレというわけだ。Wの記憶と業績は、式典が終わると、この公衆トイレのように人々の記憶から撤去されるのだろうか。

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Profile

金平茂紀(かねひら・しげのり)

-----<経歴>-----

1953年北海道旭川市生まれ。1977年に在京の民間放送局に入社、以降、一貫して報道局で、報道記者、ディレクター、プロデューサーをつとめる。「ニュースコープ」副編集長歴任後、1991年から1994年まで在モスクワ特派員。ソ連の崩壊を取材。帰国後、同局で筑紫哲也氏がアンカーマンをつとめるニュース番組のデスクを8年間つとめる。2002年5月より在ワシントン特派員となり2005年6月帰国。報道局長を歴任後、2008年7月よりニューヨークへ。

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