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さすがに靴は飛ばなかったブッシュ最後の記者会見 »

歯切れの悪いオバマとヘレン・トーマスの記者魂

イスラエルのガザ侵攻に関する米主要メディアの腰抜けぶりを書いたら、すぐに知人からメールが入った。いやいや、なかなかどうして、アメリカのメディアだって捨てたものじゃない部分もあるにはあるんだよ、と。たとえば、エイミー・グッドマンの『デモクラシー・ナウ』で報告されている1月5日(月)のホワイトハウス定例記者会見でのベテラン記者ヘレン・トーマスとペリーノ報道官のやりとりは実に面白かった。ヘレン・トーマスが「この状況で米政府はなぜ殺戮を放置しているのか」と質したのに対して、ペリーノ報道官は「イスラエルには自己防衛する権利がある」などとしどろもどろになりながら答えていた。さらには、パレスチナの総選挙で選ばれたハマスの正当性を否定したばかりか、テロリスト集団と断じているあたり、あまりのコミュニケーションの行き違いの不条理さに、何だかジョージ・オーウェルの小説を読んでいるような気分になってしまう。翻訳するのが厄介なので、ヘレン・トーマス記者とペリーノ報道官のやりとりを英文のまま転写する。

HELEN THOMAS: Why is the President letting more people be killed in this situation, instead of going for a ceasefire and calling for restraint, as they have in the past, on both sides?
DANA PERINO: We are calling for a durable ceasefire. That’s what we are trying to establish.
HELEN THOMAS: But why don’t you call it today and stop people from being killed?
DANA PERINO: Well, I think, Helen, strong views are held on this by all sides. We believe that Israel has a right to defend itself, and—
HELEN THOMAS: Do the Gazans have a right to defend themselves?
DANA PERINO: I think that what the Gazans deserve is a chance to live in peace and security. What President Bush has worked for is a chance to establish a two-state solution, so that the Palestinians could have their own state, so that they could live in their own democracy. And that’s what President Abbas, who is the President of all Palestinians, has been working towards.
HELEN THOMAS: The President did not recognize their election, which was fair and square under international law, as observers—
DANA PERINO: Look, when—the President did call for the—did support the elections. And when the elections were held, I don’t think that Hamas was elected because they said, “Vote for us, we’ll take you to war” or “We’ll hold you hostage” or “We’ll send rockets into Israel every day.” But they won because they were tired—the people of—the Palestinians, people of Gaza, were frustrated with the services that they were getting from the Fatah party, which was a wake-up call for the Fatah party as well. And they have worked to try to improve what they could provide governance-wise for all of the Palestinians.
HELEN THOMAS: So knowing that, why did the US cut off all relation—all aid to the people?
DANA PERINO: We certainly have not done that to the people of Gaza. We do not deal with the terrorist organizations, of which Hamas is designated as one.

ガザ侵攻から11日がすぎて、オバマが初めてこの件について記者の質問に答えたが、あまり歯切れがよくない。オバマは、パレスチナ、イスラエル双方の犠牲者に「深甚なる憂慮」を表明したが、ブッシュが大統領である間は、コメントをすべきではないという立場を堅持しており、多数の市民の殺りくに実質的に口をつぐんでいる。刻々と死傷者が増え続けているというのに。ただ、オバマは、1月20日の就任式以降には「言うべきことがたくさんある」とは言っているが。その時点までに死んだ者はどうなるのだろう?パレスチナ自治政府のアル=マルキ外相は、このオバマの態度への失望感を表明しているが。

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コメント (4)

オバマならきっと大丈夫。

やはり、大統領が変わっても、イスラエルを保護する姿勢は変わらないのでしょうか。。ユダヤ人のパワー、お金がその背後にあるのだから。他国からみれば、イスラエルは間違っているとしか思えません。パレスチナ問題は国連にゆだねるべきなのに

どなたか、翻訳して〜!

ヘレン・トーマス曰く。
「ユダヤ人はイスラエルから出ていくべき。
イスラエルはパレスチナ人のもの。」
歴史的にも、人道的にも、正しい発言ですけど・・・・。
何故、彼女は、アメコーから非難されなければならないのでしょうか?
それは、アメリカが、傲慢で歴史と神話と宗教と嘘を混同している、
ユダヤの国だからです。

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Profile

金平茂紀(かねひら・しげのり)

-----<経歴>-----

1953年北海道旭川市生まれ。1977年に在京の民間放送局に入社、以降、一貫して報道局で、報道記者、ディレクター、プロデューサーをつとめる。「ニュースコープ」副編集長歴任後、1991年から1994年まで在モスクワ特派員。ソ連の崩壊を取材。帰国後、同局で筑紫哲也氏がアンカーマンをつとめるニュース番組のデスクを8年間つとめる。2002年5月より在ワシントン特派員となり2005年6月帰国。報道局長を歴任後、2008年7月よりニューヨークへ。

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