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極私的2008年重大ニュース

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写真:筆者撮影
1)演説中のオバマ候補    2)「Dr.Atomic」のフィナーレ
3)聴衆に応えるバレンボイム  4)ピナ・バウシュ舞踏団のフィナーレ(Bamboo Blues)


■極私的2008年重大ニュース

今年は、6月まで日本にいて、あとの半年はNYに移ったので、ニュースをまとめて概観するのがとても難しいが、それでも今現在の記憶だけに従って列記してみると、以下のようになる。

①新大統領に選ばれたオバマのシカゴ演説
②経済危機を呼号する人々の立ち位置の無自覚
③秋葉原・無差別殺傷事件での「派遣社員」という呼称
④漢字の読み書きが不自由な日本の首相
⑤防衛省幹部のトンデモ史観
⑥二代にわたり続いた「政権」放り出し
⑦テレビ製作者における灯火の消滅
⑧日本における集会・デモ表現の不自由
⑨光市母子殺人事件と三浦和義氏の自殺
⑩ブッシュに靴を投げつけた記者

①は、バラク・フセイン・オバマがアメリカの建国以来の歴史で、初の黒人大統領に当選したこと。11月4日の夜にシカゴの公園で数十万人を前に行われた勝利演説は歴史に残るものとなるだろう。②については、アメリカ発の金融危機が日本を含む世界に波及した時、その現象を述べる人々の立ち位置の違いが、見事にあぶり出されたこと。「派遣切り」が企業として当然だとか、マクロにしか経済をみずに「上から」視点(だけ)で語る人々の足元を見よ。どこに彼らは立っているのかを。③6月に起きた秋葉原の無差別殺傷事件は、日本の現状の無残な形での映し鏡だ。僕らを含めたメディアが容疑者を「派遣社員」の呼称で報じ続けた現実を直視しなければならない。また秋葉原という場所が現在の日本の首相が好んで遊説に出かけた場所であることの「連結性」を考えてみるべきである。④⑤⑥とも、日本のあられもない劣化の現実を内外・満天下に曝した出来事だった。⑦は、筑紫哲也氏、村木良彦氏、吉田直哉氏ら、日本のテレビ界にわずかに残っていた「ともしび」のような人々が今年相次いで世を去ったことをさす。⑧は、ビラ配布や穏当なデモで逮捕・家宅捜索までに至る日本という国の表現の水位の低さの異常を言う。麻生邸見学ツアーの件はNYで後日知ったのだが、警察発表通り、「再三の警告を無視」だの「警官に暴力をふるった」だのと原稿をせっせと書いていた自分の同業者たちに何を言うべきなのだろうか。⑨は、日本の刑事裁判の水準が、法廷外と法廷内の激越な相互作用によって成立している現実を示したケースとして並列した。⑩は、今後、この記者がどのような運命となるのかを注視する意味で。

ついでながら、以下にストレート・ニュース以外の世界の広さを記すために。

■2008ジャンル・クロスオーバー・ベスト5

<書かれたもの>

①水村美苗『日本語が亡びるとき』(「新潮」9月号)
②マリオ・バルガス=リョサ『楽園への道』
③川上未映子『乳と卵』
④鴻上尚史『ぼくたちの好きだった革命』
⑤星野博美『愚か者、中国を行く』

2008年は、前半と後半では全く読書量が激変した(減った)。上記のもののうち、NYで読んだものは①だけ。あとはほとんど東京で読んでいたもの。ほんの少しでも笑いがこぼれてくるのは④と⑤くらいか。

<映画とか>

①『4か月、3週、2日』(ルーマニア映画)
②『接吻』(万田邦敏)
③『Gran Trino』(Clint Eastwood)
④『Taxi To The Dark Side』(Alex Gibney)
⑤『この自由な世界で』(ケン・ローチ)

映画の方はNYに来てからずいぶん気軽に見るようになった。ただ外れが多くて、上記のなかでは③だけがNYでみたもの。これ以外ではいずれもNYでみた『Frozen River』『I’ve Loved You So Long』『Dark Knight』『Burn After Reading』あたりが面白かった。

<舞台で演じられたもの>

①『フルムーン』(ピナ・バウシュ&ブッパタール舞踏団)
②『表裏源内蛙合戦』(シアター・コクーン)
③『Dr. Atomic』(リンカーン・センター)

演劇やダンス、ミュージカルなどはNYが本場とされているけれど、①②とも東京でみたものだ。原爆の父・オッペンハイマーを主人公にしたミュージカル③は、期待を大きく上回っていた。大好きなピナ・バウシュの作品は、①以外にも『パレルモ、パレルモ』、それにNYで近作『Bamboo Blues』をみたが、①がやはり一番。井上ひさし+蜷川幸雄のコンビは作品を重ねるに従って凄みを増している。

<写真展とか>

①石内都展(目黒美術館)
②『Invasion 68: Prague』(Josef Koudelka)
③マリオ・ジャコメッリ展(東京都写真美術館)
④SUSAN MEISELAS (IPC)
⑤横尾忠則展(世田谷美術館)

石内都さんの写真展はすばらしかった。最新作『ひろしま』に至る氏の軌跡を概観するのに、細心に練られた展示が行われていた。NYでみた②④はともにドキュメンタリー写真の範疇に入るのだろうが、とりわけ②には引き込まれた。

<音楽とか>

①Ethel (BAM Theater)
②Goran Bregovic(Lincoln Center)
③Kronos Quartet(Carnegie Hall)
④Daniel Barenboim Piano Solo Concert(Lincoln Center)
⑤忌野清志郎復活コンサート(日本武道館)

音楽はNYに来てからさすがにあふれるほどのLIVEやコンサートがあって、選ぶのが難しいほどなのだが、大好きなEthel のLIVEをブルックリンのBAMでみられたのは感激だった。②は東京でみたエミール・クストリッツァのバンドが霞んでしまうくらい(政治的ラディカルさをのぞく)すべての音楽面でまさっており、圧倒された。まさに映画『アンダ-グラウンド』の世界だった。③はメンバーの変遷を経て男性4人の形になっていたが、その前衛精神はますます磨きがかかっていて堪能した。バレンボイムのピアノ・ソロはなかなか聴けるものではない。大枚をはたいて聴きに行った甲斐があった。清志郎の復活コンサートは文句なし!よかったよ。

■2009年という年

世界的には、変化の実相が見え始める年。
日本に関しては「変わるか滅びるか」

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コメント (1)

金平さん。日本のテレビはますます酷くなっています。早く帰ってきてください。何とかしてください。

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Profile

金平茂紀(かねひら・しげのり)

-----<経歴>-----

1953年北海道旭川市生まれ。1977年に在京の民間放送局に入社、以降、一貫して報道局で、報道記者、ディレクター、プロデューサーをつとめる。「ニュースコープ」副編集長歴任後、1991年から1994年まで在モスクワ特派員。ソ連の崩壊を取材。帰国後、同局で筑紫哲也氏がアンカーマンをつとめるニュース番組のデスクを8年間つとめる。2002年5月より在ワシントン特派員となり2005年6月帰国。報道局長を歴任後、2008年7月よりニューヨークへ。

BookMarks

-----<著書>-----

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『報道局長業務外日誌』
2009年6月、青林工藝舎


『米原万里を語る』
2009年5月、かもがわ出版、共著


『テレビニュースは終わらない』
2007年7月、集英社

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『ホワイトハウスから徒歩5分』
2007年6月、リトル・モア


慶應義塾大学出版会、部分執筆


『ジャーナリズムの条件4』
2005年5月、岩波書店、部分執筆


『従軍のポリティクス』
2004年7月、青弓社、部分執筆


『二十三時的』
2002年11月、スイッチパブリッシング

『電視的』
1997年12月、太田出版

『ロシアより愛をこめて』
1995年3月、筑摩書房

『世紀末モスクワを行く』
1994年12月、パルコ出版

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