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2012年6月13日

原子力ムラに尻尾を振る野田首相──大飯原発再稼働宣言の空疎 

(※本記事は6月11日に配信された「高野孟のTHE JOURNAL」の一部を掲載したものです)

takanoron.png クイズです。次の□□□□に適切な言葉を書き入れなさい。「□□□□が起これば、命の危険にさらされる人も出ます。仕事が成り立たなくなってしまう人もいます。働く場がなくなってしまう人もいます。東日本の方々は、震災直後の日々を鮮明に覚えておられると思います。......そうした事態を回避するために、最善を尽くさなければなりません」

 正解はもちろん、誰が考えても「原発事故」である。ところが野田佳彦首相という落第生は、ここに「計画停電」と書き込んだ。6月8日の官邸での特別記者会見の話である。

●夏を乗り切られたら原発は頓死

 5月5日に国内の全原発が停止に追い込まれて以来、電力会社・経産省・保安院など原子力ムラにとっての悪夢は、このまま1基の原発も動かないまま、節電や火力代替などによって夏を乗り切られてしまうと、「なーんだ、原発なしでも大丈夫じゃない」ということになって、原発そのものが頓死に追い込まれることである。それを回避するには、たまたまストレステストの実施など運転再開に向けての事務手続きが始まっていた大飯原発3、4号機を何としても夏前に再稼働に持ち込むしか方法がない。そこで、「関西では需給ギャップが15%」ということにして、橋下徹=大阪市長はじめ関西人を国ぐるみで徹底的に脅しあげ、黙らせることに成功したのである。野田は言う。「数%程度の節電であれば、みんなの努力で何とかできるかもしれません。しかし、関西での15%もの需給ギャップは昨年の東日本でも体験しなかった水準であり、現実的には極めて厳しいハードルだと思います」と。この後に冒頭にクイズとして引用した台詞が続く。

 しかし、待って貰いたい。まず第1に、「15%」の根拠が不明である。そもそも政府・電力の需給予測はいつも狼少年的で、昨年の東日本の「計画停電」にしても、わざと過大な電力不足予測を発表していきなり電車や地下鉄を止めたり交通信号を消したりして社会を混乱させ、「原発がなくなるとこんなことが起こるんだぞ」と関東人を怯えさせる"陰謀"だったという説があるくらいで、全く当てにならない。きちんと計算根拠を開示して、在野の専門家の意見にも耳を傾けて、誰もが胸に落ちる数字を出さなければいけない。もちろん供給側には、万が一にも突然の大停電など起こさないよう余裕をもった数字を出さなければならないという大義名分があるけれども、それに安住して大げさな数字をポンと出してそれを一人歩きさせるようなやり方は、国民を愚弄している。

 第2に、仮に15%が本当だったとしても、だから直ちに「現実的には極めて厳しいハードル」と言い切ってしまうのは、いかがなものか。極めて厳しいハードルではあるけれども...

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2012年1月 3日

2012年の日本と世界(1) ──反転攻勢へ

■高野孟のTHE JOURNAL  Vol.009

《目次》

【1】《INSIDER No.606-1》
   2012年の日本と世界(1)
   ──反転攻勢へ

【2】《INSIDER No.606-2》
   2012年の主な予定
   
【3】《BOSO-LIFE No.009》
   房総田舎暮らし徒然の記:(9)家の中心には「火」がないと

【4】《CONFAB No.009》
   閑中忙話(2011年12月26日~12月31日)


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【1】《INSIDER No.606》

takanoron.png 2011年は最悪の年で、2012年はそこから勢いよく抜け出して反転攻勢に打って出る年にしなければならないのは当然として、問題は、どこへ向かって、どのくらいの深さでそれを構想するのかということだろう。

《日本人本来の精神文明に立ち返る》
誇大妄想と言われるかもしれないが、私の考えでは、3・11後、日本人は、縄文以来1万3000年の日本農耕文明の根本にある自然観を高い次元で取り戻すことから再出発しなければならず、そうすることによって初めて本当の意味の日本の国家・社会・経済の再建に取り組むことが出来るばかりでなく、その姿を晒すことを通じて21世紀世界の文明論的混迷に対して新しい1つのモデルを提示することが出来るに違いない。

この列島はなぜ人が住むに値するのか。単に人が住むというだけでなく、現在の世界ランキングで言えば、62番目の狭小な国土に10番目の多さの人口が住んで、他に類例のない独特の文明とその下での多彩で濃密な文化を築いてきたのだろうか。私が思うにそれは、この列島の自然のアンビヴァレンシー、すなわち自然の恐怖と恩恵の弁証法ゆえである。地表を構成する11のプレートのうち4つがせめぎ合う、世界で一番危険な火山地帯であればこそ噴火や地震や津波は絶え間なく、何十年間か何
百年に一度は破滅的な大災害も起きる。しかし逆に言えば、それは何十年か何百年に一度のことでしかなく、日常普段はその自然が一時の災害を堪え忍んでも余りあるほどの恵みをもたらしてくれる。この列島を覆うのはヒマラヤ山系に由来する温暖多湿のモンスーン気候だが、中国南部や東南アジアとは違ってここでは、それが、亜寒帯から亜熱帯まで含む南北3000キロの長さ(ちなみに1000キロは蝦夷、1000キロは大和、1000キロは琉球で、これが日本歴史の3次元を構成する)、火山による
急峻な山地が作る高低差、列島の両側で暖流と寒流がぶつかることによる海の複雑さなどの地理的要因に、さらに四季のめりはりという時間的要因も重なって、ほとんど無限とも言える風土的多様性を作り出している。自然に恐れおののきながらも、決してそれを抑え込もうなどという大それたことは考えもせず、怒りは怒りとして受け止めつつ、あくまでも自然を敬い親しんで、その言うところを微細なところまで聞き分けてどこまでも寄り添っていくという日本人の生き方が、そこから育ってきた。・・・

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2011年10月27日

野田内閣の"脱原発"はますます怪しくなってきた(その2)── 電力会社はいずれ無用の長物に

takanoron.png 現在の支配的論調では、太陽光や風力をはじめとしたいわゆる自然エネルギーの拡大が原発ストップの決め手であるということになっていて、それを促すために菅政権末期には自然エネルギー法が成立し、またその延長で電力会社の地域独占を制約して自然エネルギーの買い取りを促すための方便としての発送電分離構想も語られている。

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2011年9月29日

「全力で」と言っても出口が見えない普天間移設──野田は外交でも"没官僚"に逆戻り?

takanoron.png 21日にニューヨークの国連本部で行われた野田佳彦首相として初めてのオバマ大統領との会談は、トータル35分間、冒頭の挨拶場面の撮影や通訳の時間を除けば実質15分間にも満たない、形ばかりのものだった。その中でオバマはほとんど一方的に、普天間移設問題は結果を出せ、TPPは(対中国の)戦略問題だ(から早く参加を決めろ)、米国産牛肉の輸入規制を解除せよ、国際結婚が破綻した場合の子供の扱いを定めたハーグ条約への加盟を急げ、等々の要求を並べ立て、「いら立ち」(23日付読売)と「余裕のなさ」(同毎日)を露わにした。それに対して野田は、大震災への米軍「トモダチ作戦」への謝意を表して「日米同盟の深化・発展への信念」を述べて対米恭順を示しただけで、こんなことでは日米関係の再構築は望むべくもない。野田対米外交は、外務省主流を占める対米屈従派への"没官僚"基調でスタートしたのであり、これでは自民党政権時代の屈従外交に戻るだけではないのか。

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2011年8月26日

何のための代表選なのか? ── さっぱり見えてこない脱菅・脱官僚・脱原発

takanoron.png 大連立の前に大乱立と皮肉られる民主党代表選だが、立候補予定者の数が多いのは構わないとして、その誰もが、どうして自分が立候補し、従って総理としてこの国をどうしたいのか、明快な言葉で被災者はじめ国民に語りかけていないことが問題である。これでは何のための代表・総理の交代なのか分からない。

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2011年8月14日

"脱原発"阻止へ日米旧体制が必死の反撃 ── 東京・毎日・朝日vs読売・日経・産経の構図

takanoron.png 新聞戦線で言うと、東京新聞はいち早く"脱原発"路線を打ち出して(当初はおっかなびっくりだったが、それを評価して新規購読する人が急増したとか)、毎日と朝日がそれに追随したのに対して、正力松太郎以来、社是として原発推進の急先鋒を走ってきた読売新聞、経団連の機関紙のようなものである日本経済新聞、保守イデオロギーに凝り固まった産経は、菅直人首相の"脱原発"路線を1日も早く葬ろうと、必死のアンチ脱原発のキャンペーンを繰り広げている。

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2011年8月 1日

児玉龍彦東大教授の国会陳述の衝撃(続) ── 教授と議員との質疑応答

takanoron.png
山口和之(民主党):民主党の山口和之と申します。福島県出身です。たくさんのお話ありがとうございました。色んな方が色んなことを言うので、実際どこが正しく、どこが安全で、どこが大丈夫で、何が大丈夫かと、まったく国民と同じ目線になっている自分がいます。まず少しずつお聞きしたいんですけども。ひとつとして、今回出ませんでしたけど、ホルミシス効果というのが、話が出たりします。例えば1万人のデータを採って、ある程度の線量の放射線を浴びた場合ですね、逆に健康であるという話があるんです。まず、これを肯定されるか、否定されるかというのをお聞きしたいんですけども。まずは明石先生と児玉先生にお聞きしたい。よろしくお願いします。

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児玉龍彦東大教授の国会陳述の衝撃 ── 広島原爆の29.6個分の放射線総量が漏出している!

takanoron.png 数人の友人・知人から「27日の衆議院厚生労働委員会『放射線の健康への影響について』の参考人招致での児玉龍彦東大教授の裂帛の演説を聞いたか」と通報があり、あわててYouTubeで視聴した。
http://www.youtube.com/watch?v=eubj2tmb86M

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2011年7月17日

原発運転再開の先駆となった玄海町長の素性 ── 赤旗日曜版と西日本新聞の報道

takanoron.png 海江田万里経産相が7月4日佐賀県に出向いて「原発は安全です」と宣言して、定期点検で停止中の玄海原発2、3号機の運転再開を迫ったこと自体、大臣が官僚の操人形に堕していることを象徴する恥ずべき光景だが、それを待ってましたとばかり受け入れて運転再開に同意した玄海町の岸本英雄町長のためらいのなさもまた常軌を逸している。

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2011年7月15日

"脱原発"に暴走する?菅直人首相 ── その踏ん張りを評価する声も・・・

takanoron.png 今週の『週刊プレイボーイ』は「居座る菅をあえて応援したくなる理由」と題した記事を掲げ、「確かに、不人気で政権運営能力にもペケ印がついているけれど、歴代総理がビビッて言い出せなかった脱原発を口にし、原子力から再生可能エネルギーへのシフトを本気で実行しようとしているのは菅首相が初めてだ」と書いた。記事中には、6月30日付本論説でも触れた作家の矢作俊彦も登場し、「電力会社と政界と官僚、マスコミにまたがる『電力権益』側にとって、菅は人間爆弾のようなもの。実際、彼が浜岡原発に停止要請を出した直後に永田町が一斉に"菅降ろし"に走った」「上手にくすぐって脱原発に猛進させればいいんです」と語っている。

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2011年6月30日

菅首相の開き直りが面白い ── 再生エネ法案をやり遂げて花と散れ!

takanoron.png 菅直人首相が民主党執行部からさえもほとんど見放された格好で、政局論の常識からすれば「見苦しい」とか「異常な権力執着」とか言われるのも当然だが、彼はそんなことは百も承知で、28日の民主党両院議員総会でも「皆さんからすればなぜここまで頑張るのかという見方もあるのかもしれないが、私自身は私のことだけで言っているのではなく、(次期首相に)安定的に引き継ぐということで、私個人が何かを得たいとかいうことではない」と言い放った。何を次に引き継ぎたいのかと言えば、同じ席での発言・・・

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2011年6月24日

原発は、もう終わった!(その4)── 水素エネルギー社会への道程

 前稿で天然ガス火力の優位性について述べたが、追補的に言うと、実は石炭ガス化火力というのも馬鹿にならない。石炭は、石油や天然ガスに比べると遥かに埋蔵量が豊富で調達コストも安いが、環境汚染度が酷いということで「過去の燃料」のようにイメージづけられてきた。しかし実際には、3大エネルギー消費大国である米国が50%、インドが70%強、中国が80%を石炭に頼っていて、石炭は依然として世界の電力源の主流に居座っていると言って過言でない。日本でも1次エネルギーの25%が石炭である。

 石炭をそのまま、あるいは微粉炭にして燃やすのでは、CO2、SOx、NOx、煤塵などの大量発生は避けられず、中国のそのような旧式石炭火力から排出される汚染物質が黄砂に乗って日本にも飛来し、それが土壌汚染による森林破壊の一因となっているとも言われている。が、電源開発や日立などが担う日本の石炭火力技術は世界最先端で、石炭をガス化して燃焼させてガスタービンを回すだけでなく、その排熱をボイラーで回収して蒸気を発生させて蒸気タービンも回す《コンバインドサイクル方式》を採用することにより、発電効率を50%程度まで向上させ、さらにこれと燃料電池による水素発電を組み合わせて三重に発電する超複合発電も開発されつつあるし、またその過程で発生するCO2を回収して廃棄する技術も進んでいる。

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2011年6月21日

チャイナシンドロームが始まった?福島第一原発 ── TV朝日の報道に反響広がる

takanoron.png 福島第一原発1〜3号機の炉心溶融(メルトダウン)した核燃料が圧力容器内で止まらずに、底部貫通(メルトスルー)して格納容器下部にまで落下いることは、すでに政府も認めているが、6月16日のTV朝日「モーニングバード」にVTR出演した小出裕章=京大原子炉実験所助教は、溶融核燃料がさらに格納容器をも突き破って建屋のコンクリート床を溶かし、地中にのめり込み始めている可能性が高いと指摘した。まさにチャイナシンドロームの悪夢で、そうなると地中で地下水に接触して超高濃度の汚染水が近くの海に流れ出すという最悪事態となる。しかも、底が抜けているのではいくら水を注いだり冷却装置を取り付けたりしても、もはや核燃料を冷やすことは出来ない。このことは、19日18時のANNニュースでも採り上げられ、米GE出身の原子力コンサルタント=佐藤暁がほぼ同様のことを指摘している。

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2011年6月20日

原発は、もう終わった!(その3)── "脱原発"の主役はガス火力

takanoron.png 電力側がよく持ち出す理屈に、「太陽光発電で原発分をカバーしようなんて夢物語。原発1基分の電力を得るには山手線の内側全部に太陽光パネルを敷き詰めなければならない」というのがあり、それを聞くと、確かに再生可能な自然エネルギーは結構ではあるけれどもそれで電力を賄えるようになるのは何十年も先の話で、それまでは原発を続けるのもしかたないんだろうな、と誰もが思い込む。これも一種の情報操作で、実際には別に山手線分の更地が必要な訳ではなく、すべての屋根や屋上にパネルを取り付ければいいだけの話だし、最近ではどんな建物の屋根や壁や窓、あるいは自動車の屋根やボンネットにも貼り付けられるプラスチックフィルム型の太陽光パネルの技術も開発が進んでいて、制度的な制約を外せば太陽光は想像を超えた勢いで広がりうる。

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原発は、もう終わった!(その2)── 原発がないと停電だぞという恫喝に屈するな!

takanoron.png 繰り返すが、政府=経産省が「短期的な原発安全対策は完了した」(6月18日付日経1面トップ)として停止中の原発の早期再稼働を自治体に求めているのは愚の骨頂で、 このやり方では地元の不安を解消できずに、かえって全原発の"頓死"を招くことになる。日経の同記事が解説で書いているように、原発立地を持つ自治体は「(1)福島原発の事故原因が十分に解明されていない、(2)政府が唐突に中部電力浜岡原発の停止を要請した、(3)稼働から30〜40年たつ古い原子炉の安全性----などに多くの自治体が疑問を持って」おり、「こうした問題に答えや対策が示されないうちは、住民の理解を得るのは難しい」からである。

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2011年6月19日

6月22日は「100万人のキャンドルナイト」── 電気を消してスローな夜を!

takanoron.png 今年の夏至は6月22日(水)で、今年もまたこの日の夜8時から10時までの2時間、全国のみならず全世界で「電気を消してスローな夜を」味わう多彩なイベントが繰り広げられる。

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2011年6月18日

原発は、もう終わった! ── その先へどう進むのかを考え始めよう(その1)

takanoron.png 前稿で、日本の原発体制はすでに半壊状態で、このままでは次々に"頓死"に陥るしかなく、政府・電力会社がそれを避けようとして頑張ったとしても、せいぜい順を追った"安楽死"のシナリオを描くのが精一杯ではないか、という趣旨を述べた。が、その後の情報を総合すると、事態はより切迫的で、6月 12日付朝日のまとめによると、現在営業運転中の17基のうち5基が今年8月までに新たに定期検査に入るため、今夏の電力需要ピーク時には14基しか稼働していない上、残りの12基も秋から来年夏にかけて順次、定期検査入りする。そのため、6月9日付読売によると、「いったん止まった原発の再稼働は地元の了解がなければ困難な状況」であるので「再稼働しなければ来年夏までには全部が停止」し、「原発が作りだしていた全電力喪失の事態を迎える」。

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2011年6月 9日

すでに半壊状態の日本の原発体制 ── "頓死"か"安楽死"のどちらかしかない

takanoron.png ドイツのメルケル政権の決断はまことに鮮やかで、今後、国内に17基ある原子力発電所を順次停止し2022年までにすべて停止することを6日閣議決定した。

 もちろん、国内にはまだ意見対立があり、とりわけ産業界にはエネルギー・コストのさらなる高騰への強い懸念があるし、またそもそもこの決定の裏には隣国フランスからの主として原発による電力を輸入することを当て込んでいるという小賢しさがつきまとっていることも確かである。そういったことを捉えて、「ドイツの脱原発はインチキで、日本とは事情が違う」といった論調がさっそく繰り出されているけれども、これは引かれ者の小唄の類にすぎない。

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2011年6月 2日

馬鹿らしいにもほどがある「不信任案」騒動

takanoron.png 菅直人政権の大震災及び原発事故に対する対応ぶりに、「初動の遅れ」「あいまいで場当たり的な指揮命令」「意思決定が複雑を極める対策本部の乱立」(昨夕提出の内閣不信任案)等々、あれこれといちゃもんを付けることは誰にでも出来るが、それがどの程度まで菅自身の指導者としての不適格性に起因するものなのか(ということは、菅さえ首をすげ替えれば解決可能なことなのか)ということは、何ら検証されているわけではない。むしろ、大地震と大津波に原発事故までが重なるという未曾有の事態に直面して、初動の乱れや場当たり的な指揮命令は、どの党の誰が首相であったとしても、程度の差や具体的なケースの違いはあったにせよ、大同小異のことだったのではないだろうか。

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2011年5月10日

「嘉手納統合」の振り出しに戻るか?普天間基地 ── 米前安保補佐官が「辺野古移設は想像外」と語る

takanoron.png 昨秋までオバマ政権の安保担当補佐官を務めたジェームズ・ジョーンズは5日、ワシントンを訪れた下地幹郎=国民新党幹事長らと会談し、普天間海兵隊航空基地を辺野古に移転する現行案について「日米政府が初めて合意したときから、計画が実現した姿を想像することすら出来なかった」と告白、「普天間は嘉手納空軍基地に統合する案が最良だ」とする持論を展開した。

 前補佐官はまた、6月末にペネッタ現CIA長官が国防長官に就任する機会に辺野古移設計画の見直しが生じる可能性があり、彼自身も自分の考えを次期国防長官に進言するつもりであることを明らかにした。彼は海兵隊総司令官、NATOの欧州連合軍司令官を経てホワイトハウス入りした経歴を持っており、軍・海兵隊とオバマ政権の両方に一定の影響力を持つと考えられる。

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2011年5月 4日

ビンラーディン殺害は米国の"勝利"か?

takanoron.png パキスタン国内に隠れ住んでいたウサマ・ビン・ラーディンを海軍特殊部隊を投入して殺害したことを5月1日発表したオバマ米大統領は、「正義はなされた」と誇らしげに宣言し、ホワイトハウス前やニューヨークのグランド・ゼロには市民が集まって祝勝の声をあげた。確かに、アフガニスタンでの10年越しの戦争の目的の1つが彼の逮捕もしくは殺害であったことからすれば、米国の"勝利"には違いないが、果たしてこれはどういう勝利なのか。

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2011年4月21日

マスコミが原発事故報道で腑抜けになるワケ(2)

takanoron.png もちろん、電力業界に弱いのはどのテレビ局も同じである。4月18日付毎日で鳥越俊太郎が「原発正門に立って」と題した一文を寄せ、どの新聞もテレビも政府が決めた30キロ圏、20キロ圏を突破して福島第1原発の正門前まで到達、今やゴーストタウンと化したそのエリアの様子を線量計を片手にテレビカメラに収めてきた体験を綴っている。「私が問題だと思うのは、日本のメディアがこのエリアに警察の同行以外で入って取材しないことです。......放射能となるとなぜ全員右へならえで自己規制してしまうのか? なぜ?」。自分が怖がって危険地帯には行かないというのもどうかと思うが、さらに問題は、鳥越が自分で撮った映像を放映するよういくつかの報道番組に声をかけたが「しかし『うちで放送する』と言ってくれた局は1つもありませんでした。ふぬけですね」----これは自分が被曝するという話ではないから、別のものを怖がって腑抜けになっていることは明らかである。怒った鳥越は、まぐまぐ上に新たな有料メルマガ「鳥越俊太郎の"ニュース力"養成講座(月額840円)」を開設して、そこで発信することを始めた。

●東電だけで年680億円がメディアに?

 別冊宝島の最近刊『誰も書けなかった日本のタブー』の巻頭、川端幹人「金と権力で隠される東電の闇/マスコミ支配の実態と御用メディア&文化人の大罪」がまとめているところでは、東京電力の年間の広告費は約244億円、販売促進費は約239億円、その他に普及啓発費200億円弱で、計約680億円の多くがメディアに流れている。今年3月時点で東電がスポンサーになっていたテレビ番組は、TBS系で『みのもんたの朝ズバッ!』『報道特集』『ニュース23』、フジ系で『めざましテレビ』、日本テレビ系で『情報ライブ・ミヤネ屋』『ニュースevery』『真相報道バンキシャ!』、テレビ朝日系で『報道ステーション』などで、主だった報道・情報番組のほぼすべてをカバーしている。

 東電だけでなく他の各電力の広告宣伝費も相当なもので、関西電力の広告費は199億円、販促費は59億円、九州電力は同じく80億円、112億円など。他にも、電力10社が構成する電気事業連合会(電事連)も独自の広報予算を持っていて(非公開ながら)年間300億円以上と言われているし、さらには経済産業省・資源エネルギー庁や文部科学省の原子力関連の広報費もあって、それらすべてを合算すると「原子力界・電力業界がメディアに流している金は年間2000億円に迫る。現在、広告出稿量第1位のパナソニックが771億円、強大な広告圧力でメデイアから恐れられているトヨタが507億円だから、この金額がいかに大きいものであるかがよくわかるだろう」(川端)。

 月刊『文芸春秋』最近号を見ると、3月号には電事連の「日本にはウラン資源を有効に活用できる『原子燃料サイクル』の確立が不可欠です」というカラー1ページ広告が載り、4月号には同じく電事連による「ギモンの視点(12)原子力発電から出る高レベル放射性廃棄物はいかにして処分されるのか」と題した藤沢久美(ソフィアバンク副代表)のモノクロ2ページの研究所訪問記(「研究所では数万年先までの地質現象を鑑みながらシミュレーションを行っている」だと。目先の地震も分からないくせに!)、東電提供の「世界の電力マン(19)」でカナダ・ダーリントン原発の女性広報担当官を紹介するモノクロ2ページ提灯記事が出ている。「東日本大震災/日本人の再出発」と特集を銘打った5月号には、さすがに東電も電事連も広告を出していないが、裏側では「頃合いを見て出来るだけ早く広告を復活させますから、ひとつ事故報道のほうはお手柔らかにお願いしますよ」「ま、そのへんは心得ていますから」といった隠微な会話が交わされていても不思議ではない。

●カネで固めた「安全神話」

 このようにマスコミは、電力業界の広告費・販促費漬けになっているから、個々の勇気ある記者や編集者の抵抗はあるにしても、全体としては原発の真の危険から目を背けさせようとしてきた恥ずべき歴史を持っている。

 マスコミだけではない。政治家には政治献金、官僚には天下り先、学者には研究費、地元代議士や地方政治家や暴力団には利権配分、自治体と周辺住民には電源3法に基づく手厚い交付金......と、あらゆる関係者に莫大なカネをバラ撒いて「原発は安全」という虚構を塗り固めてきたのである。

 政治献金について言えば、昨年7月29日付東京新聞他が大阪の関西消費者団体連絡懇談会の調査結果を元に「電力9社役員が自民に献金」と報じたことが記憶に新しい。

 同会は06〜08年にかけての自民党の政治資金団体「国民政治協会」への企業献金を精査し、沖縄電力を除く(沖縄だけは原発がないからね)電力9社の常勤役員全員と東京ガスの役員の多くが個人名義を装って多額の献金をしている事実を明らかにした。

 役員個人の献金は政治資金規正法上、問題ないものの、同会は「職位ごとに額がそろうなど申し合わせない限りできない。事実上の団体献金ではないか」と指摘している。実際、各社とも、社長は年30万円前後、副社長は25万円など、職位順に整序された額を毎年献金していて、これはどう見ても組織的な仕業である。非常勤も含めた判明分で、3年間の合計金額が一番多いのは東京電力だった。

 最新の『週刊ダイヤモンド』4月16日号「東電の大罪」は、改めてこのうち東電分について氏名・役職・金額の一覧表を掲げて詳しく報じ、会長・社長は30万円、副社長は24万円、常務は12万円、執行役は7万円と綺麗に揃った額で、その総額が06年=49人/570万円、07年=46人/603万円、08年=53人/654万円に達することを明らかにした。

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2011年4月17日

マスコミが原発事故報道で腑抜けになるワケ(1)

takanoron.png 3月25日25時半からのTV朝日「朝まで生テレビ」は、「福島第一原発の危機回避なるか?」「大地震、大津波から2週間、現状の問題点と復興への道とは?」と銘打って、島田保之=東京電力執行役員営業部長、放射線科学の専門家である松本義久=東京工業大学准教授、藤城俊夫=元日本原子力研究所大洗研究所長などの当事者や専門家もパネリストに招いていたので、ライターとしての出世作『原子力戦争』(講談社文庫、絶版)の著書もある田原総一朗の司会の下、相当突っ込んだ議論が展開されると期待したが、実際は、今なお続く事故の実態やその危険な見通しには全く触れることなく、むしろ勝間和代の「放射性物質が実際より怖いと思われていることが問題」「今回の原子力の問題でも、死者が出ましたか?」といった露骨な原発擁護発言が罷り通る有様だった。

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2011年4月14日

原子力事故対応マニュアル

takanoron.png 福島第1原発の連鎖事故は、ついにレベル7、史上最悪とされてきたチェルノブイリ事故と同じ程度の大惨事となりつつあると判定された。チェルノブイリ級ということはおおむね、原発周辺の30キロ圏が死の地帯と化すだけでなく、300キロ圏内の各所にまで点々と高濃度汚染地域が広がって、そこから40万人は避難したものの、子どもらを含む残りの500万人以上は故郷を捨てるに捨てられずに今なお放射能と同居して暮らしている、といった状況が起こりうるということである。福島第1の場合、100キロ圏の人口は330万人、300キロ圏となると首都圏も含まれることになるから、被害の大きさはチェルノブイリの比ではなく、東日本死滅である。では西日本は安全かと言えばそんなこともなく、15基の原発が立ち並ぶ福井県はじめどこででも福島と同じことは起こりうる。自分の命は惜しくはないけれども、子や孫を守り国を救うために戦わなければならず、それには何があっても生き延びなければならない。そう思って、原子力事故への最小限の自衛策を、桜井淳監修『原子力事故自衛マニュアル』ほかいくつかの新聞・Web情報を参照して整理した。こんな程度のことはとっくに知っているという方は読まなくて結構である。

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2011年3月25日

地震と原発について補足

takanoron.png 前論説で、米ウォール・ストリート・ジャーナルの地震・津波の危険と原発立地についての分析を紹介したが、他方、英ガーディアンは3月22日付で、原発と地震地帯の世界地図を掲げている。

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地震と津波に弱い原発の9割が日本にある

takanoron.png 米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)3月19日付のデータによると、全世界400以上の稼働中の原発のうち中程度以上の地震危険地帯に設置されている原発は56基あり、そのうち海岸から1マイル(1.61キロ)未満にあって地震にも津波にも弱い原発は39基だが、そのうち9割超の35 基は日本にあり、残りの4基は台湾にある。同地帯内で建設中・計画中なのは13基で、そのうち日本は6基、そのうち海岸から1マイル未満は5基である。

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2011年3月20日

日本は「核なき世界」への先導者となるべきだ

takanoron.png 米ネーション研究所特別研究員で『核の危険の70年間:その新しい姿』の著書があるジョナサン・シェルが、3月17日付NYタイムズ国際版に「ヒロシマからフクシマへ」と題して寄稿し、「問題は、非常用発電機や安全基準などではなく、人間はその本質として誤りを犯しやすい存在だということである」と、要旨次のように書いている。

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2011年2月 2日

"熟議の民主主義"という新次元 ── 単なる"ねじれ国会"対策を超えて

takanoron.png 菅直人首相が24日の施政方針演説で「熟議の国会」にしたいと改めて野党に呼びかけたことから、"熟議"や"熟議の民主主義"についての論評が広がっている。

 例えば、早川誠(立正大学教授/政治学)は1月31日付読売新聞「"熟議"に潜む対立激化」と題したコラムで、「菅直人首相が主張する"熟議の国会"は、今のところ掛け声倒れとの評判のようだ。ねじれ国会でも低調な審議に、不満や不安を募らせている有権者は少なくないだろう」と書き出しつつ、次のように指摘する。

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2010年12月24日

2011〜12年の主な日程

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2011年はどういう年か

takanoron.png 2011年は、特に国際的に見ると、2012年の前年である。国際的に見なくても11年は12年の前年に決まっているが、そういう意味ではなくて、12年は、米国、ロシア、中国、台湾、北朝鮮、韓国そしてフランスなどで一斉に指導者の交代(もしくは再選)が行われる年であって、その前年である11年は、それらの国々を中心として世界が「21世紀の最初の10年間」を振り返りつつ、次の10年間にどう足を踏み出していくか、準備を競い合っていく年となろう。

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2010年11月 1日

習近平体制で中国の政治改革は進むか? ── 次の次の「第6世代」に注目

takanoron.png 10月に開かれた中国共産党の第5回中央委員会総会(5中全会)で、習近平=国家副主席が中央軍事委員会の副主席に選ばれたことから、2012 年の次期党大会で彼が同国の最高指導者になることがほぼ確定した。ほぼ、というのは、この人事の裏側では、《太子党》の代表格である習を間に挟んで、今なお《上海閥》に君臨する江沢民=前国家主席と《共青閥》を率いる胡錦濤=現国家主席とが激しい駆け引きを繰り広げていて、今後2年の間に思わぬ展開がないとは言い切れないからである。

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2010年5月 5日

"抑止力論の罠"に絡め取られた鳩山首相 ── これでは普天間問題は解決しない!

takanoron.png 5月4日、就任後初めて沖縄を訪問した鳩山由紀夫首相は、仲井真弘多県知事との会談で、「私は、海兵隊が必ずしも抑止力として沖縄に存在しなければならない理由はないと思っていたが、学ぶにつけ、沖縄に存在する米軍全体の中で海兵隊は抑止力を維持できるという思いに至った。(認識が)甘かったと言われればその通りかもしれない」と述べた。それを言っちゃあおしまいよとはこのことで、もし言うなら次のようなことでなければならなかった。

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2009年12月 4日

あくまでグアム全面移転で押すべきだ ── 普天間移転問題の年内決着回避は正しい

takanoron.png 普天間の海兵隊ヘリポートの移転問題について、日米の外交・防衛官僚が従来合意通り辺野古への移転で年内にも決着をつけるよう圧力をかけ続けてきたのに対し、鳩山内閣は2日、それを回避し、結論を来年1月以降に先延ばしする方針を決めた。連立内部の国民新党と社民党の「県外移転」へのこだわりに配慮した形をとっているが、これは一種の口実で、鳩山自身は本音は一貫して「国外」を含む「県外」への移転を実現するのが沖縄県民の心情に応える道筋だという信念を持っていて、そのための対米交渉のきっかけを掴むための時間稼ぎである。この方針は正しい。

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2009年11月28日

スパコンで"世界一"になるとはどういうことか? ── 現行の「京速計算機」開発事業は見直して当然

takanoron.png 鳩山政権=行政刷新会議による事業仕分け作業の中で、理化学研究所が中心となって進めてきた次世代スーパーコンピューターの開発にストップがかけられたことに非難が集まっている。とりわけ、その仕分け人である蓮舫参院議員が席上、「(スパコンの性能が)世界一でなければならないのか」という趣旨の発言をしたことに対して、「科学技術立国を目指す日本が世界一を目指さなくてどうするのだ」といった感情的とも言える非難が集中し、ついにはノーベル賞受賞者ら科学技術界の長老5人が揃って鳩山首相を訪ねて苦言を呈するといった騒動にまで発展した。

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2009年11月13日

戦争が米国を狂わせていく ── 陸軍基地銃乱射事件の衝撃

takanoron.png 米テキサス州のフォートフッド陸軍基地で5日に起きた銃乱射事件は、01年以来8年間に及ぶアフガニスタンとイラクでの戦争によって"世界最強"であるはずの米軍がもはや精神的に崩壊寸前となっている現状を浮き彫りにした。同基地は、誇り高き米陸軍第1師団はじめ複数の戦闘部隊が駐留する最大級の基地で、アフガンやイラクで戦う部隊はここから出撃してここに帰ってくるのだが、犯人のニダル・マリキ・ハサン軍医少佐は出撃前と帰国後の兵士たちの精神的健康診断、とりわけPTSD(post-traumatic stressdisorder=心的外傷後ストレス障害)の予防と治療を担当していた。その精神科医が自ら病んで13人を無差別に殺戮する挙に出たところに、米軍が置かれている状況の深刻さが象徴されている。

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2009年10月22日

アフガン戦争で苦境に陥るオバマ政権(その2) ── 増派か戦略修正か撤退か・・・・・・

takanoron.png ムハマッド・カシム・ファヒムは北部のカザフ人部族を基盤とした最有力の軍閥の主で、01年の米英軍の空爆開始と同時に「北部同盟」を率いて首都カブールに進撃を開始、タリバン政権を打倒する上で中心的な役割を果たした。この作戦を企画し資金を提供したのは米CIAであり、米国の傀儡=カルザイが暫定政府議長に就くと同時にファヒムが国防相に任ぜられたのは自然の成り行きだった。02年1月にはカルザイとファヒムはホワイトハウスに招かれ、ブッシュ大統領から賞賛の言葉と共に、「アフガン軍」の創設と訓練のための莫大な援助金を贈呈された。

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2009年10月14日

アフガン戦争で苦境に陥るオバマ政権(その1) ── 増派か戦略修正か撤退か......

takanoron.png イラクからは早期に撤退するが、アフガニスタンには兵員を増強してでも必ず勝利を達成するというのがオバマ大統領の選挙公約だが、その公約を取り下げざるを得ないのかどうか、同大統領は苦悩に満ちた選択に直面している。就任当初は圧倒的だった支持率は、10カ月後の今は50%前後で低迷していて、その少なくとも半分は、アフガン戦争の泥沼化を目の当たりにして米国民の間に厭戦気分が広がりつつあることが原因と見られている。それを押して公約通り増派に踏み切るのか、逆にアフガン内戦への関与を事実上放棄してパキスタン北部での対アル・カイーダ掃討に目標を限定するのか、それともその中間の折衷案を採るのか----それ次第で政権の浮沈が左右されかねない重大局面を迎えている。オバマの決断の期限は今月末である。

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2009年9月27日

「地域主権国家」への工程表 ── 斎藤精一郎の提案に(ほぼ)賛成!

takanoron.png  斎藤精一郎=NTTデータ経営研究所所長が『エコノミスト』9月29日号に「"失われた30年"を避けるための3つの政策」と題して、新政権が今後4年間に採るべき方向と工程を提言していて、私はこれに(ほぼ)賛成である。

 斎藤は、日本経済が90年以降「長期の停滞と閉塞」に陥っていて、このまま手をこまねいていればこの先さらに10年も浮上できずに「失われた30年」に填り込みかねない、と持論を述べた後、この長期停滞の要因について次のように述べる。

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2009年9月17日

民主党政権の"対米対等外交"はすでに始まっている──普天間基地のシュワブ移転は中止か?

takanoron.png  「米、三沢基地のF16撤収打診、嘉手納F15削減も、 日本難色で保留」という9月11日に共同通信が配信し12 日付地方各紙に載った記事が、なかなかに意味深長である。

※全文は、47news:http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009091101001075.htm
東奥日報「米軍三沢基地」特集サイト:http://www.toonippo.co.jp/kikaku/misawa/index.html 

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2009年9月15日

農水省の"改革偽装"を叩き潰せ! ---- 地方農政事務所廃止の裏事情

takanoron.png 農水省が地方の出先機関を大幅に縮小する組織改編案を、31日発表の「10年度組織・定員要求の概要」に盛り込んでいたことは、これまでもチョロチョロとは報じられていた。例えば1日付朝日は「農水の地方拠点、346から65に集約/職員数は変わらず」と題したわずか20行ほどのベタ記事で次のように伝えた。

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2009年9月 4日

これは明治維新以来の「革命」である ── 「地域主権国家」への真直ぐな筋道

takanoron.png この民主党の圧倒的な勝利をどう理解するかについては、(1)麻生政権から1年、(2)小泉郵政選挙から4年、(3)小選挙区制導入から15年、(4)明治憲法から120年と、いくつかの時間的な物差しの当て方があるけれども、その中でいちばん本質的なのは(4)であるという趣旨のことを、私は1日発売の『週刊朝日』に「平成維新/次の100年が始まった」と題して書いておいた(執筆は投票日前の木曜日夜)。同誌をお買い求めの上ご一読頂きたい。

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2009年8月21日

民主、300議席に迫る勢いで最終盤へ ── 自民は壊滅・分解の危機に直面

takanoron.png 公示と同時に終盤戦に突入した総選挙だが、各紙誌の最終予測はおおむね一致していて、民主優位の流れは残り10日間では覆りようもなく、300議席に迫る勢いのまま投開票日を迎えるだろうと見ている。

 20日付朝日新聞は1面トップで「民主、300議席うかがう勢い/自民苦戦、半減か」と最新の調査結果を伝えた。全国300の小選挙区から都市型・中間型・地方型の3類型のバランスを考慮して各50ずつを選んで電話で聞き取り調査をしたもので、その結果、民主は単独過半数を大きく超えて300議席台をうかがう勢いであるのに対して、自民は選挙前の300議席の半数にも届かず、それよりさらに大きく後退する可能性があることが分かった(詳細は21日付)。

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2009年8月10日

「地域主権」こそ財政再建の決め手となる!──原点は松下幸之助の「無税国家」構想

takanoron.png 全国知事会が7日、自民・公明・民主3党代表を招いて各党の分権改革構想について公開討論会を開き、さらにそれを踏まえて翌日に各党マニフェストへの採点簿を発表したのは、まことに画期的な試みで、本来であれば、知事会に限らずさまざまな地域・経済・業界・職能・労働団体やNPO連合などが自分らの主要な政策的関心事についてこのような討論会を開いたり採点簿を公表したりして、参加の構成員はじめ世論に対して政権選択のための具体的な判断材料を提供するというのが、「政権交代のある政治風土」を涵養する上で不可欠のインフラの1つである。例えば米国では、労組が選挙のたびごとに、自分らに直接的に利害関係のある法律や間接的に関心がある法律について、(米国では原則として党議拘束がないので)上院6年、下院2年の任期中の全議員の投票態度を○×で一覧表にして全組合員に配付したりするし、さまざまの団体が似たようなことをするが、日本では、日本青年会議所が各地で全候補者を招いた討論会を開く努力を重ねて来たのを例外として、そのような政治文化はまだ形成されていない。

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2009年3月31日

こんなところで辞任してはダメですよ、小沢さん! ——5月総選挙?で「勝てる」という自民党の勘違い

takanoron.png 民主党の小沢一郎代表は、24日の大久保隆規秘書の起訴を受けて 25日に会見を開き、「代表の地位や政権をとって総理になるという類のことに何の未練も執着もない(が)……私が代表を続けることがプラスかマイナスか、私に判断することは出来ない。すべて国民の受け取り方次第だ」と述べて、少なくとも今の時点で辞任するつもりがないことを言明した。引き続き27日には衆参それぞれ の同党議員総会でその趣旨を繰り返した。

 当然である。こんなタイミングでこんな理由で辞任したのでは、何としても「政権交代」を阻止しようとする自民党と検察はじめ官僚機構の中の既得権益死守勢力の思う壺であって、麻生官僚支配政権の延命に手を貸すだけである。そんな選択はあり得ない。

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2009年3月19日

いきなり「企業・団体献金の全面禁止」に踏み込んだ小沢 ——こういう独断専行は大歓迎だ!

takanoron.png 民主党の小沢一郎代表は17日の定例会見で、「企業・団体献金を全面的に禁止すべきだ」との考えを表明、翌18日には鳩山由紀夫幹事長に対して「岡田克也党政治改革本部長に言って実現してほしい。分かりやすい仕組みにしないといけない」と述べ、党として検討するよう正式に指示した。

 私は17日付の論説で、民主党がまず「公共事業受注企業からの献金禁止」条項をマニフェストに復活させ、その後、企業献金を減らし、政党交付金も減らし、個人献金中心の政治資金制度に段階的に進むべきだと提唱した。そのように段階論を採ったのは、そうでもしないと小沢一郎が到底納得しないだろうとの“配慮”からだったが、小沢はそんな私の気遣いなど飛び越えてもっと先へ突き進んでしまった。

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2009年3月 2日

福島瑞穂さん、お願いだから安保論をちょっとは勉強して下さい! —— 小沢流安保論のどこが面白くどこが問題なのか?

takanoron.png 今日の日経によると、民主党の小沢一郎代表の「第7艦隊だけでいい」発言について、28日開かれた社民党の全国代表者会議で地方幹部たちから「防衛力強化を狙っている」などの批判が噴出、それを理由として総選挙後にありうると目されている民主党との連立も「決してしないほうがいい」との意見も出たという。

 前号で指摘したように、このような社民党からの批判、政府・自民党による批判、さらに新聞各紙の社説の論調にも共通する致命的な欠陥は、在日米軍を減らせばその分だけ日本の防衛力を増やさなければならないという二者択一的な固定観念を前提として論じていることである。

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2009年3月 1日

小沢一郎発言「在日米軍は第7艦隊で十分」の見識・その2——米軍削減=自衛隊増強という固定観念

takanoron.png 問題の2つ目は、政府・与党側からの反論も社共両党など左からの意見も、共通して、米軍の兵力を削減すればそれだけの分、自衛隊を増強して自主防衛力を増強しなければならないという頑なな固定観念に囚われていることである。

 小沢は発言の中で、「私たちもきちんとした世界戦略を持ち、どういう役割を果たしていくか。少なくとも日本に関係する事柄は、もっと日本自身が役割を分担すべきだ。そうすれば米国の役割は減る」「自分たちのことは自分たちでやるという決意を持てば、米軍が出動部隊を日本に置いておく必要はない」と言い、そこを捉えて町村は「自前の防衛予算を3倍から5倍にしようとする暴論」と、また社民党の福島も「軍備増強にはとにかく反対」と、似たような反応を示した。

 ところが民主党の鳩山由紀夫幹事長は小沢発言について、「日本の軍事力を増強するという発想に立ったものではないと理解している」と語り、在日米軍を減らしても日本の自主防衛力を増強しなくて済む道筋がありうることを示唆している。

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2009年2月28日

小沢一郎発言「在日米軍は第7艦隊で十分」の見識・その1 ―― 脅威の見積もりなしに行われる議論の不思議

takanoron.png 在日米軍再編に関連して小沢一郎民主党代表が「第7艦隊がいれ ば十分だ」と発言したことが波紋を呼び起こしている。

●小沢発言

 小沢の発言は次の通りである。

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2009年2月12日

麻生内閣支持率また下落 ――郵政民営化での迷走発言が響く

takanoron.png 10日付朝日新聞が発表した麻生内閣支持率は、1カ月前の19%から5ポイント下落して14%、ついに10%台前半に突入した。不支持率は6ポイント上がって73%だった。また同日付読売新聞では、支持率19.7%、不支持率72.4%だった。下げ止まらない内閣支持率に加えて、これから覆い被さってくるのが景気指標の悪化で、16日に内閣府が発表する昨年10~12月の四半期GDP速報は恐らく実質で年率換算10%以上のマイナスとなり、国民の不況感は一段と深まる。

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2009年1月29日

麻生施政方針演説は「落第点」 ――“負の求心力”だけが政権の支え?

takanoron.png 28日行われた麻生太郎首相の施政方針演説は、与党内からも「迫力も力強さもない」(自民党閣僚経験者)、「国民に訴える力、明るさ、さわやかさという点からすると、落第だ」(公明党幹部、いずれも読売新聞29日付による)と酷評される体のもので、「政権浮揚のきっかけにしたい」という事前の意気込みとはほど遠い中身の薄いものになり終わった。

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2009年1月22日

危機の海に漕ぎ出したオバマ政権――就任演説の読み方

takanoron.png 空前のお祭り騒ぎに送られて、オバマ新政権が出帆した。が、新大統領が漕ぎ出したのは荒れ狂う危機の海であり、一身に寄せられた過剰なまでの期待に応えて船を正しく導くことが出来るかどうかは、全く保証の限りではない。何しろオバマは、米国政治史上で言えば「黒人初の大統領」に違いないが、より大きな世界史的・文明論的次元では「アメリカ帝国が崩壊し始めて初の大統領」なのだから。

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2009年1月 7日

続くガザ住民の大虐殺――出口なきイスラエルの暴走を容認する米欧

takanoron.png イスラエル軍のガザ地区に対する大規模空爆とそれに続く戦車部隊の地上侵攻を中心とする陸海空による総攻撃によって、7日未明までの11日間でパレスチナ人の死者は635人、負傷者は2300人に達し、なおその数は急増していくものと見られる。

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2009年1月 1日

元旦の新聞を読み比べる!――「100年に一度の危機」とは何か?

takanoron.png いつになく気分が晴れない重苦しい年明けで、主要各紙の元旦の紙面も、何とか暗鬱に陥らないよう苦心して編集しているようすが伺える。各紙の社説と1面トップ記事のタイトルは次の通り。

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2008年12月26日

2009年の世界(その1) ――これから始まるオバマの“大変”

takanoron.png●オバマが背負い込む“老大国”

 バラク・オバマは1月20日に第44代米国大統領に就任する。2年間近い激しい選挙戦で彼に最終的勝利をもたらしたのは「チェンジ」というシンプル極まりないスローガンで、それが日本で“変”がこの年を象徴する漢字に選ばれた有力な理由の1つともなったのだが、ブッシュの8年間への米国民の余りに深い絶望に“変”の1字を以て希望の火を点したのはそれで大成功だったとして、さて実際に大統領となって現実に直面して、その希望に具体的な政策で裏打ちを与えて行くとなると、これはもう“大変”である。なにしろ彼が引き受ける米国は、建国から2世紀余りを経て世界最強の帝国として栄華と驕慢の頂点を極めたその瞬間に、アッという間に全世界からの非難と侮蔑の中へと転げ落ちて、行く先も定かならずオロオロと衰弱に向かうことになるかもしれない老大国なのだから。

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2008年12月18日

THE JOURNALとInfoseek楽天が新しいニュース媒体を創設 ――ブログ・ジャーナリズムの実験、新展開へ

takanoron.png  本誌が中心となって運営するブログによるニュースサイト《THE JOURNAL》は今年9月の創刊以来、急速にアクセス数・読者数を伸ばしてきたが、その3カ月間の実績を背景に、このほど楽天のポータルサイト《Infoseek楽天》のニュース部門と提携し、Infoseek上で「THE JOURNAL×Infoseekニュース/内憂外患~これでいいのかニッポン」と題した新媒体を立ち上げることになった。12月18日に正式にプレス発表が行われる。

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2008年12月15日

「総選挙前に政界再編」というのは本当か? ――麻生政権断末魔の中で

takanoron.png 麻生政権がいよいよ断末魔の様相を呈する中で、総選挙前にも政界再編があるのではないかという観測が盛んに流れていて、その筋は、田原総一朗がTHE JOURNALへの最新のコメントで整理しているように、(1)YKKK(山崎拓、加藤紘一、菅直人、亀井静香)の接近の動き、(2)中川秀直元幹事長プラス渡辺喜美ら中堅どころの小泉改革の流れを組む人たちの半ば公然たる反麻生運動、それに(3)ナベツネ~中曽根大勲位が構想すると言われる与謝野馨と小沢一郎を組ませる「大連立v.2」の3つである。が、私の見るところ、少なくとも選挙前の再編はありえず、面白がってそれをあれこれ取り沙汰するのは、この総選挙がまずもって、自民党vs民主党が正面切って戦って正々堂々の政権交代を初めて実現すること自体にあるのだという歴史的位置づけを、かえって紛らわせる危険がある。

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2008年11月19日

「アソイズム」というサイトを作ろうか! ――KYとは「漢字が読めない」のことだとか…

takanoron.png 麻生太郎首相がしばしば漢字を読み間違えて、「漫画ばかり読んでいるからだ」(これは漫画に失礼だよね)とか「KYとは『漢字が読めない』の略だったのか」とか、盛んに話題になっている。

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2008年11月16日

筑紫哲也さんが亡くなって想うこと ――ジャーナリストたちの世代論

takanoron.png 筑紫さんとは細いけれども長い付き合いで、突然1年か2年ぶりに電話がかかってきて「高野君、ちょっとこういうこと考えているだけど知恵を貸してくれない?」と言われたりしたことも何度かあった。

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2008年11月13日

オバマ圧勝の原動力となったネット活用戦術 ――若者層や無党派・無関心層を深く掘り起こす

takanoron.png オバマ圧勝をもたらした最大とも言える戦術的要因は、ウェブやEメールだけにどどまらず、4年前には存在しなかったブログやユーチューブなどのインターネット上のツール、さらには同じく4年前にはそれほど盛んではなかったが今では特に若者層にとってはインターネットと結合した基幹メディアとなりつつある携帯電話など、新しいメディアをフル活用して、従来は政党の手が届かなかった若者層や無党派・無関心層、アフリカ系はじめマイノリティの中の貧困層にまで支持者を広げたことにある。

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2008年11月 4日

勝利が確実でも喜んではいられないオバマ――米帝国崩壊という現実にどう対処するのか?

 オバマ候補の勝利はもはや確実で、しかも雪崩的な圧勝になる可能性が大きいが、彼にはそれを喜んでいる暇はない。次期米大統領が直面するのは、史上最強の帝国が軍事・外交と金融の両面で目に見えて崩壊し始めたという空前絶後の大惨事である。単に「チェンジ!」と叫んで現状を何とかしたいと思っている米国民の感情に訴えるのは、選挙戦術としてはそれでいいけれども、明日から彼に問われるのは、そのチェンジはどこへ向かってのチェンジなのかを指し示す力強い哲学と理念であり、またイラクやアフガニスタンの馬鹿げた戦争を終わらせ世界金融危機に歯止めをかけて全世界からの信頼を回復するための具体的な戦略と行動計画である。どんな優れた指導者でも、こんな時期に米国の大統領に就きたいとは思わないに違いないが、オバマはそんな不安などおくびにも出さずに、強くて頼りになる大統領を演じ続けなければならないという悲劇的宿命を負っている。

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2008年10月31日

金融市場における不確定性原理 ――ジョージ・ソロスの哲学

takanoron.png 米国式金融資本主義の破産という事態の中で、哲学的レベルで提起されているのは、アインシュタインの相対性原理やハイゼルベルクの不確定性原理が金融市場の問題解明に役立つのかどうかということである。

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解散先送りで麻生内閣の漂流が始まる――進むも地獄、引くも地獄の苦悩

takanoron.png 麻生太郎首相が11月30日投開票と目されていた解散・総選挙を来年1月以降に先延ばしする決断をしたのは、偏に、選挙で大敗を喫して民主党に政権を奪われ、在任僅か2カ月余にして首相官邸を明け渡さなければならなくなる事態を恐怖したからである。かといって、26日の自公党首会談で公明党の太田昭宏代表が麻生に直言したように、「先送りしても勝てる戦略がない」。たとえわずかな可能性であっても、その戦略があってそれに賭けるというのなら話が分からなくはないが、何もないのでは決断どころか単なる不決断にすぎない。

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2008年10月20日

米国式金融資本主義の大崩壊――その先に何があるのか?

takanoron.png サブプライム問題に端を発した米国式金融資本主義の大崩壊は止まるところを知らない有様で、米政府の金融安定化法(10月3日)、その不備を「国際協調」で補おうとするG7の「断固たる対応」声明(10日)、その限界を大手銀行への「一括資本注入」でしようとした米政府決定(14日)といった堤防が次々に決壊して、世界金融動乱はますます深刻化している。

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『知らなきゃヤバイ!民主党─新経済戦略の光と影』
2009年11月、日刊工業新聞社

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