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2012年11月26日

改めて、リベラルとは何か?──野田総理が投げ捨てたもの

(※本記事は11月26日に配信された「高野孟のTHE JOURNAL」の一部を掲載したものです)

takanoron.png 野田佳彦首相は、かねて「民主党の『民主リベラル』という思想には違和感がある」と言ってきた。私に言わせれば、リベラルは民主党のアイデンティティそのものであり、その党に野田がいて、しかも、あろうことか代表=首相になってしまったこと自体に違和感がある。この総選挙が訳の分からないものとなった根源は、そこにあったのである。

 11月15日付のMNS産経ニュースはこう書いている。

▼民主党よりも「保守政治家」をアイデンティティとする首相と、党の組織防衛を優先する輿石氏が折り合えないのは当然だった。

▼かねて「民主党の『民主リベラル』という思想には違和感がある」と漏らしてきた首相は、たとえ下野しても民主、自民、公明3党の枠組みで政治を進めていけると信じている。赤字国債発行を27年まで自動的に認める特例公債法案の修正に関する3党合意、選挙制度改革の見直しの言質を取ったのはそのためだ。

●トロイの木馬?

 問題は錯綜的だが、まず第1に、野田は「保守政治家」であって、民主党に入ること自体が間違っていた。93年総選挙で細川=日本新党から初当選したのも、96年総選挙で新進党から出て落選したのも、00年総選挙で民主党から当選したのも、恐らく、本当は自民党で出たかったのに選挙区事情のために思うに任せず他党から出ただけのことで、日本新党なり新進党なり民主党に積極的な思い入れがあってそうした訳ではなかったのだろう。

 第2に、「かねて民主党の民主リベラル思想には違和感がある」というが、"かねて"とはいつからのことなのか。最初からであれば、上述のように、入ること自体が間違っていたし、入ってからそう思ったのであれば、少なくとも代表選に立った時に「反リベラル」を表明して党員の審判を仰ぐべきだった。それを隠して代表になりすまし、内部からリベラル思想を突き崩して民主党を「自民党野田派」に変質させることが彼の使命だったとすれば、まるで保守側から送り込まれた「トロイの木馬」だったということになる。

 第3に、野田が何をもって「民主リベラル思想」と言っているのかは分からないが、想像するに、鳩山政権が追求したような「対米自主外交」に基づく普天間海兵隊基地の"県外"移転であり、菅政権が打ち出した「脱原発」エネルギー革命路線であり、あるいは小沢一郎元代表が主張した「消費増税反対」であったろう。実際、彼がやったことはと言えば、自民党政権時代と変わらぬ対米追随路線に急いで回帰して、普天間・岩国へのオスプレイ配備を強行し、「脱・脱原発」へと舵を切り、TPP交渉参加を推進して、ワシントンや経団連のたぬき親父に尻尾を振ってみせることでしかなかった。また消費税の10%への増税は元々は自民党の選挙公約であり、それを菅内閣の財務大臣だった野田と財務官僚が菅直人首相を罠にかけて口にさせ、自分の政権になって自民党の協力を得て実現した。

 その過程で、09年総選挙の中心スローガン「国民の生活が第一」に忠実たらんとする消費増税反対派を中心に衆議院で88人、参議院でも18人、計100人を超える議員が離党を余儀なくされ、挙句の果てには、創業オーナーに等しい鳩山由紀夫元首相までもが野田路線に忠誠を誓う宣誓書に署名することを強要されて、政界からいびり出されてしまった。これをもって野田の破壊工作は成功し、96年旧民主党結成以来16年の民主党の歴史は、ここでひとまず幕を閉じたのである。

●次の次へ

 これで総選挙となって、民主党に関して言えば、最大限で100、普通で80、酷ければ50議席にまで落ちるかという大惨敗となるのは間違いないとして、前回の大勝から見れば3分の1から6分の1となるその勢力の中で、野田路線に忠実な保守派と民主党再生に繋がるリベラル派とが、どの程度のバランスで生き残るかが焦点である・・・

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2012年11月24日

高増明(関西大学教授):チキンゲームとしての日中関係

 尖閣諸島の国有化によって、日中関係は過去にないほど悪化している。

 また、日中関係の悪化によって、トヨタの2012年9月の中国における自動車の販売台数が約半分になるなど、日本経済に及ぼすマイナスの影響が心配されている。

 中国における日本企業の売上は、2010年で34.7兆円という巨大な金額である(経済産業省『第41回海外事業基本活動調査』)。これは、北米の52.8兆円よりは小さいが、北米における売上が2006年の74.2兆円から大きく減少しているのに対して、中国における売上は27.1兆円から34.7兆円へと大幅に増加している。したがって、日本企業にとっては、最も期待される市場だったわけだが、今後、この売上が減少する可能性は高い。それは、日本企業、日本経済に対して大きなダメージになるだろう。

 また9月の日本の中国への輸出は、14.1%減少した。昨年の中国への輸出は、約13兆円であるから、それが15%減少すると約2兆円で、これはGDPに対して、0.4%程度のマイナス要因となり、数年続けば、その影響は非常に大きなものになるだろう。

 日本の2012年第3四半期のGDPは、年率換算で3.5%のマイナス成長になった。これには、輸出の減少が大きく影響している(輸出はマイナス5.1%になっている)。もちろん輸出が減少しているのは、EU、アメリカ、中国を含むアジアの経済が減速していることが大きいが、今後は、それに日中関係の悪化という政治的要因が付け加わることになる。事態は、さらに深刻になっている。

 政府はTPPを推進し、TPPがGDPを10年間で2.7兆円増やすという効果を推計しているが、日中関係の悪化によって、わずか1~2年で、それより大きなマイナスになるわけである。結局、政府にとっては、GDPの増加とか減少とかはどうでもよくて、アメリカや右傾化しているメディアと国民の支持が得られれば良いということなのだろう。また、TPP推進の理由のひとつであった「アジアの経済成長を取り込む」といったことも、まったく嘘だったことが明らかになった。ASEANとの経済関係の拡大に期待する人もいるが、市場規模を比べてみれば、中国の代わりにならないことは明らかである。

 国有化が日中関係を悪化させるということは、国有化を選択する時点で当然予想され、実際、当時の丹羽大使は、政府に警告を与えたのだが、政府はそれを無視し、逆に大使を更迭した。まさに、日本経済に対する影響などどうでもいいという確信犯的な決定だろう。

 少し視点を変えてみよう。このような状況は、「ゲーム理論」に登場するチキンゲームと呼ばれるゲームと似ていると考えられるのではないだろうか。チキンゲームとは、2台の車に乗った若者(AとB)が、車を相手に向けて走らせ、よけた方がチキン(臆病者)と見做されるゲームである。このゲームで、一方がよけた場合には、よけた方はプライドが傷つけられて、利得が-1、よけなかった方がプライドを高めることで、+1の利得になる。二人ともよけない場合には、大けがをして、どちらも-10になる。どちらもよけた場合には、利得は変化しない。

takamasu20121124_1.png

 このゲームで、二人を日本と中国に置き換え、選択を「よける」は、「ハト」派的な協調主義政策、「よけない」は、「タカ」派的な攻撃的な政策に置き換えることができるのではないだろうか。ハト派的な態度をとることによって、国民のナショナリズム、政府の指導力は傷つく可能性はあるが、経済的に実質的な不利益は、ほとんど存在しないだろう。その一方で、もし両者が、タカ派的な態度をとれば経済的な損失は非常に大きなものになる。

takamasu20121124_3.png

 このゲームで、最適な選択はどのようになるのだろうか?ゲーム理論でいうナッシュ均衡(相手が選択を変えないときに自分が最適な選択をしている)は、「日本がタカ・中国がハト」と「日本がハト・中国がタカ」の二つであるが、問題なのは、どちらに決まるのかわからない点である。

 そもそも国有化の利益というのはいったい何なのだろうか?豊富な石油が埋蔵されているという説もあるが、現在の状況で、日本が単独で油田の開発をすることは不可能である。したがって、利得というのは、チキンゲームと同じように、たかだか日本のなかの右翼的な考え方をもつ人が喜び、その人が政府を支持してくれるといったところだろう。一方、中国の場合、共産党にとっては、権威、国民の支持を維持するために絶対に譲れないポイントであろう。もちろん日本の中国への侵略という過去の歴史も忘れてはいけない。中国は、「タカ」を選択しなければならないだろう。また、「タカ」と「タカ」がぶつかったときの被害も、日本の方がおそらく大きいだろう。

 とすれば、日本の選択は、「ハト」しかないことは明らかであろう。「毅然とした態度」が好きな人にとっては、愛国心が傷つけられるということなのだろうが、日本が実効支配しているのだから、実質的には、ほとんどマイナスにはならない。一方、「タカ」を選択してしまえば、大きな被害になる。こんな単純なことも、日本の政治家はわからなくなってしまったのだろうか?

 この間、上海に行ってきて、中国人の大学の先生や経営者、学生と話をしてきた。みんな今回の状況については、とても心配していた。上海には10万人を越える日本人が生活しているが、今回の件で、ほとんどの人は肩身を狭くしているだろう。

 以前のように、日本人と中国人が普通に交流し、ビジネスを行える日は戻ってくるのだろうか。

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【プロフィール】高増 明(たかます・あきら)

takamasu.jpg1954年、東京生まれ。京都大学経済学部、大学院経済学研究科卒業。京都大学経済学博士。大阪産業大学経済学部教授を経て、2006年から関西大学社会学部教授。専門は理論経済学、国際経済学。著書に『ネオ・リカーディアンの貿易理論』(創文社)『国際経済学:理論と現実』『経済学者に騙されないための経済学入門』『アナリティカル・マルキシズム』(ナカニシヤ出版)などがある。市場メカニズムの効率性や個人の自発的意思決定を絶対視する経済学には批判的であり、公正な所得分配とはどのようなものか、それをどのように現実の経済政策によって実現するのかについて研究している。

2012年11月22日

【ノーカット録画映像UP】鳩山由紀夫不出馬会見@苫小牧


<鳩山由紀夫引退会見@苫小牧(無料オープニング版)>

「政界を引退するにあたりまして、これまで私を支えてきて下さった国民の皆さま、地元の皆さま、後援者の皆さまに、何より感謝を申し上げたいと思います」

 不出馬を発表した20日から一夜明け、鳩山由紀夫元首相は地元で開かれた会見で「政界引退」を表明しました。

 THE JOURNAL@ニコニコ支局では、会見の模様を一部始終伝えるべく苫小牧に向かい生中継を行いました。見損なった方のために録画版は<ノーカット完全版>として配信しますが、一定期間後は有料化されますので、その際はニコニコ動画にログイン後、ニコニコポイント150ptにて購入し御覧ください(ニコニコポイントは500円から購入可・会員無料)。

※ 取材・撮影カンパとして、ご協力頂ければ幸いですm(_ _)m

■鳩山由紀夫引退会見@苫小牧<ノーカット完全版>
http://www.nicovideo.jp/watch/1353536793

2012年11月21日

【緊急生中継 18:15〜】鳩山由紀夫不出馬会見@苫小牧

来月の総選挙にむけて、北海道9区の鳩山由紀夫氏は出馬しない方向を明確にした。本日21日、地元苫小牧で会見を開くため、THE JOURNAL@ニコニコ支局ではその模様を中継する予定です。(通信環境により中止する可能性あり。その場合は後日録画放送します) 



 民主党の鳩山由紀夫元首相は20日、衆院選に立候補しない意向を関係者に表明した。報道によると、「私は民主党に心から愛着を持っている。自民党を飛び 出し、民主党を作って行動してきたことを大事にしたい」と発言したという。

 鳩山氏は、6月には消費増税関連法の採決では反対票を投じ、党員資格停止3カ月の処分を受けた。鳩山由紀夫HP掲載の「プレス民主・鳩山由紀夫特集号」 では、消費増税、TPP、原発再稼働への反対の立場を明確にしている。民主党の執行部は消費増税やTPP推進に反対する議員を公認しない方針だったため、 鳩山氏の動向は注目されていた。 

【関連記事】
■鳩山由紀夫:民主党政権の3年間を振り返る
http://ch.nicovideo.jp/article/ar16503

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2009年11月、日刊工業新聞社

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