Calendar

2012年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

Recent Entries

Recent Comments

« 「年寄りの冷や水」に終わるか?石原新党──それとも"保守大連合"の起爆剤か
メイン
石川知裕:『砂糖と安全保障─TPP参加が領土問題を勃発させる』著者に訊く »

「常時駐留なき安保」論とは何か(2)──「在日米軍は第7艦隊で十分」と言った小沢一郎の見識

(※本記事は10月29日に配信された「高野孟のTHE JOURNAL」の一部を掲載したものです)

takanoron.png※11月に『沖縄に海兵隊はいらない!』(にんげん出版)を刊行する。先週述べたように、その第5章は、沖縄論の背景をなす旧民主党の「常時駐留なき安保」論を改めて採り上げ、日本の安全保障を考える場合の基本の基本について整理を試みた。この部分は、過去15年ほどのインサイダー論説をベースにしながらも、ほぼ全面的に書き下ろした。先週の第1節に続き、本号ではその第2節の内容を掲載する。

* * * * *

 2009年2月に小沢一郎民主党代表が在日米軍再編に関連して「第7艦隊がいれば十分だ」と、かなり唐突に発言したことが波紋を呼び起こした。小沢発言の要旨は次の通りである。

「ただ米国の言う通り唯々諾々と従っていくということでなく、私たちもきちんとした世界戦略を持ち、どういう役割を果たしていくか。少なくとも日本に関係する事柄は、もっと日本自身が役割を分担すべきだ。そうすれば米国の役割は減る。この時代に前線に部隊を置いておく意味はあまりない。軍事戦略的に第7艦隊が今いるから、それで米国の極東におけるプレゼンスは十分だ。あとは日本が極東での役割をしっかり担っていくことで話がつくと思っている」(2月24日、奈良県香芝市で記者団に)

「米空軍などはいらないと言っているのではなく、日本もきちんとグローバル戦略を米国と話し合って役割分担し、その責任を今まで以上に果たしていかなければいけないという意味で言っている。日本は米国におんぶに抱っこになっている。自分たちのことは自分たちでやるという決意を持てば、米軍が出動部隊を日本に置いておく必要はない。ただ、どうしても東南アジアは不安定要因が大きいので、米国のプレゼンスは必要だ。おおむね第7艦隊の存在。あとは日本の安全保障、防衛に関連することは日本が、自分のことなんだから果たしていくということだ」(2月25日、大阪市で記者団に)

●たちまち湧き起こる反発

 いつもの小沢流と言うべきか、結論部分だけをポンと言い切って、後は「何だ、こんなことも分からないのか」と黙ってしまうというやり方で、しかも遊説先で防衛のボの字も知らないであろう番記者との立ち話程度だろうから、恐ろしく説明不足だった。これに対して政府・与党側や在日米外交筋からは25〜26日にかけて一斉に反発が湧き起こったのは当然だったろう。

「日本の周りには核実験をし、搬送手段を持ち、日本を敵国かのごとく言っている国が存在する。その時に同盟国である米国が海軍だけ。あとは空軍も海兵隊も陸軍もいらないなど、防衛に少なからぬ知識がある人はそういう発言はしないのではないか」(麻生太郎首相)

「自前の防衛予算を3倍から5倍にでもしようかという勢いかもしれないが、暴論以外の何ものでもない」(町村信孝元官房長官)

「小沢発言は日本の軍備増強でカバーしていく発想。民主党の旧社会党系、共産党、社民党の方々がよくご一緒に行動しておられるなと思う」(伊吹文明元幹事長)

「日米同盟にひびが入る。民主党政権が実現すると、我が国の安全保障は根底から覆される。次期総選挙の争点だ」(山崎拓元防衛庁長官)

「極東における安全保障の環境は甘くない。空軍や海兵隊などの必要性が分かっていない」(ケビン・メア駐沖縄総領事)

 これら自民党サイドや米外交筋からの反応とは別に、反安保の立場の社民党・共産党からも戸惑い気味のコメントがあった。

「日本は世界全体が軍縮に向かうイニシアチブを取るべきだ。軍拡の道を進むことで(米国の)イコールパートナーになるのは間違っている」(志位和夫共産党委員長)

「軍備拡張にはとにかく反対だ」(福島瑞穂社民党党首)

●冷戦後の日本にとって脅威とは?

 このやりとりは、実はまったく噛み合っておらず、そうなってしまう主な理由は次の2点である。

 まず第1に、こういう議論をする場合の大前提として、日本は現在および近い将来にわたってどんな軍事的脅威に囲まれているのかという「脅威の見積もり」がある程度でも共有されていないと議論自体が不毛になってしまうが、小沢にも批判者たちにもそれが欠けている。

 第2に、政府・与党側からの反論も社共両党など左からの意見も、共通して、米軍の兵力を削減すればそれだけの分、自衛隊を増強して自主防衛力を増強しなければならないという頑なな固定観念に囚われていること・・・

>>ここから先は「まぐまぐ!」の「高野孟のTHE JOURNAL」に登録してお読み下さい(下記URL参照)
http://bit.ly/vmdxub

────────────────────────

■《高野孟のTHE JOURNAL》有料メルマガのご案内

2011年11月からスタートした有料メルマガ「高野孟のTHE JOURNAL」は毎週月曜日に発行しています。「高野論説」や、高野孟の日記「閑中忙話」など盛りだくさんの内容となってますので、ぜひご購読下さい。購読の詳細は下記URLをご覧くださいm(_ _)m
http://www.mag2.com/m/0001353170.html

※今月末までにお申し込みいただければ、今月配信済のバックナンバーはすべて無料で配信されます(申込月は無料)。詳しくは下記URLをご覧下さい
http://www.mag2.com/read/charge.html

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/8504

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※[投稿]ボタンをクリックしてから投稿が完了するまで数十秒かかる場合がございますので、2度押しせずに画面が切り替わるまでお待ちください。

Profile

日々起こる出来事に専門家や有識者がコメントを発信!新しいWebニュースの提案です。

BookMarks




『知らなきゃヤバイ!民主党─新経済戦略の光と影』
2009年11月、日刊工業新聞社

→ブック・こもんず←




当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.