Calendar

2012年7月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

Recent Entries

Recent Comments

« 何を争っているのか分からない「民主党分裂」騒動 ── もうウンザリですよ、小沢さん
メイン
どんな小事故でも、起こしたらすべてお終いに ── 大飯原発再稼働の綱渡り »

イスラエルの核保有こそが問題の根源 ── 米誌『フォリン・アフェアズ』での興味深い論争

(※本記事は7月9日に配信された「高野孟のTHE JOURNAL」の一部を掲載したものです)

takanoron.png 米国に権威ある外交専門誌『フォリン・アフェアズ』上で面白い論争が起きている。きっかけは、同誌7月号のケネス・N・ウォルツ=カリフォルニア大学名誉教授の「なぜイランは核兵器を保有すべきか」という論文で、そこでウォルツは、現在のイランの核開発をめぐる危機は、テヘランが核開発を試みていることではなく、そもそもイスラエルが核を保有していることに伴って派生している問題に過ぎないとし、イランがそれに対抗して核武装に成功することによってむしろ中東の戦略環境が安定すると主張した。

 ウォルツが言うには、イラン核開発危機の結末として想定できるシナリオは、(1)制裁に屈してイランが核開発を放棄する、(2)イランが核開発能力は手に入れるが、核実験には進まない、(3)イランがこのまま進んで核実験を行い、事実上の核保有国になる----の3つである。

●イランの核保有で中東が安定する?

 (1)は実現の見込みがほとんどない。核開発を試みている国が説得によって断念したケースはほとんどない。(2)は、イランの支配者も欧米主要国も受け入れ可能な妥協案だが、イスラエルはイランが高度なウラン濃縮能力を手に入れるだけでも自国への脅威だと公言しており、受け入れない。(3)はもちろん米国もイスラエルも受け入れがたいが、実際にはこれこそが最善の道だ、と教授は言うのである。

 一見、突飛なように聞こえるかもしれないが、第1に、主要国はこれまでも、特定の国が核開発を始めると「脅威だ」と言って止めさせようとするが、その国が核開発に成功して核クラブに事実上の仲間入りを果たすと、それまでの立場を変えて現実を追認してきた。インドとパキスタンの核武装に対する米国はじめ主要国の態度がまさにそれだった。

 第2に、新しい核保有国の出現によって、地域的・国際的な軍事力の不均衡が小さくなり、相互抑止環境が形作られて、安定が高まることがある。インドとパキスタンは1991年に相互に相手国の核兵器を攻撃目標にしないことに合意する条約に調印したが、これは、相手国の核抑止力を破壊することよりも、抑止関係を維持する方が利益になると両国が気付いたからで、実際、それ以後両国は、平和維持を心掛けるようになった。

 第3に、翻って中東地域では、イスラエルが過去40年に及んで核を独占してきたことが、不安定化を助長してきた。「世界的に見ても、特定の一国が核の独占状況を他に抑止されずに維持してきた地域は中東以外には存在しない。現在の危機の多くは、イランが核開発を試みているからではなく、イスラエルが核を保有していることに派生している」と。

 イスラエルは、この地域的な核独占を維持しようとして、1981年にはイラクの原子炉を空爆し、2007年にもシリアが建設中だった各関連施設を空爆したが、イスラエルがそのような行動をとっても国際社会は厳格な懲罰を行わなかった。このような戦略的不均衡が続く限り、中東が安定することはなく、イランが核武装することで初めて軍事バランスが回復されるのである・・・


>>ここから先は「まぐまぐ!」の「高野孟のTHE JOURNAL」に登録してお読み下さい(下記URL参照)
http://bit.ly/vmdxub


────────────────────────

■《THE JOURNAL》有料メルマガスタートのお知らせ

《THE JOURNAL》では、サイトの運営を安定化させるため、2011年11月に有料メルマガをスタートしました。本記事も有料会員の皆様の支援によって制作されたものです。多くの方からのご支援をお待ちしております。よろしくお願いします。有料メルマガ購読の詳細は下記URLをご覧くださいm(_ _)m
http://www.mag2.com/m/0001353170.html

※今月末までにお申し込みいただければ、今月配信済のバックナンバーはすべて無料で配信されます(申込月は無料)。詳しくは下記URLをご覧下さい
http://www.mag2.com/read/charge.html

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/8470

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※[投稿]ボタンをクリックしてから投稿が完了するまで数十秒かかる場合がございますので、2度押しせずに画面が切り替わるまでお待ちください。

Profile

日々起こる出来事に専門家や有識者がコメントを発信!新しいWebニュースの提案です。

BookMarks




『知らなきゃヤバイ!民主党─新経済戦略の光と影』
2009年11月、日刊工業新聞社

→ブック・こもんず←




当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.