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2012年7月21日

どんな小事故でも、起こしたらすべてお終いに ── 大飯原発再稼働の綱渡り

(※本記事は7月16日に配信された「高野孟のTHE JOURNAL」の一部を掲載したものです)

takanoron.png 野田佳彦首相の"決断"で再稼働した関西電力・大飯原発3号機、18日にも起動される予定の4号機に、何やら不吉な兆しが漂っている。3、4号機を司る中央制御室で7月14日午後、送電線の接続状況を監視する装置の異常を示す警報が6回作動した。無線信号を変換する部品の故障らしく、いずれにせよ3号機からの送電や4号機の再稼働準備には影響はないというが、しかしこの手の事故には至らない小トラブルは再稼働決定以来、何度も起きていて、制御システム全体がきちんと整備されているのかどうか疑わせるほどである。以下、関西電力のプレスリリースなどから拾う。

●クラゲも再稼働に抗議?

・6月19日21時51分、3号機の冷却水タンクで水位が標準より-100mm以上低下したことを示す警報が鳴ったが、確認したところ、水位は標準より約-30~-50mmであり、警報が発信されるレベルではなく、漏えいは確認できなかった。

・6月23日23時35分から24日8時12分にかけて、送電線に異常があることを示す警報が断続的に26回鳴った。が、送電線に異常はなく、再稼働の行程に影響はない。

・6月29日12時39分、1次冷却材ポンプ(RCP)電動機の軸受冷却水の流量が低下したとの警報が鳴ったが、同40分にリセットされた。また同13時9分にも同警報が鳴ったが、すぐにリセットされた。設備の故障はない。

・7月7日0時47分、大飯原発1、2号機の中央制御室で原発の南西約13キロのおおい町鹿野にあるモニタリングポスト(放射線測定装置)で異常があったとする警報が鳴ったが、調べたところ、機器や設備に異常はなく、雷の影響によるデータ回線の一時的伝送不良によるものと推定される。3、4号機の再稼働の工程に影響はない。

・7月8日11時35分、再稼働に向けた作業中の4号機で「情報伝送盤軽故障」警報が鳴り、3分後に消灯した。発電所内において異常は確認されなかった。警報が発報した原因については現在調査中。

・7月8日14時55分頃、3号機の海水取水口付近でクラゲが大量発生したため、冷却に必要な海水の取水量を制限したことにより、発電効率が落ち、電気出力が1.7%低下した。9日午前1時に予定していたフル稼働を延期すべきかどうか8日21時に判断する......。

 首相官邸前の金曜日デモに呼応したのかどうか、クラゲまで取水口にデモをかけてフル稼働入りを妨害しようとしたかのようで、不気味である。クラゲはともかく、3週間に6回も警報が誤作動するとは一体どういうことか。

●福島第一4号機に吹いた"神風"

 もちろんこれらは、事故とはほど遠い小トラブルであり、本来なら発表する必要もないものだが、今は全国注視の中での再稼働で政府も特別の監視体制をとって「すべてを公表せよ」と言うから仕方なしに発表しているのであって、今までもしょっちゅう起きていたことなのだろう。ちょうど、旧ソ連が崩壊してロシアになってから、同国内での飛行機事故がやたらに増えて、何故かと思えば「共産党体制が崩れて正直に発表するようになったからだ」という笑い話があったが、それと同じである。とはいえ、こんなことが頻発していると、一方では、狼少年的な慣れが生じて、重大な警報が鳴っても「またどうせ誤作動だろう」と思って迅速に対応しないということも起こりうるし、また他方では、逆に、誤った警報に誤った対応をして重大事故を招く可能性もある。

 米国の核政策研究者ジョナサン・シェルが「原発は複雑な高度技術だが、その異常は、例えば1人の作業員がスイッチの前で居眠りしていたといった、取るに足らないレベルで起きる」と述べていたのを思い出す。まさにこういう取るに足らないレベルのミスの連鎖が事故に繋がるのであって、そうならないのは単なる偶然にすぎない。

 民主党の原発事故収束対策プロジェクトチームの荒井聡=座長に聞いた話では、福島第一の4号機が大爆発を起こして、それこそ首都壊滅といった事態に至らなかったのは、ただの偶然にすぎなかった。それによると、米原子力規制委員会(NRC)のヤッコ委員長は、全電源喪失を知って直ちにシミュレーションを開始、1〜3号機がすでにメルトダウンを起こしていること、4号機の取り出したばかりの使用済み核燃料を貯蔵したプールの構造上、余震で建屋ごと倒壊するか、真下にある圧力制御室が爆発するか、電源喪失で冷却水が循環しないかなどいずれかの原因で大爆発を起こすことが確実であること、を結論づけ、それに沿ってオバマ大統領に在日米国人の「50マイル(80キロ)以遠」への避難勧告を進言した・・・


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2012年7月12日

イスラエルの核保有こそが問題の根源 ── 米誌『フォリン・アフェアズ』での興味深い論争

(※本記事は7月9日に配信された「高野孟のTHE JOURNAL」の一部を掲載したものです)

takanoron.png 米国に権威ある外交専門誌『フォリン・アフェアズ』上で面白い論争が起きている。きっかけは、同誌7月号のケネス・N・ウォルツ=カリフォルニア大学名誉教授の「なぜイランは核兵器を保有すべきか」という論文で、そこでウォルツは、現在のイランの核開発をめぐる危機は、テヘランが核開発を試みていることではなく、そもそもイスラエルが核を保有していることに伴って派生している問題に過ぎないとし、イランがそれに対抗して核武装に成功することによってむしろ中東の戦略環境が安定すると主張した。

 ウォルツが言うには、イラン核開発危機の結末として想定できるシナリオは、(1)制裁に屈してイランが核開発を放棄する、(2)イランが核開発能力は手に入れるが、核実験には進まない、(3)イランがこのまま進んで核実験を行い、事実上の核保有国になる----の3つである。

●イランの核保有で中東が安定する?

 (1)は実現の見込みがほとんどない。核開発を試みている国が説得によって断念したケースはほとんどない。(2)は、イランの支配者も欧米主要国も受け入れ可能な妥協案だが、イスラエルはイランが高度なウラン濃縮能力を手に入れるだけでも自国への脅威だと公言しており、受け入れない。(3)はもちろん米国もイスラエルも受け入れがたいが、実際にはこれこそが最善の道だ、と教授は言うのである。

 一見、突飛なように聞こえるかもしれないが、第1に、主要国はこれまでも、特定の国が核開発を始めると「脅威だ」と言って止めさせようとするが、その国が核開発に成功して核クラブに事実上の仲間入りを果たすと、それまでの立場を変えて現実を追認してきた。インドとパキスタンの核武装に対する米国はじめ主要国の態度がまさにそれだった。

 第2に、新しい核保有国の出現によって、地域的・国際的な軍事力の不均衡が小さくなり、相互抑止環境が形作られて、安定が高まることがある。インドとパキスタンは1991年に相互に相手国の核兵器を攻撃目標にしないことに合意する条約に調印したが、これは、相手国の核抑止力を破壊することよりも、抑止関係を維持する方が利益になると両国が気付いたからで、実際、それ以後両国は、平和維持を心掛けるようになった。

 第3に、翻って中東地域では、イスラエルが過去40年に及んで核を独占してきたことが、不安定化を助長してきた。「世界的に見ても、特定の一国が核の独占状況を他に抑止されずに維持してきた地域は中東以外には存在しない。現在の危機の多くは、イランが核開発を試みているからではなく、イスラエルが核を保有していることに派生している」と。

 イスラエルは、この地域的な核独占を維持しようとして、1981年にはイラクの原子炉を空爆し、2007年にもシリアが建設中だった各関連施設を空爆したが、イスラエルがそのような行動をとっても国際社会は厳格な懲罰を行わなかった。このような戦略的不均衡が続く限り、中東が安定することはなく、イランが核武装することで初めて軍事バランスが回復されるのである・・・


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2012年7月 2日

何を争っているのか分からない「民主党分裂」騒動 ── もうウンザリですよ、小沢さん

(※本記事は7月2日に配信された「高野孟のTHE JOURNAL」の一部を掲載したものです)

takanoron.png 先週末のTBS「報道特集」の2本の特集のうち1本は「壊れかけ民主瀬戸際」で、同番組の若いディレクターが「96年の旧民主党結成まで遡って『民主党とは何だったのか』を話してくれ」と言って取材に来たので、2時間ほどかけて丁寧に説明して差し上げた。が、実際に番組で使われたのは、今の政局について「そもそも何を争っているのかよく分からない。小沢さんは元々消費税10%論者だし、野党の自民党も10%を選挙公約に掲げていたのだから、消費税を上げる上げないは本質的な争点であるはずがない。もちろん、増税のタイミングとか、中小企業や低所得者への打撃をどう手当てするかとか、付帯条件の問題はいろいろあるが、それはじっくり議論すればいいだけの話で、どうしてこんなことで別れるとか別れないとかいう話になるのか、理解不能だ」という趣旨の30秒か1分のVTRだけだった。これだけでは、なぜ私がこんなシラケたことを言うのか理解が行き届かないと思うので、持論の繰り返しにはなるが、その背景を解説しておこう・・・


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『知らなきゃヤバイ!民主党─新経済戦略の光と影』
2009年11月、日刊工業新聞社

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