Calendar

2012年5月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

Recent Trackbacks

« 2012年4月 | メイン | 2012年6月 »

2012年5月27日

米国に擦り寄ってアジアをないがしろに? ── 野田外交が日本をダメにする

(※本記事は5月21日に配信された「高野孟のTHE JOURNAL」の一部を掲載したものです)

takanoron.png 私は前々から「2012年をアジア外交の大展開の年にして、東アジア共同体への土台を築くべきだ」と言って来た。今年は、台湾の総統選(1月)、ロシアの大統領選(5月)、中国共産党大会(11月)、韓国大統領選(12月)が元々予定されていて、すでに台湾では馬九英総統が再選され、ロシアでは予想通りプーチン大統領が再登場したし、中国では習近平体制への移行が確実視されている。これに、北朝鮮の金正日総書記の死去による金正恩体制のスタートという予定外の出来事が加わった結果、日本海・東シナ海を囲む北東アジアの日本を除く(まだ分からないが...)すべての国のトップが一斉にリフレッシュされることになるわけで、このチャンスを捉えて、21世紀のアジアの繁栄と平和に向かって揃って第一歩を踏み出せるようイニシアティブを発揮することが、日本にとっての戦略的な課題だった。

●米国ベッタリへの逆戻り

 ところが野田佳彦首相のやっていることと言えば、自民党も顔負けの米国ベッタリの姿勢への逆戻りであって、「緊密で対等な日米関係をつくる」「東アジア共同体の構築をめざしアジア外交を強化する」と明記した09年マニフェストへの裏切りである。こんなことを続けていては、アジアからは馬鹿にされ、また米国からも「アジアのリーダーにもなれない国」として軽くあしらわれて、虻蜂取らずの宙ぶらりんに陥って生きる道を見失うことになる。

 こうなる根本原因は、「米中逆転」という21世紀の大潮流への認識欠如である。今年2月に発表された世界銀行と中国国務院発展研究センターの共同研究「2030年の中国」は、今後中国の成長率が年平均6.6%にスローダウンしたとしても(もちろん市場経済への完全移行のための数々の課題を克服したとしてという前提だが)2030年以前に高収入国家となって、経済規模において米国を追い越すだろうと予測し、さらに、それは何も驚くことではなく、16世紀初めから19世紀初めまでの中国は世界最大の経済大国であり、1820年には世界GDPの3分の1を占めていたと指摘している。その後2世紀に及ぶ屈辱と苦闘を経て、今また中国は日本を抜いて世界第2(EUを1つの経済と見なせば第3)の経済大国となり、世界最大の生産国、輸出国となった。中国がやがて米国を追い抜いたとしても、それはむしろ500年という歴史の単位で見れば"常態"に復することを意味するのである。

 日本の内閣府も似たような予測を出していて、「世界経済の潮流」2011年上半期版は、市場レートベースで見たGDPシェアは2009年から2030年までに、米国24.9→17.0に対して中国8.3→23.9(いずれも%)で、2025年頃に米中逆転が起きると推計している。購買力平価(PPP)ベースではもっと変化は激しく、同期間に米国20.5→11.7に対し中国12.5→30.2となる。

 インドは市場レートベースで2.2→4.0、PPPベースで5.1→7.9と拡大するが、日本はそれぞれ8.8→5.8、6.0→3.3と縮小する。

 内閣府の報告は、1820年の世界GDPシェアも図示していて(写真参照)、それによると中国32.9、ヨーロッパ合計26.9、インド16.0、日本3.0、米国1.8である。また1950年のそれは、ヨーロッパ合計29.7、米国27.3、中国4.5、インド4.2、日本3.0である。19世紀後半以降、20世紀にかけて米欧がいかに中国、インドはじめ世界の生き血を吸って肥え太ってきたかが分かる。日本は、バブル経済の頃には世界シェア17%まで到達したことがあるが、それは米国のこの急膨張にそれこそベッタリとくっついて行ったからで、だからこそ野田も米国ベッタリを続ければ何とかなるという幻想を捨てられないのだろう・・・


>>ここから先は「まぐまぐ!」の「高野孟のTHE JOURNAL」に登録してお読み下さい(下記URL参照)
http://bit.ly/vmdxub


────────────────────────

■《THE JOURNAL》有料メルマガスタートのお知らせ

《THE JOURNAL》では、サイトの運営を安定化させるため、2011年11月に有料メルマガをスタートしました。本記事も有料会員の皆様の支援によって制作されたものです。多くの方からのご支援をお待ちしております。よろしくお願いします。有料メルマガ購読の詳細は下記URLをご覧くださいm(_ _)m
http://www.mag2.com/m/0001353170.html

※今月末までにお申し込みいただければ、今月配信済のバックナンバーはすべて無料で配信されます(申込月は無料)。詳しくは下記URLをご覧下さい
http://www.mag2.com/read/charge.html

2012年5月13日

5月5日「原発ゼロ」記念日を祝う──腹の据わり方が違う「東京新聞」

(※本記事は5月7日に配信された「高野孟のTHE JOURNAL」の一部を掲載したものです)


takanoron.png 5月5日深夜に北海道電力泊原発3号機が発電を止め、ともかくも「原発ゼロ」状態が実現したことを心から祝いたい。国内50基の全原発のどれ1つとして、いつどのように運転を再開できるかの見通しが立っておらず、ということは日本の原発は言わば"無期懲役"の罰で収監されて、全国民が納得して"恩赦"を発しない限り二度と娑婆に出て表舞台に立つことは出来ないという状態に追い込まれたことになる。政府と原子力利権共同体の安易な再稼働の策謀を封殺しつつ、節電と火力代替で夏の電力需要ピーク期を何としても乗り切って見せて、1日でも早く脱原発への扉を開け放つことが、これから数カ月の課題である。

●「好機」と言ったのは東京と毎日

 その点で、新聞界で最も腹が据わった紙面作りをしたのは東京新聞である。5日付同紙は1面を横断する「原発ゼロ時代に挑む」というスポーツ紙並みの特大見出しの下、「泊3号機きょう定検入り」「運転42年、全50基が停止」と本記を載せ、左肩には「新たな未来図描く好機」と題した加古陽治=原発取材班総括デスクの論評を掲げた。真ん中には「そして誰もいなくなった」という佐藤正明の漫画を配するという念の入れようで、「GNP54」という少女歌手グループ(GNPは「原発」の意味)のさよなら公演で、最後のメンバー「泊原子」が「わたしは今日をもって活動を停止しまーす!」「でも最後のメンバーが"とまり"って皮肉ですよね...」「でも、みなさんの応援があれば、私も他のメンバーも、帰ってこられるかもしれないですぅ〜!」と呼びかけるが、観客はシーン。「そうですか...」と少女はマイクをコトッ...と床に置いて去って行く。

 加古の論説は、もちろん電力不足の可能性はあるけれども、そうした経済や暮らしへのリスクがあるからといって「安全対策が不充分なまま再稼働するとしたら、本末転倒だ」と指摘、「このまま行けば、原発ゼロの夏もある。その夏をどう乗り切り、将来のエネルギーをどうするのか、新しい未来図は今、私たちの手の中にある」と、夏を乗り切る国民の覚悟を迫った。

 東京新聞は6日付でも、1面トップで「原発ゼロ、未来へつなぐ」と題して東京・芝公園に4000人が集まって開かれた「原発ゼロの日・さようなら原発集会」はじめ札幌、名古屋などでの市民の立ち上がりをカラー写真3枚入りで報じた。また紙面左肩では、4月末に南相馬市の桜井勝延市長ら現職・元職70人が結成した「脱原発をめざす首長会議」が100人を超える参加を見込みであることをはじめ、市民、地方議員など草の根からの動きをまとめている。

 毎日新聞は5日付1面トップでは、ちょっとしたスクープとして「関電、オール電化なお促進」「昨年度7万戸増加」と報じ、過大な需給逼迫の数字を発表して何が何でも大飯原発の再稼働を推進しようとしている関電が、電力消費の大きいオール電化を普及しようとしているのはどういうことなのかと疑問を突きつけている。6日付では1面トップでは「国内原発稼働ゼロ」の大記事を立て、左肩には「ゼロから考える好機」と題した倉重篤郎=論説委員長の論説を掲げ、「この日を脱原発元年のスタート台にしよう。私たちがどういう歴史をつくるのか。初の試みとして世界も注目している」と呼びかけている。

●限りなく曖昧な朝日

 この2紙に比べると、一応「脱原発」を言いながら腰が引けているのが朝日新聞である・・・


>>ここから先は「まぐまぐ!」の「高野孟のTHE JOURNAL」に登録してお読み下さい(下記URL参照)
http://bit.ly/vmdxub


────────────────────────

■《THE JOURNAL》有料メルマガスタートのお知らせ

《THE JOURNAL》では、サイトの運営を安定化させるため、2011年11月に有料メルマガをスタートしました。本記事も有料会員の皆様の支援によって制作されたものです。多くの方からのご支援をお待ちしております。よろしくお願いします。有料メルマガ購読の詳細は下記URLをご覧くださいm(_ _)m
http://www.mag2.com/m/0001353170.html

※今月末までにお申し込みいただければ、今月配信済のバックナンバーはすべて無料で配信されます(申込月は無料)。詳しくは下記URLをご覧下さい
http://www.mag2.com/read/charge.html

2012年5月 4日

検察の"デッチ上げ"体質に対するクロ判決 ── 東京地裁判断の意味するもの

(※本記事は4月30日に配信された「高野孟のTHE JOURNAL」の一部を掲載したものです)

takanoron.png 検察審査会によって政治家として初めて強制起訴された小沢一郎=民主党元代表に対して東京地裁が4月26日に下した判決は、小沢へのシロ判決というよりもむしろ、検察の"華"と謳われた特捜部の常習的な"デッチ上げ"体質に対するクロ判決である。

 判決は、冒頭の<起訴議決の有効性>の章で、東京地検特捜部の田代政弘検事が作成した陸山会の元事務担当者=石川知裕衆議院議員の「小沢元代表がこの件に関与していた」とする供述調書の任意性を明確に否定した上で、次のように述べている。

「検察官が、公判で証人になる可能性が高い重要な人物に対し、任意性に疑いがある方法で取り調べて供述調書を作成し、取り調べ状況にについて事実に反する内容の捜査報告書を作成し、検審に送付するなどということはあってはならない」

「本件の捜査では、特捜部で事件の見立てを立て、取り調べ担当検察官はその見立てに沿う供述を獲得することに力を注いでいた状況がうかがわれ、このような捜査状況が背景になっているとも考えられる」

 この田代検事の作成した供述調書とそれに基づく捜査報告書は、検察審査会が小沢の強制起訴を議決する際に有力な判断材料になったと見られており、そうだとすると田代は、自らは小沢を起訴できなかった腹いせに検審を情報操作にかけて何が何でも起訴させる方向に工作したとも考えられる訳で、そうだとすれば検察庁法第23条に基づく検察官適格審査会によって審査の上、罷免されてしかるべき犯罪的行為である。

●政権交代への予防反革命

 問題は、これが田代の個人的な犯罪的行為であるに止まらず、特捜部そのものが持っている病的な体質に根ざしていることである・・・


>>ここから先は「まぐまぐ!」の「高野孟のTHE JOURNAL」に登録してお読み下さい(下記URL参照)
http://bit.ly/vmdxub


────────────────────────

■《THE JOURNAL》有料メルマガスタートのお知らせ

《THE JOURNAL》では、サイトの運営を安定化させるため、2011年11月に有料メルマガをスタートしました。本記事も有料会員の皆様の支援によって制作されたものです。多くの方からのご支援をお待ちしております。よろしくお願いします。有料メルマガ購読の詳細は下記URLをご覧くださいm(_ _)m
http://www.mag2.com/m/0001353170.html

※今月末までにお申し込みいただければ、今月配信済のバックナンバーはすべて無料で配信されます(申込月は無料)。詳しくは下記URLをご覧下さい
http://www.mag2.com/read/charge.html

Profile

日々起こる出来事に専門家や有識者がコメントを発信!新しいWebニュースの提案です。

BookMarks




『知らなきゃヤバイ!民主党─新経済戦略の光と影』
2009年11月、日刊工業新聞社

→ブック・こもんず←




当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.