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《書評》高野孟:高田昌幸編『@Fukushima/私たちの望むものは』(産学社) »

与野党に広がる「核燃料サイクル中止」要求 ── 野田さん、せめてこれだけでも決断したらどうですか

takanoron.png 野田政権の脱原発路線はますます怪しくなっていて、定期点検中の原発に関しても形ばかりのストレステストを是として再稼働を認める方向に突き進んでいるように見えるが、そうした中で、与野党政治家の中に、せめて核燃料サイクル計画はまずもってキッパリと止めるべきだという声がまとまった形で上がり始めている。

 民主党の馬淵澄夫=元国交相を中心とする同党中堅・若手70人余による「原子力バックエンド問題勉強会」は2月7日、核燃料サイクル事業の中止を求める第1次提言をまとめ、同日から10日にかけて、官房長官、文科相、環境相などに申し入れを行った。

 他方、自民党の河野太郎衆議院議員を共同代表の1人とする「自民党エネルギー政策議員連盟」は9日、脱原発と再生可能エネルギーへの転換を求める提言をまとめ、同党の総合エネルギー政策特命委員会に提出したが、その中でも、高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」の廃炉など、核燃料サイクル計画の断念を打ち出している。

★馬淵らの第1次提言: http://nuclear-backend.jp/teigen.htm
★河野らの提案: http://www.taro.org/2012/02/post-1163.php

●即時脱原発しか選択はないのに

 言うまでもなく、最大の焦点は核燃料サイクル云々以前に、いつまた地震と津波に遭って第2のフクシマになりかねない全ての原発をストップし直ちに廃炉作業に入ることであり、その点に関しては両提言ともまこにのんびりしていて、馬淵案は新規原発の建設は困難とだけ言い、河野案は原発の新増設・更新は行わわず、運転40年を過ぎた原発は廃炉すると謳っている。朝日新聞の「30年かけて徐々に脱原発」の社論と同様のこのような一見すると現実的な路線は、「脱原発」と言いながら事実上は「原発長期維持」であって、その最大の欠陥は、東日本大震災並みの地震と津波が明日にもどこかで起きて第2のフクシマ事態が発生し、この国が壊滅状態に陥る危険を全く無視していることである。

 大震災当時、内閣官房参与だった田坂広志は近著『官邸から見た原発事故の真実』で、昨年3月25日付で政府内部資料としてまとめられたフクシマの最悪事態シナリオが、水素爆発で原発敷地内での冷却作業が出来なくなった場合、強制退去の範囲が170キロ以上に広がり、最悪の場合は首都圏3000万人が避難しなければならなくなると想定していたことを知って慄然としたと述べている。紙一重でそうならなかったのは、ただの幸運に過ぎない。

 本誌が繰り返し述べてきたように、米紙ウォールストリート・ジャーナルの調査では、全世界400基余りの原発のうち地震頻発地帯にあってなおかつ海岸から1マイル(1.6キロ)以内にある、地震にも津波にも弱い原発は39基あって、そのうち何と35基は日本にある。仮に全原発を即ストップして廃炉作業に取りかかったとしても、取り出した燃料棒は(遠くに運ぶのは危険なので)まずは原子炉の横にあるプールで3年間は冷却しなければならないので、その間に巨大地震・津波に襲われれば、運転中の場合と変わらない惨事が起こりうる。が、地震・津波がいつどこで起こるかは予測不能で、防ぎようもない以上、可能な限り速やかに廃炉にすることでその危険を少しでも回避するしかないことは自明であると思われるが、政治もマスコミも「電気が足りなくなったら困る」という原子力ムラの恫喝に屈しているのかどうか、そこを正視しようとしていない。

 とはいえ、民主党と自民党の両方で、議員が1つの固まりとして核燃料サイクル中止を求め始めたのは、とりあえず画期的なことで、野田政権はまずはこれを決断したらどうか。同政権は、核燃料サイクルの最終工程である高速増殖炉「もんじゅ」については廃炉を検討する方針で、さすがの原子力ムラもこれに関しては受け入れざるを得ない流れになってはいるものの、2月11日付東京新聞によれば、「原子力機構や電力業界内で、5年運転したら廃炉にすることを条件に運転再開を目指す計画が浮上している」という。未練がましい話で、どうせ総選挙で民主党政権が潰れるから、運転さえ続けていれば別の政権によって廃炉方針が撤回される可能性があるかもしれないという助平根性からのことに違いない。こんな策謀に絡め取られずに廃炉を貫くべきであるけれども、もんじゅを止めれば、使用済み核燃料とそれをフランスなどに委託して再処理したプルトニウムはますます溜まる一方になってどうにもならないことは見えているのだから、同政権としては、それに留まらず、核燃料サイクル計画全体を見直して、いまあるだけの使用済み核燃料、プルトニウム、それに伴う高濃度放射性廃棄物の始末についてはっきりした方針を打ち出さなければならない・・・

(※本記事は2月13日に配信された「高野孟のTHE JOURNAL」の一部を掲載したものです)


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