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高野論説:2012年の日本と世界(3)──野田「消費税増税案」の根本的な欠陥

takanoron.png 10日付のflash009で、野田佳彦首相の「消費税を10%にまで増税する」という提案について、それが民主党のマニフェストに背馳しているとかいう議論は愚の骨頂だという趣旨を述べたが、だからと言って野田案がこれでいいという訳ではない。それどころか、彼の発想も提起の仕方も根本的な欠陥を抱えていて、つかみ合いをしてでも議論しなければならないのはむしろそのことである。

●社会保障・税の一体改革とは?

 そもそもこれは、「社会保障と税の一体改革」という話だったはずで、そうだとすれば、まずは、高齢化・少子化が進む中で21世紀を通じてこの国は一体どのようにして「誰もが安心して暮らせる世の中を実現するのか」について政治がイメージ豊かに国民に語りかけることから始めなければならないだろう。その将来構想に向かって、年金はどう立て直すのか、医療費の増大はどう抑えるのか、介護はどう改めるのか等々、主要な制度の改革の方途と工程を明らかにして、それを実現していくには子や孫の世代まで含めて国民が何をどれだけ負担するのかを包み隠さず示して納得を得て、それで初めて、そこへの第一歩としての当面の消費税増税をお願いするという話が出て来なければおかしい。政治の役目はそのような未来への責任であるはずで、それを吹っ飛ばして、いきなり一番手前の増税から話が始まるのは、野田が財務省の目先目先の財政再建オンリーの論理に絡め取られているからである。

 本誌が昔からさんざん書いていることを蒸し返すのは気が進まないが、政治が耳を傾けないのだから仕方がない。もう一度書こう。

 第1に、日本型福祉国家の構想が必要である。榊原英資は「民主党はヨーロッパ型福祉国家を目指すと言ってしまえばいいじゃないか」と言っていて、私も基本的には賛成だが、その場合、同じヨーロッパ型と言っても、国民負担率で見た場合に、スウェーデン(64.8%)、フランス(61.2)並みの「高負担・高福祉」なのか、ドイツ(52.4)、イギリス(48.3)並みの「中負担・中福祉」なのか。また例えば大学の授業料はスウェーデン、フランス、ドイツは無料だがイギリスはそうではないが、そこはどうするのか。どれだけの負担をすれば生まれてから死ぬまでの間にどれだけの公共サービスを受けられるのかをまず明確にしなければならない。そこでの眼目は、すべての制度が簡略で透明性があり誰にでも分かりやすいことである。

 第2に、その国民の負担をどのように税と社会保障費と自己負担とに振り分けるのかの設計が必要である。極端にはオーストラリアのように福祉まで含めて全額税方式というやり方もあって、そうすれば例えば年金の行方不明というようなことは絶対に起きず、ある意味で出合理的だが、既存の制度をすべて取り払ってそこまでやるのがいいのかどうかは判断が難しい。いずれにせよ日本の場合は年金も介護も医療も教育も、全部がバラバラなまま、そのそれぞれがつぎはぎだらけの不法建築物が傾いでいるような有様となっていて、一旦すべてを取り壊して更地の上に統一されたデザインで建て直す必要がある・・・

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