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« チャイナシンドロームが始まった?福島第一原発 ── TV朝日の報道に反響広がる
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槌屋治紀×高野孟:水素エネルギーは脱原発の切り札となるのか!? »

山田正彦(元農水大臣):「農政」大転換──大震災と原発事故からの農業再生

 3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島原発事故。その後メディアや経済団体の復興計画には「バラマキをやめて日本も『強い農業』にかえていかないといけない」「東北の農業再生計画には『強い農業』を」というの言葉が並ぶ。
「日本の農業の現場を知らないで、無責任な話はやめてほしい」(あとがきより)
 飯舘村をはじめ被災地を飛び回った山田正彦前農水相が「『農政』大転換」を執筆、震災後の日本農業の方向性やTPP問題、今後の政局についてインタビューで話していただきました。

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『農政』大転換」(2011年6月、宝島社新書)

*   *   *   *   *

山田正彦氏(前農水大臣・民主党衆院議員)
「大震災と原発事故からの農業再生」
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 食料の自給率は下がり続けて今では40%。コメの価格は1俵(60キロ)あたり24,000円が12,000円を切り、コメを作れば作るほど赤字の状態が続いています。経済界とメディアはこのままでは農家の高齢化が進み日本の農業が消えてしまうので、TPPに参加して「強い農業」づくりを急げと大合唱を始めました。

 本当にそれでいいのでしょうか。

 民主党が2009年に政権をとり、EUの制度を参考にしながら農家の赤字部分を定額で直接支払う「戸別所得補償」のモデル事業から始めて、これから本格実施に入ります。その内容がどのようなものなのか、私がいままで考えてきた日本農政のグランドデザインをあらためてまとめたい、とこの本を執筆しました。

─この本では東日本大震災からの復興計画に触れられています。各企業・団体からの復興計画を見てみると、「強い農業」とは大規模、効率化農業を目指す意見が多いです

 東日本大震災やTPPの動きを見ていると、いまだに規模拡大による構造改革、集中化など新自由主義的な発想で農林漁業をとらえようとする声がたくさんあります。私は大規模拡大さえすれば合理化され、利益をうみ、競争力が増すとはとうてい思えません。それは私自身が農畜産業で実践、失敗した実体験をもとにした意見です。

 米国も規模拡大したから競争力がついたわけではありません。トウモロコシは代表例で、米国がトウモロコシによって世界を席巻したのは、1973年から1エーカー(約0.4ヘクタール)あたり28ドルの補助金を生産者に助成して大量生産されたことに始まります。モンサント、カーギルなど大手の穀物メジャーの支配下で、種子、肥料、農薬すべてが系列化され、農家は大型トラクターなど設備投資に追われて膨大な負債を抱えています。補助金によって国際市場でもどこの国の生産物よりも安い価格が実現したのであって、自由競争で勝利したとは言えません。

 また、大増産されてあまったトウモロコシはその後どうなったか。近年放映されたドキュメンタリー映画「キング・コーン」をみるとよくわかります。トウモロコシは家畜のエサや甘味料「コーンシロップ」として大量に流通、加工食品や炭酸飲料となって一般家庭で消費されるようになります。そのトウモロコシのほとんどが遺伝子操作され安全性にも疑問があります。これらを本当に「強い農業」と言えるでしょうか。

 この本ではBSEや口蹄疫の問題にも触れておりますが、もし日本が自然に逆らって大資本のもとに効率だけを重視した「強い農業」の方向を進むことがあれば、いずれ食の安全・安心も損なわれることになると思います。

─食の安全・安心という点で、所得補償とセットに進めるのがトレーサビリティの推進でしょうか

 トレーサビリティを進め、すべての食品に原料、原産国、生産者の表示をすれば消費者が安心して食べられます。安心だけでなく、国産農作物の消費上昇が予想されます。

 私は5,6年前からすべての食品に原料原産国表示を求めて国会に2回も法案を出し、その都度その法案は葬られていました。「お茶飲料については原料原産地を表示すべきだ」と取り上げていたので、農水省は飲料用のお茶の缶にも5年前から表示するようになりました。それまで輸入のお茶を原料としていたのが、国産の茶葉にかわり、南九州はお茶の一大産地になりました。

 リンゴジュースにしても約9割は輸入果汁ですが、そのことをみんなが知らされていません。韓国に行けば原料、原産国が表示されています。日本がトレーサビリティを徹底すれば、海外産の果汁ではなく、青森県産のリンゴを使ったジュースを飲んでくれるようになるのではないでしょうか。きちんと食品表示され、消費者が見分けるようになれば、国産農産物の消費量は変わってくるでしょう。

─民主党農政については「バラマキ」という批判があり、特に戸別所得補償については自民党があらためるよう求めています

 農家への直接支払いは、今まで国から農業団体を通していたお金を直接農家の口座に振り込まれむ画期的なものでした。農家の約7割が支持しており、仮に自民党への政権交代が起こっても戸別所得補償をなくすことは難しいでしょう。バラマキと言われるが農業予算は自民党時代のままでシフトしております。

 日本は長いあいだの自民党政権の下で、戦後高度経済成長をとげて自動車や電気製品を輸出すれば、その大きな利益で安い食料をいつでも輸入できると「農林水産業の安楽死」を意図的に進め、その結果が農家の高齢化、自給率の低下という事態を招きました。

 EUやイギリスはかつて自給率が30%台まで落ち込んでいましたが、今では農家の平均所得の約8割は国の助成金で支払われ、自給率を回復しました。EUは農産物の関税を19%とし、日本の関税の倍ぐらいをかけてしたたかに食糧の自給を堅持しています。家族での農業を主体にして、農地法で企業、法人の大規模化は規制しています。米国ですら一戸の農家で平均193ヘクタールを耕しているが平均所得の3割は国からの補助金でまかなわれています。

 日本の水田稲作にしても、10町歩(10ヘクタール)以上を超えると規模拡大のメリットがないことがわかってきました。大規模化は必ずしも良くない。大規模化している法人は利益を上げているかというとそうとは限りません。小さく多品種を植えている農家がほとんどです。日本は日本なりのやり方があります。麦やコメ、蕎麦、大豆などを組み合わせて生産し、所得補償を受けながら4〜5ヘクタールでやっていけるような農家を大事にしたいという気持ちを持っています。

★ ★ TPPと政局 ★ ★

─「『農林水産業の安楽死』を意図的に進める」といえば、前原元外相の「1.5%発言」を筆頭に「農業vs輸出産業」の構図をつくったTPPが思い当たります。本書でも触れられていますが、TPPは今後どうなりますか

 TPPについて政府は6月を期限とするTPP参加判断の「先送り」を発表しました。しかし発表直後の5月26日、菅首相は日米首脳会談の席でオバマ大統領に「早期の判断」を約束したと報道され、無視できない動きを続けています。政府がハッキリと「TPPに参加しない」と言わない限りは予断を許さない状況が続きます。

 ようやく再開した「TPPを考える国民会議」では、7月にニュージーランドのジェーン・ケルシー教授(※)を招き、宮城県の被災地をまわって講演をしていただく予定です。国民会議の地方集会は8月から再開する予定です。

※「異常な契約─TPPの仮面を剥ぐ」(著 ジェーン・ケルシー/農山漁村文化協会)は近日発売予定です。予約はコチラから→http://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54010308/

─自民党は3月までに党内で意見集約する方針だったTPPの結論を先送りしています。震災前後でTPPの情勢がかわってきました

 気になっているのは自民党と大連立を組むという話で、政策合意文書に「TPP推進」を盛り込む可能性があることを私は耳にしました。自民党はこれまで「民主党が進めるTPPには反対」と言いながら、谷垣総裁、石原幹事長、石破氏が基本的に推進の立場をとってきました。また自民党は農水委員会でTPP反対の決議をしようと言っていたがそれも中断、党内は二分されていることがわかります。現在自民党の山田俊男(やまだ・としお)氏と話し、自民党内のTPP反対グループと「国民会議」の役員同士の意見交換をしようとしています。

─TPPは民主党代表選にも影響があるのでしょうか

 民主党代表選の争点はTPPと増税でしょう。震災後、財務省はすでに国は800兆円の財政赤字があり借金でやりくりしている、他の予算を削るか増税をしなければならないと主張しています。いまは増税よりもお金をまわす政策が必要で、30兆円ほど復興のための国債を発行すべきです。政府が持っている預貯金、有価証券などの金融資産を財務省は公表しないが、700兆円はあるとみられ、米国の国債だけで100兆円を政府は保有しています。国債発行すれば金利が上がって大変といいますが、財務省の思い通りにさせたら日本はつぶれます。消費税増税をうたうような人がトップになってはいけません。

(取材日:2011年6月10日 / 《THE JOURNAL》編集部 上垣喜寛)

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【プロフィール】山田正彦(やまだ・まさひこ)yamabiko110124_4mono.jpg
1942年、長崎県五島市生まれ。民主党衆議院農林水産委員会委員長・前農林水産大臣。

1966年、早稲田大学第一法学部卒業。牧場経営、弁護士を経て、1993年新進党から衆院選に出馬し当選。著書に「小説 日米食糧戦争-日本が飢える日」「中国に「食」で潰される日本の行く末」「アメリカに潰される!日本の食―自給率を上げるのはたやすい!」など。

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

山田先生
よく言ってくれました。
そのとうりです。管首相はPPO推進といってますがデッタイにこんなものはつぶさないといけません。 高野氏はPPOに対する発言を聞いたことがありませんが賛成なんですか?反対なんですか?それとも菅さんのすることにはどんなことも反対しないんですか?

山田さんが、菅内閣からはずされたわけを、端的に綺麗に書いていただきました。
解りやすくて、面白く、結構なお手前でございました。

まことにTPPなどを言いだす輩は、国賊と読んでも構わないくらいの奴らでして、何を根拠に推進したいのかさえも、まだ明言された事は有りません。
何が大規模化でしょうか。
大型スーパーの動向を見てごらんなさい。
全て、きちんと、国民のための好環境が作られ、維持されていますか。
買い物難民は、発生していませんか。シャッター街は、出来ていませんか。

マスゴミや自民党は、民主党の政策を「ばらまき」といいます。
ばらまき、結構じゃございませんか。
またこの「ばらまき」命名は、大きな誤りで、
「国民へ直接のばらまき」と言わねばなりません。
自民党時代は、「(特権)団体へのばらまき」だったことも付け加えて説明しなければなりません。

おバカなTV知識人たちも、ばらまきを批判します。
このマスゴミや、野党どもの批判は、一体何なのでしょうか。
これは、民主党というよりも、
その民主党に一票を投じた我々国民を罵倒しているのだと云う事に、なぜ気がつかないのでしょうか。

誰も手を上げないのなら、山田さん、あなたが総理大臣に手を挙げてください。
小沢グループも、ホッとする事でしょう。

山田 様

私も各国を回りましたが、政策的に、どの国も衣食は、他のものに比べてきわめて安いということです。

総所得が少なくとも、衣食住に費やすお金が少なければ、生活は苦しくなりませんが、日本のように総所得が他国に比べて多くても、衣食住に費やすお金の比率が高いと、豊かな生活ができません。

大きな問題は、自動車のように付加価値が高く収益性の高い企業が給料をどんどん上げ、他の業界も人の確保の観点から給料を上げざるを得ず、無理に無理を重ねてきた結果、一部の業界を除いて、他の業界は、失われた年月が二十年になろうとしています。

自動車のように金額が張り、税金を多く納める企業の意向は政府の政策に大きな影響を与えます。その結果、重要ではあるが極めて弱い一次産業が大打撃を受け続けてきたと言えます。

今までの恩恵をさらに強化する方向になる、一方では、今までの苦しさをさらに強め、産業自体が消滅しかねないTPPを推進するなどの、いい加減に手前がってな企業資本論理は抑えるべきでしょう。事業を伸ばしたければ、消費国に進出する方向性を強めることが重要なのではないか。

生きていくための供給源である食糧を生産する農業、漁業に、真剣に目を向ける必要があります。今までは、競争の原理で輸出努力することが求められてきたが、各国が競って生産活動に力を入れ始めている現状では、輸出などに期待し偏重するエコノミックアニマル的行動は、国の方向を間違えるもとと考えたい。

山田先生を応援しております。

TPPに関しては、相当数の農業団体や地方議会が参加反対決議をしていると思われますが、その実数は現在どのくらいなのでしょう。6月の定例議会でも決議した地域があると考えられます。

「地方の時代」であるならば、その声に応えるべきなのではないでしょうか。

米農家とサラリーマンを兼ねていますが、サラリーを農業につぎ込んでいます。

ですが、親の健康を考えれば、医療費を抑えられる分だけ儲けです。もちろん、生きがい対策でもあります。

農業は、無料のスポーツジムとカルチュアースクールなんです。


しかし若い者がサラリーマンと単純な収入比較をして、挫折する人も多い。

農業の多面性は、生活の多様さによる豊かさにも通じているのですが、それを悟るのは、人生の晩年に近づいたときです。


ですから、単純比較でもサラリーマン並みになれば、
国民は安全な食料を求められるし
朗らかな田園文化は日本の世相に真の豊かさをもたらし、産業効率化至上主義社会の荒廃を癒してくれるはずです。

それを阻むのが感受性の乏しい似非文化人である一部の愚か者です。

山田先生
ここにコメント投稿させている皆様と同じように私も山田先生の農業・農政に対する考え方に賛成です。
動物である人間にとっても食は基本中の基本です。自然界に生きる人間以外の生物では食べ物を確保することが行動のほとんど全てです。
私は比較的恵まれたサラリーマン生活をおくる中で趣味で家庭菜園を行っていましたが、店で売っているような姿・形が立派なものはほとんど出来ませんでした。
遊びで作っているから楽しんでいましたが、農業を生業とするようなリスクの高いことは私にはとても考えられません。私が家庭菜園をやって得たものは心身の健康と「こんなに安くて申し訳ない」との感謝の気持ちで野菜を買うことができるようになったことでしょうか。
農産物が重要な国際貿易の品目であることは否定しませんが、国民の生存に不可欠な食の基本を支える農業は他の産業とは大いに異なったものと考えます。
諸外国とは異なった日本の国土事情にあった農業・農政をきちんと見出していかねばなりません。
山田議員の考えを実現できる政権が一刻も早く誕生することを願ってやみません。

<山田様>
こんにちは。民主党は目茶苦茶ですね。
党執行部及び官邸、閣僚は何で有権者をバカにしても許されるのでしょう。
小沢幹事長時代、党内民主主義がないと批判していた方たちが、党内暴走を加速させています。国民は、選挙で意思を明確に示しています。一度も菅政権にYES!のサインは送っていない。
党内民主主義以前に、民意無視の政権を生きながらえさせてきた責任は、民主党の議員みなにあります。
さて、私は小沢流自由主義の支持者ですので、段階を踏んだ関税の自由化には反対ではありません。FTAは、農家への直接的な補償が整えば、交渉も良いと考えています。
独立国として、あくまでも関税権は手放さずに、二国間の交渉なら、です。
しかしながら、TPPには大反対です。農業だけでなく、金融、人的交流(労働者)、医療、保険の障壁を全て取り去り、事実上アメリカ一国が相手にも関わらず、多国間を装い、日本は収奪されます。
乱暴すぎます。労働人口の流入が止められません。
山田様、どうか身体を張って止めてください。大震災で劣えた日本の国力の衰退が加速します。
石破なんか、菅にくれてやればいい。所詮、一緒にやれない人々です。

私は農業という分野からは遠く(?)離れた分野で育った人間ですので、農業の現場は全く分かりません。そういう人間が農業についてコメントするのは、少し気が引けますが、日頃から気になっていることを書いてみます。
まず、農業の目的というのは、単に人々に食料を供給する、ということのみなのでしょうか?勿論食料の供給、というのは目的の一つであり、それも重要な目的であることは解りますが、それだけではないのではないでしょうか?上のほうで第2種兼業農家さんも書いておられますが、それを拡大解釈すると、農業はいままで総ての文明と呼ばれるものの基盤となっているもの、と言う気がいたします。農業と伴に文明は起こり、農業と伴に文明は滅びる、といった性格のものかもしれません。直前の文の前段は真実に近いと思いますが、後段は私の創作です。(もっともらしく聞こえるかどうかはその人の価値観に依るでしょう。)
産業革命以降、世の中の主要原理は<経済>になりました。農業にもその経済の原理が適用できる部分は確かにあります。他人に対する食料の供給、という側面は経済の原理が適用される部分なのでしょう。ただ、そういう比較的解りやすい部分に対しても、農業と<経済原理>というのは相反する部分があるのではないか、という気がしてなりません。ですから、それ以外の文明論にまで遡れば、農業と言うものを<経済>の範疇で議論するのは意味がないのではないか、という気がいたします。
経済の原理に乗らないものを擁護する余裕はない、という議論があることは承知しております。が、私個人の価値観からは、社会の総ては<経済>の原理に従っているのではない、と思っておりますので、その意味で農業の問題にはおおいに関心があります。
大規模化して収益を上げる、TPPの参加して強い(?)農業を育てる(?)、などの議論は総て

私は、自家野菜以外は、米以外の作物に手を染めた事はありませんが、

農業の効率化は、多量の肥料投入と多量の農薬投入が進む傾向があるようです。

米国の農業の大部分は、企業的農業であり、

先住インディアンから奪い取った特別に広くて安い土地に、人件費をかけない大量栽培と必然的に起こる作物の病気を防ぐために、遺伝子組換作物の栽培と販売を、良心の呵責なく行う。

 それが米国の企業的農業です。


 日本の識者諸兄は、それを推奨している。
 識者諸兄は、金儲け至上主義、なのでしょうか?


 金儲けの名人たる商売人は、客との信頼関係の構築を第一としている。
 米国流農業は、そうした道さえ踏み外しているように見える。

 続かないのではないか?

もう一言だけ。

今の日本では、企業の農業への参入が推奨され、それを阻む規制が悪だという。


だが、我が町の昔からのデパートは、大規模店舗規制法(正確な名称は忘れましたが)の改悪によってすべて潰され、イオンが占領した。

しかし、あの規模では、人口縮小が進むと、撤退することは必然だ、儲けが少ないから。

そして地方は買い物難民があふれる。


農業も、一度食い荒らして儲けが少ないと言って撤退し、荒廃しきった農薬まみれの農地が残されるだけ。

 余りにも軽いんですよ、農業への考え方が。

先の口蹄疫の時に現地での活動を見ると如何に日本の農業を大切に政治行動されていることが伺えます。自民党王国の宮崎で、旧農政族が未だ幅を利かせている中でのご苦労をも推察できます。表に出ていない政治対立が、結果的に被害を更に拡大させた(収束はしたが)。この震災対応のこれまでの流れと同じとも言える。誰のための政治なのかの大局観を忘れずに、今後の政治活動にまい進して下さい。
さて、これは私見です。
全体像が見えない中での勝手な私の解釈かもしれませんが、本文中のご意見の中には、一部異論がある。
【日本の水田稲作にしても、10町歩(10ヘクタール)以上を超えると規模拡大のメリットがないことがわかってきました。】
日本の水田農業では、一生産単位辺り(ワンロット)が抱える農地面積は、10~15haが採算分岐点(米価の最低売価12,000円基準及び現行の補助制度内で)でないかと私は考えています。確かに中山間地や都市周辺部など、水田面積が確保できない場合もあるが、小ブロック(3~4ha)では、特殊米(有機栽培・無農薬米等)の栽培・販売体制を強化し、小ブロック単位が集合し、共同経営する手法もある。
こうしたことは、その地域の生産者自らが、アクションすることであり、国政が多くに介入する問題でないと私は考える。とは言え高齢化問題が深刻であり、アクションできない危機的な状況である。柔軟な思想や若い力をそうした地域に如何に導入できるのかの対策は、早急に策定する必要がある。中山間地対策がこれまでのように箱物対策(ハード)でなく、ソフト(人的活力)を生むものであって欲しい。
一般論として、多くの水田は広域水田地帯であり、経営の効率化から、生産コストと栽培条件を鑑みる政策に重点を置くものであると考える。そのための擁護する補助である政策であって欲しい。何故、ワンロット10-15haに拘るかは、稲作農家なら理解していただけると思う。以上でなく、ワンロットの倍数経営であることも明記しておく。
農家の個別補償制度の15,00円補助を農家へのばら撒きと批判する方々もおいでになるようだが、私は批判が違うと考える。これは、【農家保護】でなく、【農地保護】の政策である。国の資産でもある農地の役割は、農業生産物を生むだけでなく、国土保護の役割をも持っている。保水・治水役割や温暖化にも貢献している。
この役割を保つために整備が必要であり、放置すればその役割能力が極端に落ちる。その整備のためには、当然経費が必要であり、経費を掛けたくないから、農地放棄になる。
こうしたことも理解できない人の論理で反対しているのかとしか思えない(政党対立もある)。農業(農地)の持つ役割を知らないからであろう。
TPP・FTAなどの私見は以前に投稿している。現在の状況下では,TPP参加は断固反対である。一農家としての一票を信託したい。
もっとも、こうしたことは国政に嘆願することでなく、地元JAの体質改善が優先する事項でもあると認識しています。
更に言えば、農業界が経済界と同様に政治と深く繋がりすぎた。

一昨日の私のコメント、途中でちょん切れていました。失礼いたしました。(多分私の操作ミスです。)
長々と硬い文章を書きましたので、いまさら同じことを書き続けるというのも気が引けるので続きを書くのは止めておきます。
その代わりと言っては何ですが、ひとつ面白い(?)SFもどきを。
現在、人間が口にするもので、生命現象にかかわらないもの(つまり植物でも動物でもないもの)は、H2O(水)以外ないのではないかと思います。(もっとも水は総ての生命体の源ですが。)仮定として、食料が生命体と離れた無機質から完全に合成されることが可能になったとしたら、人間の社会はどうなるのでしょうかね?
食糧難の恐怖から開放された前途洋々たるものなのか、それとも人間が人間で無くなる地獄なのか。
なかなかよく分からないところはありますね。

いいですね、農業の議論は。

で、最初に整理したいのは、利潤追求至上主義の企業の農業参入についてです。


 企業は、売れる物を安く生産しようとする。売れなければ撤退する。その試行錯誤の過程において多くの農家を潰す結果を招くでしょう。
 現状においても多くの農家は潰れてゆくでしょうが、それを補うのが企業だとする話は、日本農業の旨みの少なさを知らない愚論で、とても企業が儲けを確保する状況にはない。
 そうした中で企業が進出すれば、「試して、儲からないから撤退する。」ことになるでしょう。

 農業への企業の参入を推進する者は、農業への補助金を抑制し、企業への補助金を増加させんとする者たちの無責任方便です。

 そうした政策を実行すれば、結果的には、日本農業再生に必要以上の国費投入が必要になるでしょう。

 まあ、中国の食糧が安くていい、という方には、日本農業は滅びてもかまわないという方も多いので、チョット議論が噛み合わないのですが。

 で、農業への企業参入が現状ではよろしくない、と考える方に対してだけ、のお話ですが、10ha規模の農業は、草刈りだけでダウンですね。田植え・稲刈りは無論、田起こし、代掻き、施肥、除草。すべてを行うのは農家では無理ですね。
 日本全国の圃場条件を変えるか、稲作収入の単価がアップして作業人を雇用するか、でしょう。

 1枚1ha規模の水田なら、10haの作付も可能ですが、30a規模の水田では、過重労働でしょう。


 採算の取れる農業は、米価の単価アップか、所得補償政策によってのみ、可能となるように思います。

第2種兼業農家 | 2011年6月26日 16:49様
農業議論としての追加
私も農業の企業参入には基本的に反対です。ことに農地権の取得に際しては、慎重であるべきと考えています。利益追求は、農業においてリスクが多く、一般の企業論理(利益を増大させる)が成り立たないからです。仰るとおり、赤字経営となれば、倒産撤退の憂き目にあう、後に残るのは荒地となる。そうした危険性が、多分にあるからです。漁業でも漁業権で企業参入に反対している震災地の漁業関係者と同じと言えます。
けれど、私はすべてが駄目とは思っていません。現在も一部であるように、契約栽培においては、民間企業などの営業力を利用できる。ただ、この企業に対しての信任が難しい。多くの水稲農家が、痛い目にあっている事実がある。農業や漁業において、営業つまりは如何に売るかということが不得手である。本来なら、農協や漁協にそれだけの力や人材がいればよいのだけれど、閉鎖的組織であるが故、広い人脈に長けた人材不足といえる。
また、買い手側の農業や魚業の理解者が少ないこともある。一部には、そうした買い手側の人材が増えてきている傾向のあるが、未だ、利益確保のために安く仕入れる傾向が大半です。
それが故、トレサビリティーの生産者の顔が見える政策の推進は、ある意味農魚業者に営業力をつけるものであるとも言えます。

前にも書きましたが私は農業の現場を知りません。細かい数字の実感がありませんので、どうすれば採算(!)が取れるのかはよく分かりません。ただ感ずることは、今の為政者も含めてこの世に生きている人々(ひょっとして農家の方自身にも)、<生命体>を育てる、ということに対するリスペクト(重い日本語を使うと面映いのでカタカナでお許しください)が欠けているのではないか、という気がしています。
農業のあれこれに思いをめぐらすと、経済の本質のこと、社会というものの本質のこと、さらには人間の本質のこと、等いろいろ考えさせられて興味は尽きないですが、あまり深入りしても<あぶない>のでここら辺にしておきます。
農業の実体を知らない者の世迷いごととお笑いください。

第2種兼業農家 | 2011年6月26日 16:49様
耕作面積に対しての私の私見の追加です。
水稲農家の作業をよくご存知と拝見しました。水稲作業の一部(育苗・乾燥調整など除く)に限ると、その農作業機の三種の神器であるトラクター、田植機、コンバイン(収穫機)の取得総額は、1,000万円を超えます。減価償却期間が5年で、大雑把な計算で、年間の償却費は200万円になります。これらの作業機の一日の処理能力が、1ha位であり、年間の作業適期(田植・収穫)がほぼそれぞれ2週間(14日間)位である。専業として、年間作付面積が10~15haが限度です。兼業農家であれば、休日利用として、5日間が限度であろう。となると、4~5haが限度と見れる(内転作3割で3~4haの稲作面積)。米価12,00円での1ha辺りの総売上100万円位になり、経費(償却費を除く)が5割以上を占める。純利益50万としても、機械の償却費すら出ない面積規模では、専業農家は成り立たない。3~4haでは、明らかに手出しとなり、多額の助成金をもらって、維持できるかが現況であろうと思う。こうした理由で、最低の採算基準面積が10haであると私が思う理由です。先の作業適正期の関係から、作付面積が15ha以上になる場合は、作業適期日数の関係からそれぞれの作業機が倍必要となり、倍数耕作面積のロットの必要性となる。でないと、機械の償却費倒れとなる。
ワンロット、15haの最低必要作業員は3人で、さんちゃん農業としても何とか成り立つ。専従作業員であれば、農閑期の作業も考えないといけない他の要素も多いが、一つの米生産損益分岐点の指針として、私は考えています。
又、1ha田は、平坦化等の問題が多く作業効率が悪くなる場合もある。私自身の経験からすると30~50aがベストです。

本田 勉 様

有難うございます。

私は現在、2haの水田を経営する兼業農家なのですが、採算分岐点については、本田様の言う事に同意しています。

近くに1ha規模の圃場整備地域があって、借用により規模拡大をするかな、と考えているところです。
借り賃は、10a当り1万2千円ですから、10haで120万円となります。


そこから上がる所得は、400万円くらいで、更に土地借用金と機械の減価償却を考慮すると、年間100万になるのでしょうか。

 つまり農家戸別所得補償なしには、成り立たないようですね、最高に好い条件でも。

ちょっと、一般的には興味の無い話題かな?


 通常の圃場条件はこれよりも悪く、作業効率の関係から、規模拡大など不可能ですね。

 草刈り作業で、倒れてしまうでしょう。

第2種兼業農家 | 2011年6月27日 07:26様
再レスありがとうございます。農業問題に関心のない方には、面白くない内容ですが、私自身久しぶりに農業談義ができて愉しんでいます。
私の先の経費には、更に自身の利益(生活資金)は含まれていません。つまりは、最低ラインといえます。生活資金を捻出するには、償却費を回しているようなもので、過去の資産を食い潰すものと言えます。幸いに私どもの米価が15,000円前後をかろうじて維持しており、差額の3,00円分が生活費に回せるものと言えます。
山田議員の3~4haで維持できる条件になるためには、米価が24,000円である必要がある。(原価が変わらず、利益率が上がる)一般の卸売りでなく、特別栽培米などの付加価値で、消費側と相対できる内容の継続条件が必要と言えます。そのためには、大型機械の導入や大規模圃場でなく、小さいまとまっている方が利便性があるといえます。こうしたためにも生産者の意識改革が必要ですが、私以上に高齢化では・・・となるのです。
一般の農業議論に効率化とよく叫ばれますが、水稲栽培(お米)が、年間に20日しか店を開くことができない商店、20日しか機械を動かせない工場である(2期作もできる地域があるが経費率は変わらない)。しかも製品単価が下がる、上がる見込みがない状況を全く理解していない発言と見ています。年間に20日間しか動かさない車では、修理費もかさみ、耐用年数も短いために買い替えが頻繁になる。
その中で如何に効率を上げるのか、農閑期の隙間、転作作物の作付などやりくりしているとも言える。経費削減には限界があり、付加価値や土地利用の効率化の限界に挑戦しているとも言えます。
そこには、儲け主義など入り込む余地などなく、ただ、ふるさとを守りたいその一心と言える。
それ故に、今回の震災や原発事故の当事者の苦しみが、少しは理解できるのです。
不確かの情報ですが、お米の先物取引の上場が計画されていると聞く、経済社会だから当然と思う人もいるが、需要ー供給の以前に投機目的で不当に価格が上下する社会を私は毛嫌いします。
借地料は、基準ですね。
私は、4段階でやりくりしています。圃場条件で価格差をつけています。私の知り合いには、10段階で、最低価格は、【ただ】若しくは、逆に地権者から頂いています。
更に厄介なのは、水管理や草刈ですね。
私を含めて多くの方は、地権者に水管理や草刈をお願いし、年間の管理委託料を支払ったりもしています。

本田 勉 様
有難うございます。

そうですか。地権者に水管理や草刈りをお願いしているのですか。

それなら大規模化も可能でしょう。地権者はそこまで譲っても、先祖からの土地が荒れるに忍びないのでしょうね。


私の近くの1ha圃場では、水はひねれば出てきますし、草刈り面積も30アール圃場よりも3分の一程度になっています。

それでも農業機械をそろえるよりは、と農地を貸しだします。


米作の就労日数は、兼業を可能にするほど少ないものですから、退職すれば30ha経営も可能だと思っています。


 いずれにせよ、企業と違って私は故郷から逃げられませんから、慎重の上にも慎重に、しかし道が見えたら大胆に、という心掛けをもって信用第一で取り組んでゆきたいと思っています。

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