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《第9回(前半)》陸山会事件公判傍聴記 ── 石川議員が受け取った1500万円はワイロではありません!

4月22日くもり。本日から東日本大震災で被災した釜石市在住の大久保隆規氏が審理に復帰する。公判の最初に登石裁判長が「一日も早い復興をお祈りします」と大久保氏に声をかけたことが印象的だった。

10時開廷。第9回公判では、午前に石川氏の取り調べをおこなった吉田正喜検事(当時は特捜副部長)が検察側の証人として、午後に昨年1月に10時間に及ぶ不意打ち事情聴取を受けた石川氏の女性秘書が出廷する。なお、今回の傍聴記は分量が多いので、前半と後半にわけてアップする。

まずは午前の部から。

陸山会事件の石川氏への事情聴取は、政治資金規正法の虚偽記載については田代検事が、水谷建設のウラ金疑惑については吉田検事が行っている。石川氏は逮捕時から一貫して水谷建設による5000万円のウラ金の受領を否定していたので、今回の法廷では水谷建設のウラ金をめぐる厳しいやりとりが明らかになるのだろうと思われた。

ところが、公判で持ち上がったのは、吉田検事が取り調べ時にとった唯一の調書で、その調書には、石川氏が議員となった後の平成19〜21年の間に、ある会社から計1500万円の政治資金を受領していて、それがワイロにあたると書かれているという。

また、その調書には石川氏が「議員辞職します」ということも書かれていて、陸山会事件の控訴事実とはまったく関係のない事実が突然公判で明らかにされ、その調書について争われることになった。まずは検察側による吉田検事への尋問から。
(──は検察官、「」内は吉田検事の発言)

── (1500万円のワイロについて)具体的に話してください

「それほど詳細を聞いたわけではないですが、平成19〜21年に1500万円を受け取っています。『議員活動のお金ですのでワイロだと認識しています』ということでした」

── 証人(吉田検事)から石川氏に「(この金は)ワイロだ」と言ったことはありますか

「ありません。その時は(石川氏には)職務権限もないので、そんなことはありませんでした」

── 調書をとった理由は?

「その前に(石川氏の)女性秘書の聴取が問題になっていて、石川さんに聞くと『私をかばおうとするからこんなことになるんですよ。私をかばわなくていいということで伝えていい』ということで、調書にしようということになりました」

── その調書には「議員を辞職する」と書かれていますが

「石川さんが議員になってからの話ですので、議員になった後に不正があったとなると、政治資金規正法にもワイロで間違いないことなので、辞職しますということでした」


そのほか、検察側からの尋問で、吉田検事は取り調べの際にメモを石川氏の目の前で破ったことも認めた。

この「ワイロ」とされる部分についてはその日に各紙で報道されていたのでご存知の読者も多いと思うが、その多くが吉田検事の証言をそのまま報じているので、法廷でのやりとりが正確に伝わっていない。そういったこともあり、石川氏は公判終了後に報道機関に申入書を入れていて、その中ではこの調書について「無理やり署名させられた」と語っている。弁護側の反対尋問の前に、その申入書を先に公開しておく。

申入書

私が、国会議員としての職務に関し、賄賂を受け取ったことを認める旨の供述を行った旨の報道がなされていることに対し、下記のとおり申し入れを致します。

1 私としては、そのような検察官調書を取られていることは事実ですが、私は賄賂など受け取ってはいません。
 真実は、私が支援者等から受けたパーティー券収入等について、検察官から「そんなものは賄賂だ」と決め付けられて調書にされ、署名を迫られたのです。

2 そして、この点につき、私の女性秘書が別の検察官から逮捕されると脅されていたので、そのような事態を避けるため、私は致し方なく署名しただけです。要するに無理やり署名させられただけです。

3 現に本日の公判に証人として出廷した検察官も、賄賂であるなどと判断したとは証言しておりません。裁判の内容を報道されるのであれば、検察官からの主尋問の一方的な供述内容のみならず、弁護人からの反対尋問を経ての検察官からの供述内容も報道されるのが公平だと思います。
私としては、今後、報道が公平公正に為されることを要望します。

平成23年4月22日   石川 知裕
 


石川氏の言うように、ほとんどの報道が吉田検事が発した「ワイロ」という印象的な言葉に飛びついて報道しているだけで、そのワイロの内容までは精査していない。弁護人による反対尋問はこうだ。
(──は弁護人、「」内は吉田検事の発言)

── 賄賂が成立するには公務員の職務権限があって、その対価としてもらってはじめて賄賂になりますよね

「はい」

── 具体的に何を聞きましたか

「詳細は聞いておりません」

── 石川氏はなんでこれがワイロにあたると考えたのですか

「それはわかりません」

── それなのに調書を取ったんですか

「はい。とりあえずそういう供述があり、調書を取りました」


やりとりからわかるように、石川氏が受け取ったとされる1500万円は吉田検事もワイロとは認識していなかった。吉田検事の理屈は「石川氏が自分からワイロだとしゃべったから、それを調書にしただけ」という程度のもので、それが違法行為にあたるとは判断していないようだ。公判を最後まで聞いていたらその日の報道のような記事にはならないはずだが、夕刊に間に合わせたかったのか、この件の記事には重要な部分がごっそり抜け落ちていた。

引き続き、裁判官の尋問。これもあまり報道されていないが、裁判官は石川氏への聴取の際に目の前でメモを破ったことを繰り返し追及する。
(──は裁判官、「」内は吉田検事の発言)

── 石川氏の前でメモを破った理由は何ですか?

石川さんが「私がやった不正(ワイロとされる1500万円の金のこと)は認めてるじゃないか。だから水谷建設からの金はもらっていないというのは本当ではない」という言い方をするので、「いま聞いているのは(注:水谷の裏金のこと)はこの件とはまったく別のことなんだ」ということでした。

── メモを破る必要性は?

「メモというか、箇条書きしたものですが、これをサイドストーリーということで破りました」

── なぜ破くという行為になるのですか?

「水谷の5000万円というのは大久保被告の指示という疑いを持っていました。1500万円というのは個人の金で、5000万円というのは小沢の金なんだということで隠しているという疑いを持っていました」

── (被疑者を検事が)説得することとメモを破くというのは質的に違いがあるという認識はありますか?

「メモは箇条書き程度のもので・・」

── テクニックということですか

「そういうことです」

── 興奮していたのですか?

「複合的な思いがありました」

── 気の弱い被疑者であれば恐怖感を感じるのでは?

「取り調べの状況が必ずしも気の弱い被疑者といったものではありませんでしたので、そうは思いませんでした」

── どういう効果を期待していたのですか?

「弁解の形がその後に語らなくなるということを期待しましたが、そういうことはありませんでした」


以上で第9回公判の午前が終了。午後は石川氏の女性秘書が証言台に立つ。

※法廷でのやりとりは、筆者のとったメモを元に再構成したものです。

(文責:《THE JOURNAL》編集部 西岡千史)
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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

編集部のみなさん、ご苦労様です
(いま4月28日pm4:00頃です)

読んでいると、むなくそ(失礼)が悪くなるような検察の手口ですね。結果のためには手段を選ばずという体質そのもの。
それを無批判に、いや、恣意的に引用するマスメディアも少しも変わっていない(ように見える)。
エナルギー政策の転換と司法制度の改革こそ、いまやらなければならないものだと思っています。

ところで、先日の江田五月法相の特捜の全面可視化の試行をいますぐ実行せよという指導はどうなっているんですかね。これは江田さんの大ヒットだと思っているんですが、それがジャーナルでも、ビデオニュースでも取り上げられない。確かに原発という問題があることはわかりますが、それにしても全然取り上げられないと検察は影響力なしとしてせっかくの江田さんのヒットをなし崩しにすると思います。

いづれにしても、この裁判記録は今後を占うためにも絶対に必要なものです。
編集部のみなさん、がんばってください。

西岡さん、いつも記録をまとめるのはたいへんだとおもいます。ありがとうございます。
こんな検事に何年も自由な活動を制限させられた人が本当にお気の毒です。
日本は三権分立を基本として民主主義の国と学校では習いましたが、大違いですね。
数多くの司法の不備を政治で適正にできないばかりか、ストーリーありきの国策捜査まで、野放しにしてきたことは、国として恥ずべきことです。
国民もすでに解っています。「嘘ばかり」で日本を駄目にし、日本国民のためではなく、精神的に今も戦後捕虜の考えの既得権益者たちに、力をかす司法が、必要のない捜査や裁判で、税金を無駄にし、罪も無い人たちの人権を奪っている。日本にとってその時代に必要な人たちを縛りつけ、日本を奈落の底に導いたという歴史に残る名誉な称号を受けたいのだろうか。

西岡 様

第九回公判傍聴記、興味深く読みました。

池田氏のときの50枚もの常識はずれのFax 送信といい、今回の職務権限のないことを承知の上、1500万円の賄賂性の認識など、証拠固めが出来ないので、証拠固めをしなかったり、犯罪と関係のないことを、犯罪性があたかもあったような調書に仕上げています。

明らかに検察ストーリーによる公判であって、裁判官の印象誘導を図った意図的可能性告訴といえる。冤罪の多発する温床が露見していると見てよいのではないか。

常識的な裁判官であれば、検察の職務不法行為と判断して当然な公判と看做しています。こんな調書がまかり通っていけば、調書に著名したならば、可視化が実現しない中では、一般人は殆ど冤罪を被せられてしまう。なんとしても無罪を勝ち取ってほしいものです。

物理的に福島の原発はひとを穿ち、そしてこの検察機構を中心とした日本の規範という機構が人倫を撃つ。これを乗り越えなければ、日本の未来はない。辺見庸が教えてくれたアガンペンの著書「アウシュビッツの残り物 アルシーブと証人」には、今の、まさに日本で展開される倫理の究極の訴追に関わる提示が行われている。その危機感を持った報道は、ここ以外に見出せない絶望感は大きい。

問題は、石川氏が個人で得た資金が賄賂かどうかという事ではない。
本件は、資金収支報告書記載事実が期ズレなのかどうかであって、それと関係のない立件もされていない事案の真偽を公判で争われている事が問題なのだ。
証人の検事も職務権限もなく賄賂性がないと認識している事を敢えて調書に残し公判に証拠として持ち込む検察の恣意的行為や思考性の問題を突き、本件事件と何ら関係のない事案である事を公判で共有化をはかる事に集中すべきであるのに、弁護士は一体何をやっているのか。
問題の本質は、この裁判に実質的な働きをする弁護士が存在していないことである。

このままでは、本件裁判が「石川氏個人資金で賄賂性を認識」「水谷建設が資金提供を証言」などと起訴事実とは関係のない本質以外の事だけが記憶に残り、それが影響し石川氏が有罪判決など受けようものなら小沢氏への影響は計り知れない。

石川氏に今からでも弁護人を解任させ仕切り直させる事が急務であると考えるのだが。

[ o-hara ] 氏の言うように, これまでの小沢一郎氏問題に関わる裁判における小沢氏側の弁護人の無能さと頭の悪さには, 苛立ちを覚えない訳にはいかない。 弘中惇一郎主任弁護人になって, ようやく安心感を得たが, どうして弁護人という人種は, こうもお粗末で, 的外れな対応しかできないのだろうか。 文学部卒の友人が一年間勉強して, 司法試験に合格したところから, 司法試験が大した試験ではない事は了解していたが, 裁判官も検事も弁護士も, もっと質を上げない事には, 日本の裁判制度は劣化の一途を辿るに違いない。

江田五月の全面可視化試行・・・
こんなモノを、ポーズというのです。
やるふり、やるかっこだけ、やったところで、あくまで「試行」、お試しのみ。

へたすりゃ、「試行」期間ばかり長くとるだけ。
後は、「識者」が話し合って、「さらに慎重な検討が必要と思われる。」で、おしまい。

本当にやる気が有るなら、「試行」などという事は言わない。
法案を作って国会へ提出すれば済む話。
なんだったら、議員立法でもいいもの。

違いますかね?
xtc4241さん

もういい加減に、菅を捨てなさいな。
誰も笑わないよ。

元株やさん、おはようございます(いま4月30日4:30頃です)

元株やさんのいうように、やる気がないなら、「試行せよ」なんて言わなくてもよかった。
郷原さんや江川さんが入った「あり方検討会」の可視化の拡大よりもはるかに踏み込んでいた。
「あり方検討会」はある意味大人数の会議体の悪い面が出た提言だった。最大公約数的な表面をなでただけで検察にとってどんなふうにするかは検察の思惑通りになっていたでしょう。
それを「全面可視化を試行して、それで不都合なことがあるかどうかを検証しよう」という検察にとって逃げられないものになっていたと思う。ただ、それをちゃんと見ていなければ、また検察は甘く見るだろうということです。
それをチャックするひとが本来マスメディアの役割りだと思う。でも、いままでの経緯から信頼がおけない。だから、少なくとも信頼できるネット系メディアでのチェックが必要だといっているんです。

元株やさんは菅じゃなにもできないといってるんだと思うけど、それじゃ亀井さんがやるの?
森さんや麻生さんが出てきたのには驚いたというより笑ってしまった。
そういう時間を浪費するよりも、どうしたらエネルギー政策の転換や司法改革ができるかを考えていたほうがいいんじゃないですか。

どう思います?元株やさん。

xtc4241さん

貴方に乗せられて、もう一言。
最後の7,8行を除いては、全くその通りですよね。
私は、諮問機関などに図ることではないと思っています、可視化は。
だって、裁判は知識人たちだけのモノじゃないですからね。
一般人も、すべからく警察・検察の監視の下に置かれています。
それならば、知識人の干渉など不要で、国民一般が選出した国会議員の投票で決めればいいのだと思います。
法案は、法務大臣が提出しようと、議員立法だろうと、中身の勝負です。

さてさて、笑われてしまった麻生・森ですが、
特に麻生氏などは、災害対策だけだったら、菅の数倍の速さで事を進めるでしょう。
字なんか読めなくたって、関係ないですから。
お金をどこにどう動かすなんて事は、慣れたモノです。
大体が、金を使う事が、大好きなんですから。
役人との連携も、菅などは問題外です。
麻生氏は、人を使う事に慣れているからです。

亀ちゃんもそうです。

森氏は、自分の内容の無さを自分が一番知っている総理です。
神戸の時のまゆ毛の総理と同じで、これはという人物に、全てを投げ渡している事でしょう。
後の責任だけは、自分が取ると云って。
事は、スムーズに進んでいた事でしょう。

菅の「ズルサ」を嫌っていたのが3月11日まで、
菅の決断力の無さと無責任を嫌っているのが現在です。
も一つ、
人命の軽視も嫌う理由です。

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