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« TPPをめぐる俗論を反証する──緊急出版『TPP反対の大義』より
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世論調査の「TPP推進すべき」は本当? »

印鑰智哉:モンサント、ブラジルの遺伝子組み換え大豆「開国」の手口

ブラジルがいかに遺伝子組み換え大豆栽培の「開国」を迫られたか、そのプロセスを今ここでまとめておきたいと思う。

それは、WikiLeaksが暴露した米国政府へのEUへの恫喝よりもおぞましいやり方と言わざるをえない。交渉での威嚇というレベルどころか一国の法律も主権も無視した非合法手段を使ったものだからだ。しかし、違法な手段で開国させてしまったからといって、ブラジルの民衆はおめおめとそれを受け入れたわけではない。さまざまなレベルで闘いが繰り広げられた。そして今なお闘っている。ただし、その犠牲はあまりに大きいものであるが。

EUそしてブラジルでの遺伝子組み換え技術に対する抵抗を見る時、今の日本の民主党政権の遺伝子組み換え大豆栽培の承認に向けた動きを見せていることがいかにも異様に見えてくる。

このまとめが日本の遺伝子組み換え技術に対して取るべき選択について考える一つの材料となれば幸いである[注1]。

* * * * *

世界最大の非遺伝子組み換え大豆の輸出国が狙われたー非合法活動で強引に既成事実化

ブラジルはかつて世界最大の非遺伝子組み換え大豆の輸出国だった。遺伝子組み換え大豆の耕作は禁止されていた。しかし、現在ブラジルでは75%ほどの大豆が遺伝子組み換えとなってしまった。

遺伝子組み換え大豆の栽培はルラ前大統領の前のフェルナンド・エンヒキ・カルドーゾ(FHC)政権時代の1998年にアルゼンチンから遺伝子組み換え大豆の種子が国境沿いのマトグロッソドスル州に非合法に持ち込まれることで始まった。

持ち込まれた遺伝子組み換え大豆はいわば密輸品であり、FHC政権は持ち込まれた大豆を即時に処分し、持ち込んだ関係者の処罰をする義務があるにも関わらず、実際には遺伝子組み換え大豆の耕作実態をつかむ調査すら十分には行わなかった。そのためにどれだけ広範囲に遺伝子組み換え大豆が持ち込まれたのか正確につかむことができない。

この事態を理解するにはブラジルの地方の政治状況を知る必要があるだろう。ブラジルでは軍事独裁政権との闘いの中で民主化運動が大きく成長し、その中心にあった労働者党のルラ大統領が選挙で選ばれるまでに至っている。しかし、その一方で、農地はごく一部の大土地所有者に握られ、極端な富の偏在がまだ残っている。地方では大土地所有者の力は強く、マトグロッソドスル州では特にその傾向が強い。行政の力は時に弱く、地方の権力者の協力を得てしまえば、非合法行為もなかなか処罰されない傾向がある。

こうして大土地所有者への密輸という方法を通じて、モンサントはブラジルを遺伝子組み換え大豆生産国に強引に変えて、それを既成事実化してしまったのだ。

政治をめぐる攻防ー憲法を無視する法案

同時にモンサントが試みたのは強力なロビー活動を通じての法律の変更だ。1998年、モンサントは除草剤Roundupに耐性のある種子Roundup Ready大豆のバイオ食料国家技術委員会(CTNBio) による承認を勝ち取った。

しかし、これに対して、GreenpeaceブラジルとInstituto de Defesa do Consumidor (消費者保護協会、IDEC)はモンサントとブラジル政府を相手に訴訟を起こし、この承認の取り消しを求めた。この訴訟はGreenpeaceらの側の勝利となり、1998年から2003年まで、遺伝子組み換え大豆の栽培はモラトリアム(停止処分)となった。

2002年、大統領選挙で労働者党のルラは「環境と生活の質」をテーマに掲げ、非合法の遺伝子組み換え大豆の耕作の停止を公約した。大統領選でのルラの勝利で、環境問題、農業問題に取り組む広範な人びとから、遺伝子組み換え作物の栽培禁止の継続の期待が高まった。しかし、議会で影響力を強く持つ大土地所有者、アグリビジネスの利益代表者に対して、ルラ政権は妥協を重ねた。

2003年、政権が発足すると、ルラは遺伝子組み換え促進派を農務省大臣に据える一方、環境大臣には遺伝子組み換え技術に対して予防原則の適用の立場から反対するマリナ・シウバを起用した(後に大臣を辞任、緑の党の候補として2010年大統領選挙で善戦する)。

大統領に就任するやいなやルラは難問に直面する。すでに非合法に植えられていた大豆の収穫期が迫っており、モンサント、リオグランジドスル州政府、非合法に大豆を植えた大土地所有者からその収穫される大豆を承認するように大きな圧力を受けたからだ。

その結果、ルラ大統領は2003年3月に人や家畜への遺伝子組み換え大豆の 2004年1月までの利用を承認する暫定措置令を出した。これはルラの選挙公約に反したものだった。この暫定措置令は連邦地方裁判所の決定を無視し、この種の決定には環境影響調査が必要とする憲法に反するものだった。

この暫定措置令に対しては、遺伝子組み換え大豆に反対する大多数の農民、消費者、社会運動や環境保護運動から大きな反対が起こり、80の団体が反対する声明を出したが、政府はこれを無視した。

2番目の暫定措置令は2003年9月に出され、これは2003/2004の収穫に遺伝子組み換え大豆を承認するものだったが、この承認は遺伝子組み換え大豆の種子をすでに確保していた農家に対してのみ適用されるもので、2004年2月初めまでに8万1612農家が申請を行った。これに対して公共省が連邦最高裁判所にこの遺伝子組み換え大豆の承認は憲法違反であるという訴えを起こしている。しかし裁判所は未だ何も応えていない(2005年4月時点)

遺伝子組み換え大豆を連邦政府が承認する決定を行った後、ブラジルで2番目の大豆生産量を誇るパラナ州政府が、遺伝子組み換え大豆の州内栽培、輸送、船積みを禁止する法律を制定した(パラナ州はリオグランジドスル州に近隣州)。それに対して、リオグランジドスル州政府は最高裁に、パラナ州政府を訴え、パラナ州政府の遺伝子組み換えを禁止する権限は否定されてしまった。

一国の主権が、憲法が骨抜きに

モンサントのまったくの非合法な行為がブラジルの地方寡占勢力と結びつくことで、なし崩し的に承認され、その後のバイオセキュリティ法の成立過程で憲法が次々に骨抜きになっていく様がはっきり見える。

2004 年2月、バイオセキュリティ法案が下院で承認された。この法案はバイオ食料国家技術委員会のみが遺伝子組み換え作物の実験農場での評価をするというものだが、この時点ではバイオ食料国家技術委員会だけでなく、関係省庁も審議会とは別途、評価を行うことになっており、モンサントの遺伝子組み換え大豆は 2005年末までの耕作と期限付きで使用が許された。

8ヶ月後、法案がさらに改訂される。今度はバイオ食料国家技術委員会は遺伝子組み換え作物利用承認の唯一の機関となり、関係省庁の権限は削除された。憲法に規定された環境許可に関してはまたしても無視された。

2005 年3月、ルラ大統領が署名し、成立したバイオセキュリティ法では、遺伝子組み換え作物を栽培したり、商業化したい企業は、バイオ食料国家技術委員会に請求を出せばよく、委員会が承認の評価をすればバイオ食料国家審議会が最終判断を行うというものとなり、最終的に憲法で規定された環境や人間の健康に与える影響調査の義務も不要とされてしまった。この法の下では保健省と環境省は以前持っていた遺伝子組み換え種の自由化に対してそれぞれの領域で調査を行い、影響を評価する権限も失われた。

ブラジル社会の反応とブラジルにおける遺伝子組み換え食品表示規定

2003年12月の調査によるとブラジル社会は92%が遺伝子組み換え食品の表示は必要と考え、74%は遺伝子組み換え食品を食べたくないと考え、73%が遺伝子組み換え作物の自由化に反対であるとなっており、遺伝子組み換え技術に対しては強い反対がある。

遺伝子組み換え問題は98年以来、ブラジル社会での大きな論争点であり、前述の通り、大統領選での大きな争点にもなった。遺伝子組み換え大豆のモノカルチャーの拡大は環境問題のみではなく、農地改革や地方の人権問題にも密接に関わるため、広範な社会運動団体やNGOが取り組んでいる。土地なし地方労働者(農園労働者)運動(MST)は遺伝子組み換え大豆問題を大きくとりあげ、非合法に植えられている遺伝子組み換え大豆畑の大豆を破壊する直接行動にも訴えている。

2004年3月26日、遺伝子組み換え食品の表示規定を定めた政令が有効になり、1%を超える遺伝子組み換えの原料を含む人あるいは家畜用の食品には遺伝子組み換えの表示をすることが義務づけられた。これは日本の表示基準よりもはるかに厳しいものだ[注2]。しかし、ブラジル政府はこの政令の完全な実施をする具体策を示していない。

広がる不安−大豆モノカルチャーの拡大、除草剤被害、そして狂豆病

遺伝子組み換え大豆の生産が本格的に始まり、おりしも、気候変動問題でバイオ燃料の採用を先進国が決めたため、バイオ燃料の原料としての大豆の需要が伸びている。 現在(2010/11)では75%程度が遺伝子組み換えとなっているとされるが、さまざまな問題が持ち上がっている。

大豆増産のための農地開拓の矛先は森林の破壊であったり、先住民族や小農民の土地からの追い出しであったり、さまざまだ。また、大規模な大豆農場は軽飛行機で除草剤を撒き、大型コンバインで収穫するため、広大な土地で生まれる雇用はわずかだ。モノカルチャーは自然と同時に社会を破壊する。追い出された先住民族と小農民は日雇い労働者として劣悪な労働条件で働くか、都市スラムへと流れ込むか、選択は限られてしまう。

さらに追い打ちをかけるのが、遺伝子組み換え大豆の導入と同時に増加したモンサントの猛毒除草剤(その起源はベトナム戦争時の枯れ葉剤だろう)の使用である。除草剤に汚染された水を飲む周辺住民からベトナム戦争の時にたくさん生み出された先天性欠損症などの健康被害が続発している(それはアルゼンチンのレポートと共通する症状だ[注3])。

また、遺伝子組み換え大豆に狂豆病と名付けられた、狂牛病と同様に治癒不可能な病気が広がっているという[注4]。

大豆生産農家からも非遺伝子組み換え大豆を求める動き

遺伝子組み換え大豆は遺伝子組み換え種子と除草剤を売る遺伝子組み換え企業には利益を与えるが農家にとっては除草剤の負担や種子のロイヤルティの支払いなど負荷が大きい。Roundup Ready大豆の除草剤が結局効果を発揮しないという大きな問題も発生している。しかも、消費者が求めるのは、非遺伝子組み換え大豆であり、遺伝子組み換え大豆を一度選択した農家も非遺伝子組み換え大豆を要望するようになってきている。

しかし、大豆種子の流通を独占するようになったモンサントは非遺伝子組み換え大豆の供給を制限し始めて、農家から不満が高まっている。

この声に押されるようにブラジル政府はSoja Livre(自由な大豆)計画を2010年に発表した[注5]。これは遺伝子組み換えでない大豆の栽培を後押しするもの。

ヨーロッパから遺伝子組み換えでない大豆をブラジルに求める市場の要求は実はかなり高い。決して、ブラジルは遺伝子組み換え大豆にそまったわけではなく、非遺伝子組み換えに活路を求める農家も存在している。

結語

昨年の大統領選挙と同時に行われた総選挙では大土地所有層、アグリビジネスの利益代表者は相次いで落選した。ブラジルの民主化はルラの着任時よりもさらに進んでいる。

この遺伝子組み換えの「開国」はブラジルの民主化の進みきらない過程の中で、モンサントと寡占大土地所有者の連携によってぎりぎりのところで生み出されたクーデタのようなものといえよう。実際に検証すれば、この過程は法的プロセスとしても整合性を持たず、抜け駆け的な動きの連続でしかない。

正当に真正面から国会審議で検討され、しかるべき公聴会などで市民の参加も得て議論されていれば、現在のような形で遺伝子組み換えが合法化されることはありえなかったであろう。

ルラ政権はブラジル政権として始めて反貧困に積極に取り組んだ政権であり、評価されるべき部分も少なくないが、モンサントと大土地所有者に対しての妥協は後世に残る汚点となったといわざるをえない。

そして、その結果、モンサントの開発した大量の猛毒グリフォサートがブラジルの大地にまかれ、環境を汚染し、社会的にも先住民族や小農民に大きな苦しみを生み出すことになってしまった。この解決はさらに長い時間を必要とするだろう。

日本は果たしてこの「開国」要求に対して、どう対応すべきだろうか?

日本の農林水産省は12月24日から遺伝子組み換え大豆栽培の承認を前提としたパブリックコメントを始めている。これに対して、アジア太平洋資料センター(PARC)が市民からコメントを集めるオンラインキャンペーンを開始している。多くの方にご注目をよびかけたい。

この問題などのフォローはTwitterでも書いています。

http://twitter.com/tomo_nada

【注・出典】

1.このまとめの多くは Greenpeace Brasil "O CONTEXTO POLÍTICO DOS TRANSGÊNICOS NO BRASIL Abril de 2005" (原文、ポルトガル語)によっている(pdfファイル)

http://www.greenpeace.org/raw/content/brasil/documentos/transgenicos/greenpeacebr_050430_transgenicos_documento_contexto_politico_port_v1.pdf

2.日本での遺伝子組み換え表示は、原材料欄に記載されている原料の3番目まで、少なくとも原材料の重量に占める割合が5%以上であることという緩いものだ。遺伝子組み換えを使っていても表示しなくていいケースが多いことに注意が必要

参考: あいまいな日本の遺伝子組み換え表示(なお、残念ながらグリーンピース・ジャパンの遺伝子組み換えに対する取り組みは中断されている)。

http://www.greenpeace.or.jp/campaign/gm/basic/label_html

3.「南米を襲う遺伝子組み換え大豆と枯れ葉剤」参照

http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201101060905584

4.狂豆病について:Brazil battles spread of "mad soy disease" (英語)

http://www.gmwatch.eu/latest-listing/1-news-items/12554-brazil-battles-spread-of-qmad-soy-diseaseq

5.ブラジル政府 Aprosoja, Abrange e Embrapa lançam Programa Soja Livre (ポルトガル語)

http://www.embrapa.gov.br/imprensa/noticias/2010/novembro/1a-semana/aprosoja-abrange-e-embrapa-lancam-programa-soja-livre/

(この記事は「日刊ベリタ」から許可を得て転載しました)

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

大豆GM種子がブラジルに最初に持ち込まれた地域は、EMBRAPAが確認していますがマッドグロッソスルではなくリオグランデスル(RS)からだと思います。
当時マッドググロッソ(MS)の大豆農民(採算ベース約500~1500ha)はリオグラデスルでは不法に栽培され規制されていない、MSでもGMの栽培を認めろと農民が抗議をしていた。
当時、雑草のコントロールがコスト的にも限界に近かった農民はGMを求めていたことも事実。
現在でも多くの生産者からは、GM種の問題を認識しながらも、モノカルチャー農業が主流のブラジルでは大規模農業といえども、金融危機や為替変動の波に飲み込まれ、ぎりぎりの経営のところも多く、経済合理性を第一に振る舞うしかないと吐露する農民も多い。
法制定プロセスの問題も正に指摘されているような問題があると認識します。また農業経営の寡占化も進み中間層が急激に経営から撤退している事も事実で、国際貿易の構造問題とも絡み、輸出大国でもあるブラジルには悩ましいところです。

政治においても世界一高いと言われる連邦議員報酬もそうですが、成熟したものとはなっておらず危ういものがあります。

しかしそれでも、小規模農家の中にいる僕から見れば、GM問題も含めた農業と環境問題について、もっと農民に寄り添って、理念だけではなく経済的合理性を伴った提案をしなければならないと痛感している。
僕がいる地域では農民の食糧難への対応として三ヶ月間の食糧配布が行われています。農業大国ブラジルですが。

急速に大豆のGM化が進む理由の一つにBDFの法的強制にもあるだろう。現在B5(ディーゼル燃料に5%のバイオ燃料の混入義務)これをさB10,B20、B50へと上げていくという計画が公表されている。当然食糧以上にGMに対する垣根は下がるというか、もうすでに100%がGMなわけですが。

BDFに関しても大豆が原料の約90%なわけですが、実は大豆オイルより
家畜飼料としての搾りかすの方が
商品価値がるという事です。オイルは副産物とも言ってよいかもしれませんが、家畜への影響は全く問題にされていないと認識している。研究者がやりたがらないという事でもある。

ブラジル新政権は教育研究費の削減を目指しており、それでなくてもモンサント等から財政支援を受けている研究機関の、GMに対する抑制された研究結果しか出てこなくなる事が危惧される。

また、現在調査していますが砂漠化が危惧されます。

 マルクスの言う「原始的蓄積過程」は、原始的でもなんでもなく、今現在、さまざまな脱法、強圧、マスコミによる扇動(ペテン)をしながら、時には、国連の安全保障理事会で猿芝居を行なったりして、繰り返されている。
 資本というものが、本当に、周囲の組織を破壊しながら自己増殖し、最終的にはみずからが寄生している人体を死においやる悪性腫瘍に転じていることを、見る思いがする。ここで、モサント資本によって具体的に破壊されたのが、ブラジルの憲法や法秩序であり、さらに農場を中心とした生態系による自然秩序である。同じように、イラクの法秩序と無数の人命が失われ、アメリカの金融市場の秩序もほしいままに破壊された。日本でも、国民主導の政権が瓦解し、選挙で話題にもならなかった法人税減税が強行され、単純化した議論による扇動で、TTP導入されようとしているし、郵政改革修正法案の可決もどうなるかわらない。
 癌は細胞が本来持っている力強い生命力である細胞増殖プログラムが、抑制されなくなって発病する。現在、人類社会や、自然生態系にあらわれる、資本の自己増殖による破壊現象も、本来は健全な範囲での労働意欲、社会貢献意欲をかきたてるお金をもうけたいという欲求、あるいはえらくなりたいという欲求が、抑制されなくなって発病しているといえるのではないか。それが科学技術という、まさに「きちがいに刃物」を持たせたような状態になって地球規模の影響がみられるようになった。
 たぶん、これを内面的に抑制していたのが、宗教だったのだろう。ブータンのようなチベット仏教に沿った、GDPを国民の幸福の指標としないような国づくりをしている国は、この波からはあるていど独立していられる。それから、本来は宗教に変わって、憲法が、現代の「十戒」となり、資本への抑制と、基本的な秩序維持機能を発揮するべきで、ベネズエラは国民の権利と共に義務を明示したやる気と誇りの出る憲法を制定し、ある程度は成功している。消費者や投資家、労働者や経営者である前に、自分たちの憲法をもつ国民である誇りがでてくるし、それが、消費や投資、労働、経営の枠組みになる。しかし、わが国では、大人たちが、日本国憲法を、本気でそれを指針にしてを持って生き、また子供に教えようとはしないし、その前に、赤子のころから消費者として登場し、日本国民であることへ意識する機会がない。本来は、国の基盤である憲法に、日本の歴史や、2次大戦の敗戦の経験から学んだことも含めた知恵がわかりやすく独自の形で結晶化しており、それが経済活動の前に、豊かさの追求の前にあるべきだと私には思われるが、しかしそうではない。これは、抑制のはずれた巨大資本(マスコミの独占体制も含む)にとっては原始的蓄積過程に入るには、もってこいの草刈場の社会環境を提供している。
 巨視的には、こういうことがおきているのではなかろうかと最近思います。

2010年10月に住友化学が遺伝子操作の「米モンサント社」と長期的な協力関係を結んでいます
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/gnews/news_pdf/20101020_3.pdf
経団連の米倉会長(住友化学)が、日本の国益に反するTPP加盟推進に邁進している理由は、日本全体の産業の為ではなく自社への利益誘導の可能性が高いです。因みに世界一の乗っ取りファンドであるブラックストーンが、2009年に、住友化学の筆頭株主になっています。


モンサントが世界中で行ってきた事実は、以下のとおりです。TPPを推進すると日本にもこういう未来が待っています
http://alternativereport1.seesaa.net/pages/user/search/?keyword=%83%82%83%93%83T%83%93%83g&vs=http%3A%2F%2Falternativereport1.seesaa.net%2F&fr=sb-sesa&ei=Shift_JIS

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