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シリーズ小沢一郎論(8) ── 形式主義のワナの背後に安易な権力維持の誘惑

日本一新の会 達増拓也(岩手県知事)

 民主党の岡田幹事長が、小沢一郎氏の国会招致を国会決議も視野に調整を進めるということで、菅首相もOKし仙谷官房長官も賛成している。

 「検察の暴走」の尻馬に乗って、国会も暴走、という展開である。秘書や元秘書の根拠薄弱な逮捕・起訴や、小沢氏本人の根拠の無い強制起訴が不当であるように、根拠の無い国会招致も不当である。

 もともと政権交代阻止(=小沢つぶし)、という流れの中での「検察の暴走」だったが、政権交代を果たした民主党政権の中枢がいまやその流れに乗っていくという異常事態である。

 野党の意向に沿えば通常国会が楽になるだろうという期待と、反小沢のマスコミ世論に乗っておけばいいだろうという、その場しのぎ的な損得計算でやっているのなら愚かなことである。また、悪意があって、つまり、小沢つぶしという権力闘争を目的としてやっているのなら、邪悪なことである。

 民主党政権中枢とすれば、「世論を尊重しながら国会を乗り切る」という建前があるのだろう。その建前の下では、小沢国会招致は必要である、という事になるわけだ。しかし、それはあまりに形式主義的な論理展開であり、形式主義のワナである。民主主義体制が尊重すべきは「民意」であり、「世論」ではない。民意は、基本的に選挙で示される。

 集中的な国民的議論と運動の末に、選挙結果が直前の世論調査の結果をひっくり返すことは多い。民意は世論とイコールではない。また、国会を乗り切るというのも、国民のための意志決定をするという中身がなければならない。

 今の日本の本当の民意は何かを真剣に考えれば、まずは格差社会化や地方切捨てを防ぐことであり、そのためにセーフティネットを充実させながら、経済・雇用を回復させることだろう。同時に、筋の通った外交・防衛政策を展開することである。そういう中身の問題で真剣になり、よい政策を実行できるのであれば野党に譲るところは譲る、という姿勢でないと、実のある国会運営はできない。そして、政策の中身で世論の支持を得られるように、国民に働きかけなければならない。政治にとって世論は従属すべきものではなく、動かす対象である。

 今の民主党政権中枢が、なぜ簡単に形式主義のワナにはまるのか。それは、権力闘争というもう一つの甘いワナにもはまっているからではないか。「検察の暴走」も、証拠がそろいさえすれば(でっちあげであっても)手続き的には起訴できる、巨悪を眠らせないためには積極的に起訴すべきだ、という形式主義のワナにはまったパターンだったが、同時に、小沢氏を排除できれば旧体制を維持して既得権益を守ることができる、という権力的な甘いワナにもはまっていたのであった。

 権力闘争といっても、体制を変革しようとする側は、形式主義では世の中を変えることはできず、中身で勝負しなければならないから、ワナにはまりにくい。形式主義は現状維持になじむ。体制側が、不当に権力を維持したい、楽して権力を維持したいという誘惑に駆られる時、形式主義のワナにはまりやすいのではないか。

 権力者でいるということは、その分大きな責任を引き受けるということであり、より多くの苦労を背負うということである。権力者はそれができ、それに誇りを持つ者でなければならない。権力者は、楽をして権力を維持しようと思ってはいけない。楽をしたいなら野に下ればいいのである。政治や社会の悲劇は、権力者が権力者でいながら楽をしようとすることから始まるのではないか、ということを改めて考えさせられる。回答を求めたい。

★   ★   ★

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コメント (13)

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

愚かで醜悪な執行部のごり押しで政倫審がもし、強行されるのなら、せめて、それをプラスに持っていけるように小沢氏も周囲も対応をしてほしい!決して負けずに滅茶苦茶が予想される質疑を坦々とはねのけてほしい。応援しているものが大勢いるのだから、ストレスに負けず、気持を強く持ってほしい。又、周囲も相手にも飲まれて黙り込むのではなく、応援質疑、応援攻勢を元気に仕掛けてほしい。
本当に祈っています。小沢氏の健康が害されませんように。

達増 様

権力維持を図ろうとすれば、安全第一の現状維持、形式主義であることは、お話の通りであり,菅政権の行っていることは、全く理解を超えている。

1.代表戦における相手が、拮抗した支持を得ているのに、処遇を一兵卒にしてしまう不思議さ。安定した権力維持など出来ない。

2.政権の重要閣僚が、問責で辞任せざるを得ない状況下において、拮抗する勢力の人間を別件で人身御供をして延命を図ろうとする。問責が免除されることなど考えられないのにである。

菅政権が何を考えて、政権を担っているのか、全く分からない。具体的な政策は、単なる予算上の羅列であって、理念もなければ、展望もないのである。政権を取って、党内闘争が主眼であっては何をかいわんやである。

小沢氏の考え方も全く分からない。これだけ虚仮にされ、小沢グループはいらないに等しい仕打ちを受けながら、党内に残っている。今回は、野党の問責を受け、実質的罷免要請を受けながら、別件で野党の批判をかわそうとしているのに、小沢氏以下グループの面々の抗議が生ぬるく、抗議になっていないのである。私に言わせれば哀願のように見えてしまう。

民主党は、全く常識では理解し得ない党である。こんな状態では、民主党を支援する多くの人は離れていくのは間違いない。調整する人が独りもいないのでは、致し方ないかもしれない。自民党、みんなの党の後塵を拝することになるのは必然だと思っています。

小沢氏を排除して既得権益を守ろうとすれば、もっと巨悪な既得権益者が民主党を潰しにかかることに気が付かない幹事長にも困ったものです。
小沢氏がいる民主党だから、野党も検察の暴走を理解しながら、証人喚問要求を政局のために利用しているのです。小沢氏が何度も挙党一致の理念で党に対して手を差しのべているのに、
排除しようとするのは、党のためには決してプラスにはなりません。政治は形式的なものではなく、人の情が根本にあるべきです。本当に歯がゆいです。

世の中が変わろうとしていたから、民主党に政権が回ってきたのに、世論を民意と誤解している民主党執行部。その通りです。本当は曲解でしょう。

JMMのメルマガで、JPモルガン証券日本株ストラテジスト:北野一氏が書いておられますが、経済政策から来る歪みの是正を一言で表すと「国民の生活が第一」になる。と。

@@@以下引用

2006年に民主党代表に就任した小沢一郎の言葉は興味深い。「変わらず生き残るためには変わらなければならない」。映画「山猫」の有名な台詞だ。

@@@引用終わり

変らず生き残るという言葉に、「小沢一郎はぶれない」ということが重なり、変らなければいけないと言う言葉には、急激に変り行く世界情勢に合せて、或は国内状況に合せて、解決策を探ろうとする、先例に捉われない「小沢一郎」が見える。

ルキノ・ビスコンテを引用するなんて、なんて素敵なんでしょう。(ミーハー的に)
                 

達増知事様  いつもご高説ありがたく拝聴しています。 懐の深い小沢さんを逆手にとる菅首相のこれまでの所業は、日本人が忌み嫌う権力亡者の邪悪であり、人間性を疑わざるを得ません。 達増様の<日本人の民意はなにか>ですが。アメリカ支配層の意向なるものが、全てに優先される現状こそ異常です。他国の内政、まして首相の進退にまで干渉する同盟国ってありますか。自国権益の代償を高飛車に押し付ける米国の横暴には、私たち国民が、怒りの声をあげるべきと主張します。「主権在民」。日本は民主主義国家です。 国民がこの国の主権者です!! 

この週末の菅、岡田、仙石の行動、言論を見ているともはや民主党からこの一派を排除すべく行動に移すべきである。

 呆れて物が言えない、手がつけられない現状からして、こちら側も覚悟して闘って行かねばならない。

 民主党内の良識派に期待して終わる。

腹立たしいのを通り越して、あきらめに近いものを感じています。

形式主義などという”高尚”な問題ではなく、政治家として持つべき高邁な精神態度が欠落している極めて凡庸な連中が、背後の強大なパワーにごますりをしつつ、右往左往しながら、ねつ造された”世論”を駆動力として、今にもすっ飛びそうな権力を維持しようとしています。

小沢さんのおかげで、いろいろなことが凡庸な私にも見えてきました。感謝しています。

世界の政治、経済の状況は極めて危険なレベルにあります。ここ2,3年の間に何が起きてもおかしくないのに、盲目の政治家たちが大勢を占めているのが実情ですね。

今必要なことは、目ヤニで目がかすんでいる有権者たちの目をケアすることかもしれません。

小沢さんには是非、大暴れしてほしいと思っています。

達増様

>民主主義体制が尊重すべきは「民意」であり、「世論」ではない。
民意は、基本的に選挙で示される。

 集中的な国民的議論と運動の末に、選挙結果が直前の世論調査の
結果をひっくり返すことは多い。<


 詭弁、論理の破綻。「民意」至上主義を貫くならそれを前提に論を進めてもらいたい。

 民主党は先の参議院選挙で「政治とカネ」を問われ惨敗している。
それが原因で国会運営がままならぬ状態に陥っている。

そこで、野党が要求している「(政治とカネにまつわる)証人喚問」である。

 「民意」至上主義の論理をたてるならばもっと合理的な論理を展開して下さい。整合性がとれればその意見尊重致しますがいまは矛盾してますゆえ。

【何もやましいことをしていないと言うなら証人喚問に応じたり政倫審に出るべきだ】
最近、このような理解不能のコトバを良く耳にする(笑)このような発言をする人はもう一度義務教育を受けなおし、特に国語の授業の読解力や表現力を重点的に補習してもらいたい。【そもそも何もやましいことをしていないとするならば】寧ろ【証人喚問や政倫審には出る必要はないか、出てはいけない】と言わなくてはいけないはずである。子供でもわかる理屈だ。
逆に【小沢一郎氏はやましいことをしているからこそ、証人喚問や政倫審に出るべきだ】と思って発言しているならば、その発言者は【小沢一郎氏がどのようなやましいことをしているのか】人々の前で証明してみせなければいけないはずであり、その証明が済んだ後に人々の前で【だから小沢一郎氏を国会の証人喚問に呼びたいとか政倫審に呼びたい】とか発言しなければならない。今の所、新聞やテレビの報道を見聞きする限りにおいて、【小沢一郎氏のやましいことを】証明出来た人はひとりもいない(笑)したがって、今の所は、小沢一郎氏は証人喚問や政倫審に出る必要がないどころか、出てはいけない。以上。子供でもわかる理屈である。

匿名 2010年12月14日 00:40 様
 私は小沢潰しの政治謀略である「政治とカネ」問題で小沢氏が政倫審や証人喚問に出ること事態が間違っていると考えていましたが、あなたが指摘される論理立てに納得です。私の頭の中が整理された気が致します。
 確かに「やましいことが無ければ証人喚問に応じよ。」であれば全ての国民がが求められれば証人喚問に応じなければならなくなります。魔女狩り横行のとんでもない暗黒社会への扉を開くことになりますね。
 ご指摘、有難うございました。

>今の所、新聞やテレビの報道を見聞きする限りにおいて、【小沢一郎氏のやましいことを】証明出来た人はひとりもいない

こんな発言をたけしや関西の番組の常連である三宅久之氏の前で言おうものなら何時間でも説明してやると言って不動産購入や週刊誌との裁判で負けた話し、政党助成金不透明な会計処理などを延々と続けそう。

本当に疚しい事がなければ、証人喚問の場に出てくるべきである。

一理ある。必要が無いというのなら、ニコニコ動画とやらにも出るなと言いたい。出るなら可能な限りすべて出る。出ないならどこにも出ない。どちらともハッキリしない中途半端な姿勢が一番いけない。

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