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2011年はどういう年か

takanoron.png 2011年は、特に国際的に見ると、2012年の前年である。国際的に見なくても11年は12年の前年に決まっているが、そういう意味ではなくて、12年は、米国、ロシア、中国、台湾、北朝鮮、韓国そしてフランスなどで一斉に指導者の交代(もしくは再選)が行われる年であって、その前年である11年は、それらの国々を中心として世界が「21世紀の最初の10年間」を振り返りつつ、次の10年間にどう足を踏み出していくか、準備を競い合っていく年となろう。

●オバマ再選はあるか?

 あれほどの拍手喝采に迎えられて颯爽と登場したオバマ米大統領が、わずか2年後には「無能者」呼ばわりまでされるほどボロクソに叩かれて、11月の中間選挙で惨敗せざるを得なかったのは、当のオバマにとってというよりも米国民にとって悲劇である。米国民は、今ほど考え得る範囲では恐らく最良の指導者を選んだのだったが、しかしそこには、彼に託しさえすれば身の回りの不満や将来への不安がたちまち解消するかのような安易で過剰な期待も多分に含まれていて、すぐにそうなるものでもない現実の厳しさに直面するや、今度は急転直下、激しく苛立って短気になり、自分らが選んだ指導者に向かって石をぶつけるように汚い言葉を投げつける、一種の自傷行為に走っている。

 米国民にとって思い通りにならない「現実の厳しさ」とは何か。本論説は09年1月のオバマ就任演説へのコメントで次のように述べていた(i-NS476)。

「空前のお祭り騒ぎに送られて、オバマ新政権が出帆した。が、新大統領が漕ぎ出したのは荒れ狂う危機の海であり、一身に寄せられた過剰なまでの期待に応えて船を正しく導くことが出来るかどうかは、全く保証の限りではない。何しろオバマは、米国政治史上で言えば"黒人初の大統領"に違いないが、より大きな世界史的・文明論的次元では"アメリカ帝国が崩壊し始めて初の大統領"なのだから」

 米国は、外交・軍事面ではイラクとアフガニスタンの2つの戦争の失敗、経済・金融面では米国式金融資本主義の破綻と、両輪ともパンクした状態のままガタガタと帝国崩壊の坂道を下り始めている。オバマ一人の力でその崩壊を押し止められるはずもなく、彼に出来ることはと言えば、せいぜい時間をかけて、軍事力と金融力を振り回して世界を支配しようとする20世紀の米国ではない、"帝国以後"の21世紀の米国の姿を描き上げて、そこへ向かって出来るだけ静かに軟着陸させていく筋道を立てることであって、それに彼は取り組んでいると思う。

 ところが国民は、イラクとアフガンの戦争とその後遺症の深刻さが争点どころか話題にもなっていないことが象徴するように、帝国崩壊への漠然たる不安は感じつつもそこを出来るだけ覗き込まないようにし、ただ目先の借金苦や収入減や失業への不満を政府に向かって爆発させるばかりである。政治的に無責任であるばかりか知的に退廃している野党=共和党は、先の中間選挙を通じて、オバマの医療改革によって増税と財政赤字が増大するという批判はまだしも、それによって衰弱した米国が中国によって支配されることになるという恐怖の近未来シナリオをテレビCMで流し続けた。帝国崩壊の真実に目を向けるのでなく、まるでオバマの医療改革のために米国が衰弱して中国の支配下に組み込まれるかのような、出鱈目というかデマゴギーを撒き散らして国民の不安を絡め取ることに成功した。こんなやり方で、仮に12年の大統領選でペイリン候補か誰かで勝利したとしても、ますます国民が自分を客観視することが出来なくなって、硬着陸的な崩壊に突き進むことになることが懸念されるが、そんなことはお構いなし、共和党もまた目先の勝利しか追い求めていないのである。

 ハーバード大学のJ・クロッペンバーグ教授(歴史学)は『ニューズウィーク』12月1日号で「耳をつんざくオバマ批判が起きている今、彼が就任前に書いた2冊の著書を読み直すべきだ」と提唱している。すると、医療改革でも金融規制でも対アフガニスタン政策でも、自分が描いたシナリオに従って実質的かつ緩やかな変革を着実に実現してきたことが一目瞭然だ、その姿をゆがめているのは政治批評というアメリカのミラーハウスだ、と。

 このようにして米国が自分を見失いつつあることが、全世界にとって深刻な脅威であり、さて11年を通じてオバマはこの状況を突破する方向に踏み出して2年後の再選を目指すことが出来るのかどうか。それを占う上で最初の基調報告となるのは1月末に彼が議会で述べる一般教書である。

 11年はアフガニスタン戦争10年目に当たり、7月にはアフガニスタン駐留米軍の撤退開始の公約期限がやってくるが、10年末に発表されたアフガン戦略再検討結果では、1年前にオバマが決断した3万人増派も具体的な成果を上げておらず、「漸進はなお脆弱」で「アルカイダの完全打倒にはなお時間がかかる」とボヤくばかりで、明確な出口戦略を示すことは出来なかった。10年1年間の米兵死者は過去最悪で、開戦以来の死者数は1500人を超えた。

●排外主義

 経済苦境への苛立ちが草の根保守運動となって誰かに向かって吐き出されるという状況は、米国に限らず欧州でも共通だが、米国ではそれがオバマという強者への中傷に向かいがちなのに対して、欧州ではそれが移民などの弱者への迫害という一層陰惨な形をとっている。スウェーデンで9月に行われた選挙では、極右の民主党が「外国人を排除せよ!」と叫んで初めて20議席を得た。彼らが制作した選挙用のCMは、スウェーデン人の老婦人が歩行器に頼ってようやくのことで社会保障費を受け取るための窓口に近づいて行くと、その脇をブルカをまとったイスラム女性がさっさと追い越して先に窓口に並んでしまうという、およそ露骨なもので、さすがにテレビ局から放映を拒否されたが、欧州でも最も成熟した市民社会を持つはずのこの国でこんなことが起こること自体、驚きである。

 フランスのサルコジ大統領は、移民迫害という点では極右のルペン国民戦線党首と共闘を組んでおり、イスラム女性がブルカやニカブなどの衣装を公共の場で着ることを禁止した。また放浪の少数民族ロマ(英語ではジプシーと呼ばれる)に対しては、ロマのキャンプを解体して、10月1カ月間だけで8600人を掴まえてルーマニア国境へ送還した。イタリアでは、ネオ・ファシスト系の右翼団体が全国各地に2000の市民巡視隊を結成、社会から移民を一掃する実力活動に出ている。ロシアでもネオ・ナチの暴力行為が深刻になっている。

 フランスのジャーナリスト=イニャシオ・ラモネは「経済のグローバル化、EUの拡大と主権国家の変容、国境の消滅、移民の大量流入などが、多くの欧州人から、心のよりどころや生きる指標を奪っている」「不安や失業などの土壌の上に、昔の魔術師=極右がゆおみがえり、外国人、イスラム教徒、ユダヤ人、黒人に押しつける忌まわしい『排外主義』が復活している」と指摘するが(11月30日付読売)、その通りで、日本ではそれが、一方では菅・仙谷への反感、他方では中国、北朝鮮への憎悪、その両者が例えば尖閣事件で連動し合って余計に増幅されるといった形をとっている。

 11年以降も米欧日のこうした社会的病状はさらに広まっていき、国家の枠組みが解体されていくほど国家にしがみつこうする人が増えて本質的な議論から遠ざかって行くという矛盾が深まって行くだろう。

●ウィキリークス化

 米外交公電25万通の漏出で世界を驚かせたウィキリークスもまた、国家が溶融する時代の産物で、この騒動の本質は、伝統的な国家による垂直的な情報統制の原理に対してインターネットに象徴される水平的な情報共有の原理が対抗しているところにある。20世紀までのすべての国家の組織はピラミッド型で、そこでは情報の分節化が管理の要諦となる。すべての情報にアクセス出来るのは中枢トップだけで、そこから下に向かって職務と権限が細分化していくにつれアクセス可能な情報も分節化されていく。ところが、余りに巨大化し官僚化した国家は、そのやり方では必要な情報が上に上がって来ないばかりか、上が伝えたいと思う情報が確実にその現場に届かないという動脈硬化症状が生じ、組織が機能しなくなる。そこで、分節化を緩めて組織全体での情報共有を促そうとすると、インターネットの万民平等というアナーキスティックな本質がたちまち開花して歯止めが利かなくなってしまう。

 一方では、機密が多すぎる。今回漏出した米外交公電がそうであるように、そこそこの本物の機密も、単に公表がはばかられるというだけの愚劣な与太話も、何でもかんでも機密扱いにされるので、"機密のインフレ"(米『タイム』誌)が起きる。他方では、その機密にアクセスできる人が多すぎる。今回の文書にアクセス権限を与えられた政府職員が国防総省だけで63万人もいたというのは、もうほとんどお笑いで、政府が自分で街頭でバラ撒いているのと変わりがない。尖閣事件で漁船衝突の映像に最初は海保職員の誰もが簡単にアクセス可能だったというのも同様で、犯人を捜し出して処分したところでモグラ叩きのようなことである。

 11年を通じてウィキリークス化現象はさらに広がり、各国政府にとって手に負えないものとなろう。

●中国指導部の世代交代

 5年に1度、次は12年秋に開かれるはずの中国共産党第18回大会で胡錦濤=党中央委員会総書記・党軍事委員会主席(国家主席)は、温家宝=党政治局常務委員(国務院総理)と共に引退し、習近平=党中央軍事委員会副主席・党政治局常務委員・党中央書記処第1書記(国家副主席)及び李克強=党中央委員会常務委員(国務院副総理)に道を譲る。習と李は翌13年春の全人代でそれぞれ国家主席、総理に就任するはずである。中国にとって11年は、その10年に一度の大きな世代交代をいかに破綻なく進めるかに全力を挙げるべき年となる。

 2002年に江沢民から総書記のポストを引き継いだ胡錦濤は、革命第4世代の代表格であると共に、近年台頭著しい共産主義青年団(共青)人脈を率いる改革派。引退したとはいえ軍を中心に広く影響力を持っていた江沢民派=上海人脈中心=保守派を巧みに抑え込みつつ、何とかこの8年間、経済・政治・外交とも破綻を避けつつ緩やかな改革を進めてきた。その立場からすれば、次の第5世代に権力を継承するに当たって、共青人脈筆頭の李克強に主席を委ねたいところだったろうが、江沢民派はこれまで培ってきた特権や利権を失うことを恐れて、彼らにとって相対的にコントロール可能なように思える「太子党」代表の習近平を強く推してきた。確かに大幹部の子弟として全般的には特権・利権には目がなく、その点では保守派と利害が共通する太子党の連中ではあるが、しかし習近平に限っていえば、珍しく血筋に胡座をかくことを嫌って自ら望んで下から幹部歴を積み上げてきた苦労人であり、清廉潔白に徹していることで知られる人物で、そのため胡錦濤も江派に妥協することが出来たのだろう。とはいえ、習を太子党代表だから御し易しと見るのはたぶん江派の誤解で、主席になった習はむしろ江派はもちろん胡派についても利権漁りには厳しく当たることになるのではないか。

 この胡派と江派の陰鬱な確執に、対日問題も微妙に絡む。胡派は基本的に親日的であるのに対して江派は反日的で、江派が胡派に揺さぶりをかける国内政争の手段としてしばしば「反日デモ」を煽って利用したりする。昨秋、習が党中央軍事委員会副主席に就任でき(て総書記への道を固め)るかどうかというタイミングで尖閣での漁船衝突事件が起きたことが、この問題の処理が余計に複雑骨折的になった中国側の理由の1つである。

 11年3月の全人代は、第12次5カ年計画を決定する。グローバル化への対応とりわけ人民元の漸進的な国際化、環境・資源の制約を織り込んだ成長戦略、所得と地域の格差拡大への対策、高齢化社会への準備などがどのように盛り込まれるかが注目される。この計画期間中に起きる画期的な出来事はいくつかあって、(1)2014年頃に1人当たりGDPが1万ドルに達する、(2)2013年頃に中国の個人金融資産が10兆ドルを超える、(3)2015年を境に労働力供給が減少に転じ、高齢化が始まる、(4)2015年頃に、中国の歴史上初めて都市人口が50%を超え農村人口を上回る。これらの重要な社会的構造変動が、習ら第5世代指導部の下でさらにその次の第6世代が一斉に要職に上がってくるという世代的要素とも相まって、中国の政治的民主化にどのようなインパクトを与えるのかも注目される。

 香港の曽蔭権行政長官も12年3月に2期目の任期を終える。3選は禁止なので新しい長官が選ばれる。

 台湾も12年に4年に一度の総統選を迎える。馬英九総統は10年に野党の反対を押し切って、台湾・中国双方で806品目の関税を撤廃する経済協力枠組み協定を締結、これが11年から発効して段階的な関税引き下げが始まる。10年の台湾経済は「過去20年来で最高」と言われるほど好調で、11年を通じて中台経済交流の拡大効果が加われば、馬総統の再選可能性は高くなる。民進党は焦っていて、国民党=統一vs民進党=独立という旧図式に嵌ることを避けるため、同党独自の中国との対話窓口を新設して中台関係に当事者能力があることを示そうとしている。

●金正日引退?

 北朝鮮では、12年4月に故金日成主席生誕100年という大きな節目がやってきて、併せてその2カ月前に金正日総書記が70歳の誕生日を迎える。この年に「強盛大国」を完成するというのは金が前々から公言してきた目標で、その意味は「政治・軍事では既に(核も持って)十分な強国となった北朝鮮が、経済の面では『国民に白いご飯と肉入りスープを食べさせたい』という金日成の控えめな願望すら到底達成していない現状を急速に克服して、経済強国にもなって、3代目=金正恩への継承を確実にしたい」ということである。それを達成するには11年の1年間では余りに短すぎることは明らかだが、金正日の健康を考えると無理にでもそうしないと間に合わない。結局、中国の支援により強く寄りかかって、事実上の属国化することも辞さずに、いくつかの象徴的な建造物や産業プロジェクトを完成させて「経済でも強国になった」と叫ぶのが精一杯ではないか。

 先の延坪島に対する砲撃は、直接には韓国軍の射撃訓練に対する対抗措置であるが、より大きな背景で見るなら、(1)軍事強国ぶりを国内にも喧伝して「強盛大国」完成と金正恩後継を盛り立てる、(2)米国に対して「もう6カ国協議の再開とかではなく、平和協定交渉を始めよう」と誘いかける、(3)中国に対して「経済支援は受けるが、だからと言って言いなりにはならないぞ」という意地を示しつつ、他方では「北は黄海を米韓が支配することを許さない覚悟を持っている。中国も気を入れて米韓合同演習に敵対しろ」と尻を叩く----といった複合的な外交的・政治的狙いを込めたものと考えられる。これ以上の軍事挑発の繰り返しは、中韓米の我慢の限度を超えるであろうことは金親子も認識しているだろうから、恐らく12年まではこのような激越な軍事行動はむしろ控えて、6カ国協議に関してはノラリクラリしつつ米国との交渉の糸口を探ることになるのではないか。

 北の隠れた"武器"は実は金・銀・ウラン・レアメタルなどほとんど手付かずの豊富な鉱物資源である。中国は前々からそれを喉から手が出るほど欲しがり、札束で頬を叩くような態度で利権を買おうとしてきたが、金正日は中国に一方的に蹂躙されることを嫌い、日本との国交正常化を急いで、日本からの賠償見合いの援助金と技術支援を得て鉱物資源開発を推進し中国と日本が拮抗する形を作ろうとした。それが、2002年の「日朝平壌宣言」で恥を忍んで拉致問題で謝罪までして国交交渉を始めようとした背景だった。が、拉致問題が膠着して日朝関係は険悪化し、そのため北朝鮮はその役割を米国に期待してその鉱物利権をちらつかせた。それが06年以降のブッシュ第2期政権が急に北に対して妥協的になった理由だが、ブッシュもオバマも結局、6カ国再開で核の危険を除去してからでなければ平和協定交渉もそれに引き続く米朝国交交渉も始めようがないという姿勢であるため、結局、巡り巡って北の鉱物資源はほとんど中国の手に落ちそうな趨勢である。いま平壌は中国人ビジネスマンで溢れかえっている。

 この核=6カ国と平和協定のどちらが先かという問題は、本当のところ、北の言い分が論理的である。言うまでもなく、北・中国と韓国・米国は現在も国際法上では戦争状態にあり、単に休戦協定によって「撃ち方止め」の状態を維持しているだけである(韓国は休戦協定の署名者ではない)。その戦争状態の中で、米国がかつては韓国内の基地に戦術核兵器を配備し、それを冷戦後ブッシュ父が撤去した後も第7艦隊の核艦船によって常時、北を核攻撃可能な態勢で脅迫し続けているからこそ、北は自衛のために核を持たなければならない。逆に、休戦協定を平和協定に置き換えて戦争状態が解消され北にとっての核の脅威が除去されれば、北が核に手を染める理由もまた消滅するのであるから、そのほうが話が早いしロジカルでもあるというのが北の立場である。が、恐らく米国はその理屈を認めず、核を手放さなければ対話に応じないという方針を変えないだろうから、11年を通じて米朝関係に大きな進展はないだろう。

 ロシアも12年春が大統領選で、11年12月にはその前哨戦として下院選がある。プーチン率いる「統一ロシア」は、現在も下院の3分の2超を抑えていて、下院選でも大統領選でも負ける要素は少なく、現体制が続くことになろう。ただ石油・天然ガスの輸出に過度に依存した経済は構造的に脆弱で、資源の食い尽くし以外の発展戦略に軌道を移し換えることは容易ではない。ロシアが長く望んできたWTO(世界貿易機構)への加盟は、10年秋に米国が賛成・支持に転じたことから俄に実現に近づき、11年早々には準備のための報告書が完成すると見られる。

●菅政権はいつまで?

 先週の『週刊現代』のご託宣では「菅総理は年明け退陣へ、次は前原か岡田」とのことで、まあ実際そんなことが起きてもおかしくないけれども、前回本論説でも述べたように、そうは言っても倒れそうでなかなか倒れないのがこの政権である。最初の試練は1月末の通常国会招集で、野党は小沢一郎元代表の招致もしくは喚問、仙谷由人官房長官の更迭などを呑まなければ国会を開かせないと凄むのだろうが、そんな程度のことが菅退陣の理由になるのかどうか。

 小沢の問題はほとんど馬鹿げていて、小沢が言うように「何らやましいことはない」のであれば「だから出ない」のではなく「だから出る」のが当たり前で、それを岡田幹事長とは会わないとか何とかさんざん引き延ばして菅政権に1カ月以上も余計なストレスをかけ続けているのは異様である。出ないなら出ないで、別の打開策を菅・岡田に授ければいいではないか。「我が儘な子供が押し入れに入りて出て来ぬが如き話なり」(19日付日経)である。

 仙谷の問題は別の意味で馬鹿げていて、まずはあの問責決議自体がお笑いである。問責の真っ先の理由とされている「尖閣諸島沖中国漁船衝突事件における極めて不適切な対応」について言えば、そもそも前原誠司国交相(当時)が「逮捕だ!」と無理押ししたのが間違いの始まりであって、尖閣事件で問責に値するのは前原である。もう1つの理由とされている「自衛隊は暴力装置」発言に関して言えば、それが左翼用語であるというのも間違いだし、それを自衛隊に対して用いたことが「侮辱」に当たるというのもトンチンカンの極みであって、およそソレルもウェーバーもレーニンも読んだことがなくて最低限の社会科学の基礎教養もない連中の戯言である。

 参院で問責した仙谷長官をクビにしないと国会を開かせないという野党の主張は度が過ぎていて、それが罷り通るなら参院が衆院の意思を上回って内閣の運命を左右することが出来ることになってしまい、憲法の趣旨とも背馳する。問責への対応は本来「陳謝」止まりではないのだろうか。

 そこを乗り切って通常国家招集に漕ぎ着けたとしても、そこから先が大変で、3〜4月の予算案可決を乗り切ったとしても予算関連法案が通るのかどうか、さらに同じ時期に折り重なる統一地方選の結果がどう出るか、それ次第で菅政権はいつでも頓死する。とはいえ、民主党としては衆議院の圧倒的多数を握っている限り政権を手放す必要はなく、13年まで代表=総理が代わることがあっても政権が代わることはないのではないか。

●普天間基地問題

 12月17日に沖縄を訪問した菅首相は、辺野古移転を「ベター」な案として「甘受」するよう求め、当然にも仲井真弘多知事の拒絶に遭った。去る11月の県知事選では、仲井真33万6000票、対抗馬の伊波洋一=前宜野湾市長29万7000票と接戦を演じたが、2人とも辺野古移設には反対で県外・国外を主張したのだから、これはどちらが勝つかに関わりなく、県民は全員一致で辺野古移設は「甘受」しないという意思を示したことになる。この期に及んで一括交付金で籠絡しようとするなど愚の骨頂で、県民から軽蔑されるだけである。鳩山政権の置き土産である日米政府合意はもはや実行不可能であり、菅政権としては米国に対して、「全県民が辺野古移転に反対しており、強行すれば、県民だけでなく本土からの支援者も含め数万ものデモ隊が座り込みで抵抗するのを実力で排除しなければならず、流血の事態は避けられそうにない。それでもやれと言うのか」と開き直るしかあるまい。

●TPPとFTA

 米国主導のTPP多国間交渉は、年明け早々から本格化し、11月には合意達成が予定されている。日本は国内農業団体の強い反対があって決断を先送りし、6月にTPPへの対処方針と農業改革の方策とを抱き合わせで打ち出すこととしているが、いずれにせよ参加の方向に踏み切っていくことになろう。これまでも、ASEANが積極推進してきたFTAネットワークの形成に農業を理由に渋々一番後ろから付いていくという態度をとってきて、それで農業の衰退が止まったのかと言えばそんなことはなく、さらにこれからTPPが押し寄せて来ても来なくても、今のままでは農業の衰退は続くだろうから、論理的に言ってTPPと農業の衰退は関係がない。TPP不参加で最先端の輸出産業が打撃を被れば虻蜂取らずになってしまう訳だから、農業に相当の出血があることを覚悟して参加し、いよいよ待ったなしのどん底から本気の農業再生を始めるしかあるまい。

●地デジ化

 7月にテレビの地上波が完全デジタル化し、その目的に用いられる東京スカイツリーも12月に完工する。が、本当のことを言うと地デジ化は戦略的には無意味であり、従ってスカイツリーも出来た途端に無用の長物となって、単なる新しい観光名所として立ち続けることになりかねない。地デジ化を超えた放送・通信の融合による本格的なデジタル化の波が11年を通じて起きてくるのではないか。

●司法見直し

 5月に裁判員制度が施行されて丸2年となり、法に盛られている「3年後見直し」まで後1年となるので、議論が盛んになるだろう。併せて、村木事件での検察当局による証拠捏造冤罪事件の結末と絡んで地検特捜部の存廃問題が問われ、また小沢強制起訴裁判との関連で検察審査会制度のあり方も問題になるので、11年は司法大改革が始動する年となるだろう。▲

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 こんにちは。

 高野さん、お疲れ様です。
 
 ここに書かれた論説中、とても看過出来ない表現記述がありますので、私なりに訂正を試みておきます。
 
 
<訂正版>

 小沢の問題はほとんど馬鹿げていて、小沢が言うように「何らやましいことはない」のであれば「それでも出ろ」ではなく「だったら出なくてよい」のが当たり前で、それを岡田幹事長は会えないとか何とかさんざん引き延ばして菅政権に1カ月以上も余計なストレスをかけ続けているのは異様である。そもそも小沢への直接の連絡は皆無だったというのではお話にらない。ひっぱり出せないなら出せないで、別の打開策を菅・岡田は考えればいいではないか。知恵が廻らぬなら、小沢に正直に訴えて教えを請うなりすればよい。国対は、根回しなどを機能させないと明言しているのだから「我が儘な子供が押し入れに入りて出て来ぬが如き話なり」(19日付日経)とは、菅・岡田のことである。
 
 
如何でしょう?可也正せたと思います。
 
 様々な制度(政治倫理審査会規定、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律、三権分立という憲法の原則、憲法38条、・・・etc.)に精通されているハズの高野さんが、このような誤った記述をされるのには、余程思い詰めたご事情がおありのこととは思います。さらに、嫌疑を掛ける側が担う責任、訴明の責任を全く無視していて、少し焦っていらっしゃいますか?
 
《参考》

101223岩上安身氏による小沢一郎議員単独インタビューだだ漏れ生中継録画
http://www.ustream.tv/recorded/11595483

101223安保闘争をテーマに制作したドキュメンタリー映画「ANPO」
監督リンダ・ホーグランドさんへの岩上安身氏によるインタビューだだ漏れ生中継録画
http://www.ustream.tv/recorded/11597240

菅政権が小沢さんに本気で国会で説明させたいと思うならなら、小沢一郎さんを大臣にすれば良いだけである。

毎日のように予算員会で説明するであろう。

高野孟さん

久し振りの高野論説を大歓迎します。然も今回は、視野広く洞察深く世界情勢を俯瞰した論説故に、尚更熱烈歓迎が昂じます。また、20世紀と21世紀を対比させる時間軸の永さにも拍手!!(笑)

扨て、論点が多岐に亘るので、一つづつ反応させて戴くとして‥、その前に卑近な関心事である内政について一点だけ:
【とはいえ、民主党としては‥政権を手放す必要はなく、‥総理が代わ‥ても政権が代わることはないので‥】
此れはご主張として深入りは遠慮しますが、とはいえ観方が凄く冷淡or杓子定規な政局論or無味乾燥な法律論ですね。
政権交代の本当の【必要性】は、国益の観点からのみ論じられるべきであって、法律論や政局論から出る【必要性】は醜く歪んだ論だと思いますよ。敢えて「政治とカネ」問題での高野さんの表現を充てれば、前者は「広義の必要性」、後者は「狭義の必要性」となる。
「広義の必要性」を、予ての私の持論を当て嵌めれば、「善き政界再編」となる。


扨て、各論の「オバマ大統領」。
オバマの一貫した立ち位置、共和党の姑息さ、アメリカ大衆の苦悩と愚かしさなどなど、ご炯眼には敬意を表します。
若干付け加えるなら、中間選挙敗北後の凡そ2か月間に、減税継続、新START批准承認と立て続けに大きな政治成果を挙げている。単純な党派的対立だけが米の政治を支配しているだけではない。極く短視的だがオバマ大統領の失地回復が進んでいると思う、課題は山積しているが。
其れにしても、オバマ大統領の「高い理想を掲げて、世界と米国民に夢と光を与える政治姿勢」は21世紀の理想的リーダー像だと思える。国民には「夢も光」も観えていないのだが。
その間隙を縫って、TeaPartyが軽薄な【デマゴギー】とポピュリズムで勢いを回復している。今更言っても詮無きこと乍ら、巨大な経済危機で失業など生活に苦しむ国民大衆が【自傷行為】に走る時代の大統領としては、オバマは非常に勿体無いと。

「今の民主主義」は決して善い制度だとは思えませんね。
私見では、「別の民主主義」を創り上げるのは中国人だと期待している、100年掛かるでしょうが。其れまでは、世界秩序は不確実で不安定なままかも知れませんね。
草々

外交に関する論説は納得できる内容が多いのですが、菅政権への見方には疑問を感じます。高野さんの政局的な話ばかりが語られ長期的な政策の話が置き去りにされていることへの苛立ちは理解できますが、そもそも今の菅政権は支持を失っているというレベルを超えて、国民から嫌悪されている状態です。消費税増税、TPPへの積極姿勢、武器輸出三原則の緩和、法人税減税という政権交代を支持し民主党に投票した国民の心情を逆撫ですることばかりに熱心です。むしろ政権交代を支持しなかった側に迎合する”現実的な”姿勢が長期政権につながるという誤った認識に立っているのではないかと推測されます。どんな立派な政策論議も国民の支持という拠り所のない指導者のもとでなされていては、誰も関心を払おうとしないでしょう。

何をもって国民の支持があるというのかは簡単ではありませんが、判断材料として世論調査を参考に、選挙結果を最重要に見るならば、国民の菅離れは深刻です。そもそも現在の執行部は参院選敗北の責任を十分にとっておらず、正当性という点で疑問があります。責任の所在を曖昧にしてのりきろうとする姿勢は、尖閣での中国人船長解放の判断の責任を那覇地検におしつけるというやり方でもあらわれ、こういう汚さが国民から忌避される原因になっているのだと思います。

小沢氏の政倫審出席問題に関する、小沢は出るのが当たり前という点も理解できません。強制起訴が決定している以上そこで真実を明らかにすればいい、政倫審は司法では裁かれない状態の政治家の疑惑を明らかにする場だという小沢氏の主張は正論です。もちろん原理的な話はそうであるけれども、出席して国会運営をやりやすくするという政治的な判断もありえるとは思います。しかし今の執行部には政倫審出席を材料に野党と取り引きした形跡もありません。別の打開策を岡田さんに授けろ、というのも変な話で同じ党とはいえ競争している相手に対して、そんなことをする義理は小沢氏にはないでしょう(高野さんに言わせればそういうところが小沢氏の狭量さかもしれませんが)。小沢氏は話をもってくるならちゃんと野党に根回ししろよというmessageを暗に送っているのかもしれません。

このままでは地方から反乱が起こるという小沢氏の予言は不気味です。子ども手当の負担を拒否する自治体が相次いでいるようですし、統一地方選での民主党の議席は目を当てられない状態になる可能性が高いと思います。

高野さま

最近の高野さんの意見には賛成できないことが多いです。特に小沢氏の問題についてはいつの間にか検察主導で過去二年間にわたり小沢たたきを続けてきた大マスコミと全く同じ意見も出てくるようになってきて、とても落胆するやら、驚愕するやら、です。いつ、そして何がきっかけとなって、大マスコミと迎合するようになったのか、説明してもらいたいくらいです。田原総一郎氏とも交流が深いようですが、田原氏の影響でも受けたのですかね。まことにもって残念です。

高野 様

論説拝読いたしました。世界に向けた視点は素晴らしく、納得できるものですが、国内になると、論調が変わっております。同じ高野様の論説であるとは、到底思えません。

国際問題に対しては、鋭い観察眼を発揮されるのに、国内問題になると、硬直化した考え方に終始し、残念な気がいたします。菅氏、仙谷氏が気にかかっておられるのでしょう。多面的思考を取り戻されるように、切に祈ります。

高野様
 貴殿の理屈には決定的にかけているものがあると思います。それは政治体制や時代にかかわらず守らねばならない信義や治世の原則といったものかと思います。小沢氏に対する世論と称されるものや、民主党幹部の主張にはこれがない。このことは須らく尖閣諸島諸島事件や、その他の外交交渉での失敗に通じる基本的な問題であると思います。この政権の政策のどの部分を切り取ってみても同じことが言えるのではないですか。?

<高野様>
本年もジャーナルサイトにはお世話になり、ありがとうございました。
高野さんの見立てと私の見立ては大きく異なり、多分、その溝が埋まることはないでしょう。
しかし、菅政権が続くという見立ては私も同様です。しかし、それには前提があり、内閣を改造し、挙党一致体制を築く他はありません。党として、一枚岩になれず、年金の引き下げが何ら議論されないまま決まるなら、独裁以外の何ものでもありません。
菅政権の延命という私の見立ても、非常に後ろ向きの話であり、いつ起きてもおかしくない経済危機、安全保障上の危機に関し、前原総理よりもまだ挙党一致の可能性がある菅氏で乗り切るしかない、という判断をしています。
最後に高野様およびジャーナルサイトの事務局様、来年も良い年であります様に・・・。

昨今の高野さんなら昨日のIWJの小沢インタビューを見ても同じことを言いそうですね。
野党と折り合いを付けてないのに政倫審に出席しても「疑惑は深まった」と言われるだけでしょう。
元々「疑惑について説明させる」のが目的でなく、小沢氏を貶めるのが目的ですから証人喚問>離党勧告>議員辞職と要求がエスカレートしていくのは眼に見えています。
まずは野党と折り合いを付けてから政倫審への出席を再度要請してみれば違う返答も得られると思います。
あと、他の方も書かれているように高野さんの小沢氏に対する論調が変化した経緯について説明されてはいかがですか?

期待した政権交代も、なんら
意味も無く終わる2010年

改革なんて一つもできなかった
それどころか借金が増えるばかり

「自民党のせいだ」なんて、もう言えないはずでしょう

来年の統一選で民主の躍進はムリというもの。TPPに関しても、多くの国民が参加を期待しているのに、一部農家の権益を優先するのか

一説によると、2012年に地球は滅びるとか。終末思想は平安の世からありますがね。「こんな世界なら滅びてしまえ」と、思う自分もいます

民主党政権については「やらせてみせたが、自民党よりひどかった」と言うしかありません

高野論説の限界かなぁ

今の現況に言い方は悪いが世界がどうなろうと、「知ったこっちゃない」です。

オバマが良い政治をして政権が継続しても、それこそ北朝鮮や中国が、民主化して生まれ変わろうが、肝心の日本の国民生活が報われなければ・・・

勿論そうなることが良い事で、大事な話ではあるのです。しかし、それだけで日本まで良くなる筈が有りません。地方の国民には、他国を心配する余裕すらない事を知ってほしい。

今、地方経済は本当に窮地にいます。それが09マニフェストに期待した圧倒的多数の国民の叫び声なのです。

その選挙前から小沢さんに対する偽りの「政治とかね」問題をでっち上げた中での選挙でした。その大問題が消滅した!?のにどのマスコミも問題視しない。いや、態と隠しているのですよね。

今回の論説も取り上げもしないが、高野さんが本当のジャーナリストと言うのなら、逃げずに西松事件の結末を取り上げて説明して下さい。テレビの生出演時にハッキリと国民に説明すべきです。

出来ませんよね。それが何故なのか?一応判っていますが、ここでその出来ない理由だけでも語るべきです、真のジャーナリストならばね。

>>小沢の問題はほとんど馬鹿げていて、小沢が言うように「何らやましいことはない」のであれば「だから出ない」のではなく「だから出る」のが当たり前で、それを岡田幹事長とは会わないとか何とかさんざん引き延ばして菅政権に1カ月以上も余計なストレスをかけ続けているのは異様である。<<

恰も、小沢さんに非があり、悪がばれて不味いから出ないと言いたいのですか?

何度も何度も逃げずに、全ての質問に答えてきた。それをネットで公開しているのです。今さら困る質問などないのです。

出ない理由は簡単なこと。小沢さんの信条である国民生活が第一という理念に対して、今の菅執行部は敵だと判断したからでしょう。

もし、鳩山さんだったら喜んで出ていたと思いますし、当然総理に成っていたら国会で常にお馬鹿野党に追及されていたのです。

その、国民の敵だと認知した?(私の一方的思い込み)相手の希望に乗るほどお人よしではありません。(人が良いのは事実ですが)

解散すれば100%負ける政権が続くより、党内で執行部を追い詰める行動をとるのが定石だと判断したのでは?

終わった筈の小沢さんに頼るより、良い政治をすることこそ、菅政権が続く近道でしょう。

事情が変わり、マニフェストで謳った公約を全てやるぞと既得権益側がびっくりする演説を、国会が始まった第一声で言えば、支持率などあっという間に戻ると思います。

そして同時に革命への関連法案も提出する。そんな覚悟があれば小沢さんは喜んで国会に出てくれるでしょうね。

閑話休題

先程の日経電子版【首相、小沢氏らと25日会談へ 連合会長呼びかけ】
今更言っても詮無きこと乍ら、視野狭窄が本義である「連合」がこのような役割を担う立場にあること自体が、国家経営の操縦を間違える原因の一つAmongOthersですね。

元々民主党政権には薄弱な「国益視点や全体最適の視点」が消滅させられている。

長大な論説、御苦労様です。

大変に参考とさせていただく部分が多く、感謝いたします。
しかし、相変わらず日本の現状認識だけは、どこかよそのほうを向いてしまっているようで、残念でなりません。

「不安や失業などの土壌の上に極右のよみがえり・・・・・・・日本ではそれが、一方では菅・仙谷への反感や他方では・・・」
単純に感想ですが、
やや右よりな方々が反感を持って罵倒し続けているのは、小沢一郎のような気がします。
菅だ、仙谷だを相手にしているようには、あまり見えません。
もし、問題にしているとすれば、それはあくまでも「民主党」でしょう。
小沢もいれば、鳩山もいますから。

さて、どうしても触れないわけにはいかないのが「小沢さんのお話」です。
小沢問題が、ほとんど馬鹿げていて、何らやましくないのなら「だから出ない」ではなくて、「だから出る」のが、当たり前で「我儘な子供が、押し入れに入って出てこない如くだ」程度の問題であるならば、
なぜ、天下の評論家諸氏が総出で「小沢問題」を騒ぐのか?
なぜ、天下の大報道機関が、何をおいても「小沢問題」を取り上げて、「小沢の悪」を裁こうとするのか?「小沢出て来い」と、叫ぶのか。
なぜ、GDP世界2位の民主主義国家の「品格あふれる国会」が、小沢出てこいのドウノコウノと、大騒ぎを演ずるのか?

自民党のごときは、党首が「小沢さんを切れないような民主党とは組めない」と、
本来、「説明を求める」姿勢だった筈が、「切る」ことをはっきりと要求してしまった。

一体、これらの事実は、何を著しているのだろうか?
とてもじゃないが、ただのバカげた騒ぎじゃないと思える。
押し入れに閉じこもった子供の話じゃないと思える。
こんな馬鹿騒ぎが、2年近くも、延々と行われているのに、筆者はこれを「ほとんど馬鹿げている」と、切り捨てるのだろうか。

私は、「小沢問題」は、この国の民主主義の根幹に触れる問題になってしまったと思っている。
西松にせよ、世田谷の土地にせよ、数週間の問題であったならば、ただの馬鹿騒ぎだろう。

ところが、本来活動の自由を保障されるべき国会議員を、不法にも検察と言う国家権力を用いて無実の罪を着せようと図り、有ろうことか言論・報道機関まで使って一大キャンペーンを張り、1年10カ月を経る事件となっているのが「小沢問題」である。
代議士の行動の自由を奪う事1年10カ月。
無罪が証明されている「西松問題」が無ければ、総理大臣小沢一郎なのに、である。
おまけに、その罪というのが、本来なら「修正」で済む「微罪」ときている。
あくまでも、無実の罪だが。
その問題の題名こそ「政治と金」となっているが、本当の題名は、「民主主義崩壊の危機」だろう。

筆者は、これを素人の大げさと笑うかもしれない。

一人の政治家の、政策や手法について論評する事は、何も問題はない。
報道機関は、そお言った行動を取るべきだ。
政治家は、たがいに異論をたてあって、その政策を競うべきだ。

しかし、この「小沢問題」は、どうだろう。
はたして、メディアが小沢一郎の政策・理念を問題とした事がこの2年の間に一回でも有っただろうか。
私の記憶にはない。
メディアは、この1年10カ月、
ひたすら小沢一郎を抹殺する事を目的として行動してきたような印象を受ける。

筆者は、これをどう思うのだろうか。
やはり、「ほとんど馬鹿げた事」なのだろうか。

高野様

はじめまして。力作の高野論説、読ませていただきオバマと米国の国内事情に関してはほぼ同意見なのですが、いくつか疑問点もあるので下記に示します。

まずは小沢氏問題。他の方も指摘されているように、管総理、岡田幹事長は小沢氏の政倫審出席を野党との取引材料にされるおつもりがないようですね。
これはまさしく小沢斬り、すなわち民自もしくは民自公大連立への布石ではないでしょうか?
現執行部から仕掛けた権力闘争に対し小沢氏が「別の打開策を管・岡田側に授ける」ことができるとは到底思えません。
もっとも来るべき大連立時には前原新総理が誕生しているかもしれませんけど。
前原氏は最近09年マニフェストを全否定されたようですね。

次にTPP問題ですが、何かTPPとFTAをごっちゃに論じておられませんか?
ASEANの主要プレイヤーであるタイ、インドネシアはTPPを非常に警戒してますよね。
そして中国ロシアは冷淡。現状ではTPPに参加するとは到底思われない状況です。
また、韓国はFTA路線、これまたTPPに参加するなどと一言も言っていません。
このような状況下で、しかも海外生産が進み国内空洞化を招いている最先端の輸出産業が、TPP不参加によりなぜ打撃を受けるのか私には理解不能です。

今年のいつごろでしたかゲーツ国防長官が海兵隊に対し新たな海兵隊の戦略と位置づけについて提言するよう要求しましたが、管政権はなぜそれを利用して川内議員あるいは国民新党の下地議員の提言を採用して普天間基地問題を解決しようとしないのでしょうか?
そんな外交力のない現政権がTPPのような米国主導の多国間協議の場において「参加する気なら丸裸で来い」と脅されつつ、自国に有利なように条件闘争できるとはとても思えませんが、いかがでしょうか?

例の尖閣漁船衝突事件を機に米国は何かことが起きれば無条件に日本を守ってくれるんだ、と無邪気に思っている大多数の国民と同レベルの管政権にはとっととご退場いただき、できれば小沢政権が樹立されるほうがはるかにわが国にとってましだと個人的には思いますが、どうやら無理そうなので、醒めた目で政界とはしゃぎまくっている記者クラブメディアを眺めつつ、いよいよ日本脱出も視野に入れている今日この頃です。

うううんん、唐突な話なので言い方は難しいが、
田中角栄遺訓「肝心なのは、味方の多さではなくて、敵の少なさだ!」に倣えば、
「今肝心なのは、前進の幅の大小ではなくて、後退させるエネルギーの小ささだ!」

勿論、味方が多いに越したことはない、前進の幅が大きいに越したことはない。限界ぎりぎりを狙えばこういう考え方になるだろう。

高野さん
来年も菅政権が続くようでは国民にとっては受難です。
同じ党員でありながら総理の地与えてくれた小沢氏を守るどころか野党とグルになって政倫審→証人喚問と貶めようとする姿勢は人間として信頼できない。
本当に小沢氏の説明が聞きたいだけなのでしょうか?
それなら単純な疑問です。菅総理は20日に90分にわたって小沢氏と会談している。「説明することが党にとっても小沢さんにとってもいいことだ」なんて上から目線のお為ごかしを言わずに、そんなに説明してほしければ何をさておいてもその機会に本人に直接聞き、それを国民に明らかにすればよかっただけではないか?もっともらしい理屈はこねるが卑怯な思惑が透けて見えて到底支持できない。

連投、御免なさい。
最近、「日本脱出を考えている」の声を屡々耳にし目にする。
「自ら糸を切った凧」になりたいのかな、本当に?

齢幾つのご仁達かは知らないが、今の「へたれ日本」や「自分の生活のみに意を用いる軽薄な高齢者達」を前にして一時的な感情論なら理解もするが、
とはいえ、日本企業の海外拠点または外資企業の内外拠点で立派に通用している次元だけで自信を得ても、実際に「日本を脱出」して「文化も何もかもが違う異次元の世界」に身を投じて仕舞っては夢破れて自信を喪失して帰って来るのが「落ち」ではないのかな?「自分の国や自分の文化」とは重い意味があるのだけれど。その失意から反発する逞しさを勝ち獲るなら(この仮定は自己矛盾?)、「結果オーライ」だけれど。

見も知らぬ老爺が心配することではないけれど、海外でも立派に通用できる(と私が認識する)密度と、「日本脱出」を言う声の密度のギャップが余りに大きいので、一寸老爺心まで。

高野氏へ

小沢問題について正しい見解だと思います。小沢問題にけりがつけば、国内問題も早く解決して行くでしょう。

>一方では菅・仙谷への反感、他方では中国、北朝鮮への憎悪、その両者が例えば尖閣事件で連動し合って余計に増幅されるといった形をとっている。

グローバルな『排外主義』の復活が、なぜ「菅・仙石への反感」に連動し増幅されているとおっしゃるのかよく理解できず、違和感を感じます。
尖閣事件について、「菅・仙石」は中国と友好的に対応しようとしたが、世論がそれを許さず厳しい反応を示したということでしょうか。
もう少し「丁寧」な説明が必要と思われます。
重箱の隅をつつくような事を言って失礼とは思いますが、看過できませんので。

 「菅直人(あるいは初期民主党/政権に縁が無いころの民主党)を守りたい」

 という感情は理解できます。高野さんから見れば「親が子を思う」レベルのお話でしょうか。

 で、あれば論破はいたしますまい。

 ただ同じように「原初の民主党」を守りたい方々の共通点に苦言申し上げます。

 誰かを貶めても菅直人の評価があがることはありませんよ。

 小沢が悪い。
 野党が悪い。
 マスコミが悪い。

 結構。事実そうかもしれません。ですが仮にそうだとしてもそれは菅直人の価値ではないですよね。

 それよりも「菅内閣」のどのような点が良いところなのですか?
 明治維新に匹敵する転換期とやらをどのようにリードしているのですか?
 何か具体例を挙げてください。
 「結果」でなくとも結構です。

「こうしようとしています。この方向はこういう理由で正しいのです」

 それだけでもかまいません。

 菅内閣を擁護するなら「否定を否定」するのではなく、「肯定」をしてみせてください。
 無理なお願いですか?

 「フセインは大量破壊兵器を隠し持っている」などのでっち
上げでブッシュがイラク戦争を始めた時、コイズミがポチよろ
しく追随したことはまだ多くの人が記憶している。
 ただこのイラク戦争開始の前後に新聞、テレビ、雑誌などの
主要メディアに学者、評論家、文化人、コメンテイターなど呼
ばれる人種がネオコンの主張を正面からなぞる論説から、自信
なさげに賛成する言い訳めいた物言いまで一斉にあるいは唐突
に載ったことを記憶する人はあまりいないようだ(メディアと
情報操作に関心のある人には、ぜひこの時期の主要メディア、
せめて新聞と雑誌だけでも調査してみることを勧めたい)。
 えっ、こんな人まで、と思うような意外な人物までいわゆる
アメリカによるジャパンハンドリングの末端に連なっているこ
とが類推できて面白い。

 ある意味でこれと同じことが矮小な規模でであるが、今年の
2~4月以降に起きたようにみえる。言わずとしれた小沢バ
ッシングである。
 西松事件から今年の初め頃までマスメディアを通してバッシ
ングを担っていたのは、いわば確信犯的と目されても仕方がな
いような人物が中心で、あまり意外性はなかったといってよい
(それぞれ芸風は違っていたが)。
 ところが今年の2、3、4月の時期以降から民主党のコアな
ブレーンからミーハーな支援者と目される人物による小沢批判
が目立つようになってきた。
 その人のそれまでのコメント内容からすると唐突感があった
り、紙面自体が突如組み込まれたかのような紙面編集に違和感
が感じられたり、関心のある人は当時のメディアにあたってみ
るといろいろ気づかされことが多いと思う(ヤマグチだのフジ
ワラだのいろいろ学者連中の昨年から今年の2年間を丹念に追
ってみられたい)。

 おそらくいわゆるオリジナル民主党の中心メンバーとコアな
ブレーンや取り巻き連中、これをオリジナル民主党のインナー
サークルと呼ぶとすれば、小沢排除を仕掛けたもともとの権力
機構・メディア連合のインナーサークルとの間になんらかの話
しがついて、民主党インナーサークルの中のブレーンたちはメ
ディアの表舞台で、政治家メンバーは党内部から小沢攻撃をす
る、こうして小沢バッシングの第2段階がはじまったようにみ
える。
 以上は自分の推測であるが、このように考えるとウブカタな
どという田舎のちんぴら議員の騒動も含めて、これまでの小沢
バッシング騒動にほとんど合点がいくのだ。

 投稿者のかなりの人がこの『THE JOURNAL』の主催者の言説に
不信を表明されているので、最後に高野論説にも一言触れてお
きたい。
6月12日の高野論説「ダブル辞任はどちらが仕掛けたのか?
── それはともかく、さあ、菅政権!」からはじまって6月
26日「菅政権に仕事をさせるかさせないかという選択 ──
参院選に問われていること」、7月9日「ドタバタは止めて
菅政権に仕事をさせようではないか! ── 平成維新:2025年
までの遙かなる道程」、7月30日「政局はもう結構、政策の
議論をしよう!── どんなに急いでも2025年までかかる民主
革命」などなど、菅の長所を指摘して菅に仕事をさせようと呼
びかけるならまだしも、もっぱら小沢の欠点をあげつらうこと
に急で、高野さん、何をそんなに焦っているの?などと揶揄さ
れる始末。
 小沢問題をめぐって「ドタバタは止めろ!」とか「ほとんど
馬鹿げている」だとかいって責任を小沢に押しつけているが、
ドタバタを引き起こし、馬鹿げたことを仕掛けているのは仙菅
や岡田の方だろう。
 今から半年前頃にワタナベコーゾーが小沢は政倫審に出るべ
きといってることに罪人扱いすることだと批判したのはいった
い誰だったのか? 舌の根も乾かぬうちに(いやもう乾いたと
いうことか)「だから出るのが当たり前」という。
 ま、「小沢は終わった」という合唱の一翼をここの主催者も
担っているのだろう。さすがに立花隆のような見苦しい物言い
ではなく、それなりにいろいろ理屈を散りばめてはいるけれど。
 自分は過去に何度か投稿をはねられた経験がある。果たして
今回はどうか?

(日本人を止めた)無国籍人 様

小生ブラジルにおりますが、3月に帰国する事にしました。
皆さんから何故今日本にとよく聞かれます。
五木寛之さんが「下山の時代」と言われたことで救われた思いでおります。登った山からは下山しなければなりません。
ブラジルは今まだ登山中ですが「酸素ボンベを背負って登山ですか、早晩ボンベは空になりますよ、ボンベなしでゆっくりいきましょう」と話しています。彼等も理解はしているんです。

下山の時代を迎えた日本に戻ります。良い下山をしたいものですし、またふさわしい振る舞いをしていきたいと決断しました。百姓に戻ります。食ってはいけるだろうと、自信はないけど悲壮感はありません。

確かに日本は悲しくなるほど絆が壊され、社会が包摂性を失い、利他こそ最高の利己を忘れ、人間、他人との関係性なくして幸福は得られないという事を忘れてしまったのでしょう。

また国家の統治権力を預かる者達の成熟度が問われているのでしょう。

しかし、日本だけではありません。
多くの国の統治権力もまたもがいています。

投稿者: 元株や | 2010年12月24日 17:22

やっぱりあなたはおもしろい。以前から読んでいて共感できるコメントが多いですよ~。

僕も、小沢の問題はこの国の民主主義の根幹の部分だと思っています。これに比べると普天間、消費税など、他の問題は小さい問題だと思う。
昨年来、そこが解っていた人と、ここ数ヶ月のネットなどの現実の報道により徐々に民主主義の根本問題だと理解する人は増えてきていると思います。
僕もここでも以前から書いていますが、これしきの官僚や記者クラブメディアなどの旧権力側の横暴のトリックに、我々日本人が気づか無ければ、元々欧米先進国並みの民主主義が無かった(足りなかった)この国に、本当の民主主義が根付く事は相当時間がかかると思っています。
ある意味いっきに先進国並みの民主主義を開花させるチャンス!なので、国民のレベルを上げるためにも安易な説明責任である、小沢さんの国会ナントカは絶対に出ちゃダメだ。答えを安易に教えてもらうのでは無く、くだらなさに国民側が気づかないとダメ。

Peacebuilderさん 2010年12月25日 05:58

お久し振りです、お元気そうで何よりです!
また、ご反応、有り難うございました。が、私のどのコメントへのご反応なのか?定かではないのですが、「日本脱出」へのものなら、失礼ながらPeacebuilderさんは年齢的に全く想定の対象外でして‥(笑)、誤解があればご容赦くださいませ、ペコッ。
(細かなことは捨象して、Peacebuilderさんと私は同年代だと「自信の無い記憶」に残っていますので‥(笑)。)

そうですか、漸くご帰国を決断されたんですか。永い間の海外生活、然も困難の真っ只中の地域での命を賭けたご苦労に敬意を(陰でだけ(笑))表していましたが‥。お疲れさまでした。日本ではご自身を労わって上げて下さい。
日本は好い国ですよ。文化が素晴らしい。私が一推しの日本文化は「箸の持ち方、捌き方」です、勿論「正しい持ち方」ですけれど。最近屡々目にする「鷲掴み箸」には実際に目を背(そむ)けてます(笑)。
私のHandleNameに引っ掛けて言えば、(日本人を止め)ていますが日本に棲んで此の国の好さを満喫しています。偶に海外へ出れば、尚更実感しますね。

五木寛之さんの「下山の時代」ですか。
「人間の覚悟」は未だ読んでいなかったので先程注文しましたが、五木さんのことですから深遠な意義がある主張でしょうね。特に人間個人の人生に於いては深い意味があると確信できます、彼の得意分野ですからね。
然し、国家を対象に「下山の時代」を言っておられるのなら(そんな件りが無きにしも非ず)、其の仮定の限りでは「見当違いも甚だしい」と。
私見の詳細を申し上げる余裕は有りませんが、此の差異を決定づけるのは、人間は絶対に死を迎えること。他方、国家は経済も絶対に死なないし死んではならないこと。
下のSiteに私見を書いていますので、お時間に余裕があれば観て遣って下さい(照笑)。
制服組の偏った(私見!(笑))意見への投稿ですので、ざらつきはご調整ください。
http://jbpress.ismedia.jp/feedbacks/1695

呑気な長駄文を最後までお読み戴き有り難うございました。
来年春、桜の頃?お元気でご帰国下さい!
草々

高野孟さん その2(遠慮して此れを最後にします)


扨て、内政問題
小沢さんの問題は同意見であることは既知なので、省略。

【前回本論説でも述べたように、そうは言っても倒れそうでなかなか倒れないのがこの政権である。】
この考え方を繰り返される高野さんに「国益と国民が抱えている深刻な問題を解決」する意識がお有りですか?
流石に高野さんですから「有り」を想定して続ければ、過去一年以上に亘ってボスが代わっても同じ「未熟」を曝し続け成長の欠片さえ観えず、最近は一部に「腐敗」を見せ始めた民主党政権が【なかなか倒れない】と言い放つことが、どう問題解決に繋がるのでしょう。全く洞察不可能です、此の不可能から視線を翻せば「高野さんの視野には、問題解決の意識がない」ことになる。
私の知見不足なら、是非ご教授を戴きたい。

民主党政権が【なかなか倒れない】のは、日本の法律が規定する政治制度の不備でしかない。人工物である法律の不備が原因で、本来重要である「民主主義の精神」が冒されている(軽薄を免れ得ない「民意」という言葉は敢えて使いません)。真に、本末転倒でしょう。
不備(「時代後れ」を含む)は発覚した時点で速やかに是正しその作業を継続することが、須らく前進と進化に繋がるのだと。私の予ての持論「ことを改めるに、遅過ぎることは決してない」に重なる。其れこそが、20世紀ではない21世紀の経営手法だと確信しています。
以上の脈絡で再度「広義、狭義」論を当て嵌めれば、高野さんは的確にも小沢さん問題で広義論を採用されたのに、この政権不倒に関しては狭義論を採用し人工物である法律の不備を容認しておられる。其れは、真に20世紀的思考だと断じます。

従って私見を繰り返せば、早く!「次」へ行かなければ!
「次」とは、「政界の世代交代」と同時に起こる「善き政界再編」。
国益と国民にとっては同じ挑戦や我慢でも、彼我には成果に大きな違いがある。急がば回れ!ともいう。
草々

高野様
西松問題で小沢さんが代表を辞任する際に、私は次期代表は菅さんが良いと思っていました。
鳩山さんは小沢さんの政策をしっかり進めてくれそうでしたが、リーダシップはあるのかなと思ったからです。

菅さんは厚生大臣を経験し、成果もあげていました。
小沢さんにも鳩山さんよりははっきりものを言えそうに思えました。
なおかつ、小沢さんの政策を当然しっかり進めてもらえるだろうと思ったからです。
何よりも官主導政治を改革する強い意志があると思いました。

とんでもない間違いでしたね。
あの時点(鳩山代表就任)で、すでに菅さんには改革する意欲がなくなっていました。民主党の政策(小沢さんの政策)にもほとんど興味がないのか、当時の日曜日の田原氏の番組でも政策のことを聞かれるとほとんど応えられませんでした。(農業問題は少し知識があったかな)

今の菅さんは権力欲が強く、あっさり小沢さんを排除しました。小沢さんの力を借りずに大きな改革などできる訳がありません。政治主導も簡単に捨てました。

菅政権には何の期待もありません。政策も手法も自公政権となんら変わりません。このままあと3年も続けると二度と民主党に政権は戻りません。一刻も早く、仙谷氏とともに内閣から去って欲しいです。

まあ参議院のねじれ状態では誰がやっても厳しいとは思いますが、そこを何とかするのが政治です。

壁にぶつかって国民との約束をあっさり諦める人に総理を張って欲しくありません。

編集部の検閲に引っかかったのでもう一度。
高野氏も政権交代まで小沢を利用した連中の一人。無事、政権交代を果たしたら、用済み。
政権交代前と政権交代後の氏のコメントを読めば明らか。

勘違いされてませんか?
政治家は何回当選しても、偉くもなんともありません。
周りの持ち上げる姿勢そのものが付け上がられるだけだと思います。
政治をやりたくて立候補しているのです。
国民の税金から出る歳費です。
理想論だけで持ち上げるのは簡単ですが、その厳しさが、今の民主党の姿です。
小沢も、鳩山も、菅も、仙石も…誰一人例外なく議員です。
落ちればただの人の今は議員それだけです。
能無しの集団に見えてくるだけです。
民主党の幹部は皆、お正月に無人島でサバイバルゲームされることをお勧めします。

高野さん

いつもながら大変勉強になります。
現状を分析し、今後の動向を読み手であるわれわれの一般市民にとって、本当に貴重でありがたいことです。
高野さん,《THE JOURNAL》が存在する限り、日本は大丈夫です。激動の混乱する世の中であっても、何とかなるでしょう。

《THE JOURNAL》の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

高野様

高野さんの、小沢問題、菅政権に対する論旨は相変わらずですね。
細かい指摘などしたくはないのですが、少々愚痴をこぼします。

小沢問題について
取りあえず、執行部が挙党一致、小沢排除論でない事、それを前提とすれば。
今の状況のまま政倫審に出せば、自民等にそれを大いに利用され、この問題は裁判の決着がつくまで引きずられ、小沢個人もその通りだが内閣にとっても何らプラスに働かないのは誰が考えても分かる筈。
それでも執行部がどうしても政倫審で説明を求めるのであれば、裁判を抱え出る事に躊躇するそれなりの理由が明確であるのだから、野党との協議を重ね重要法案対策等、出る事で党に貢献出来る大義を申し出る等の調整をはかるべきは、執行部特に幹事長である岡田の責任であって、要請する側の最低限のマナーではないのか。
それを岡田は野党との交渉などナンセンスとしているのだから話しにならない。
逆に小沢個人の我が儘ぶりを世間にアピールし、小沢との対決姿勢をことさら強調し、支持率向上、内閣延命、政権浮揚のために小沢を政治利用するような姿勢こそ、批判されるべき。
菅サイドの立場からのみ一方的に物申す高野さんの姿勢はいただけません。

仙谷等問責問題について
問責を受けるべきは、逮捕をごり押しした前原だとは、お話しにならなりません。
前原の稚拙さは、偽メール当時と何ら変わらず、八ツ場ダムしかりJAL問題しかり、対米従属、対中対露問題、等々挙げればきりがないが。
しかし、それとこれとは別で、逮捕そのものがナンセンスとするのであれば、岡田も同罪。逮捕は内閣関係閣僚で決めた問題。
尖閣の中国漁船問題は、船長釈放、画像流出等において責任を行政に転嫁する、政府内閣の無責任対応が原因であって、本来最終的責任者である菅自身が受けるべき問題特に仙谷(馬淵は被害者的側面はあるが)については、民主支持層においても辞任を求めている問題です。

菅政権について
小沢を政治利用しながら、高支持率をあげてきた菅政権であるが、ここにきての支持率低下は、政府執行部の対応の稚拙さが原因であるという認識が足りない。
それこそ尖閣問題では、逮捕を押し対中対露に問題のある前原を外相に横滑りさせ、前原と一緒に逮捕を押した岡田を外相から外すなど、素人目で見てもナンセンスな人事を何ら考慮せず敢行した菅自身が問われるべき問題であり、結果として外交の敗北を繰り返した責任を負うべきは菅自身です。
そもそも、菅はじめ主要閣僚、執行部の結果責任に対する認識の低さ、政治家としての姿勢そのものに問題がある。
鳩山退陣以降特にそれが目立つ。
鳩山退陣の原因である沖縄基地問題から始まった事だが、「最低でも県外」として選挙を闘いその鳩山が組閣した内閣であったわけだが、その任命を受け入閣しておいて、特に関係閣僚にそれを汲み取って動いた政治家は、やり方は大いに問題はあったが、官房長官の平野以外誰一人いなかった。
首相が主張する政策でありながら、副総理の菅は支えるどころか進言すらせず敢えてその問題から距離を置き、外相の岡田は、何の裏付けもなく最初から県内嘉手納案なりを主張、防衛相の北澤、担当大臣の前原等は何もせず、各々が個人的見解として勝手に主張する始末。
それが引き金で鳩山は退陣したのであれば、少なくともNo.2である菅始め関係閣僚は、首相を支える事が出来なかった支えなかった政治家の結果責任として、共に退陣すべき問題であった筈。
菅などは、その立場でありながら、鳩山退陣当日に代表選に立候補する厚かましさを発揮するが、候補者の資格などあるのだろうか。
こんな事は一事が万事で、参院選で屈辱的惨敗を喫しておきながら、菅も幹事長の枝野も辞任しもせず、その後の代表選に立候補し今日に至る。
その後も閣僚から執行部幹部まで責任すら持たずに問題発言を繰り返す始末です。
これでは支持率が上がる筈もなく、そういう認識すらもたない主要メンバーが国を動かしているという悲劇が継続されるだろうという認識を高野さんがお持ちである事は残念です。

見渡すと、そんなさもしい政治家は、旧民主といったら語弊があるが、特にさきがけや松下政経塾出身者に多く見受けられる。
これ以上は、人間性の批判になるので、これまでと致します。

民主党政権への希望が失望に完全に変わった一年でしたね。
管政権の弱きものを叩いて自らは浮かびあがろうとする手法を、このまま、肯定し続けることになれば、日本は増々おかしくなると思っています。
仲間内ですら、叩いてリーダーだけは生き延びようとする手法です。このような考え方が日本中に蔓延らないように切に願います。
「自衛隊は暴力装置」という言葉にも乱暴さを感じます。
組織の上長が、配下に対して「暴力装置」呼ばわりして、健全なコミュニケーションが取れるとでも考えているのでしょうか。
評論家や学者が学術用語として使った言葉とはわけが違います。
このような、一般の国民感覚と現民主党政権の言動・行動のズレが急激な支持率低下を招いています。実行力に至っては、目を覆うばかりの状況で、マニフェストの達成状況も何にも国民には知らせないまま、ただただ、政権だけは続けさせてくれと言っているようにしか見えません。改めて、国民に2009年衆院選のマニフェストの達成率を菅首相自ら説明し、できていないところは、どのように達成していくのか、国民への説明責任を果たして頂きたいと考えます。

小人閑居してなんとか、という言い回しがあるが、どうも自分より大きな人には嫉妬しか感ぜず、もっと大きくなろうなどとは思わず、どうしようもなくなって攻撃し、なんとかして排除しようとする。裁判所、検察、新聞、テレビ、今の内閣、善良なる市民とやらが小人のようである。ふー。65年以前にあったメディアスクラムによってもたらされた未曾有の国難を身をもって経験された方々はなぜ声を大にして現状を憂うことをしないのか、若輩者としては残念。

高野さん、こんにちは(いま12月27日pm4:30頃です)

27日の日経新聞に各国指導者の通信簿が出てました。
(採点は日経の海外駐在員らしい)

・アメリカ:オバマ   2
・イギリス:キャメロン 4
・ドイツ:メルケル   3
・フランス:サルコジ  2
・ロシア:メドベージェフ3
・中国:胡錦濤     3

ちなみに1点はベルルスコーニ伊首相。5点はルラ・ブラジル大統領。

この日経からすれば菅さんは1か2くらいかな?

でも、僕は気が長~い。

僕からすればオバマは4点。
高野さんの言うとおり、現実的には成果が出るまでいってないことが多いと思うが、医療保険と核廃絶へのロシアとの合意は大きなところでぶれてない。

キャメロンなんて、まだまだわからないでしょう。財政再建の意思は強いのはわかるが、実現性は未知数。だから3点でしょう。

その視点ででいうと菅というより民主党政権は3ないし4点。
確かに慣れていない面も多く、ギクシャク感は否めないが、自民党との違いは、出ていると思う。例えば、外交機密の開示やこの前の諫早湾の開門、それに、自民党がどうしようもなかった官僚政治に少なくとも風穴を開けた。
特に情報開示の面では、マスメデイアも含めて、ネット時代と相まって、かなり進んでいると思う。(時代がそうさせた面も大きいが・・・)

いろいろと注文はあるが、まず最大の課題は司法改革。これが菅政権のレゾンデートルだと思っている。

2010年は日本にとって不毛の年だった!

不毛の年だった、と言うのは易しい。また、自分に出来ないことを政治家に求めることも難しい。
10人集まれば10の主義主張がある時代だ。民主主義の下での政治家の仕事は、少なくとも過半数の人々が賛成する意見・方向にまとめ上げることだ。その結果は、説明と説得によって妥協の繰り返したことに過ぎないにしても、決して易しい仕事とは言えない。
現状を変化させることが如何に難しいかを知れば、安易に批判は出来ない。自分も出来ないとなれば尚更である。

一昨年の政権交代は「民主党革命」とまで呼ばれ、大多数の国民の期待が集まった。民主党政権はやってくれるのではないか?しかるに現在は「存在理由」を問われかねない状況にある。
様々な課題を解決するためのリーダーシップの欠如と言うのも易しいが、彼らは政治のど真ん中で長年に亘って鍛えられてきたことを考えると、素人がリーダーシップを云々することもはばかれる。これが限度と思うしかない。

2011年はどういう年か?
先進国はどこも模索が続くだろう。
我が国に於いては、与野党共に国民を放置できず、いずれは落ち着くところに収まるのではないか。
多くの国民は情報不足であり、おおむね保守的であり、将来への洞察力も無く、明日の生活に困ることがなければ急激な変化は望んではいない。
しかしながら、グローバル化の進展や、少子高齢化、格差拡大、雇用不足、国債発行残高を考えると国民は残り時間が少ないことも、何らかの「改革」が必要なことも気付いている。

来年は願わくば、多くの国民が感じている閉塞感と将来への不安を少しでも解消する、若者が生き生きと活躍できる社会を目指す、骨太の政策実現に向けて第一歩を踏み出して欲しいものだ。

高野孟さんへ

一年間お世話になりました。

来年もまた宜しくお願いします。

The Journal で気づかせていただいた1年でした。私がここに書き込むことを始めたきっかけはサンプロがなくなってしまったことでした。やり場のないその怒りから高野孟さんのPodcastを聴いてここにたどり着いた。高野さん始め田原さん、郷原さん、上杉さん、ここに寄稿する皆さんからActiveな生の意見を知ることができた。

嫌いだったニコニコ動画も嫌いでなくなった。TwitterもUstreamの凄さもここを通じて更に肌で感じた1年でした。

引き続き有料会員でもお世話になります。よいお年をお迎え下さい。

来年も宜しくお願いします。

Liberal =進歩的、アメリカ英語で言うところのリベラル、より。

投稿者: 張尾 | 2010年12月25日 21:33 様

なるほど、腑に落ちました。変節したのではなく、もともとそういう考え方だった、ということですね。お見事、すっかり騙されました。
騒ぐ我々は滑稽でしょうね?
高野さんが小沢氏を利用しようが嫌いだろうが、そんなことはどうでもいいことです。
ただし、検察や検察審査会の問題まで小沢氏と一緒にゴミ箱に捨てるという考えなら本当に残念です。

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