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【対談】前田和男×高野孟:民主党政権への伏流


《対談1/全3部(再生時間:14分57秒)》

民主党が政権交代を成し遂げ与党第1党になるまでには、決して表舞台には上がらない数多くの裏方の姿がありました。10人の「伏流」たちの声を集めた『民主党政権への伏流』が発刊され、その著者・前田和男氏と高野孟が対談を行いました。(全3部、ページ下に2部掲載)

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民主党政権への伏流

「まだ始まったばかりの民主党政権はどこへ向かって流れていくのか、長い時間軸で考えていきたい」(高野)

長年政界を見てきた2人が「政権交代選挙」に至る20年間を振り返り、今後の方向性を語り合います。忘れられつつある出来事や人物がポンポン飛び出しますので、メモを準備してじっくりご覧下さい!

対談最後の「民主党議員にはこのぐらいのことは知っていただかないと困っちゃうな」(高野)は必聴です。

* * * * *

<第1部>

高野:「民主党政権」が存在しており、民主党の歴史を辿っただけでは何が始まりどこへ向かおうとしているのか実際よくわからないじゃないか。そもそもの「伏流」からいくつもの筋を辿っていって、今ここに「民主党政権」ができているのだということを10人の裏方、それぞれの時期、流れを担って実質的に動かしていった裏方におそらくものすごい時間をかけてインタビューして1冊にまとめられたのだと思います。

この本を読み、日本新党・細川政権の参謀だった金成洋二(かんなり・ようじ)氏のインタビューを中心にした章が印象的です。今日の民主党政権にとって細川人脈、日本新党系は非常に大きな存在感があると思いました。

前田:日本新党系人脈すべてが民主党に行ったわけではありませんけど、よくよくたずねていくと細川氏の流れがずいぶんあります。代表戦の時に細川氏が小沢氏を支持するメッセージを送ったとニュースがありましたが、その仕掛け人が金成氏だったという話も聞いています。

現在のマスコミは民主党内の小沢グループとそれ以外の人たちが拮抗していることが民主党内の重要な動きだと思い込んでいるようです。菅氏も「小沢氏と私と鳩山氏」が民主党の源流のように言っています。しかしそこに源流はありません。

実際は源流に日本新党があり、旧社会党があります。

高野:例えば海江田万里氏は日本新党から政治生活が始まっています。牧野聖修氏も日本新党出身で、江田五月氏は社民党から日本新党を経由して民主党にきているのですね。今はぐれぎみで元横浜市長の中田宏氏、樽床伸二氏、野田佳彦氏、名古屋市長で暴れている河村たかし氏、落選した円より子氏、もちろん枝野幸男前幹事長、前原誠司氏...

前田:先日の民主党代表選挙で実質裏で政策などをやっていた松崎哲久氏も頭脳として動いてました。

高野:相当苦労しましたよね。日本新党で小沢鋭仁氏なんかと一緒に東大ハーバードグループと言われてものすごい頭のいい人でした。今や小沢陣営のブレーンです。日本新党はすごかったんだなと思います。

『民主党政権への伏流』に日本新党まわりの人脈が書かれています。ここから見えるのは松下政経塾を引っ張り込んだ、導入口になったのは細川氏ということです。細川氏が松下政経塾の評議員をやっていたところから始まっているのですね。中田宏氏は現役塾生でありながら新党立ち上げにも参加しています。

前田:厚生労働副大臣をしていた長浜博行氏も松下政経塾で、当時参院選挙の責任者をしていました。

高野:そしてさすが細川氏で、女性ファンの動きがありました。円より子氏とか...

前田:実は小池百合子氏もです。

高野:そうですよね、小池百合子氏もここから始まったのですね。ずいぶんあの人も変遷が激しいです。

日本新党の存在感は改めて言われてすごいなと思いました。

そのことをふまえて、前田さんは何度も「新しい政治文化」という表現を使われています。全体を通じて何の「伏流」かといったときにタイトルでは「民主党政権への」となっていますが、民主党政権も「新しい政治文化」に応えられているかわからない...

前田:私の連載のタイトルは「政権交代へのオデッセイ」でした。つまり政権交代は民主党が着地点ではありません。日本では政権交代がずっと起きておらず、政権交代可能な民主主義は日本でどうつくるのかはテーマにありました。仕掛けては倒れ、また仕掛けては倒れている人たちがいました。民主党というよりも、政権交代可能な日本型民主主義、借り物の政治文化でなく日本らしい民主主義をどうつくるのかに取り組んできた人たちがいるんだよということを書いています。

今の民主党議員には自分たちの遺伝子がどこにあるのか、関心がないし知ろうともしません。

高野:知らない人が圧倒的多数で、「伏流」に属していた人の中にも忘れてしまっている人たちがいます。民主党政権は何をして行くのかというときに、非常に心配な点です。

「新しい政治文化」と言ったときに、2つの面があると思います。中身は何かということです。第2勝で登場するさきがけ出身で村山首相補佐官の錦織淳(にしこおり・あつし)氏は自社さ政権にありながら小選挙区制反対、選挙制度だけ変えたって新しい政治文化は起こらないという説です。

(第2部へつづく)

* * * * *


《対談2(再生時間:14分39秒)》

高野:小選挙区制に変えて、それが何ほどのものなのかということを前田さんご自身はどう感じているのでしょうか。私自身はまず制度を変えて、そこから政治文化を変えようという割り切りがありました。

前田:政権交代後にインタビューした人たちに再び会いました。一貫した中選挙区主義者の錦織氏は大事なのは理念で形だけ変えればむしろとんでもないことになるという考え方でした。

今回の政権交代を見て、そうではない側面があるんだということを本人がおっしゃっていました。私もどちらかでなければならないというわけではないと思います。

民主党自身に対して危うさを指摘されたり「ダッチロールだ」と言われているようですが、しかし一連の検察問題を含め、政権交代があったからできたことはあります。変わるということはなんであれいいことで、そこから理念を巡っていけばいいのです。

高野:錦織氏が言うように、理念とそれを担う人材、資質がちっとも鍛えられてなく、数だけ集めて政権とっちゃったという事態になりダッチロールになっているということなんだと思います。

僕はそれを含めてやってみにゃわからんじゃないかという無責任な立場です。世間は政権交代した翌日から「うまくいかないじゃないか」「だめじゃないか」とマスコミも言います。少なくとも4年間は見てやったらどうなのかと思います。

前田:4年どころじゃないかもしれません。

高野:私は2025年までかからないと民主党政権の真価は見えないと言っています。

前田:高野さんはそもそも96年に作った草案で「10年時限」と書かれていました。"空白"の期間を引き算するとこれから10年ということでしょうか。

高野:小泉政権の"空白"の5年間がありました。96年に旧民主党が発足でしょう。2000年に政権をとるつもりで、2010年、15年を見ていました。

前田:まだ実質的に政権をとっていないんですよね。

菅氏は民権の話をせず、国権主義者になっています。みなさん明治維新になぞらえていますけど、幕末から国会開設まで30年かかり、その間自由民権運動があります。30年の間で板垣退助や大井憲太郎など民権派から一部の人が国権派になり、日本の基礎が築かれます。徹底的な民権運動をやるのが民主党に与えられた使命だと思います。

明治維新の頃と現在とでは加速度が違うと言っても10年はかかるでしょう。慌ててはいけないのではないでしょうか。

高野:政権側はバタバタして上手くいかないからやめるという、鳩山氏と小沢氏の辞め方は私は非常に腹立たしいです。傷だらけになって倒れるまでやれ、自分が傷つきたくないからやめちゃうなんてマネを繰り返すなという感じです。

前田:ジャーナリズムが日本にないということかもしれません。本来なら当時の平民新聞や滑稽新聞までいろいろありました。現在のジャーナリズムは、もちろんたたく人がいてもいいですけど、ちょっと...

高野:マスコミが一色で同じようにたたきますね。僕らも《THE JOURNAL》で異論を唱えていますけど、おっしゃるように明治維新の頃の民権派の新聞がガンガン論調を繰り出していく生き生きした状況がありました。今の方がよっぽど息苦しい感じがあります...

つづきは映像でお楽しみ下さい!

* * * * *


《対談3・最終回(再生時間:14分20秒)》

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【プロフィール】
前田和男(まえだ・かずお)
1947年東京生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒。日本読書新聞編集部勤務を経て、翻訳家、ノンフィクション作家、編集者として活動。01年千葉知事選、02年参院補選(千葉)、03年・05年衆院選(大阪3区)、05年大阪市長選、07年東京都知事選の現場に関わる。著書に『男はなぜ化粧をしたがるのか (集英社新書 524B)』(集英社、2009年)、『足元の革命 (新潮新書)選挙参謀 (角川文庫)』(太田出版、2004年)。『選挙の裏側ってこんなに面白いんだ!スペシャル』(ビジネス社、2007年、三浦博史氏と共著)など。

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

高野様、前田様

民主党政権への伏流として、政権の土台作りに関与したかたがたが、10人ほどいるということは良くわかりました。確かに其の通りであると思う。

しかし、政権交代の出来た土台の最大事は、小沢自由党との合併であって、この合併なくしては、政権交代はなかったとも言える。

昨年の政権交代は、小沢氏の巧みな自民党支持母体の切り崩しなど諸条件がうまく回転し、政権交代に結びついたと見るべきだろう。

しかし、基本政策が異なるため、今回の代表選で明らかな通り、議員が、206:200と、いつ分裂があってもおかしくない状態である。

政策的合意を目指した党是がまだないことは大きな問題であって、至急に話し合いの場を持って、二極化した対立を解消しなければならない。

現時点における問題意識がお二人に出てこないのは、非常に残念であった。過去の実体を知ることは必要であるが、それ以上に大切なことは、これからの民主党は、どのようにしていくべきかではないだろうか。

前田氏の書籍の出版にあたっての対談であるので致し方ない面はあるが、過去の自慢話をして喜んでいるようであれば、お二人とも、過去の人といってよいだろう。

菅政権に対する要求がなく、3年間辛抱強く見てほしいなど、国家国民のことは、どのように見ておられるのか、はなはだ疑問である。市民運動家の一番、かけているところではないか。

地べたに足を据えたエネルギー。それを原動力とした大衆運動、社会運動によって政治改革を行っていく。これが根本であると私も思っています。

辺野古基地建設断固阻止!私は一市民として、この運動は継続します。

私は無党派一市民。どの会にも所属しない非力な一市民ですが、私がやるべきことをただやっていくつもりです。

高野様

最後に仰った民主党をじっくり育て上げることは大いに結構ですが、これには最低限、現政権の運動の初期条件と境界条件がきちんと示されることが必要です。菅氏の説明ではダッチロールにしか見えず、運動軌跡がどうなるのか、よくわかりません。

早速、外交問題の尖閣諸島問題で、その体たらくぶりの実態を余すところなく示してくれたと思います。歴史的な国益を損ねる大失態を起こしました。じっくり育てるには、結果論で、少なくとも前原外務大臣、仙石官房長官は更迭と思いますが。

まさに初期条件、境界条件が出鱈目となっています。

郷原弁護士は自らのツイートで「昨日の段階では、議決書の冒頭の被疑事実(不動産取得時期、代金支払時期の期ズレだけ)が、当然、そのまま起訴すべき犯罪事実になっていると思っていたが、よく見ると、添付されている別紙犯罪事実には、検察の不起訴処分の対象になっていない収入面の虚偽記入の事実が含まれている。
検察の公訴権独占の例外として検察審査会議決による起訴強制が認められている趣旨に照らして、不起訴処分の対象事実を逸脱した被疑事実で起訴相当議決を行うことは許されない。今回の起訴相当議決は無効であり、強制起訴手続をとることはできない」と述べている。至急小沢一郎事務所や小沢一郎弁護団や民主党小沢支持者に伝える必要がある。

政治評論家の視点では、達観して眺めていれば良いかもしれないが、生活者であり主権者である私は、改革が早く進むことを応援し、支持するしかない。

眺めている余裕などない。

派閥政治にはパワーポリティクス的思考への予行演習といった側面もあり、一概に悪いことばかりではないのだが、「キャスティング・ボート」となると、結果的に少数意見が採用されることとなり、民主的とはいえない状況となってしまう。少数派への配慮は不可欠だが(この国では失業者やワーキングプアはまだまだ少数派だ)、反小沢で少数派を束ねて多数を取った菅政権は一体何をしようとしているのか。

「雇用、雇用、雇用」と連呼していた雇用対策は、再選されてから官僚に現状ヒアリングを始めている体たらく。財政再建を優先するのか、思い切った雇用対策に打ってでるのか、ちいとも見えてこない。
総裁選での演説が口先だけのものでないのだとしたら、「最後の雇用者」としての政府の姿を示していただきたいものである。
小野善康氏の起用には期待しているので、「反小沢で人気取り」「毅然とした態度で人気取り」「日銀をスケープゴートにして人気取り」などで時間と労力を浪費する非生産的な活動は、即刻やめていただきたい。
余裕のある多数派と違って、失業者やワーキングプアには一日の遅れが命取りになるのだ。

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2009年11月、日刊工業新聞社

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