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2010年10月30日

小林恭子:ウィキリークスが新たな極秘文書を公開 ── 軍事情報はいかに取り扱われるべきか?

 内部告発サイト「ウィキリークス」が、イラク戦争に関する新たな極秘文書を、22日、公開した。約40万点に上る米軍が管理していた極秘文書は、英ガーディアンやBBCをはじめとする世界のメディア媒体に提供された。(ロンドン=小林恭子)

 この膨大な電子文書は、前に、アフガン戦争に関わる米軍の秘密文書をリークした人物と同じ米軍の諜報分析家がウィキリークスに流した模様だ。

 今回のリーク情報で分かったことのいくつかは:

―イラクの警察隊や兵士が行った暴行、レイプ、殺人などが組織的に行われていた場合でも、これを米軍は調査しない方針をとった。

―これまで知られていなかった、1万5000人以上のイラク人市民が亡くなっていた。米英当局は、イラク民間人の犠牲者数は公式な記録をとってないとこれまで主張してきたが、実際には記録が残っていて、10万9000人のイラク人の死者がいて、この中の約6万6000人はイラクの民間人(非戦闘員)だった。

―拘束されたイラク人は、暴行を受けたり(医療記録が残っている)、足かせをつけられたり、目隠しをされたり、手首や足首から吊るされたり、蹴られたり、電気ショックをかけられたりしていた。拘束者が亡くなった場合もあった。

 BBCの取材に、米国防広報官は、「公表された事態はすでにニュースや、書籍、映画などで記録されている」「これでイラクの過去が良く分かるようになったということはない」と述べている。「しかし、リークには極秘情報があり、米軍に危険をもらたらす可能性がある」。

 ガーディアンの取材に、米国防省筋も、敵がこの情報を分析し、米軍の動きからヒントを得ようとするだろうし、情報源を捕まえ、戦闘状況でこの分析に沿った行動をし、戦闘機材の機能を利用するかもしれない、などと話している。

 英国の人権問題を専門とする弁護士フィル・シャイナー氏は、この情報を元に、英政府は、イラクの民間人を違法に殺害したかどうかに関して調査会を設置するべきだと主張する。イラク軍による拘束者の暴行や拷問を英政府がとめることができなかったので、政府を訴えたい、とも。

 このウィキリークスの情報の意味は深い。生の情報がリークされることに、米政府は「けしからん!」という態度で、「米軍が危険にさらされる」という、ある意味ではお決まりの反応である。

 しかし、これほど情報がたくさん氾濫するのが当たり前になった世の中で、数年前の軍事情報がいまだに秘密、というのはどうだろうか。つまり、人は知りたがるのである。「軍事機密だから、だめ」ということだけでは、国民は納得しない。

 国民の税金を使って、戦争をやっているわけだから、「絶対にこれは出せない」というもの以外は(その判断が難しいだろうが)、すべて出すようにしないと。

 特に、「イラク民間人の死者数は数えていない」といいながら、「実は、記録をとっていた」というのでは、あまりにもまずい。「自分の面子を守るために」「単に都合の悪いことを隠す」ことを、「軍事機密だから、公表できない」というまっとうな理由よりも最優先しているように見えてしまう。

 軍事情報のどこまでを外に出すべきか?大きな問題だが、すでに米英には、一定の報道・公開規則があるはずである。この規則を、今、限りなくゆるめざるを得ない(つまり、どんどん出す)状況になってきたのだと思う。

 ところで、日本では、この話は少なくとも英国のようには「ガーン」!!!という衝撃をもって受け止められていないように思うのだが、どうだろう?英国の場合は、イラク戦争を主導した、また、アフガン戦争にはまだ人が派遣されている、という理由で、非常に身近な問題であることが、まずその違いの理由かもしれないが。

 それと、いわゆる「リークをする人」にあまり太陽があたっていないような気がするのだが、どうだろうか?

 インターネット時代、どこまで情報を出すべきなのか?特に軍事情報といった、人の命が関わる案件の場合、リークはどこまでゆるされるべきなのかー?

 これは、今、まさに非常に大きな問題であると思うのだけれどもー。ジャーナリズムの観点からもそうだし、国民の知る権利という意味でもそうである。税金を使って行われる戦争、しかも、自分の家族の一員が血を流して参加している戦争に関する正確な情報を、国民は知る権利があるはずだ。(「英国メディア・ウオッチ」より)

【参考】
http://www.guardian.co.uk/world/2010/oct/22/iraq-war-lc

http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-11611319

(この記事は「日刊ベリタ」から許可を得て転載しました)

2010年10月28日

まだまだ鈴木宗男には「運」がある

鈴木宗男氏(新党大地代表)

 「いよいよ手術の日がやってきた」と、若干気になりながらの朝であった。「ここは気の持ちようが大事だ」と思い、自分自身に言い聞かせる。

 24日(日)22時から、NHK教育テレビで「シンドラーとユダヤ人」を観た。1時間半の番組だったが、人生の巡り合わせ、人間関係、教えられること大であった。特にホロコースト強制収容所に連れて行かれたユダヤ人は人間扱いされず、勿論、明日はどうなるかの状況、環境での生活だった。

 ガン手術であろうが、あのホロコーストにいた人に比べれば、収監され、いかなる環境になろうとも、やはりあのホロコーストにいた人と比べると命がとられるわけではないと、繰り返し頭の体操をする。目の前で同胞、身内が殺されていく、明日はどうなるかと、一刻一刻、命の心配をしながら時間を送っていた人たちの思いを考える時、まだ私は恵まれている。そう思いながら手術に向かう。

 午前中に手術室に入り準備。そこまではわかっているが、以後は麻酔で寝てしまい、わからない。

 夕方目が覚めた時は、手術室ではなく病室のベッドの上であった。

 手術は無事終わり、余計なものは取ったとのことである。昨日行った大腸検査も異常はないとのことで、良かった。まだまだ鈴木宗男には「運」があると、自分に言い聞かせるものである。

 あとはお医者さんの指示に従い、しっかり術後の検査を受けていくことにする。

 7年前の平成15年、437日間の勾留(こうりゅう)から2年ぶりに人間ドックを受け、検査をしたところ、胃ガンと言われ、更に転移の可能性が高いと言われ、「人生終わった」と思った。

 迫っていた衆議院議員選挙に出馬せず、入院したことを思い出しながら、今回もまた一山越えられたと思う。

 今、ガン患者が増えている。病死の3分の1はガンによるものだ。

 私自身、ガン経験者として、国民の皆さんに訴えたい。ガンは早期発見、早期治療である。治らない病気ではない。とにかく定期的に検診を受けることをお勧めしたい。

 いかなる立場、状況にある人にも、人道的見地から命の尊さ、重さを知らせる上でも、きちんと検診の機会をつくってあげることが、人の道として当然ではないか。

 私も収監前にわかって良かった。もし収監後だったらと考える時、ゾッとするものである。

 全国でガンと向き合っている皆さん、医学、医療技術は日進月歩です。人生、あきらめないで下さい。精神力も大事です。

 私は病気とも闘い、悪(あ)しき権力とも闘っていきます。

 私なりに闘う姿勢が、病気や権力に押しつぶされた人に、少しでも勇気や希望を与えることができるよう、頑張っていく。

 今回の食道ガンの手術を、今までにない世の中の見方、また自分自身を見直す機会にしていきたいものである。

────────────────────────
※この記事は10月26日付「ムネオ日記」より転載しました。(タイトルは本誌編集部がつけました)

2010年10月27日

中国人ジャーナリストが語る最新中国ネット言論事情(1)── 劉暁波氏、ツイッターがもたらす言論の自由、そして蒼井そら現象・・・

 中国国内でツイッターを利用した言論活動をリードする中国人ジャーナリストの安替(アンティ)氏が21日、都内の国際大学GLOCOMで「A New Internet China」と題するシンポジウムで講演し、中国の最新ネット言論事情を報告した。

 中国といえば政治的な問題についての自由な発言が制限されていることが知られているが、安替氏によると「ツイッターは中国に100%自由な言論をもたらした」という。その真意とは何か。また、ツイッターへのアクセスが禁止されている中国で、どのような方法でアクセスし、どのような情報発信が行われているのか。本欄では3時間近くにわたって行われたシンポジウムをテキストにおこし、変わりゆく中国の最新ネット言論事情をお届けする。

(注:本記事は21日に行われた安替氏の講演を元に記事にしていますが、一部わかりやすくするために編集部で前後関係などを変更した部分があります)

(構成・文責:《THE JOURNAL》編集部)

──────────────────────────
■安替(Michael Anti=ジャーナリスト、コラムニスト)
1975年、中国・南京生まれ。南京の大学を卒業後、さまざまな職を経て2001年から「華夏時報」。その後、米紙「ニューヨーク・タイムズ」中国総局のリサーチャー。07年にケンブリッジ大学やハーバード大学で学び、現在は中国のツイッター上での言論空間をリードするジャーナリストとして活躍中。

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 10月8日、劉暁波(りゅう・ぎょうは)さんにノーベル平和賞が授与されることが決定しました。劉さんは現在入獄中で、劉さんにノーベル平和賞が与えられたことについて、中国政府は非常に厳しい対応をしています。

 実際、劉暁波さんのニュースは中国の一般のウェブサイトおよびメディアではまったく報道されていません。そのため、実際に劉さんの受賞のニュースはツイッターなどのソーシャルメディアを通じて人々に伝わっています。

 その翌日の9日、劉暁波さんの妻の劉霞(りゅう・か)さんが、劉暁波さんにこの知らせを伝えるために会いに行きました。その直後、劉霞さんは外部との接触を絶たれ、軟禁中です。「外部との接触」というのは通信などの電話はもちろん、面会もかなり禁止されています。

 しかし、劉霞さんは実は手元にiPadを持っていました。彼女はそれを使って、特にツイッターの@liuxia64というアカウントを持っていたので、それを使って自分の情報を外に流すという方法が取られました。

 ツイッターは、中国では直接アクセスすることはブロックされていて、実際にはVPNサービスや、第三者アプリケーションを使ってツイッターは使われていまして、劉霞さんもそれらを使ってツイッターにつながりました。

■劉霞さんのショッピング風景がやらせであることはツイッターで最初に広まった

 16日に警官が2人、劉霞さんを外に連れ出して、劉霞さんもそれについて外出しました。ところが、後でそれは「彼女は自由に外でショッピングにできる身分だよ」ということを証明するために警察によって作られた、ある種の演出だったと気づいたわけです。それについて彼女は、16日夜にツイッターに(ショッピングのやらせについて)2つツイートを残しています。

 劉霞さんがツイッターでつぶやいた数時間後、まずBBCの中国語サイトが劉霞さんのツイッターを見て、劉霞さんの状態についてニュースを流しました。それに続き、フランスのラジオ局や日本のメディアも同様の事実を報道しました。

■激増する劉霞さんのフォロワー数

spiral101027.png

 いま見ていただいているのは、ツイッターアカウントのフォロワーの数です。ご覧のとおり、11日を境に劉霞さんへのフォロワーが急激に増えています.それとあわせ、20日には劉霞さんのアカウントがツイッターの公式サイトから本人アカウントとして承認されました。

 おわかりになると思いますが、劉霞さんのフォロワーは5,000〜6,000人ぐらいのフォロワーで落ち着いていました。それがノーベル賞を受賞した8日前後から急激に増えはじめ、10,000になり、その後も伸びています。これは、明らかに劉霞さんが何を考えているか、何を言っているかを知るための道具になったということです。

■情報量の多い「漢字ツイート」の特徴

 では、なぜ外界への連絡をまったく閉ざされている人間が、ツイッターを使って大きな波紋を投げかけるような影響力を発揮できるのでしょうか。

 それは、ツイッターは短めの文章を書き込むだけで、広く世界に読まれる可能性のあるプラットフォームで、その結果、世界中のメディアもそれを読み取ることができるからです。

 どうしてツイッターにそういった効果があるのでしょうか。

 ツイッターは万国共通で1回が最大文字数が140字に制限されています。140字というのは英語では140アルファベット文字で、だいたい20ワードぐらい。それに対し、東アジアの言葉、特に(漢字が使われる)日本語や中国語では英語に比べて3倍ぐらいの情報量になるわけです。3倍になるということは、つまり、英語の場合は同じことを伝えようとした場合、3つのツイートで語るものを日本語や中国語では一つのツイートで語れるという強みがあるのです。

spiral101027_2.png

 これは中国語ツイッターの形式です。「×××」は文字だとお考えください。たいてい、中国のツイートは一番最後にリンクが来ます。その前に、そのリンク先を見た人が、評論やリンク先のテーマが書かれています。それを見た人がまたそれをリツイート(転送)するので、その前にリツイートした人の評論や感想が書かれます。つまり、いくつかの情報が一緒になって一つのツイートとなって発信されるという強みがあります。

 また、@マークの後にある方たちの名前をつけることで、その人に向けて情報を流すことができます。たとえば、どこかでみた情報に自分の評論をつけてまた流す。そして、それに対してまた評論してまた流すというのを繰り返して、一つのツイートの情報の中に名前と情報と評価とリンクを一緒に組み込んで流す。それが言葉数が少なく、物事をつたえるという中国語のツイートの特徴となっています。

 そうやっていくことで、ツイッターは自分と同じような立場にたって同じような考えや意見を持っている人とつながりやすいという特徴があると思います。自分が持っている意見を、人が思っている意見に付けることを繰り返すうちに、全国の同じような意見を持っているような人達とつながることができます。

 また、ツイッターの特徴としてAPIというポリシーをとっていまして、ツイッターは第三者がアプリケーションを作れば、必ずしもツイッターのオフィシャルサイトを通じてアクセスしなくてもツイッターを利用出来るという方法をとっています。

 中国はツイッターのオフィシャルサイトへのアクセスをブロックしていますが、携帯用のアプリケーションやPC用のアプリケーションとなど、アプリケーションを作って使うことにより、とにかくいろんなアプリケーションを使ってツイッターを利用出来る方法があるので、ルートが一つではないため、いろんな方がツイッターを使うことができます。

■中国のツイッター人口は10万人

 中国で第三者アプリケーションを使って頻繁にツイッターを利用している人は10万人といわれています。

 ツイッターは09年7月の時点で完全に中国から公式サイトへのアクセスはブロックされましたが、先程申し上げたようにアプリケーションを使ったり、または、ここ一年では商業的なVPNサービスを使ってツイッターをしているユーザーがいます。

■政府の言論誘導もツイッターでは通用しない

 また、ツイッターには「フォロー」と「アンフォロー」が自由にできるという機能があります。「フォロー」と「アンフォロー」が自由にできるということは、ある人をフォローして面白くないとおもったら、その人のフォローをやめるということが自由にできるわけです。

 その結果、非常に面白い現象が起こっています。

 中国のインターネットには「五毛党」と言われる人たちがいます。五毛党とは、政府に雇われてインターネット世論を左右する役目を持ち、政府を賛美するような書き込みをする人たちのことです。

 なぜ、「五毛党」と呼ばれるかというと、中国の通貨で5毛とは1元の半分を意味していて、つまり0.5元のことを5毛と呼びます。「五毛党」とは、「政府を賛美するような書き込みをして、政府から5毛程度をもらって活動するヤツら」という意味で、インターネットユーザーが政府を支持するような連中を五毛党と読んでいるんです。

 その五毛党がツイッターに出現したとき、ツイッターユーザーたちも最初は興味があって、まずは彼らが何を言ってるかを見るわけです。ところが「こいつが言ってるのはたいしたことないな」と思ったら、みんな簡単にアンフォローしてしまう。すると、五毛党たちは自分の言論をいくら広めたくても、誰もフォローしてくれなければ、彼の言葉を聞いてくれる、読んでくれる人がいないということになります。つまり、五毛党はフォローとアンフォローが自由なツイッターでは生き残れないんですね。そういう現象が起こっています。

■ツイッターが社会運動に効果的な理由

 あと、ツイッターにあるのはハッシュタグとサーチの機能があります。ハッシュタグとはキーワードのようなもので、「#」マークの後にキーワードをつけ、自分のツイートの中にそれを含めて出せば、ある人がそのキーワードに関するいろんな人の発言が知りたい時に検索をかけたら、ハッシュタグをつけている人の発言が全部出てくるわけです。

 このサーチ機能とハッシュタグ機能が最も役立つのが社会運動です。

 社会運動がおこったとき、気持ちを一つにする人たちが一つのハッシュタグを使ってつぶやいたものを後からそれを読み直し、また、メディアでどういう発言がなされたのかを知りたいとき、サーチをかければどんな人がどういう発言をしているのかがリストとなって出てくるわけです。

 ツイッターの公式サイトへのアクセスはブロックされてますが、中国では、そういうサービスを使ってツイッターを熱心に利用している人が約10万いるということです。

 ツイッターにはいろいろとあるのですが、その一つに中国で「Twibase.com」というサービスがあります。

spiral101027_3.png

 これは、中国語でツイートする人の中で、誰が影響力が大きいのかをランキングの形でつくられています。このランキングはグーグルが使っているページランキングと同じ方法で集計されています。

 ご覧いただいてわかるように、一番目にいるのは連岳(@lianyue)という廈門(アモイ)にいるコラムニストです。二番目が中国語のツイートを収集して自動的にリツイートするボットです。三番目が芸術家のアイウェイウェイ(@aiww)。そして四番目に僕(@mranti)がいます。

■蒼井そらが中国で人気がある理由

 なお、22位に蒼井そらさん(AV女優)がいます(会場笑)。彼女は日本人ですが、さきほど申し上げたように、このランキングは中国語でツイートする人達の中国全体における影響力を意味しています。その中で蒼井そらさんという日本人の方が22位に入っています。

※編集部注:蒼井そらさんが中国で人気を得た理由については下記URLを参照ください
http://www.jmm.co.jp/dynamic/report/report4_2008.html

 中国のツイッターユーザーは蒼井そらさんに非常に感謝しています。というのは、彼女の出現によって、中国のツイッターユーザーが3倍に増えたからです。それまでは2万人ぐらいと思われていましたが、蒼井そらさんによって5万人を軽く超えました。ほとんどの人は蒼井さんにすごく感謝しています。でも、彼女の作品を見たことのある人はそれほどいないかもしれません。

 また、彼女は今年7月に玉樹という場所で大きな地震がおこったとき、彼女がすぐにツイッターを通じて募金を呼びかけてくれました。それを見たとき、僕ら中国人のツイッターユーザーは彼女に非常に感謝し、感動しました。彼女はこの日から、僕たちの女神様になりました。

 蒼井そらさんのフォロワーは約12万と出ていますが、この半分がおそらく中国人です。蒼井そらさんをフォローしている中国人のほとんどは日本語を理解できないはずですが、それでも彼女がツイートするのを読みたいと思っている。それで彼女は日本語のツイートの合間に中国語や英語を使ってツイートしてくれるので、そのツイートを楽しみに待っている方がたくさんいるのです。(続く)

「事業仕分け第3弾」がはじまる 生中継はこちらから〈会場A〉

■会場A ライブ
Live video chat by Ustream

【会場Bはコチラ】
www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/10/3b.html

────────────────────────
【関連URL】
■会場B ライブページ
www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/10/3b.html
■事業仕分け詳細(ラテ欄と結果速報含む)
www.shiwake.go.jp/
■《THE JOURNAL》トップページ
www.the-journal.jp/
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 民主党政権の予算削減の目玉である「事業仕分け」の第3弾が、本日から実施される。今回仕分けとなるのはこれまで「聖域」とされてきた特別会計で、4日間にわたって議論が行われる。

 特別会計は一般会計と違って議会のチェックが働きにくいため、無駄の温床となっているとされている。今回の事業仕分けでは全18の特別会計(計51勘定)を対象とし、菅首相は廃止を含めた抜本的見直しを指示している。

 一方、特別会計は税金とは別の仕組みで予算を確保しているところもあり、削減を決定しても一般財源へどう組み込むかも問題となる。特別会計として集めたカネを仕分け人がどのような形で削減を決定し、一般財源に組み込むための特別会計改革につなげるかも見どころとなる。

 事業仕分け第3弾は過去2回同様、インターネットで生中継される。このページでは〈会場A〉の模様を中継する。国民参加型の予算査定に、みなさんもぜひご参加を。

「事業仕分け第3弾」がはじまる 生中継はこちらから〈会場B〉

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 民主党政権の予算削減の目玉である「事業仕分け」の第3弾が、本日から実施される。今回仕分けとなるのはこれまで「聖域」とされてきた特別会計で、4日間にわたって議論が行われる。

 特別会計は一般会計と違って議会のチェックが働きにくいため、無駄の温床となっているとされている。今回の事業仕分けでは全18の特別会計(計51勘定)を対象とし、菅首相は廃止を含めた抜本的見直しを指示している。

 一方、特別会計は税金とは別の仕組みで予算を確保しているところもあり、削減を決定しても一般財源へどう組み込むかも問題となる。特別会計として集めたカネを仕分け人がどのような形で削減を決定し、一般財源に組み込むための特別会計改革につなげるかも見どころとなる。

 事業仕分け第3弾は過去2回同様、インターネットで生中継される。このページでは〈会場B〉の模様を中継する。国民参加型の予算査定に、みなさんもぜひご参加を。

2010年10月22日

【インタビュー】和嶋未希:今でも続く陳情という名の大名行列

「数万円の交通費を出し、泊まり、食事をしに来る陳情が東京の"一大産業"と言われ、いまだに続いています」

2、30人の団体が国会議員の部屋を訪れる。そんな地方自治体の陳情について、和嶋未希(わじま・みき)衆院議員は「ナンセンスだ」ときっぱり答えた。

「届ける相手が不在でも構わないのです。とにかく陳情したという事実だけが大切なんです」

2009年の政権交代以降も未だに続く陳情システムは単なるパフォーマンスにすぎないと批判する。お上の意向を伺うような陳情をやめ、地方自治体が自分達で予算を作り物事を決定することが本当の地域主権への道であり、民主党政権だからこそ実現できると《THE JOURNAL》取材班に訴えた。

【第38回】政治家に訊く:和嶋未希
http://www.the-journal.jp/contents/politician/2010/10/post_5.html

(取材日:2010年10月21日)

2010年10月21日

松山千春×鈴木宗男×佐藤優:激白! 政治家ってナンダ!?

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↑ 歌手の松山千春氏

 20日、衆議院第二議員会館で歌手の松山千春氏、新党大地代表の鈴木宗男氏、作家の佐藤優氏が国会議員向けのシンポジウムを開きました。

 なぜ、鈴木宗男を信じることができるのか?

 政治家とは何か?

 そして、衝撃のガン告白・・

 シンポジウムの模様を録音した音声データ(mp3)を、ノーカット配信します。テレビや新聞では決して語られることのないオフレコトーク満載の内容となっています!

(※クリックするとダウンロードできます。ダウンロードができない場合は、「右クリック→ファイルを保存」をして下さい。一部音声が乱れているところがありますが、予めご了承のほどお願いいたします)

★    ★    ★

《内容》
[0:00:02〜]松山千春氏 スピーチ
[0:36:43〜]佐藤優氏 スピーチ
[1:00:20〜]鈴木宗男氏のがん告白
[1:01:54〜]検察について
[1:11:11〜]鈴木宗男氏 記者会見

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↑ シンポジウムに駆けつけた森喜朗元首相

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↑ 作家の佐藤優氏

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↑ 食道ガンを告白した鈴木宗男新党大地代表

2010年10月20日

【記者会見を全文公開】鈴木宗男氏が食道ガンを公表 「神様がまた一つ試練を与えてくれたかな」

 受託収賄などで実刑判決を受けた鈴木宗男元衆議院議員(60)は20日、衆議院第二議員会館内で開かれたシンポジウムで、自身が食道ガンであることを公表した。25日に検査のために入院し、早ければ26日に手術を行う。収監の時期については、高等検察庁とも相談のうえ、手術が終了し、術後の検査で完治されたことが確認できてからになる見通し。

 以下は、鈴木氏自身がシンポジウムとその後の記者会見で語った内容の全文。

(編集部注:一部に言い間違いなどについて前後の文脈を入れ替えた部分があります)

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suzukimuneo101020_1.JPG

鈴木宗男氏(新党大地代表、元衆議院議員)

【シンポジウム内での発言】

収監の時期をよく聞かれますけれども、今日、はじめて言いますけれども、実は9月29日と30日に、私は7年前に胃癌をやったものですから、定期的検査もあって検査をしたところ、今度は食道ガンと言われました。

胃の下の方の食道がんで、胃カメラを飲んで細胞をとってみた結果、食道ガンと言われ、「来週から入院して手術をするように」と医者から言われております。

このことを今日、弘中弁護士や高等検察庁にも話し、検察庁も了解して食道ガンの手術が終わり、さらにその後のある程度の期間の検査が必要とのことですので、その検査を受け、万全の体で収監されたいと思っております。

【シンポジウム終了後の会見】

9月8日に上告棄却、さらに9月15日の異議申し立ても却下されましたので、私は1日も早く収監されるべきだという思いもあって、10月18日と19日に検査する予定だった胃がん手術後の定期検査を、9月29日と30日に前倒しをして病院に入りました。

その際、胃カメラも飲み、細胞も取って検査してもらった結果、10月6日に食道ガンがあることを言われました。

その結果、「胃ガンの手術をしたお医者さんが一番いい」という病院の勧めもあって、胃ガンをしたときのお医者さんとも相談したら受け入れてくれることになり、病院の部屋の空き具合や手術の日程等、すでに日程なども入っている人もいるものですから、25日の週からでないとダメだと言われまして、私は25日に入院をします。

そこで再度胃カメラを飲みながら、お医者さんが最終判断をすることになっています。内視鏡でできる段階なのか、さらにはお腹を開かなければならないのか、それを25日に判断し、翌日には手術をしたいというのがお医者さんの判断でありました。

そういった意味で、ここはお医者さんの診断を厳粛に受け止めながら、とにかく体あっての話でありますから、しっかり治していきたいと思っています。

平成15年8月29日に437日の勾留から保釈されまして、このとき2年ぶりにドッグに入ったら胃ガンと言われました。このときは「転移の可能性が高い」と言われまして、私自身「人生終わりかな」と思いました。あのとき、55歳でしたから、人の倍生きたと思って110歳と自分に言い聞かせながら、これも巡り合わせだなという思いを持っておりました。

今回また最高裁の上告棄却が決定して、また、ガンという判断を受けまして、これを一つの鈴木宗男にとっての宿命かと思いながら、もともと「宿命に生まれ、運命に挑み、使命に燃え」てきた私ですから、「神様がまた一つ試練を与えてくれたかな」と思って、私なりに気持ちだけはしっかり持って、病気とも闘っていかなければならないと思っています。

【質疑応答】

Q:テレビ朝日のヒラオと申します。さきほど、講演の対談の中で弘中弁護士が検察等と手術が必要だと相談されたとおっしゃっていましたが、検察と相談されて収監される時期については手術・検査後でいいということは言われているのでしょうか?

収監の時期については弘中先生が以前から高検と協議をしております。弘中先生には先週のうちにこのことを話しました。しかし、新しい事態ができたものですから、先週、弘中先生が高検と連絡をとって、今日がアポイントになったと思いますけれども、お医者さんの診断書等も持って行って、説明をし、検察もこれは人道的な面もありますから、了承というか、理解をいただいたということであります。弘中先生からは「手術後に定期的な検査が必要ですから、検査の結果を見て判断をしましょう」ということで、検察と打ち合わせをしてきたという報告を受けています。

Q:弘中弁護士とお話をされて、収監のめどはいつごろになりそうですねという話とか、お医者さんとの話の中で、手術・検査後に治るのはいつごろになりそうだという話が出ているのでしょうか

あくまでもこれはお医者さんの判断、つまり手術をしてその後の経緯、そして最低でも2〜3週間の術後の検査が必要だと言っていますから、それ以後のことになると思っています。

私は「早く行って早く出てきたい」と思っておりましたから、そのために(定期検査を)3週間もお医者さんもお忙しい中を日程を前倒ししてやったのですが、たまたま前倒しの結果、早くに私のガンがわかって、これだけでもよかったかなという思いはしています。

Q:TBSのシミズと申しますけれでも、先生自身はご体調でどこか悪いところですとか、何か感じられたところはありますか?

前回の胃がんの時もそうでしたけれども、何か自分自身感じるというものはありませんでした。ただ、お医者さんに言わせると「感じるのは相当悪くなってからですよ」ということですので、特別、日常生活にどうのという極端な変化はなかったですね。

Q:手術をすれば完治されるという見込みでいいのでしょうか?

これはもう信じるしかないです。転移がどうのと心配したらキリがありません。しかしいま、とにかく処置としてはすぐに手術が必要だということですから、この手術を受けるのが一番だと思っています。

Q:北海道新聞のハセガワです。まず、食道がんの病状として具体的にステージがいくつとかを先生から言われているのかということと、先生の今後の政治活動、収監された後、政治活動の変更についてご意思をうかがえればと思います。

食道ガンですから、ステージがいくつということはないようです。

25日にもう1回内視鏡をいれて、またさらに細胞をとって検査をして、どういう手術がいいのかを最終的な判断をするそうであります。ここは私は専門家ではないので、お医者さんにまかせたいと思います。

2年の実刑でさっき言った220日の未決勾留をひかれて、510日、1年5ヶ月の刑期です。その後の政治活動は、私は先に民事訴訟も一つおこしてますし、私は私なりに弘中先生はじめ、足利事件の菅谷さんを担当された佐藤博史さんが「もう一回鈴木さんの事件はきちっと検証していきたい」と言っておりますから、この2人をもっとも信頼してるし、世間的にも刑事事件では日本一の弁護士だと言われているおふたりですから、この2人にまかせながら、私や事務所の関係者もこの作業に協力していきたい、こう思っています。

私は私なりに、バッジはなくても終身政治家だという思いの中で、私なりの経験だとか、私なりのやりのこした仕事があります。

アイヌ民族の権利の確立だとか、北方領土問題がありますから、若い先生方に少しでも国益の観点から尽力いただけるようなお手伝いができればいいなと考えております。

平田伊都子:フランスのロマ サルコジ仏大統領にEUの審判が下る

 フランス政府が少数民族ロマをルーマニアに送還した問題で、欧州連合(EU、加盟27カ国)の行政府・欧州委員会は19日仏政府に対して法的措置を当面、取らない方針を決めた。

 ロマ送還を巡る問題は、サルコジ大統領がEU首脳会議の場でバローゾ欧州委員長と舌戦を繰り広げるなどEU諸国では注目されている。本記事は日刊ベリタで15日に掲載されたもので時間のズレはあるが、問題点が網羅されている記事は日本メディアでは少ないため本日《THE JOURNAL》上で掲載する。

* * * * *

 2010年10月15日、仏大統領サルコジに対して、彼自ら先導する<不法滞在ロマ追放>に、EUの審判が下る。ロマとはジプシーのことを言う。ジプシーがいない日本では、フラメンコ、<カルメン>や<ノートルダム・ド・パリ>のヒロインたち、ジプシージャズのジャンゴやジプシーキングスのリズムを通し、ジプシーに対してロマンチックでノスタルジックなイメージを抱いている。

 筆者も同様で、一緒に歌って踊って旅をしようとジプシーの中に飛び込んだ。しかし、「ジプシーって一体どんな人種?」と聞かれても困ってしまう。ジプシー研究のためにジプシーと付き合ったわけではないからだ。
 通説によると、ジプシーの起源はその言語的類似性からインドということになっている。ジプシーの共通語ロマニ語がインドのサンスクリット語に似ているからだとか、しかし、友人のジプシーたちはロマニ語を知らないし、喋らない。世間のざわめきをよそに、フランスで約40万人、ヨーロッパで約1,000万人、世界で約1,300万人のジプシーが、それぞれジプシーらしく生きていると言われている。が、なに一つ確かな話はない。

◆ジプシー、ジタン、ロマ

 ジプシー、ジタン、チガンヌ、チゴイネル、ジンガリ、ヒターノ、ボヘミアン、タタール、サラセン、ブーミアン、ヘイデン、ファラオニ、シンティ、マヌーシュ、カルデラシュ、などなど、通称ジプシーには無数の呼称がある。 南仏プロヴァンスではカラク(クズ)と呼び捨て眉をしかめる。 ジプシーが立ち寄った先々の住民が勝手につけた呼び名で、<邪魔者><異教徒><汚い奴>といった意味あいのものが多い。
 一方のジプシーは非ジプシーを<ガジェ(よそ者)>と、一まとめにくくって呼んでいる。
 最近になって<EUロマ権利センター>や<ガジェ(よそ者)>のロマ支援団体やロマ活動家たちが<ジプシーをロマと呼ぶ運動>を始めた。ジプシーは差別用語とヒステリーを起こすむきもあるので、以降は<ロマ>と呼ぶことにする。ただし、関係者の発言などは原文のままの使用語を残しておく。
 当事者のロマたちは「好きにほざけばいい」と、自分たちの呼称に関して無頓着だ。「ガジェはガジェ(よそ者はよそ者」という彼らの諺を盾に、達観している。

 そもそもロマたちがインドを出発し、小アジアからバルカン半島経由、又は北アフリカからイベリア半島経由で、ヨーロッパ大陸に入ったのは9〜10世紀頃だと言われている。
 フランスにロマが現れたのは15世紀頃で、1419年10月1日にシストロンでロマの一団がキャンプを張ったという記録が残されている。パリに初登場したのは1427年8月17日で、<奇妙な見世物>と、一市民が日記につけている。
 ロマの受難史は中世の魔女裁判からナチのアウシュビッツ.ガス室まで、ユダヤのそれに酷似している。600万のユダヤ人がナチに虐殺されたことは世界中が知っているが、その中に50万のロマ犠牲者がいた事など、誰も気に留めてこなかった。ユダヤ人のように犠牲を逆手にとって民族を復活させるという野心が、ロマになかったからなのかもしれない。

◆セント.エグナンのロマ事件

 2010年7月16日から17日にわたる真夜中、フランス中部を流れるロワール渓谷に沿った人口17,433の町セント.エグナンで強盗事件が起こった。通報を受けた憲兵隊が町を封鎖し犯人追跡を開始。空が青白く明け始めた頃、無灯火の車が一台、非常線に近づいてきた。車は止めようとした憲兵をはね、バリケードに突っ込む。張込んでいた他の憲兵たちが一斉に発砲し、運転していた若者は死んだ。若者の名はルイギ.ドゥケネ、22才のロマだった。
 ルイギの家族は「息子は免許証の期限が切れていたんで逃げただけだ」と抗議したが、憲兵隊はルイギの所持金2,500円を証拠に、強盗犯人だと主張した。

 7月18日、セント.エグナンのロマ50人が憲兵隊の車2台を燃やし街路樹を薙倒した。
 7月21日、サルコジ仏大統領がこの事件を利用し「一部の流民やジタン(フランス語でジプシー)がもたらす大問題」と、誇大キャンペーンを開始した。
 7月28日、仏政府閣議でブリス内務大臣が「騒乱ロマの追放と600の不法ロマ.キャンプ撤廃を3ヶ月内に強行」と、宣告した。
 8月19日、サルコジ仏大統領は最初のロマ追放をルーマニアに向かう民間機で強行した。
 8月22日、バチカンのパパ.べネディクトゥス16世がフランスのロマ追放を人道的観点から非難した。多くのロマはカトリック信者で、彼の信奉者でもある。
 8月25日、ヴィアンヌEU司法弁務官が「第2次大戦後、最も忌むべき人権侵害」と、サルコジのロマ追放を糾弾した。
 8月27日、国連人種差別委員会はサルコジに「ロマ集団追放を中止するように」と、勧告した。
 9月4日、「77,300のロマは追放の対象になる」と、サルコジは態度を硬化させる。
 9月9日、殺されたロマ青年の遺族たちは、ボア法務局に弁護士を伴って直訴する。息子の強盗嫌疑を晴らすために何度も憲兵隊や町役場に足を運んだが、取りあってくれなかったからだ。が、ついに司法大臣は書類の再検討をせざるをえなくなった。

◆フランス人のロマ嫌い

「おれは些細なことでガジェと喧嘩した。ところが監獄にぶち込まれたのはおれだけ、ロマだからだと看守が言うんだ」と、友人のアントワンヌは南フランスのトゥ−ロン刑務所から便りをよこしたことがある。ロマは非ロマをガジェ(よそ者)と一まとめに呼ぶ。
「普通のフランス人はロマを乞食だと思っている」と、BBC・TVがレポートしている。
 フランス人にとってロマは物貰い、泥棒、犯罪予備軍なのだろうか?

 サルコジ仏大統領は、移民.流民(ロマ)を目の敵にし、内相時代から締め付けを強化してきた。そういうサルコジ自身がハンガリー移民2世なのだ。2005年、2人の北アフリカ移民二世が警官の追跡で死亡した。この事件は、フランス全土で移民法に反対する大デモを巻き起こした。時のサルコジ内相は移民.流民(ロマ)を<人間のクズ>と罵倒し、強権を奮う。しかし移民2世サルコジ自身も<人間のクズ>ということになる。

 2010年9月に入ると<クズのサルコジ>はロマ追放をますます強化させていく。

 2010年9月4日、フランス全土で<ロマ不法滞在者送還反対デモ>を、社会党や共産党など約60の団体が打上げた。デモ参加者数は警察発表で77,300人、主催者発表で約100,000人。ベルギーのブリュッセルやポルトガルのリスボンにもデモは飛び火した。
 が、<クズのサルコジ>は、2005年のデモに比べたら屁でもないとうそぶいた。「ジタン(ロマ)のキャンプは子供の物乞いや売春や犯罪の温床だ」と、彼は自説を繰り返した。

 9月14日、EU司法委員会は、「サルコジ仏大統領のロマ追放はEU憲法に違反している」として、EUで法的審理を行うことをフランスに通告した。しかし<クズのサルコジ>はEUに逆らって、この日も160人のロマを追放した。「フランスはロマに3ヶ月の仏滞在を許可する。それ以後は労働許可書か居住証明書がいる。なければ追放する」と、<クズのサルコジ>は持論を曲げない。
 問題は、このロマ追放策をフランス国民の65%が支持していることだ。

◆ロマの友人たち

 EU議会や国連やルーマニア大統領がなんと非難しようと、<クズのサルコジ>はロマ追放とロマキャンプ撤去を止めない。 友人のロマたちが心配になり筆者は連絡を取った。

*アントワンヌ: 数年前に娑婆に出た彼は行方不明。収監者リストに載ってなかったので、ひとまず安心する。
*オルテガ一家: アルル郊外で約一ヶ月間、一緒に歌って踊ってゴミ捨て場を漁ったこの一家も消息不明。但しフランス市民権を持っているから追放される心配はない。
*ジェジェ一家: 南仏のアレスに一軒家を借り、ニンニクの行商をやっていたが、消息不明。仏政府がその商行為にも厳しい規制をかけていると、仲間の行商人が言う。
*ジプシーキングスのママ: 有名になりすぎた息子たちの金銭争いを嫌って、ローヌ河畔でキャンプ生活をしていた。しかし、最近は姿を現さなくなったそうだ。
*ル・タンブール・チガンヌ(ロマの太鼓)の音楽仲間たち: みんな行方不明。リーダーのピポは、パリ近郊のパピオン・スー・ボワ墓地の隅にあったジタン(ロマ)半強制収容所に1988年から住みついていた。最初はジタン(ロマ)権利闘争をやっていた。

 1993年7月13日、「移民.流民(ロマ)ゼロ」と言うパスクワ内相の掛け声で「移民規制関連法」が制定されると、ピポは何度も当局から拘束されるようになる。そこでピポは人権運動の看板を文化運動に変え、フラメンコ楽団を作った。
 3度目にピポのキャンプを訪れた時、フラメンコ楽団<ル・タンブール・チガンヌ(ロマの太鼓)>は同名の楽譜を発行していた。曲目は(1)フランスとEUの新ジタン(ロマ)規制反対、(2)フォルパシュ市の水闘争支援、と、譜面ならぬ政治闘争ナンバーだった。
 風の噂で、ピポのキャンプはセーヌ・サン・ドニ市長に解体されたと聞いた。

*マテオ.マキシモフ: 1917年に生まれた作家兼牧師は、1999年12月25日キリスト生誕の日に天国に召された。「おれが読み書きを知ったのは、フランスのナチ収容所の中だった」と、動かなくなった家馬車の中で、マテオは筆者にロマ・ナチ収容所体験を語ってくれた。「足を悪くしてから杖集めが趣味になってしまった。昔は女集めだったんだけど」と、ねだるマテオに筆者は日本の杖を約束した。別れ際にマテオが見せてくれた<この世は我が世にあらず>という自伝小説には、難民カードを持つロシアン・ロマの受難が綴られていた。

◆10月15日、サルコジにEUの審判が下る日

 マテオに約束した杖を渡そうと筆者はパリ・オルリー飛行場に降り立った。1994年、故アラファト・パレスチナ大統領に会った帰り道だった。
 ところが、空港警察が筆者のフランス入国を拒否。フランス国家警察国土監視部から主任警部が出張してきて、証拠もないのに<この者は危険につきフランス領土、領海、領空、統治領への立ち入り禁止(1945年11月2日付け法令19項、22項)>というレッテルを、筆者に貼った。この部署は移民や流民(ロマ)などを担当し、日本で言う<公安>の管轄になる。空港留置所には、不法入国のイラン人兄弟、タイからの不法労働者5人、そしてルーマニア・ロマ家族8人などの先客がいた。

 日本に帰国後、筆者はパリ高等裁判所に上告した。 2年がかりで無実を勝ち取ったが、EU圏空港警察には記録が残っているとかで、フランス入国を拒否され続けた。

 約10年間、ロマの友人に会えなくて、音信も途絶えた。その間にEUが<EU人民のEU圏内移動の自由>を保障したから、少しはロマも生き易くなったのではと思っていた。が、逆に悪化していた。

「ロマ問題はその国の大衆意識を暴くリトマス試験紙になる」と、劇作家で初代チェコ共和国大統領ハヴェルが語った。ロマに対するフランス国民の大衆意識は、病的な嫌悪と蔑視に満ちている。フランス人自身が改心しないかぎり、ロマ差別はなくならない。

 一方、<クズのサルコジ>がいかに塞き止めようとしても、<EU圏内通行の自由>に守られた流民(ロマ)は、雪解け水のようになだれ込んでくる。ルーマニアに強制送還されたロマは、失業と差別で貧しい本国では生きていけず、再び豊かなフランスに戻る機を覗っている。
 さらに、世界中で失業者が溢れ職を求めて移動する移民.流民現象も止められない。学者から季節労働者まで、世の中みんなロマになりつつある。自分の問題としてロマとの幸せを考えたほうがいい。それにはまず、ロマを好きになることだ。

 2010年9月29日、「2週間の猶予を与える。ロマ追放を止めない場合は法的処置を取る」と、EU司法委員会はサルコジ仏大統領に最後通牒を突きつけた。

 <クズのサルコジ>にEUの審判が下る10月15日に向け<レチュード・チガンヌ(ロマ研究)>など、フランスのロマ支援団体が集会とパーティーを予定している。

 クズのサルコジ・フランス大統領殿、
 ロマと一緒に踊って昔の自分を思い出してみません? きっとロマが好きになりますよ。

文:平田伊都子 ジャーナリスト. 写真:川名生十 カメラマン

数字はBBC英国TVとフランス紙Le.Monde.fr. 参照

(この記事は「日刊ベリタ」から許可を得て転載しました)

【関連記事】
■フランスがロマ人送還を開始(字幕・19日 REUTERS)

■パスカル・バレジカ:フランスとロマ──ロマの強制送還を考える
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/10/post_679.html

2010年10月18日

小沢氏の起訴議決却下の申し立てを東京地裁が却下

 民主党の小沢一郎元代表の政治資金規正法違反事件で、小沢氏が検察審査会の二回目の起訴相当議決について一回目の議決に含まれていない内容が犯罪事実として追加されていたために執行停止や検察官役の指定弁護士選任の仮差し止めを申し立ていたことについて、18日、東京地裁は申し立てを却下する決定をした。

中国政府は劉暁波氏を釈放せよ!

 ノーベル平和賞を受賞した中国の民主活動家、劉暁波氏を直ちに釈放するよう中国政府に求める世界的な署名運動がネット上で始まっている。世界最大の署名運動サイト"care2"で「一中国市民」が呼びかけたもので、目標は10万人。18日朝10時現在で約1万3800人の署名が集まっている。賛同者は次ぎにアクセスして下さい。

http://www.thepetitionsite.com/1/free-the-nobel-peace-prize-laureate-liu-xiaobo/

2010年10月16日

パスカル・バレジカ:フランスとロマ──ロマの強制送還を考える

8月27日の報告によると、ジュネーブに本部を持つCERD(人種差別撤廃委員会)はロマに対するフランスの政策を非難した。9月末には、ブリュッセルの欧州委員会が、フランスは欧州連合内における自由な人の移動を尊重していない、とフランス政府を強く非難した。さらにローマ教皇やキューバのカストロ元議長もフランスをとがめた。

サルコジ大統領のフランスはレイシストになったのか?そもそもロマとは何なのか?

「ロマ」という言葉はロマの言語であるロマニ語で「人間」を意味する。だがロマは欧州各国で様々な呼び方をされている。ジプシー、ジタン、ツィガーヌなどである。ロマは欧州における最後の放浪の民だ。しかし、今やその半数以上が定住している。ロマは欧州のすべての国に住んでいる。全部あわせたら700万人から1000万人ぐらいだろう。

ロマの起源はインドにあるが、中世の間に欧州にやってきた。時にはよく迎えられ、社会の辺境で生きた。ルーマニアでは、ロマは長い間、奴隷にされていた。歴史を振り返ると、欧州のいくつかの国ではロマを追放したり、抹殺したりしようとした。

たとえばフランスのルイ14世はすべての「ボヘミアン」(フランスにおいてはしばしばロマをこう表現する)の男をガレー船に送って使役し、その子供は救済院に送るようにと命じた。第2次大戦中は5万人から22万人のロマがナチの絶滅収容所に送られて殺された。

今フランスで起きている問題は2007年1月にブルガリアとルーマニアが欧州連合に加盟したことに起因する。この2つの貧しい国が欧州連合に加盟し、国境が開放されたことで、両国の地方に在住していたロマがどっと欧州の他の国々に入ってきた。

ブルガリアとルーマニアから来たロマは今フランスに15,000人近くいる。問題は複雑だ。まず、ロマたちは出国してきた国々でもあまりよく思われていなかった。彼らはしばしば隔離さえされていた。さらにブルガリアとルーマニアから来たロマたちは、両国から出て来た一般市民と同様、フランスで職を見つけるのが難しかった。移行期間に設定された7年間に開放された職業は150種に限定されている。さらに雇用する側は特別な税を納めなくてはならない。これも彼らの雇用を一層難しくしている。

フランス政府はフランス国内の労働市場を厳しく締めることで右派の有権者に取り入ろうとした。ブルガリアとルーマニアからやってきた多くのロマをフランス国内から強制退去させたのだ。今年に入ってすでに8,000人が強制送還されている。1969年に人種に基づく追放を禁止する条約を結んだにも関わらずだ。

「優先的にロマが住んでいる不法キャンプは徹底的に解体せよ」と明記された通達がフランス政府によって作成された。フランス政府は国際協定を踏みにじったのである。さらに困ったことに、フランスはロマに関してこれまでも好意的ではなかった。

第2次大戦中、ドイツ軍の占領下においてではあったが、フランス当局は1940年4月に「国家の安全のために」ロマたちを強制収容所に監禁することに決めたのである。そのため6,000人から6,500人のロマが、その90%はフランス国籍だったが、各地の強制収容所に送られた。しかも、最後の収容所が閉鎖されたのは第2次大戦終結から1年近くたった1946年6月1日だった...

現在のフランス政府がいかに否定しようと、フランスはルイ14世の時代からロマを敬遠してきたのである。

寄稿 : パスカル・バレジカ(Pascal Varejka)
翻訳 : 村上良太

(この記事は「日刊ベリタ」から許可を得て転載しました)

【参考文書】
1969年の条約=「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」(International Convention on the Elimination of All Forms of Racial Discrimination)

【関連記事】
■ロマってどんな人たちなの?(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/wadai/naruhodori/news/20101014ddm003070123000c.html

■仏の少数民族ロマ送還は違法 欧州委、法的措置検討(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010092901001178.html

2010年10月15日

[記者レク]郷原信郎:検察審査会決議は何が問題か 行政訴訟のアプローチ


《第1部/全3部(再生時間:13分14秒)》

本日小沢一郎・民主党元代表は東京第5検察審査会の「起訴議決」(4日公表)に対し、議決の取り消しと検察官役の弁護士の指定差し止めを求める行政訴訟を東京地裁に起こしました。

今回の行政訴訟をどう考えたらよいのか。

14日郷原信郎氏が開いた記者レクでは、学習院大学・櫻井敬子教授を迎えて検察審査会に関する一連の動きと行政訴訟の考え方について説明されました。

《THE JOURNAL》ではその模様を映像公開します。当日配布された資料については一部を掲載します。

映像の第2部「検察審査会法の仕組みと問題点」では、検察と起訴の大原則が述べられており、資料とともにじっくりご覧頂ければと思います。

【参考資料】
■2010年10月14日配付資料「検察審査会決議をめぐる法律問題」(PDF)
※クリックするとダウンロードできます

【記者レク映像】
※映像公開できる長さが最大15分(1本につき)となっているため、3部にわけて公開します。

 ※ ※ <第1部(ページトップと同じ)> ※ ※ 

1、問題提起
2、行政訴訟と検察審査会について(7:30〜)
3、当事者訴訟─原則はまっとうな検察官によるまっとうな起訴(11:15〜)

 ※ ※ <第2部> ※ ※ 

1,当事者訴訟(つづき)─起訴と憲法違反
2,検察審査会法の仕組みと問題点(1:20〜)
3,検察審査会議事録の開示請求はできるか(7:00〜)

 ※ ※ <第3部> ※ ※ 

1,検察審査会と行政訴訟の問題点整理
2,平均年齢間違いと審査員に対する疑問(7:40〜)
3、質疑応答(一部)(12:20〜)

取材日:2010年10月14日 撮影:《THE JOURNAL》取材班

2010年10月13日

【来日インタビュー】映画『小屋丸 冬と春』監督:都市で失われた「博愛」と「連帯」

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映画『小屋丸 冬と春』がユーロスペースで公開された。

この映画は新潟県十日町市の合計4軒13人が暮らす小さな集落「小屋丸(こやまる)」を舞台に撮影された。フランスの現代美術作家として知られるジャン・ミッシェル・アルベローラ監督が2007年から2年間、計10回にわたってパリから通い、カメラを回し続けた。

今回はフランス人監督・アルベローラ氏をインタビューし、小屋丸を映画の舞台にした動機、都市と農村の関係などについて答えていただいた。

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ジャン・ミッシェル・アルベローラ氏(『小屋丸』監督)
都市で失われた「博愛」と「連帯」
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撮影:《THE JOURNAL》 2010年7月7日撮影

─日本で撮影された外国映画は数多くあります。その大半は東京など都市部を舞台とした作品です。なぜ撮影場所を日本に、また小さな集落を選んだのでしょうか

東京だけが日本ではありません。

必ず「周辺」という存在があることをこの映画で表現しました。小屋丸という集落は日本の"空気"のような存在です。

─農村に住む人々はこの映画をどうとらえるでしょうか

農村で見せようが都市で見せようが変わらないと思います。

この映画は私が西洋人の視点で撮りました。日本の農民だけでなく、フランスの農民、世界中の農民が直面している普遍的な問題を提示していると思います。

─住民だけでなく、マイクを抱えた音声スタッフなどの制作側が登場している狙いはどこにありますか

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この映画は小屋丸の人々の生活についてのドキュメンタリーであり、同時に撮影するという行為自体のドキュメンタリーでもあります。小屋丸の住民にとって、この映画はひとつの経験であり、同じように制作側にとっても映画的経験をしました。

映画は彗星のように小屋丸に降ってきたわけでなく、すべての人にとって生活の一部となっていました。

─日本では「限界集落」という言葉があります。小さな集落は将来なくなる運命にあるようにメディアは書きたてます。それに対して、小さな集落ほど持続する力を持っている、都市で学べないものが農村にあるという文脈で発行されている雑誌・「季刊地域」が日本にはあります。映画『小屋丸』にも共通する意識があるように感じます

季刊地域」の問題意識を『小屋丸』も共有しています。

私が映画で撮影したのは、都市の考え方から疎外された、都市とは違う考え方を持った人々でした。彼らは都市には住めない、住みたくないと思っている人々でした。

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差し出した季刊「地域」はインタビュー中に何度も眺め、最終的に"お持ち帰り"されました

彼らは食べものについての考えや、自分達がどう食べていくかということに対して非常に自然な考え方を持っており、私は本物の生き方を考えている人たちだと思いました。都市の人たちとは異なる時間や空間の認識と意識を持った人々です。

都市住民が小さな集落の生活を見ることは、別の視点をもつために必要だと思います。都市は非常に速いスピードで生活が流れています。そこにいる人々は普通ではありません。

─取材をする時に、取材対象に受け入れられることは難しいと思います。『小屋丸』では住民との距離感が近いように感じました

実際に小屋丸の人々は「博愛」をもって受け入れてくれました。私にとって博愛という経験を小屋丸でしました。自分達の人生をきたんなく博愛をもって語ってくれました。

─現在の社会、特に都市に不足しているものがこの映画で表現されているのですね

都市で失われたものはその「博愛」と「連帯」です。

「自由」というものを求める風潮もありますが、北朝鮮などの専制国家でない限り自由は大した問題ではないと思います。それより今は重要なのが「平等」「博愛」であり、格差や男女といった問題です。

小屋丸は連帯について描かれた映画で、ひょっとすると共産主義的映画かもしれません。本当に都市の人々が小屋丸の映画を理解したならば、連帯というものが始まるのではないかと思います。

(構成・文責:《THE JOURNAL》編集部)

 *   *  <映画情報>  *   * 


映画『小屋丸 冬と春』予告編(再生時間:2分06秒)

<公開情報>
〜2010年10月29日、渋谷ユーロスペースにてロードショー

監督:ジャン=ミッシェル・アルベローラ
出演:小屋丸の住民の皆さん、柳昇、ボイコ・ストイアノフ、ジフカ・アンドレーヴァ・ストイコヴァ
フランス・日本/2009年/モノクロ/日本語・フランス語/デジタル/88分
配給=NPO法人越後妻有里山協働機構
後援:在日フランス大使館、十日町市
助成:アントワーヌ・ド・ガルベール財団、カルチャーフランス、フランス基金
宣伝:スリーピン
配給:NPO法人越後妻有里山協働機構

<入場料金>
一般1700円/大学・専門学校生1400円/会員・シニア1200円/高校生800円/中学生以下500円

■映画『小屋丸』公式サイト
http://www.echigo-tsumari.jp/artevent/koyamaru.html

事実は小説よりも奇なり ── 検察審査会審査員の平均年齢をめぐる謎の数々

 「事実は小説よりも奇なり」を地で行くようなミステリーである。

 東京第五検察審査会が、小沢氏の政治資金問題について2回目の「起訴相当」の議決を下したが、その審査員の平均年齢が30.90歳とあまりにも低すぎることに疑問の声が上がっていることは、すでに多くの読者がご存じのことだろう。

 ちなみに、週刊朝日に掲載された数学者の芳沢光雄氏(桜美林大学教授)によると、東京都の住民基本台帳から算出された20歳〜69歳までの人口の平均年齢は43.659歳で、平均年齢が30.90歳以下になる確率は「0.12%」だという。1回目の議決の34.27歳以下になる確率は「1.28%」であることも考えると、何らかの作為があったとしか思えない数字が問題視されている。

 そこで、指摘を受けた検察審査会が再調査したところ、12日に平均年齢を「30.9歳」から「33.91歳」に訂正すると発表された。毎日新聞によると、「平均年齢を計算する際、担当職員が37歳の審査員の年齢を足し忘れ、10人の合計年齢を11で割るなどしていた」ためで、事務局は「誠に申し訳ない」と謝罪したという。

 ところが、ここで再びミステリーが生まれる。

 記事を参考に平均年齢を計算してみると、30.90歳と33.91歳の合計年齢差は「33歳」(33.91×11ー30.90×11)であり、計算し忘れたとされる37歳で計算した場合の平均年齢は「34.27歳」で、訂正後に発表された「33.91歳」にはならない。問題は、記事中にある「年齢を11で割るなど」の「など」の部分で、ここが誤差の原因である可能性もあるが、どの新聞社の記事も「など」の中身についての説明はない。計算間違いの真相は、いまだ闇の中だ。

 そうはいっても、37歳を計算し忘れたことで、正しい平均年齢が34.27歳である可能性が推認されることになった。いろいろあったにせよ、計算間違いを2度もおかすという事務局の怠慢が明らかになり、検察審査会の運営方法にも厳しい視線が向けられることだろう・・・ という結語でもってこの話題は終了するはずだった。(編集部追記:検察審査会事務局は電話での回答で他の審査員の年齢も間違えていたことを認める回答をしているとの情報あり。編集部でも確認中です)

 だが、この「34.27歳」という数字は、さらなるミステリーの始まりすぎなかったのだ。

 カンの鋭い読者は、すでにお気づきのことだろう。そう、この「34.27歳」という平均年齢は、小沢氏に1回目の起訴相当の議決を下した審査員11人の平均年齢「34.27歳」とまったく同じなのである。なお、検察審査会は、1回目と2回目の議決で審査員の全員を入れかえたと発表している。いったい、この確率は何パーセントなのか。もはや計算する気もおこらないほどだ。

 次々と明らかになる摩訶不思議な物語。「我々はどこから来て、どこへ行くのか」ということを考えたくなるほど、検察審査会は人智のおよばない神秘的な世界に存在している。

2010年10月12日

小林恭子:岐路に立つBBC ─受信料削減、規模の縮小化の先は何か?

 BBC(英国放送協会)の規模の大きさに対する批判が、英国内で年を追う毎に熾烈化している。巨大さ批判は以前から存在していたが、メディア環境の変化や不景気のために広告収入が減少した結果、民放他局が地盤沈下状態になり、BBCの「一人勝ち」状態が目立つことになった。

 BBCには景気の動向に左右されないテレビ・ライセンス料(NHKのテレビ受信料に相当)収入があり、これを原資にしながら、テレビ,ラジオ、ネット、オンデマンド・サービスとさまざまな分野に進出できる。BBCは放送業界の方向性を決めてゆく場所にいる。

 しかし、巨大さ批判はライバル他局からのみではもうなくなった。BBCが使う著名タレントへの高額報酬の提供や経営幹部の高額経費使いが明るみに出たことで、国民の中に、「自分が支払うライセンス料が無駄遣いされている」という思いが強く出てきた。

 不景気で緊縮財政ムードが高まり、BBCが規模の拡大やライセンス料値上げを容易にはできない情勢となった。

 一方、デジタル化の進展で、人々の番組視聴行動は大きく変化している。多チャンネル化が定着し、BBCも含めた各放送局のチャンネル視聴率は低下傾向にある。

 現在のように、視聴者から強制的にライセンス料を徴収し、これをBBCという一つの放送局が独占するやり方は、次第に合法性を失っているのである。BBCは今、岐路にあるといえよう。

 本稿では、来年から始まるBBCと政府との間のライセンス料体制の交渉を前に、BBCの置かれている現況と将来像の可能性を考えてみる。

<「公共サービス放送」が中心に>

 1920年代に誕生したBBCは、1950年代半ばで民間放送ITVが参入するまで、放送市場を独占していた。

 1982年にはチャンネル4(政府保有だが広告で運営費を捻出)、89年に衛星放送スカイテレビ(翌年衛星放送BスカイBと合併)、97年に民放ファイブ、と新規放送局の発足が進行した。放送・通信監督団体「オフコム」の計算によれば、地上波・衛星を含めたデジタル放送も入れると、チャンネル数は490に上る(2009年)。

 BBCの初代会長リース卿はBBCの役割を国民に「情報を与え、教育し、楽しませる」ものとして定義したが、放送業を公共の利という観点からとらえる伝統が今でも続いている。

 そこで、公共放送局BBCだけでなく、商業放送としてくくられるチャンネル4(ただし非営利法人が運営という独特のしみ)、株式会社が運営するITV、ファイブなどを、英国では「公共サービス放送」(PSB=Public Service Broadcasting)と分類している。PSBとしての各放送局は、一定の時間数のニュース、時事、事実に基づいた番組、児童番組、ドキュメンタリーを放送するよう義務付けられている。

 この枠の外に、米メディア大手ニューズ・コーポレーションが主要株主となる有料衛星放送BスカイB、ケーブルテレビサービスのバージン・メディアなどがある。

 放送業、通信業の監督・規制団体が先のオフコムで、放送・通信市場の現況についての報告書を定期的に発表しているほか、不祥事があった場合、業者に処罰を課す権限も持つ。

<「身震いするほど恐ろしい」と巨大さ批判>

 昨年夏、英スコットランドの首都エディンバラで開催された国際テレビ祭で、ニューズ・コーポレーションの欧州・アジア部門の会長兼最高経営責任者で、BスカイB会長のジェームズ・マードック氏による基調講演が話題を集めた。

 同氏はニューズ・コーポレーション最高経営責任者ルパート・マードック氏の二男である。同社の子会社ニューズ・インターナショナルは英国で高級紙タイムズ、サンデー・タイムズ、大衆紙サン、ニューズ・オブ・ザ・ワールドを発行し、マードック両氏(父及び息子)の発言は市場の動向に大きな影響力を持つ。

 ジェームズ・マードック氏はテレビ祭の基調講演で、「英国の放送市場を支配するBBCが独立したジャーナリズムの存在を脅かしている」と述べ、広告収入の減少で厳しい状態にある民放各局と比較して、その巨大さが目立つBBCを批判した。

 テレビからネットまで、複数の領域に手を広げる「巨大なBBC」の存在は「身震いするほど恐ろしい」とマードック氏は表現した。

 「規制を撤廃し、BBCを縮小させ、『顧客』に選択の自由を与えるべき」と提唱した同氏は、独立したジャーナリズムを保証する唯一のものとして「利益」を挙げて、壇上を降りた。公益を重視する英国の放送業界の常識に、真っ向から挑戦する講演となった。

 BBCの規模に改めて注目すると、従業員は世界で約2万2000人、国内では約1万7000人が働く。BBCのテレビ番組のコンテンツは、スポーツを除く国内の全テレビ番組の3分の2にあたる。

 毎週2900万人がアクセスするウェブサイトへの年間投資額は約1億9900億ポンド(約257億円)。テレビ(約23億ポンド)、ラジオ(約5億ポンド)に比べればはるかに少ないが、全国紙の年間制作経費(紙媒体とウェブ)は1億ポンドと言われており、BBCのウェブ制作経費はその2倍である。

 主要財源はテレビ受信機を所有する者に課すテレビ・ライセンス料だ。現在、カラーテレビで年に145・50ポンドである。今年3月決算のライセンス料収入総額は約34億4000万ポンド。これにラジオ国際放送の「ワールドサービス」(政府交付金で運営、2億9300万ポンド)、商業部門BBCワールドワイドの収入(約10億7400万ポンド)などを加えると、BBCの事業収入は47億9000万ポンドに上る。

 一方、民放最大手ITVの従業員数は約4200人(09年、以下同じ)。BBCの国内の人員の4分の1である。昨年12月決算で総収入は18億7900万ポンド(前年20億3000万ポンド)、利益は2億5000万ポンド(前年は27億ポンドの損失)となった。

 規模で他を圧するBBCの動向が業界の方向性を決めていく構図が出来上がる。具体例が、「いつでも、どこでも、好きな時に視聴できる」をキャッチフレーズとして広がった、番組視聴のオンデマンド・サービス、BBC iPlayer(アイプレイヤー)の人気である。

 番組再視聴サービスは2006年以降、チャンネル4が先陣を切って提供し、他局もこれに続いた。しかし、07年末、BBCが本格的に市場参入した後で、広く利用されるようになった。

 08年、収入の大部分を広告に依存していた地方紙業界がリーマン・ショック以降の広告収入減で大きな苦境に陥ると、BBCは地方支局の拡充を計画。地方ニュースを掲載するウェブサイトに動画を増やし、地方紙がまかないきれない市場のギャップを埋めようとした。地方紙のウェブサイトにとっては大きなライバルができることになる。明らかな民業圧迫であるとして、地方紙の業界団体がBBCの計画の反対運動を展開した。最終的に、BBCは地方サイトの大幅拡充をあきらめざるを得なくなった。

 動画が豊富で充実したBBCのニュースサイトは、新聞各社にとっては大きな競争相手となる。タイムズとサンデー・タイムズが7月以降、ウェブサイトの閲読を有料化したが、ライセンス料を元手に無料でネット・ニュースを提供するBBCは「ニュースは無料」という感覚を利用者に植え付けていく。

 海外でBBCの番組販売や出版を行うBBCワールドワイドに対するほかのメディアからの批判も、毎年、強くなる一方だ。

 ワールドワイドの収入は、今年3月期決算で前年比7%増の10億7400万ポンド。利益は1億4500万ポンドで、前年比36・5%増。民放や新聞各社からすれば、なんともうらやましい数字だ。

 ライセンス料は運営の原資として使われていないが、ライセンス料を使って制作した番組や他のコンテンツを利用してビジネスを行っているのは事実だ。非営利目的のはずの公共放送であるBBCが商業活動に従事する事態が生じている。

 BBCはワールドワイドで得た収入の一部(株主配当金他)をBBC本体に還元しており、これを番組の制作費に投入しているが、商業部門がBBC本体をさらに大きくするためという自己目的化しているという疑念が根強い。

つづきは日刊ベリタで!
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201010041723161

(この記事は「日刊ベリタ」から許可を得て転載しました)

2010年10月 9日

鈴木宗男×佐藤優:激白! 検察と外交、何が問題点か?

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10月6日、衆議院第一議員会館で新党大地代表の鈴木宗男氏と作家の佐藤優氏のシンポジウムが開かれました。外交問題と検察問題について触れられていた部分をレポートします。

<外交問題>

佐藤:尖閣の問題について鈴木さんがどうお考えか、もし事件が発生した当時外務委員長だったらどうしていたか教えて欲しいです。

鈴木:船舶の船長逮捕までの経緯をみていると、公務執行妨害の容疑で逮捕しています。あわせて領海侵犯もしていますね。なぜ一番大事な物証である船を返したのでしょうか。

私は船長も船員も沖縄に連れて来て、十分に時間をかけて事情徴収し、粛々と水面下で外交交渉をする手があったと思います。

北方4島でロシアの船が拿捕される時は、船舶と船員など乗っている人は全員連れて来ます。そして損害賠償をさせ、金を振り込ませます。船はそのまま置いておくという例が多いです。今回の場合はなぜ船を返したのでしょうか。船長だけ残して船員は船と一緒に返したのは、過去北方4島で行われてきた日本の経験を把握しておりません。どんな戦略・戦術があって取り組んだのかなという感じがします。

佐藤:あちこちフラフラ動いて何となく均衡を維持するような感じです。

1つ思うのは、検察庁には「割り屋」と言われる優秀な検事がたくさんいます。今回の事件の場合は物証とビデオという動かざる証拠があるのに供述調書、自白調書を取れないのでしょうか。

鈴木:私は日経新聞で書きました。こういう時こそ前田主任検事をなぜつかわないのか。供述調書をとれば減刑にしてやるとか使い方はあったのではないかと話をしました。

佐藤:捜査能力にかかってくる問題です。

鈴木:不思議でならないのは、前国土交通大臣の前原氏が沖縄まで行き、ぶつかった巡視船に乗って「逮捕はよくやった」と鼓舞していました。船長釈放の時には外務大臣として釈放しています。誰が考えてもちょっとおかしいのではないでしょうか。

私は中国の丹羽大使が日中関係はこの状態ではまずいぞと経済人を通じて前原さんに働きかけをしたと聞きました。

佐藤:私は中国側からその話を聞きました。今回の事件の絵をつかむことはできます。

この状態で船長を無罪放免できるのでしょうか。よくないと思います。何か手がないでしょうか。

鈴木:弁護士さんと相談していますけど、この船長を告発しようと思ってます。

佐藤:告発しようとしても鈴木さんはこれからいなくなるじゃないですか。受理してもらえない可能性も...

鈴木:受理しない場合は検察審査会にかけます。

佐藤:もし検察が不起訴とした場合、タイムスケジュールからすると獄中から検察審査会に出さないといけませんよね。

鈴木:私がいなくても浅野貴博(あさの・たかひろ)新党大地代表代行に頼むことはできます。また、連名での告発もできます。

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浅野貴博新党大地代表代行

佐藤:この事件は筋を通してもらわないといけません。今後尖閣周辺が聖域にされ、日本の主権が事実上及ばないという領域にされてしまう可能性があります。日本国家の名誉と尊厳を維持し、真の日中友好を維持するためにやらないといけないと思います。

今回の問題は民主党も反省して欲しいし、自民党も日本の領土をどうやって保全するんだという観点から国家という次元での議論をして欲しいです。

鈴木:佐藤さんがおっしゃられたように領土問題は国家主権に関わる問題です。国家主権に関する問題は与党も野党もありません。自民党からは与党政府の対応ばかり言ってきますけど、ではあなた方が政権与党の時はどうしていたかも問われます。ぜひとも国家主権に関わる問題は国益に観点からもきちっとしたものをつくるという議論にぜひつなげて欲しいと思います。

<検察問題>

佐藤:そして検察の話です。今回の大坪前部長、佐賀前副部長、前田主任検事の逮捕について、鈴木さんは率直にどう思いますか。

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会場は予定入場数をオーバーし、開催10分前の時点で会場までの通行証発行待ち人数は20人を超えていました

鈴木:朝日新聞が第1面でスクープしたその日の夜に前田氏は逮捕されました。早すぎると思いました。素人から見ても、口封じだと思いました。検察にとっては情報は広げない方がよく、朝日新聞だけにささやいてあのような記事になったのではないかと思います。

そして前田氏の身柄さえとってしまえばあとは誰も追いかけることはできません。検察はそこまで考えて動いたと思います。

佐藤:メディアの方々も目を覚ました方がいいです。検察官僚や外務官僚は重要な情報を新聞は朝日と読売、テレビはNHKにしか流しません。外務省については、今まで重要な情報は朝日新聞に流してきました。外務官僚と朝日新聞の記者たちの体質が似ているからです。

リークがいけないという話に私は乗りません。嘘をついてでも脅しても情報をとってくるのがメディアの仕事です。ただ、リークされた情報が正しくない場合、メディアはリークした人のことをバラすべきだと思います。なぜならば、国民の知る権利は国民の真実を知る権利だからです。嘘を知らされた場合、再発防止の責任はメディアが取らなければならないと思います。

そして検察庁、あるいは検察官をやめたヤメ検弁護士やコメンテーターが「青天の霹靂です。こんなことがあるとは思えません。あってはならないことです」というコメントをすることがあります。私はこれらは真実からかけ離れていると思います。検察官諸氏も本当のことを言って本当のことをやった方がいいのではないでしょうか。

鈴木:大坪前部長、佐賀前副部長、前田主任検事にしても引き継ぎで仕事をしています。先輩たちに教えられたやり方で仕事をしています。今前田氏を調べているのは、頻繁にテレビに出ている伊藤鉄男最高検次席検事で私を捕まえた時の特捜部長です。その部下は八木宏幸元副部長です。

佐藤:八木氏は『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』にも出ています。

鈴木:八木氏は私を捕まえようと特別チームまでつくり、最初から三井物産から3億円抜いているというつくりで捜査しました。そんな人が前田氏を正確に調べられますか。

佐藤:珍しい話ではないと思います。1929年の世界恐慌で、金輸出解禁をしました。日本の経済がものすごく悪くなり、農村恐慌で娘の身売りも起きました。世の中が腐ってる、二大政党制といえども両党とも腐っている、財閥は金儲けだけしている、官僚もおかしい、世の中を直さないといけないと思った人がいました。二・二六事件の青年将校たちです。二・二六事件で失敗し、このままでは陸軍全部がつぶれるということで粛軍しました。

二・二六事件と現在を照らし合わせると、青年将校役が前田主任検事、部隊長役は大坪氏や佐賀氏、石原莞爾役が伊藤鉄男氏になり、陸軍の統制派と皇道派の闘いであり日本ファシストの闘いだと感じられます。その結果はどうなりましたか。大川周明氏が「北一輝をしのんで」の中で、「老人4人を殺して何が変わったか、その結果世に点取り虫のような出世主義の軍人が中枢に入り日本は破滅の道を歩んでいった」と言いました。

このような経緯があるから私は特捜検察を断固擁護しなければならないと言っているのです。どんな国でもどんな時代でも政治犯罪はあります。我が国は政治犯罪がないということでしたから、政治犯罪は経済に変えなければなりませんでした。だから贈収賄や政治資金規正法など経済犯で捕まえました。もし特捜部をなくせば、その機能は警察が出します。警察は行政により直結しているので、上の方を見て考えますよ。警察に白紙委任状を渡すよりは、距離を持っている検察の方がいいでしょう。

そして可視化の導入は不可欠だと思います。被疑者のための可視化は言わずもがなですが、検事に無理をさせない、助けるためにも必要です。見られている状況だと、人は無理をしません。検察官のためをもう少し考えて、最高検は可視化の議論をした方がいいと思います。

鈴木:可視化に反対する最高検、検察がいますが、いま捕まっている大久保氏や佐賀氏が全面可視化で取り調べてくれと言っています。

佐藤:特に佐賀氏が言っていることは説得力があります。佐賀氏の弁護人は特捜の調べについて、冤罪をつくり出す温床になってきたと言っています。

取調べの時に怒鳴ったっていいです。筋書きをつくることは間違いではありません。しかし、筋書きが間違っていることはいけません。間違ったときに軌道修正ができなければいけません。例えば私が鈴木宗男さんからお金をもらっている、鈴木さんが三井物産からお金を抜いているという見立てをするのは勝手です。もし調べて何もなければ、「ありませんでした、すいませんでした」と言うだけの話だと思います。なぜできないのでしょうか。

鈴木:「俺たちが世直しをする」という間違った正義感を持ちすぎているんだと思います。

(撮影・構成・文責:《THE JOURNAL》編集部)


【関連記事】
■「鈴木宗男×佐藤優:激白! 検察と外交、何が問題点か?」(音声版)
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/10/post_672.html

2010年10月 8日

《あなたの声を鈴木宗男さんに届けました》鈴木宗男新党大地代表「行ってきます」


《特別映像(再生時間:3分45秒)》

※ ※ ※ ※ ※

鈴木宗男新党大地代表がラジオ番組「ON THE WAY JOURNAL─高野孟のラジオ万華鏡」に登場し、9月8日に《よろんず》で募集した《あなたの声を鈴木宗男さんに届けます》をお約束通り直接渡しました。

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集まったメッセージは200通以上!

《あなたの声を鈴木宗男さんに届けます》最高裁が鈴木宗男衆院議員の上告を棄却 実刑確定へ

鈴木宗男さんは200件を超える《THE JOURNAL》読者のメッセージに目を通し、目頭を熱くして喜んでくださいました。

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「永年表彰」と刻まれたバッジを見せてくれました

番組終盤には明るく「行ってきます、私と同じ境遇の方々にもめげずに頑張って欲しい」とおっしゃっていました。

スタジオ入りからメッセージの受け渡し、収録後の雑談風景を放映します。みなさんで一緒に"お見送り"をしたいなと思いますので、最後までご覧頂ければ光栄です。

取材・撮影:《THE JOURNAL》取材班 取材日:2010年10月8日

2010年10月 6日

鈴木宗男×佐藤優:激白! 検察と外交、何が問題点か?

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 本日6日、衆議院第一議員会館で新党大地代表の鈴木宗男氏と作家の佐藤優氏が国会議員向けのシンポジウムを開きました。

 検察では何がおこっているのか?
 日本の外交は大丈夫なのか?
 尖閣問題は?
 官房機密費は何に使われていたのか・・

 シンポジウムの模様を録音した音声データ(mp3)を、ノーカット配信します。テレビや新聞では決して語られることのないオフレコトーク満載の内容となっています!

★    ★    ★

■ダウンロード(mp3)
※クリックするとダウンロードできます。ダウンロードができない場合は、「右クリック→ファイルを保存」をして下さい。一部音声が乱れているところがありますが、予めご了承のほどお願いいたします。

[緊急記者レク〈2〉]郷原信郎:小沢氏に辞職を求める者は「法的なセンス」がない!

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 5日におこなわれた、郷原信郎(名城大学教授・弁護士)氏による緊急記者レクです。小沢一郎氏に対して検察審査会が2回目の起訴相当議決を行ったことについて、郷原氏のコメントをテキスト化しました。

2010年10月5日、名城大学コンプライアンス研究センター

【構成・文責】
《THE JOURNAL》編集部

【参考資料】
■2010年10月5日 東京第5検察審査会 議決文(PDF)
 ※クリックするとダウンロードできます
[緊急記者レク〈1〉]郷原信郎:小沢氏に対する検察審査会の起訴相当議決は無効だ!

★    ★    ★

郷原信郎
(名城大学コンプライアンス研究センター長)

 今回の起訴相当議決は、前提としている政治資金規正法の解釈論がおかしいと思います。

 以前から言っているように、政治資金収支報告書の記載の正確性について責任を負っているのは会計責任者です。なので、虚偽記入の罪は「会計責任者が正確に収支報告書に記入すべきところを虚偽の記入をした」というところが一次的な虚偽記入罪の範囲です。そこに会計責任者以外の人が関わったとするならば、何らかの積極的な関与、指示、働きかけ等がなければならない。少なくとも、これが刑事の実務で前提とされています。検察の2度にわたる不起訴処分もこういった政治資金規正法の解釈を前提にしています。

 ところが、今回の議決文に書かれている「報告」とか「了解を得た」といった断片的でフワッとした抽象的な供述では、到底、会計責任者以外(=代表である小沢一郎氏)の共謀は認定できません。これが常識的な刑事司法の実務です。しかし、(検察審査会の議決文では)そこのところが前提とされていない。しかも、そんな抽象的な供述が信用できれば、ただちに共謀が認められるかのような言い方です。これはそもそも政治資金規正法の罰則の解釈としておかしいと思います。

 さらに、供述の信用性について様々なことが書かれているのですが、村木判決を聞きかじりしてこんな表現をしたのかと思われるようなところもあります。

 たとえば「細かな事項や情景が浮かぶようないわゆる具体的、迫真的な供述がなされている方が、むしろ作為性を感じ、違和感を覚える」(3頁)というのは、これははっきりいって「わけのわからない理屈」です。一般的な証拠の信用性評価というのを完全に無視していて、これを「市民の感覚・素人の感覚」というのかもしれませんが、常識ある人はこんな見方はしないと思います。

 たしかに、「具体的かつ迫真性があるから信頼できる」という、これまでの裁判所の検察官調書の信用性の判断に問題があるとは私も思います。村木さんの無罪判決でも、「具体性や迫真性は後から造ることもできる」とのことが言われました。これはどういう意味かと言うと、「具体性があり、迫真性があるからといって、ただちに供述が信用できるとはならない」と言ってるわけです。ところが、それを逆に解釈して「昔のことだから、具体的で迫真性であるとかえって信用できない。逆に言うと、具体的、迫真性は何もなく、フワッとした内容の供述の方が信頼できる」というのは、論理があべこべで、メチャクチャです。

 補助弁護士は市民・素人だからとバカにせず、「供述の信用性とは基本的にこう考えるべき」ということを審査員にちゃんと説明し、検察官も常識にかなった認定をしてもらうよう説明をすべきです。今回の件に関しては、審査結果がとても重大で政治的な影響を持つわけですから、それだけにこういう「ピント外れの認定」が書かれていることに非常に違和感を感じます。

 ということで、この議決の供述の信用性等についての実態的な判断、つまり、共謀が認められるかどうかについては、私はまったくもっておかしいと思います。こういう判断によって有罪の可能性を語っているのは、理屈に合っていません。

 ただ、最後のまとめ(6頁)に「国民は裁判所によってほんとうに無罪なのかそれとも有罪なのかを判断してもらう権利があるという考えにに基づくものである」と書かれています。判断の中身がデタラメであるとしても、この議決の効果を社会はどう受け止めるべきかということについては、ある意味では正しい考え方です。つまり、「本件は最終的に裁判所に判断してもらえ、検察の処分は信用できず、検察の判断だけで本件を終わらせるべきではない」という主旨であり、それが検察審査会の起訴相当議決ということです。

 これは何も検察審査会が「有罪」を決めたのではなく、(検察審査会は)そういう場でも、そういう議決でもなく、あくまで「検察官の処分に納得できないので、裁判所に判断を求める権利がある」という主旨です。そこのところを、議決の主旨として正しく理解しておくべきではないでしょうか。

 ということで、私はこの議決に対しては非常に大きな問題が多々あると言わざるをえませんが、一方で、起訴相当の議決を受けてまた世の中が大きく動いて、政治的にも社会的にも重大な影響が生じている。(議決は)あくまで「裁判所に最後に最終的な判断を求める」という主旨にすぎないというところをもっと重く受け止め、現時点では、小沢氏に「政治的に責任をとるべき」だとか「議員辞職すべき」だとか「党として除名すべき」ということを言うべきではない。それはおよそ検察審査会制度の趣旨にも、議決の主旨にもあわない。そういうことを語る人は、「見識」や「法的なセンス」が疑われます。(了)

2010年10月 5日

[緊急記者レク〈1〉]郷原信郎:小沢氏に対する検察審査会の起訴相当議決は無効だ!

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 5日におこなわれた、郷原信郎(名城大学教授・弁護士)氏による緊急記者レクです。小沢一郎氏に対して検察審査会が2回目の起訴相当議決を行ったことについて、郷原氏のコメントをテキスト化しました。

2010年10月5日、名城大学コンプライアンス研究センター

【構成・文責】
《THE JOURNAL》編集部

【参考資料】
2010年10月5日 東京第5検察審査会 議決文(PDF)
※クリックするとダウンロードできます

★    ★    ★

郷原信郎
(名城大学コンプライアンス研究センター長)

 小沢氏の政治資金規正法に関する事件で、東京第5検察審査会が2回目の「起訴相当」の議決を出しました。この議決文にはいろんな問題があると思います。

 第一に、形式的な手続面の問題です。私は、この事件については1回目の起訴相当議決のときも「被疑事実についてきちんと報じられてない」と話しました。ようするに、不動産の取得時期と代金の支払い時期についての虚偽記入(記載時期のズレ)が1回目の議決で起訴相当とされただけであって、検察の捜査過程に報道で問題視されていた「小沢氏の2億円の現金収入」についてはまったく議決の対象になっていないということを強調してきました。そのこともあり、昨日に被疑事実の要旨を見たときに今回も同じ被疑事実だったので、同じ内容について再び起訴相当議決を出したのだと早合点してしまいました。

 ところが、今朝になってよく見てみると、起訴すべき事実は「犯罪事実」として別紙がついてる。これが被疑事実の容疑と違うんです。

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↑別紙 犯罪事実 ※クリックすると拡大します

 (2回目の検察審査会で審議された)被疑事実の容疑は検察が2回目の不起訴処分の対象とした事実で、これは1回目の起訴相当の事実である「不動産の取得時期と代金の支払時期のズレ」のことです。しかし、(昨日発表された議決文の)起訴すべき犯罪事実には、例の収入のことも含めて考えられています。つまり、小沢氏から不動産取得代金の原資が提供されたことも含めて、虚偽記入の犯罪事実として書かれているわけです。

 これをどう見るかなのですが、私の基本的理解では、検察審査会の強制起訴という制度は、あくまで検察の「不起訴処分の不当性」を審査するために設けられた制度で、検察審査会が起訴相当の判断を2回議決したときには、その事実を強制起訴の対象とすると私は理解していました。

 その観点からすると、検察の不起訴処分は「不動産の取得時期と代金の支払時期のズレ」についてだけ判断がなされているのに、2回目の起訴相当の議決でその範囲を逸脱した事実を「起訴相当」とするのは、これは検察審査会の起訴強制という手続きの趣旨からして明らかにおかしい。

 起訴強制は検察審査会が2回目の起訴相当議決を出したときに「検察官の公訴権の独占の例外」として認められたものであるにもかかわらず、(告発事実の範囲を逸脱することは)その事実についての手続きが取られてないことになるわけですから、本来の法の趣旨からするとおかしいわけです。なので、このような検察審査会の起訴相当議決では、強制起訴はできないのではないかと考えています。

 問題は、もし、今回のように検察の不起訴処分の対象を逸脱した事実に対して「起訴相当」という議決が行われてしまった場合はどうなるのかということです。

 これは難しい問題で、そもそも、外形的に見て事実の範囲が違っており、それを逸脱している部分については「強制起訴による起訴の要件を満たさない」と考えるとすれば、裁判所から指定された指定弁護人が「この起訴相当議決では強制起訴はできない」ということで、強制起訴の手続きをとらないという判断をするということもあるでしょう。あるいは、「全体の中の逸脱した部分だけを除外して起訴する」というやり方を取ることも可能ではないかと思います。ただし、そこは検察審査会法の解釈として、そういった判断を行うことを指定弁護士に与えられているのかどうかは、慎重に検討する必要があります。私は、基本的には要件を満たさない強制起訴手続きを指定弁護士に行わせることは難しいので、そういう判断権があると考える余地はあると思います。そこのあたりは私自身ももう少し詰めて考えていきたいと思っています。

 一方、仮に指定弁護士がそれでも(2回目の議決内容で)強制起訴という手続きをとったらどうなるか。あるいは、その手続きに対して何らかの法的な対抗措置が可能なのかということですが、これについては具体的な規定がありません。また、指定弁護士の職務の性格をどう考えるかによって違ってくるのですが、少なくとも、そういった場面の被疑者側のアクションとして「強制起訴手続きが行われるべきではない」という申立てをして、強制起訴の手続きを取らせないようにするアクション自体は可能だと思います。

 では、たとえば裁判所に「仮処分」の形で差し止める手続きが可能かどうかというところでは、指定弁護士と検察官が同じような職務の性格だとすると、(裁判所が)検察官の不当な起訴に対してそれを差し止める仮処分ができないのと同じように、難しいかなと思います。そうなると、指定代理人の強制起訴という手続きが行われ、裁判所の手に渡ったときに、裁判所に対して「この強制起訴手続きは違法なものであり、無効である」として、裁判所にただちに公訴棄却の決定、もしくは判決を直ちに行うよう主張することは可能だと思います。

 いずれにしても、検察審査会の手続きや議決できる被疑事実の範囲がきちんと整理されていない。たとえば、ちょっとした日時の違いや金額の多少のズレも許されないのかというと、これもあまりに硬直的に過ぎる気もします。そのあたりをどう考えるかも難しい問題だと思います。

 一つの考え方としては、たとえば、「犯罪事実が同じで一罪の範囲内であれば拡張してもいい」という考えがありうるかもしれません。ひょっとすると、今回の検察審査会もそういう考え方にたち、「収入の問題も支出の問題も不動産の取得時期の問題も、結局一つの政治資金収支報告書の問題なのだから一つの犯罪であり、逸脱しているわけではない」という見解がありうるかもしれません。しかし、そうなると一つの収支報告書でカバーされる犯罪が無限に広がってしまいます。たとえば、水谷建設の5000万円を水谷会長が陸山会宛の寄付なんだと言っていて、(検察審査会が)その事実を認めれば、それも一罪です。つまり、検察審査会の2回目の議決が「水谷建設の寄付についても不記載・虚偽記入だ」ということになれば、(強制起訴が)1回の起訴相当でできることになります。

 その意味でも、手続き規定をもっときちんと整備する必要がある気がします。公訴権を検察官が独占していることの例外として「強制起訴」という手続きを認めるのであれば、その実態要件としての犯罪は、当初の告発事実・告訴事実とどういう関係でなければいけないか。その途中で事実関係の変更はどこまで許されるのか。そこが実務的にきちんと固まっていないところに今回の議決書があると思います。(続く)

和田等:領土問題は対話で解決を バンコク・ポストがASEANと中国に呼びかけ

 尖閣諸島付近での中国漁船衝突事件をめぐり日本と中国の関係がこじれる中、東南アジアでも、この問題の行方に対する関心が高まっている。東南アジア諸国も中国とあるいは域内諸国同士で領土問題を抱えており、日中関係の緊張の高まりを他人事ととらえることができないという事情があるからだ。タイの英字紙バンコク・ポストは9月27日付で「隠蔽するのではなく対話を」と当事者に呼びかける社説を掲載した。

 社説は、南シナ海をめぐる領土争いの討論をめぐり、米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が異なる手法をとろうとしていると指摘。ASEANが域内の領土争いを国際舞台で議題として取り上げずに隠そうとしているのに対して、米国はオープンに討論することを通じて解決の道を探ろうとしているとしている。

 米国が南シナ海の領土問題に口出しするのは、外部のプレーヤーとしてこの地域にとどまることで拡大する中国の影響力に対抗しようとの思惑があるからだとしたうえで、域内での領土争いを封印したり無視しようとするASEANの試みは、誤った安全保障であると批判している。

 一方で、漁船衝突事件以降の日中の関係がどのようにこじれていったのかに言及したうえで、中国が南シナ海における「争う余地のない」主権を声高に主張していることを誤りであるとはっきり言明。どんな論争でもお互い、自分が正しいと思っているからこそ、争いが生じるのだとして、自らの主張を押し通そうとする中国の態度をたしなめている。

 ASEANも中国との間で南シナ海における領土争いを抱えている。社説では、その代表例としてベトナムとの間での軍事衝突が発生、1974年にこれに打ち勝った中国が実効支配をしているパラセル(西沙)諸島および6ヵ国・地域が全部ないしは一部の領有権を主張しているスプラトリー(南沙)諸島をめぐる争いをあげている。

 社説はタイの例にも言及し、マレーシアやカンボジアとの間で領海の国境線をめぐる対立を抱えながら、対話をおこない合理的な解決を図ってきていると指摘。とくにマレーシアとの間ではお互いに領有権を主張する地域を共同で統治し開発することで合意し、洗練されたやり方で和解を導き出したと強調している。

 日中関係がこじれる一方では、シンガポールとマレーシアが20年越しの交渉を通じて両国間の懸念事項になっていたマレー鉄道所有地をめぐる争いを、土地の交換と当該用地の共同開発を進めることで合意し解決に導いたことを取り上げ、オープンな対話と外交努力が実を結んだ好例だと評価。これこそ、ASEANと中国が心に留めておくべきひとつの模範例であると結んでいる。

 中国の脅威をむやみに煽るのではなく、対話と外交交渉を呼びかけたバランス感覚にあふれる社説といえるのではないだろうか。

(この記事は「日刊ベリタ」から許可を得て転載しました)

【関連記事】
■領海問題でマレーシアとインドネシア間にさざ波 ジャカルタでデモ隊が大使館に人糞攻撃(日刊ベリタ)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201008280909526

2010年10月 4日

小沢氏が強制起訴へ ── 東京第5検察審査会が「起訴相当」再議決も、無罪の公算大

 民主党の小沢一郎元代表の政治資金を巡る問題で、東京第5検察審査会は2度目の「起訴相当」を議決した。これによって、小沢元代表は強制起訴となる。

 ただ、検察側はすでに2度不起訴を決定しており、検察審査会は「検察の判断で有罪か無罪かを決定せず、裁判の場で結論を出してほしい」との考えを示したにすぎず、起訴されても無罪となる可能性が高い。

 一方、一般市民によって構成される検察審査会はマスコミの影響を受けやすいとの問題点も指摘されており、今回の事件で政治的に大きな影響を与えた検察審査会について、今後はそのあり方が問われることになりそうだ。

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山口一臣氏(週刊朝日編集長)
「メディアが郵便不正事件で何を学習したがが問われる試金石」
(山口氏のTwitter @kazu1961omi より転載)

村木さんの無罪、前田検事の捏造発覚、そして小沢氏の強制起訴と続き、メディアが何を学習したがが問われる試金石だと思います。国会議員の見識も問われます。前向きに考えると、これまで無罪推定の原則をないがしろにしてきた報道のありようを見直すいい機会かもしれません。

これまで、起訴されたことに重要な意味があったのは、有罪率が99%を超えているといい現実があったからです。ある意味、検察に対する絶対的な信頼があった時代の話なのです。

しかし、本来の原則からすると、有罪率99%といえども、起訴されたという事実をもって、その人の地位、刑事被告人になっても無罪推定の原則を堅持しなければならないことを日本中が学んだはずです。それを忘れてはいけません。

それは小沢一郎氏だろうと、村木さんだろうと、誰に対しても同じです。間違ってはいけないのは、小沢氏の政策や政治手法に対する批判と、刑事責任を混同することです。

小沢氏と政治的に対立する人たちが今回のケースを政争に利用したい気持ちはわからないではないですが、それはすなわち民主主義を踏みにじる行為だと自覚するべきです。強制起訴によって小沢氏は議員を辞職すべきだという人は村木さんの職場復帰にも反対の立場の人たちです。その自覚があるかどうか。

起訴されたという事実をもって、その人の地位、身分に影響を与えるようなことがあってはいけないのです。検察が間違えることもあるわけですから。村木さんの事件で多くの人が学んだはずです。村木さんの職場復帰を求めるあれだけたくさんの声があったことを思い出して欲しいと思います。

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■新番組のお知らせ
山口一臣週刊朝日編集長がメインパーソナリティーをつとめるインターネット生番組『週刊朝日UST劇場』が10月7日(木)21時にスタートします! ツイッターで募集した読者の声にその場で応える読者参加型生番組です。お楽しみに!
http://www.the-journal.jp/contents/info/2010/10/_ust1072100.html

2010年10月 2日

【インタビュー】鈴木邦男×三井環:検察の暴走と日本社会

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左;鈴木邦男一水会顧問 右;三井環元大阪高検公安部長

9月28日に開催された「躍進日本! 春風の会」立ち上げパーティーで一水会顧問の鈴木邦男氏と大阪高等検察庁公安部長の三井環氏に偶然お会いしました。

突然のお願いにも関わらず、一連の村木裁判に関わる検察や政治の動きについて、《THE JOURNAL》のインタビューに応え下さいました。

検察はどう変わっていくべきなのか、特捜の暴走は防げるのか、そして一般市民はどう関わっていけばいいのでしょうか?映像後半では、鈴木氏が尖閣沖衝突事件にも関連して、現在の政治家の不甲斐なさを語っています。

どうぞご覧ください!(取材・撮影:《THE JOURNAL》取材班 & Infoseek内憂外患編集部)

※撮影場所がパーティー会場のため、雑音が入っております。突然の取材なのでご了承ください。

《郵便不正事件の取材記者が語る》今西憲之:裏金問題の総括なくして検察改革なし

『私は無実です 検察と闘った厚労省官僚村木厚子の445日』(今西憲之+週刊朝日取材班)
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 大手メディアが郵便不正事件で村木有罪説を報じるなか、雑誌ジャーナリズムならではの調査報道で早い段階から検察のずさんな捜査を指摘してきた週刊朝日。その成果が『私は無実です 検察と闘った厚労省官僚村木厚子の445日』(今西憲之+週刊朝日取材班)として出版された。丁寧な取材を重ね、新聞・テレビ・インターネットで流れている断片的な情報だけではわからないこの事件の全体図を、推理小説の謎解きのように理解できる必読の一冊となっている。

 なぜ、検察はこのような「でっちあげ」を行ったのか。なぜ、村木さんは裁判で無罪を勝ち取ることができたのか。そして、検察改革を実現するには何を問わなければならないのか。週刊朝日でこの事件を取材し続け、著者でもある今西憲之氏(いまにし・のりゆき)に聞いた。

(構成:《THE JOURNAL》編集部)
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今西憲之氏(ジャーナリスト)

村木さんが裁判で勝利できた理由

──今回、村木さんが無罪を勝ち取れた原因はどこにあったのでしょうか

例えば鈴木宗男事件は、調書を取られた人たちが病気などの理由によって裁判所で証言を覆すことができませんでした。その点、村木さんの裁判では証人が裁判で供述調書をひっくり返すことができたことと、検察の描いたスト―リーと捜査がとんでもなく杜撰だった。これが大きかったと思います。

また、弘中惇一郎さんのような優秀な弁護士を東京から呼びよせて弁護料を負担し、1500万円の保釈金も払えるほどの財力があったことも大きい。あまり語られていないことですが、特捜事件で多くの人が泣き寝入りしてしまうのは、財力の有無も影響しているのです。

あとは、村木さん自身が強かったということ。彼女は「高知の女」で、僕は関西の人間ですから高知の知人も多いのですが、高知の人間は一度決めたら「テコでも動かない」という頑固さがあります。村木さんもそれを体現しているような方なので、無罪につながったのではないでしょうか。

──本では裁判官も無罪判決のポイントだったという話が出ています

そうですね。横田裁判長は「ホトケの横田」と言われるほどで、検察に遠慮がなく勇気を持って無罪判決をちゃんと書ける人でした。たとえば、今回の裁判で異例だったのは、強引な取り調べをした坂口副検事が法廷に証人として出廷したとき、裁判官3人で1時間も質問したことです。私の経験では、裁判官が検察の人間をここまで問い詰める場面を見たのは初めてでした。本にも一字一句正確に書いてありますが、坂口副検事は裁判官に詰められて、最後は返答にしどろもどろになってしまったほどです。

──一般の裁判官はそれほど検察に弱く、無罪判決を出したがらないものなのでしょうか

裁判官出身の弁護士に聞いてみると、裁判官は「無罪を出す」という観念がないそうです。なぜかというと、自分たちと同じ司法試験を通過していて、大学も東大・京大・早稲田・慶応といった有名大学出身者が多いとなると「〇〇検事は〇〇さんの後輩だから、嘘はつかない」と考える。裁判官出身の弁護士がそう言うのですから、裁判官の多くはそういうロジックで物事を考えているのでしょう。

2月には無罪を確信していた

──この事件が「検察によるでっち上げ」と思いはじめたのはいつ頃からですか?

僕はこの事件の裁判を共犯者の上村勉被告らの公判も含めてそのほとんどを傍聴していますが、昨年11月の村木さんの保釈後の会見で無罪を訴える姿を見た時点で、「検察がインチキしてるのかな」と思いました。というのも、共犯者の倉沢被告の裁判が先行して進んでいたのですが、証言にチグハグな印象があったためです。

ただ、それまでの検察側のPRがすごく、村木さん以外の調書はすべて一致しているし、「これだけキレイに調書がそろったら村木さんが無罪を主張してもどうしようもない」と検察はリークしていました。ほとんどのマスコミもそれを信用していて、検察担当の記者も「村木さんがウソ言ってるだけで、調書が全部そろってるんですよ」と言うわけです。これには僕も最初は「そうなのかな」と、村木さんは極悪人かと思った時期もありました。それほど検察のやり方はうまい。

──とはいっても、マスコミの責任は重大ですね

検察の裏金告発の三井環さんがよく言うように、検察が独自捜査する事件はマスコミを使って「風」を吹かし、極悪人に仕立て上げてから逮捕するのがいつものパターンです。この事件でも、マスコミはそれに乗ってしまいました。今でこそ新聞は「ほどほどに報道した」と検証記事で言ってますけど、「ウソ言うな」という感じです。ほどほどに報道してたら、なぜ世論がこんなことになっているのか。日本の新聞はホンマにアカンと思いました。検証するなら「私たちは検察に騙されて、こんなことを書いてしまいました。村木さん、えらいすんません」という記事を書くべきです。

──世の中が「村木有罪」の雰囲気で流れる中で、週刊朝日は早い段階からこの事件は検察側に問題点があると訴えていました。最初に「村木無罪説」を流すことにはさすがに勇気がいったのでは

全然そんなことありません。まあ、山口一臣編集長とは20年近い付き合いですが、ずっと一緒におかしなことばかりやってきましたから、「またかいな」と(笑)

週刊朝日ではこれまでも検察のインチキを批判する記事を出してきていました。ただ、村木さんの事件はあまりにも捜査がずさんだったため、これまでわからなかった検察の手の内のかなりの部分が明らかになったと思います。

──無罪を確信したのはいつごろですか?

最終的には2月上旬ごろに村木さんは無罪だと確信できました。その頃、法廷で証言した河野氏や木村氏らに取材で話を聞いてみると、法廷で話したことと真相やバックグラウンドが全然違ったことがきっかけです。あとは村木さんを信じるか信じないかだけ。僕は村木さんの公判を見て「この高知のおばちゃんは、嘘言わへん、信頼できる」と思いました。

もちろん、外部の人達からは「大丈夫か」と言われましたよ。ただ、検察の裏金問題を取り上げたときはもっと激しく検察批判をしましたので、何とも思わなかったです。周りで思われてるほどプレッシャーはありませんでした。まあ、何があったとしても、僕がやられる前に編集長が先にやられるでしょうし(笑)

──前田恒彦検事がフロッピーディスクの更新日を改竄して逮捕されたことはさすがに予想外だったのでしょうか?

これはびっくりしました。ただ、今週の週刊朝日(10月8日号)にも書きましたが、改竄の噂自体はありました。村木さんの裁判が終わってから数日後、検察関係者からフロッピーの改竄について聞かされました。現職の主任検事が証拠を改竄するなんて信じられなかったのですが、周りの人に聞くと、すでにあちこちで噂になっていた。詳しく調べると「更新日を書き換えたらしい」という話でした。

それで僕もパソコンに詳しい知人に聞いてみたのですが、ソフトをつかえば更新日のプロパティを変更することができるという話を聞きました。その頃に、朝日新聞のスクープが出ました。一昔前であれば、そういったプロパティの改竄をチェックするソフトはなかったので、改竄が判明することはなかったかもしれません。

検察の不正を暴いた「雑誌ジャーナリズム」

──今回の一連の報道で、大手メディアとは違った視点で報道を展開する「雑誌ジャーナリズム」が見直されたように感じます

そう言っていただけると嬉しいですね。ここ最近でも、週刊現代が相撲協会から訴えられて4300万円の賠償命令を受けたりしたこともあって、雑誌の現場にいると腰が引けているのは、身をもって感じます。この事件によって考え直してもらえるきっかけになってくれればと思います。

実は、今回の裁判はそれほど難しい取材ではないんですよ。裁判を毎回傍聴していれば、ある程度の流れはわかります。あとは周辺を丁寧に取材するだけでいい。検察の裏金疑惑の方が検察内部の話だったのでもっと大変でした。裏金の取材が理由なのかは確かめるすべはないですが、尾行されたり、変な電話やメールがあったりで、緊張したこともありましたから。

このネタで売れたか雑誌が売れたかどうか、わかりません。僕らに他の雑誌が乗るかどうかは別にしても、少しはフォローしてほしかったとは思います。インタビューや対談などの簡単な記事でもいいから、特捜部を批判する人たち登場させるなどで、やってほしかった。絶対、雑誌ジャーナリズムの出番の事件だと思います。

裏金問題の総括なくして検察改革なし

──今回の裁判で特捜検察の持つ問題点が次々と明らかになりました。今後、検察が変わるためには何が必要なのでしょうか?

三井さんが告発した、検察の裏金問題を総括することです。そこからやらないと検察は変わることはできない。村木さんの事件でそれがよくわかりました。

検察OBの人たち全員が口をそろえて裏金問題について話せば、必ず何かが動くはずです。三井環さん一人だけに語らせていてはいいのかと疑問に思います。検察に「裏金問題は、懲役行った三井ひとりが言ってるだけですよ」とごまかされて、おしまいなんです。

郷原さんらが語っていることは理にかなってるし、素晴らしいと思います。しかし、例えば郷原さんは裏金に触れる立場にもあって、検事を辞めた方です。マスコミでコメントしている多くの検察OBたちは裏金を知る立場にありました。裏金についてもしっかり語ってもらえれば、その批判はより説得力を持つはずです。裏金というのは国民の税金で飲み食いしているんですわ。中にはマージャン代で現金を持っていった検察トップまでいる。これは犯罪。それを総括できない検察に未来はないですよ。うちの編集長が検察批判にこだわるのも、その点です。週刊朝日がキャンペーンをやっているだけではダメなんです。

──裏金問題は検察の体質を象徴しているということでしょうか?

なぜ、大阪で村木さん、東京で小沢さんの秘書が逮捕されたのか。それは、検察の裏金問題を告発しようとした現職検事の三井環を、事件でないものを無理やり事件につくり上げ、口封じ逮捕したことに味をしめたからです。真実は別にして検察がうまくストーリーを作り上げてしまえば、有罪にできるというところから始まっているような気がする。この逮捕によって「検察ストーリーこそが真実で、メンツを守るためなら、何をやってもいい」となってしまったと感じます。

最初は検察を守るためだったものがハードルがどんどん下がり、たんに検事が手柄を上げるために事件どころか証拠まで、捏造するようになった。郵便不正事件での失敗はその結果です。牧義夫衆院議員を狙って失敗、石井一参院議員にターゲットを変更した。それも無理だとわかると、特捜部の面子を守るためにキャリア官僚である村木さんを逮捕したのです。三井環事件の後に鈴木宗男事件でハードルが下がり、郵便不正事件でさらに一線を超えてしまった。その結果が、前田検事による証拠改竄事件なのです。

この見方、検察ストーリーのようになったらダメですから、この話を私は、検察幹部やOBに聞いてみました。すると「キミの話は間違ってない」と口をそろえて言ってくれる。なかには「大阪地検の上に聞いたら、キミの話と筋は同じやったぞ」という「裏どり」までしてくれた検察関係者もいました。

「三井環事件が発端だった。あれでハードル下がり、検察が何でもできるようになってしまった」とある検察幹部は認めています。裏金問題を総括しない限り、検察が変わることはありえません。

大阪地検証拠改竄事件で前特捜部長らを逮捕

 大阪地検特捜部の前田恒彦主任検事(43)が郵便不正事件の証拠資料を改竄して逮捕された事件で、最高検は1日夜、当時の上司だった大坪弘道前特捜部長(57)と佐賀元明前副部長(49)を、犯人隠避の疑いで逮捕した。

 毎日新聞によると、前田検事が証拠を改竄した疑惑は1月末に地検内で問題化した。だが、両容疑者は疑惑を過失として処理し、組織的隠蔽が疑われている。一方、大坪氏は「過失による書き換えと判断した」、佐賀氏は「意図的ではなく過失だと思った」と朝日新聞の取材に答えており、容疑を否認している。

【関連記事】
■「過失と判断」「説明信じた」大坪前特捜部長の一問一答(朝日)
■「事実を隠したことはない。争う」佐賀前副部長一問一答(朝日)
■証拠改ざん:前特捜部長ら逮捕 検事総長の進退問題発展も(毎日)

2010年10月 1日

【対談】前田和男×高野孟:民主党政権への伏流


《対談1/全3部(再生時間:14分57秒)》

民主党が政権交代を成し遂げ与党第1党になるまでには、決して表舞台には上がらない数多くの裏方の姿がありました。10人の「伏流」たちの声を集めた『民主党政権への伏流』が発刊され、その著者・前田和男氏と高野孟が対談を行いました。(全3部、ページ下に2部掲載)

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民主党政権への伏流

「まだ始まったばかりの民主党政権はどこへ向かって流れていくのか、長い時間軸で考えていきたい」(高野)

長年政界を見てきた2人が「政権交代選挙」に至る20年間を振り返り、今後の方向性を語り合います。忘れられつつある出来事や人物がポンポン飛び出しますので、メモを準備してじっくりご覧下さい!

対談最後の「民主党議員にはこのぐらいのことは知っていただかないと困っちゃうな」(高野)は必聴です。

* * * * *

<第1部>

高野:「民主党政権」が存在しており、民主党の歴史を辿っただけでは何が始まりどこへ向かおうとしているのか実際よくわからないじゃないか。そもそもの「伏流」からいくつもの筋を辿っていって、今ここに「民主党政権」ができているのだということを10人の裏方、それぞれの時期、流れを担って実質的に動かしていった裏方におそらくものすごい時間をかけてインタビューして1冊にまとめられたのだと思います。

この本を読み、日本新党・細川政権の参謀だった金成洋二(かんなり・ようじ)氏のインタビューを中心にした章が印象的です。今日の民主党政権にとって細川人脈、日本新党系は非常に大きな存在感があると思いました。

前田:日本新党系人脈すべてが民主党に行ったわけではありませんけど、よくよくたずねていくと細川氏の流れがずいぶんあります。代表戦の時に細川氏が小沢氏を支持するメッセージを送ったとニュースがありましたが、その仕掛け人が金成氏だったという話も聞いています。

現在のマスコミは民主党内の小沢グループとそれ以外の人たちが拮抗していることが民主党内の重要な動きだと思い込んでいるようです。菅氏も「小沢氏と私と鳩山氏」が民主党の源流のように言っています。しかしそこに源流はありません。

実際は源流に日本新党があり、旧社会党があります。

高野:例えば海江田万里氏は日本新党から政治生活が始まっています。牧野聖修氏も日本新党出身で、江田五月氏は社民党から日本新党を経由して民主党にきているのですね。今はぐれぎみで元横浜市長の中田宏氏、樽床伸二氏、野田佳彦氏、名古屋市長で暴れている河村たかし氏、落選した円より子氏、もちろん枝野幸男前幹事長、前原誠司氏...

前田:先日の民主党代表選挙で実質裏で政策などをやっていた松崎哲久氏も頭脳として動いてました。

高野:相当苦労しましたよね。日本新党で小沢鋭仁氏なんかと一緒に東大ハーバードグループと言われてものすごい頭のいい人でした。今や小沢陣営のブレーンです。日本新党はすごかったんだなと思います。

『民主党政権への伏流』に日本新党まわりの人脈が書かれています。ここから見えるのは松下政経塾を引っ張り込んだ、導入口になったのは細川氏ということです。細川氏が松下政経塾の評議員をやっていたところから始まっているのですね。中田宏氏は現役塾生でありながら新党立ち上げにも参加しています。

前田:厚生労働副大臣をしていた長浜博行氏も松下政経塾で、当時参院選挙の責任者をしていました。

高野:そしてさすが細川氏で、女性ファンの動きがありました。円より子氏とか...

前田:実は小池百合子氏もです。

高野:そうですよね、小池百合子氏もここから始まったのですね。ずいぶんあの人も変遷が激しいです。

日本新党の存在感は改めて言われてすごいなと思いました。

そのことをふまえて、前田さんは何度も「新しい政治文化」という表現を使われています。全体を通じて何の「伏流」かといったときにタイトルでは「民主党政権への」となっていますが、民主党政権も「新しい政治文化」に応えられているかわからない...

前田:私の連載のタイトルは「政権交代へのオデッセイ」でした。つまり政権交代は民主党が着地点ではありません。日本では政権交代がずっと起きておらず、政権交代可能な民主主義は日本でどうつくるのかはテーマにありました。仕掛けては倒れ、また仕掛けては倒れている人たちがいました。民主党というよりも、政権交代可能な日本型民主主義、借り物の政治文化でなく日本らしい民主主義をどうつくるのかに取り組んできた人たちがいるんだよということを書いています。

今の民主党議員には自分たちの遺伝子がどこにあるのか、関心がないし知ろうともしません。

高野:知らない人が圧倒的多数で、「伏流」に属していた人の中にも忘れてしまっている人たちがいます。民主党政権は何をして行くのかというときに、非常に心配な点です。

「新しい政治文化」と言ったときに、2つの面があると思います。中身は何かということです。第2勝で登場するさきがけ出身で村山首相補佐官の錦織淳(にしこおり・あつし)氏は自社さ政権にありながら小選挙区制反対、選挙制度だけ変えたって新しい政治文化は起こらないという説です。

(第2部へつづく)

* * * * *


《対談2(再生時間:14分39秒)》

高野:小選挙区制に変えて、それが何ほどのものなのかということを前田さんご自身はどう感じているのでしょうか。私自身はまず制度を変えて、そこから政治文化を変えようという割り切りがありました。

前田:政権交代後にインタビューした人たちに再び会いました。一貫した中選挙区主義者の錦織氏は大事なのは理念で形だけ変えればむしろとんでもないことになるという考え方でした。

今回の政権交代を見て、そうではない側面があるんだということを本人がおっしゃっていました。私もどちらかでなければならないというわけではないと思います。

民主党自身に対して危うさを指摘されたり「ダッチロールだ」と言われているようですが、しかし一連の検察問題を含め、政権交代があったからできたことはあります。変わるということはなんであれいいことで、そこから理念を巡っていけばいいのです。

高野:錦織氏が言うように、理念とそれを担う人材、資質がちっとも鍛えられてなく、数だけ集めて政権とっちゃったという事態になりダッチロールになっているということなんだと思います。

僕はそれを含めてやってみにゃわからんじゃないかという無責任な立場です。世間は政権交代した翌日から「うまくいかないじゃないか」「だめじゃないか」とマスコミも言います。少なくとも4年間は見てやったらどうなのかと思います。

前田:4年どころじゃないかもしれません。

高野:私は2025年までかからないと民主党政権の真価は見えないと言っています。

前田:高野さんはそもそも96年に作った草案で「10年時限」と書かれていました。"空白"の期間を引き算するとこれから10年ということでしょうか。

高野:小泉政権の"空白"の5年間がありました。96年に旧民主党が発足でしょう。2000年に政権をとるつもりで、2010年、15年を見ていました。

前田:まだ実質的に政権をとっていないんですよね。

菅氏は民権の話をせず、国権主義者になっています。みなさん明治維新になぞらえていますけど、幕末から国会開設まで30年かかり、その間自由民権運動があります。30年の間で板垣退助や大井憲太郎など民権派から一部の人が国権派になり、日本の基礎が築かれます。徹底的な民権運動をやるのが民主党に与えられた使命だと思います。

明治維新の頃と現在とでは加速度が違うと言っても10年はかかるでしょう。慌ててはいけないのではないでしょうか。

高野:政権側はバタバタして上手くいかないからやめるという、鳩山氏と小沢氏の辞め方は私は非常に腹立たしいです。傷だらけになって倒れるまでやれ、自分が傷つきたくないからやめちゃうなんてマネを繰り返すなという感じです。

前田:ジャーナリズムが日本にないということかもしれません。本来なら当時の平民新聞や滑稽新聞までいろいろありました。現在のジャーナリズムは、もちろんたたく人がいてもいいですけど、ちょっと...

高野:マスコミが一色で同じようにたたきますね。僕らも《THE JOURNAL》で異論を唱えていますけど、おっしゃるように明治維新の頃の民権派の新聞がガンガン論調を繰り出していく生き生きした状況がありました。今の方がよっぽど息苦しい感じがあります...

つづきは映像でお楽しみ下さい!

* * * * *


《対談3・最終回(再生時間:14分20秒)》

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【プロフィール】
前田和男(まえだ・かずお)
1947年東京生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒。日本読書新聞編集部勤務を経て、翻訳家、ノンフィクション作家、編集者として活動。01年千葉知事選、02年参院補選(千葉)、03年・05年衆院選(大阪3区)、05年大阪市長選、07年東京都知事選の現場に関わる。著書に『男はなぜ化粧をしたがるのか (集英社新書 524B)』(集英社、2009年)、『足元の革命 (新潮新書)選挙参謀 (角川文庫)』(太田出版、2004年)。『選挙の裏側ってこんなに面白いんだ!スペシャル』(ビジネス社、2007年、三浦博史氏と共著)など。

菅首相「補正予算が今国会最大の課題」 所信表明演説全文掲載

第176臨時国会が本日1日開会し、菅直人首相が衆院本会議で所信表明演説を行いました。以下に全文を掲載します。

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一、はじめに
 国民の皆さん、国会議員の皆さん、菅直人です。六月に政権を担って四か月、九月に民主党の代表に再選され、党と内閣の改造を行い、政権を本格稼働させる段階に入りました。「有言実行内閣」の出発です。何を実行するのか。一言で申せば、これまで先送りしてきた重要政策課題の実行です。経済低迷が二十年続き、失業率が増加し、自殺や孤独死が増え、少子高齢化対策が遅れるなど、社会の閉塞感が深まっています。この閉塞感に包まれた日本社会の現状に対して、どの政権に責任があったか問うている段階ではありません。先送りしてきた重要政策課題に今こそ着手し、これを、次の世代に遺さないで解決していかなければなりません。それが、「有言実行」に込めた私の覚悟です。解決すべき重要政策課題は、「経済成長」、「財政健全化」、「社会保障改革」の一体的実現、その前提としての「地域主権改革の推進」、そして、国民全体で取り組む「主体的な外交の展開」の五つです。本日は、この五つの課題について、私の考えを申し上げます。

二、経済成長の実現―経済対策と新成長戦略の推進
(成長と雇用による国づくり)
 まず最初の課題は、経済成長です。国内消費を取り巻く状況には、厳しいものがあります。需要が不足する中、供給側がいくらコスト削減に努めても、値下げ競争になるばかりで、ますますデフレが進んでしまいます。これでは景気は回復しません。供給者本位から消費者目線に転換することが必要です。消費も投資も力強さを欠く今、経済の歯車を回すのは雇用です。政府が先頭に立って雇用を増やします。医療・介護・子育てサービス、そして環境分野。需要のある仕事はまだまだあります。これらの分野をターゲットに雇用を増やす。そうすれば、国民全体の雇用不安も、デフレ圧力も軽減されます。消費が刺激され、所得も増えます。その結果、需要が回復し、経済が活性化すれば、さらに雇用が創造されます。失業や不安定な雇用が減り、「新しい公共」の取組なども通じて社会の安定が増せば、誰もが「居場所」と「出番」を実感することができます。こうした成長と雇用に重点を置いた国づくりを、新設した「新成長戦略実現会議」で強力に推進します。

(円高、デフレ状況に対する緊急的な対応―第一段階)
 そのため、まず、今から来年度に向けて「三段構え」で成長と雇用に重点を置いた経済対策を切れ目なく推進します。既に、その「第一段階」、急激な円高・デフレ状況に対する緊急的な対応を実行に移しています。政府・日銀は、為替介入を実施しました。今後も、必要に応じ、断固たる措置をとります。また、即効性のある雇用対策に重点を置いて予備費約九千二百億円を執行します。特に、新卒者の就職に力を入れます。仕事を探す側、雇用する事業者、双方の負担を軽減し、ワンストップで雇用を「つなぐ」仕組みを全国展開します。さらに、低炭素産業の新規立地を補助して雇用を「守る」取組や、地域の雇用を「創る」取組も盛り込みました。日銀に対しては、政府と緊密な連携を図りつつ、デフレ脱却の実現に向け、さらなる必要な政策対応をとることを期待します。

(今後の動向を踏まえた機動的な対応―第二段階)
 そして、デフレ脱却、景気回復を軌道に乗せるため、今国会での補正予算の編成を含む「第二段階」に入ります。中身が重要です。野党からの提言も踏まえ、五つの柱からなる大枠を提示しました。第一の柱が雇用・人材育成、第二が新成長戦略の推進、第三が子育てや医療・介護・福祉、第四が地域活性化、社会資本整備と中小企業対策です。第五の柱として、規制・制度改革に取り組みます。例えば、再生可能エネルギーの利用拡大に向け、全量買取制度の円滑な導入を目指すとともに、大規模太陽光発電や新エネ・省エネ設備に係る規制を緩和します。日本を国際医療交流の拠点とするため、ビザや在留資格の取扱いを改善します。さらに、雇用創出効果の大きい国内立地促進策を、新設した円卓会議で早急にまとめます。いずれも国民生活に直結する課題です。与野党間で意見交換を進め、補正予算を含め、合意を目指したいと思います。

(新成長戦略の本格実施―第三段階)
 「第三段階」は、既に作業を始めている来年度予算編成と税制改正です。予算編成では、「元気な日本復活特別枠」も活用し、需要創造や雇用創出を強化します。法人課税については、税制の簡素化、海外と比較した負担といった観点から、年内に見直し案を取りまとめます。ものづくりでも、サービス産業でも、業種を問わず、新しい需要を引き出し、豊かで安心な暮らしを実現するイノベーションを起こすことが重要です。この観点から研究開発や人材育成も強化します。

 改めて申し上げます。今国会の最大の課題は、「第二段階」である経済対策のための補正予算の成立です。与野党間での建設的な協議に心から期待いたします。そして、切れ目なく「第三段階」に進み、新成長戦略の前倒し実施により、日本経済を本格的な成長軌道に乗せていきたいと考えます。是非とも、ご理解、ご協力をお願いいたします。

三、財政健全化と行政の無駄削減
(財政運営戦略の実施)
 二番目の重要政策課題は、財政健全化です。現在の財政状況を放置すれば、どこかで持続できなくなります。政府は、六月に財政健全化の道筋を示した「財政運営戦略」をまとめました。二〇一五年度までに、基礎的財政収支の赤字を対GDP比で今年度の半分にし、二〇二〇年度までに黒字化を達成するものです。大変高い目標ですが、成長と雇用拡大を実現しながら、一歩ずつ達成を目指します。

(来年度予算編成に向けて)
 最初の一歩が、無駄の徹底した削減を含む来年度予算の編成です。昨年は、四百四十九の事業を仕分けし、約二兆円の財源確保を実現しました。引き続き、強力に無駄の削減を徹底します。そもそも、財政が如何なる状況にあろうと、無駄は許されません。事業仕分けを特別会計に広げるなど、幅広く事業を見直します。マニフェスト実現には、引き続き誠実に取り組みます。財源の制約などで実現が困難な場合は、国民に率直に説明し、支給の方法や対象を含め、国民が納得できる施策に仕上げていきます。

(行政改革、公務員制度改革の推進)
 歳出見直しは、単に切り詰めることが目的ではありません。行政が利用者の視点に立ってサービスを提供し、より効率的に奉仕する体制にすることが重要です。公務員制度改革も、この目標を共有しています。国家公務員の総人件費の二割削減と併せ、一体的に取り組んでいきます。また、国の出先機関の統廃合を含め、各府省の機構や定員をスリムにします。公務員諸君に改めてお願いします。行政のプロとしての皆さんの心構えが問われています。

四、社会保障改革
(改革の必要性)
 三番目の重要政策課題は、社会保障改革です。社会保障制度がしっかりしなければ、国民の将来に対する不安はぬぐえません。この不安が、消費の低迷、経済の停滞の背景になっています。改革を急がなければなりません。一般論として、多少の負担をしても安心できる社会を作っていくことを重視するのか、それとも、負担はできる限り少なくして、個人の自己責任に多くを任せるのか、大きく二つの道があります。私は、多少の負担をお願いしても安心できる社会を実現することが望ましいと考えています。
 まず、求める社会保障の姿について議論を進めます。安定した年金制度や、十分な医療・介護・福祉サービスを確保していかなければなりません。高齢化などに伴い、今のままでも、社会保障費は毎年一兆円以上増加していきます。さらに、新たなニーズも生じています。孤立したお年寄りを守る、女性を乳がん・子宮頸がんから守る、子どもを貧困や虐待から守る、あらゆる人を自殺や災害から守る。強者の論理ではなく、弱者に寄り添い、こうした課題にも応えなければなりません。社会保障の基盤となる番号制度をどう整備するか決める必要もあります。個々の課題にばらばらに答えを出しても根本的な解決策にはなりません。政府は、社会保障改革の全体像について、必要とされるサービスの水準・内容を含め、国民に、わかりやすい選択肢を提示していきたいと思います。

(与野党間の議論)
 その上で、国民の選択に当たり、社会保障に必要な財源をどう確保するか一体的に議論する必要があります。消費税を含め、税制全体の議論を進めたいと思います。結論を得て実施する際は、国民に信を問う。この方針に変更ありません。当然、与野党を超えた議論が不可欠です。それに向け、政府・与党で社会保障改革の全体像を検討する場を設け、野党の皆さんとも意見交換をしていきたいと思います。

(子ども・子育て支援の充実)
 子ども・子育て支援にも、引き続き重点的に取り組みます。どの子どもも、この国の将来を担う宝です。家族だけでなく、地域、さらには国で、大切に育てなければなりません。高校の授業料実質無償化を着実に実施し、子ども手当は、現金給付と保育所の整備などの現物支給のバランスをとって拡充する方針です。幼保一体化を含む法案を来年の通常国会に提出する準備を進めます。少子高齢化の下で、労働力人口が減少し始めています。待機児童の解消を急ぎ、働く女性を応援し、男女共同参画を推進します。

五、地域主権改革の推進
 以上の三つの重要政策課題の解決に当たっては、地域主権改革の推進が鍵となります。地域が主役となって、特色ある産業振興や、住民の要望に応じた社会サービスの提供ができるよう、我々の世代で確たる道筋をつけます。残念ながら、これまで実感のある変化は生じていません。壁を打ち破るため、まず、「ひもつき補助金」の一括交付金化に着手します。来年度予算では、各府省の枠を超えて投資的資金を集め、自由度の高い交付金に再編します。地域で、霞が関の発想に縛られない、独自のモデルを構想してください。国の出先機関が扱う事務・権限移譲については、各府省が検討結果を八月末に提出しましたが、不十分であり、やり直しを指示しました。横断的な移譲の指針を示し、年内を目標に検討を進めます。

六、国を開き未来を拓く主体的な外交の展開
(「歴史の分水嶺」における外交)
 五番目の重要政策課題は、主体的な外交の展開です。今日の国際社会は、安全保障面でも経済面等でも「歴史の分水嶺」とも呼ぶべき大きな変化に直面しています。新興国の台頭で、世界の力関係も変貌を遂げています。我が国周辺地域に存在する不確実性・不安定性は、予断を許しません。こうした国際情勢の下、天然資源・エネルギーや市場を海外に依存する我が国は、如何にして平和と繁栄を確保するのか。受動的に対応するだけでは不十分です。国民一人ひとりが自分の問題として捉え、国民全体で考える主体的で能動的な外交を展開していかなければなりません。その際、国を思い切って開き、世界の活力を積極的に取り込むとともに、国際社会が直面するグローバルな課題の解決に向け、先頭に立って貢献することが不可欠です。また、防衛計画の大綱の見直しに当たっては、真に役に立つ実効的な防衛力を整備するため、これからの時代にふさわしいものを、本年中に策定します。

(日米同盟)
 日米同盟は、我が国の外交・安全保障の基軸です。先日のオバマ大統領との会談でも、日米同盟がアジア太平洋地域のみならず、世界の安定と繁栄のための共有財産であること、そして、日米同盟を二十一世紀にふさわしい形で、安全保障、経済、文化・人材交流の三本柱でさらに深化・発展させていくことを確認しました。また、アフガニスタン・パキスタン支援、イランの核問題、気候変動、核軍縮・核不拡散など、国際社会が直面する課題へも日米が協力して対処することで一致しました。十一月のAPECの際に予定されている日米首脳会談では、さらに日米同盟深化のための具体策を詰めていきます。普天間飛行場の移設問題については、本年五月の日米合意を踏まえて取り組むと同時に、沖縄に集中した負担の軽減にも取り組みます。沖縄の方々のご理解を求め、誠心誠意説明してまいります。

(日中関係)
 日中両国は、一衣帯水のお互いに重要な隣国であり、両国の関係はアジア太平洋地域、ひいては世界にとっても重要な関係だと認識しています。近年、中国の台頭については著しいものがありますが、透明性を欠いた国防力の強化や、インド洋から東シナ海に至る海洋活動の活発化には懸念を有しています。尖閣諸島は、歴史的にも国際法的にも我が国固有の領土であり、領土問題は存在しません。先般の事件は、我が国の国内法に則り粛々と処理したものです。中国には、国際社会の責任ある一員として、適切な役割と言動を期待します。日中両国間に様々な問題が生じたとしても、隣国同士として冷静に対処することが重要と考えます。日中関係全般については、アジア太平洋地域の平和と繁栄、経済分野での協力関係の進展を含め、大局的観点から戦略的互恵関係を深める日中双方の努力が不可欠です。

(東アジア地域の安定と繁栄に向けて)
 この秋は、我が国において、重要な国際会議が開催されます。生物多様性条約に関するCOP10では、議長国としての重要な役割を果たします。また、私が議長を務めるAPEC首脳会議では、米国、韓国、中国、ASEAN、豪州、ロシア等のアジア太平洋諸国と成長と繁栄を共有する環境を整備します。架け橋として、EPA・FTAが重要です。その一環として、環太平洋パートナーシップ協定交渉等への参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指します。東アジア共同体構想の実現を見据え、国を開き、具体的な交渉を一歩でも進めたいと思います。
 北朝鮮については、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決を図り、日朝平壌宣言に基づき、不幸な過去を清算し、国交正常化を追求します。拉致問題については、国の責任において、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国に向けて全力を尽くします。なお、北朝鮮の政治情勢については、引き続き注視していきます。

七、政治改革と議員定数削減
 以上の課題に臨む我々国会議員のあり方について、一言述べます。カネのかからないクリーンな政治の実現。国民の強い要望です。私自身の政治活動の原点です。民主党は、企業・団体献金の禁止、国会議員の定数削減について党内で徹底的に議論し、年内に方針を取りまとめたいと思います。その後、与野党間で協議し、まとめたいと思います。

八、結び
 本日、国会が召集されました。日本が現在抱える課題を解決し、次の世代に先送りしない責任を、国会議員が協力して果たせるか。国民の期待に応えることができるか。この国会が試金石となります。郵政改革法案、地球温暖化対策基本法案、労働者派遣法改正法案などの審議もお願いすることとなります。私は、今回の国会が、具体的な政策をつくり上げる「政策の国会」となるよう願っています。そのために、議論を深める「熟議の国会」にしていくよう努めます。結論を出す国会になるよう期待します。この場にいる我々を隔てるものは、どこに座っているかではありません。野党の皆さんにも真摯に説明を尽くし、この国の将来を真剣に考える方々と、誠実に議論していきます。そして、何とか合意できないか知恵を絞ります。国民に選ばれた国会議員が全力を尽くし、この国の政治を築いていく。真の国民主権の政治に向け、共に頑張りましょう。

首相官邸HPより転載)

■所信表明演説(pdf版ダウンロード)
http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201010/01syosin.pdf

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『知らなきゃヤバイ!民主党─新経済戦略の光と影』
2009年11月、日刊工業新聞社

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