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郵政不正事件 ── 証拠改竄は組織体質の問題である

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『知事抹殺 つくられた福島県汚職事件』

■以下、佐藤栄佐久公式サイトより転載
http://eisaku-sato.jp/blg/2010/09/000045.html

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佐藤栄佐久氏(元福島県知事)
郵政不正事件 ── 証拠改竄は組織体質の問題である

村木氏の無罪判決についてのブログ草稿を書いているとき、村木事件の主任検察官によるFD証拠改竄が明らかになったと報道がありました。

新聞でもテレビでも「信じられない」「ありえない」「検察の信頼は」等のコメント、見出しが躍っていますが、検察と直接対峙した経験のある者としては、全く意外ではなく、さもありなん、というのが正直な思いです。

見立てに沿わない供述は決して認めず真実とは離れたところで供述を作文するのですから、その延長線上にこのような行為があるのは、十分推察できるところです。

私の事件では、参考人として呼ばれた多くの人が、たとえ真実を貫こうとしても、逮捕をちらつかせられ、「すぐにでも会社をつぶせるぞ」「嘘でもいいから言え」「作ってでも言え」と恫喝され、深夜まで帰してもらえなかったのは以前のエントリーでも記述した通りです。

弟は精神的に苛め抜く取調べに耐え兼ね、「検事の意向に沿う証言をした」と自分が認識している17日も前の日付で、「自白調書」が複数存在し、これは一審の法廷でも「掠め取り調書」=捏造自白調書ではないかと争いになりました。

参考人として呼ばれた友人は、取り調べ検事に「上司に報告しなければならぬので何か一つ悪口を言ってくれ」と懇願されたといいます。

取り調べを指揮する上司=主任検事/特捜部長が真面目な検事を真実から遠さけているとしか思えません。検察が組織として証拠を捏造し得る証左です。

ですから、村木氏の、決して「信じ難い」ではなく、「ここまでやるか」という言葉は理解できます。

あらかじめ決めた結論に向かい、無理やり事実を歪めてつぎはぎし、供述調書を作成していく、検察がそのような手法をとるのは身に染みてわかった。その流れで証拠物にまで手を付けていたのか、という思いです。

村木氏の一審無罪直後からNHKの「追跡!A to Z」をはじめとして多くのメディアが事件全体を大阪地検のが生んだ取り調べの異常さ、という観点で報じてきました。

「大阪地検を無くすんじゃないかという話も出ている」とテレビで語る元検事の弁護士の方もいましたが東京地検でも同じことが起こっているという事実を身を以て知っている私としては信じがたい見方です。

下位組織固有の特殊性に帰結させようとする力が非常に強く働いているのを感じておりました。

そこで今回の証拠改竄事件が発覚です。夜のニュースでは、前田検事の映像を洪水のように流し、個別のFDディスクデータの改竄手法や意味づけを事細かに報道していました。

個人と具体性に強くフォーカスすることで、すでに組織の体質という全体像がぼやけはじめています。

直接の面識はありませんが、前田検事は東京地検が捜査を行った私の事件でも取り調べを行っていました。(一審後、虚偽の証言をしたのは間違いであった、控訴審で真実を述べたいと宗像主任弁護士に連絡してきた水谷氏の取調べを担当していました。)

この点を取り上げるだけでも、決して大阪地検固有の問題ではありません。

このようなメンタリティを持った検事が高く評価され、「エース」として全国の重要事件の捜査を飛び回り、リーダー的地位を占めている、その事実の指し示す意味は自明です。

村木氏の無罪は、当然の結果です。当然の結果でありながら幸運な事例であるとも、私は考えています。

今回の改竄事件の報道を通じ、菅家さんの事件、爪はがし事件など無罪を勝ち取った冤罪事件が例として挙げられていますが、このFDは村木氏の有罪、無罪を左右するほどの力を持つ証拠物であることを考えれば、すでに有罪として確定している事件の中にこそ、本当の悲劇、被害者が隠れているはず、というところまで洞察を働かせる必要があるのではないでしょうか。

特捜検事をやめた方がテレビに出ることが多くなっています。注意深く聞けばソフトにコメントしている言葉の端々に、検察に連綿と現在も流れている体質の問題点が垣間見えます。

先日書いた、熊崎勝彦元東京地検特捜部長の「黒を決して逃がすことはあってはならない」という、推定無罪の原則を軽視する言葉もその例ですが、今回も22日の「朝ズバ」で元東京地検特捜副部長 石川達紘氏が、検察内でなぜこのような改竄が起こりうるのか、という文脈の中で「最近は調べられるほうも権利意識が高まっているので、(捜査は)難しい部分もある」とさらりと話していました。

この言葉は捜査する側にいかに人権意識が希薄であるか、聴取される側が、無知で大人しい相手ならば、供述を得るためには何でもやってよい、と考えていることを間接的に示しているのではないでしょうか。

その意識こそが、特捜検察の体質、村木氏の事件、そして私の事件をはじめとする無理筋事件の暴走の根となっているような気がいたします。

検察一体の原則、そのトップである最高検が捜査にあたるそうですが、「前田検事の特殊な犯罪」「大阪地検固有の体質」を断罪して全てが終了しないか、注意深く推移を見守りたいと思います。

────────────────────

■佐藤栄佐久氏のプロフィール
http://eisaku-sato.jp/blg/profile/

■原文URL
http://eisaku-sato.jp/blg/2010/09/000045.html

■佐藤栄佐久 公式サイト
http://eisaku-sato.jp/

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読売新聞によると「郵便不正事件の捜査が本格化した昨年4月時点で大阪地検特捜部に在籍していた検事12人のうち証拠品のフロッピーディスク(FD)を改ざんしたとして証拠隠滅容疑で逮捕された前田恒彦容疑者(43)以外の全員が今年4月までに、異動していたことがわかった。厚生労働省元局長の村木厚子さん(54)(無罪確定)の初公判で検察側主張とFDのデータの食い違いが問題になるなどしたことが異例の「総替え」につながったとみられる。」
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20100924-OYO1T00812.htm?from=top

こういう人事は検事正がタッチしているのでしょう。
とすると、検事正などの最高幹部が、前田検事による証拠改竄を隠蔽するために、この情報を知っている検事たちを遠くに飛ばしたというストーリーの可能性は、容易に予想できることですね。

  ー 難解な朝日社説(9・23) -
 書き換えの可能性が明きらになったのか、詳細は分からないのか?上に立つ人間の責務や資質を問うような生易しいものではない!無罪の決め手になった矛盾を見落としていたのならプロ集団としてお粗末と批判するが、有罪として扱ったご自分の責任はないのか?強大な権力を託されているのはマスコミも同じ!だんだん腹が立ってきた。村木さんへのせめてもの償いをしてから検察批判をして下さい。蛇足ですが、最高検による今後の捜査と検証をと結んでいるが、自分で自分の責任を問うことはなかなか難しい。
 それにしても、前田何某はもう既に犯罪者のようだが、こんな書き方をしていいのか?村木さんみたいに無罪だったらどうするのか。ますますわからない。

検察をこのようにしたのは造船疑獄事件でのみせかけの指揮権発動に起因。内閣(主権者国民)より国家官僚体制護持を選択した結果である。世の中に刷り込まれた指揮権発動トラウマを払拭すべし。これが本質的検察改革のアルファにしてオメガである。      

まだ都合の良い情報が一方的に出ている段階だから、あれこれ論評時期ではない気がする。

マスメディアにはむしろ事件の終わりの頃に大々的に報道してもらえると有り難いが、ありえんね、、、

FDの日付の改ざん云々を問題視している人が多い様だが、多少パソコン等の知識がある人間にとっては信じられない事ではないか?

知っててわざととぼけている場合もあるだろうが、デジタルデータの日時等全く証拠として信用できないものなのに、検事や裁判所等は重要な証拠等として扱っている感じでこれは非常に危ない。

コンピューターとかソフトウェア等IT技術に精通していない人間が論評したり、またそんな人間が捜査したり、判決を下したりするのはあまりにお粗末、非常に迷惑である、仮にそんな簡単に捏造可能な証拠で有罪にでもなったらたまったものではない。

まだ前田という検事が全部一人でやったかどうかは定かでないが、今回はやった人間も、また関係している人間も知識が未熟だったのである意こういった形の問題になった。

もし仮に悪意を持った検察等がコンピューターに関する完璧な知識と技術で証拠の改ざんや捏造をすれば、それが場合によっては今の段階では正規に証拠採用されてしまうという事だ。

被告がどんなに否定しようとも、これが物証だ!と検事に示されればどうやってそれが間違っていると証明出来るだろうか?ほぼ不可能である。

間違った証拠により有罪になり、下手すると死刑もあり得る、菅谷さん事件も形は違えど間違ったDNAの証拠で有罪にされてしまった、デジタルデータを証拠採用するとなるとこれは冤罪のオンパレードになるのではないか?

デジタル情報化時代の今、何も専門知識を持たないアナログ時代の頭で捜査や裁判が行われているとしたらそりゃ恐ろしい。

デジタルデータ以外の証拠の重要性、又その証拠等収集能力は益々必要になると思うが、現場の人間はどうだろうか?、、、

その面では検察のこれまでの密室の供述調書重視というものはそもそもありえない手法であったし、こんな独善的手法を野放しにしてきた責任は何処にあるのか、、ミイラ取りがミイラになった笑えん話だ、、、

検察等が悪意を持って不正をするとは考えにくいが、今回の検事の改ざん事件を見れば絶対に無いとはいえない訳で、その意味では可視化だけをしても不十分で、どうやってそのデータが正しいのかを証明する為の担保もきちんと考えておくべきだろう。

デジタルデータ等単なる参考程度にすぎないもの、写真や映像なんかだって簡単に捏造できる時代である、その辺りは市民生活に重大な影響を与える立場の人は十分理解しておいて欲しい。

<真に日本を支配する権力の姿が露顕してきた>
 佐藤栄佐久氏や佐藤優氏などの著書を読むと検察がその取調べでどんな手法を使っているかが良くわかります。鈴木宗男議員のヤマリン事件でも全く同じです。
 この検察、特に特捜による不当な人権蹂躙、人権侵害を止めさせるには特捜部の廃止と取調べの全面可視化が不可欠です。
 それと同時に検察・司法のあり方とメディアの問題をきちんと俎上に挙げる必要があります。
 佐藤優氏が指摘されていますが、国家の支配者は誰かということに尽きると思います。
 中国人船員の保釈では実際には菅内閣が検察に圧力をかけて釈放させたことは、その流れから明らかです。しかし、検察は「自身が政治的判断で釈放した」と記者会見で述べました。
 これまでの政治案件についての検察の行動形態が問わず語りに明確にされました。
 官邸は政治関与を表向き否定し、検察が独自に「政治判断」で行動するという実態です。
しかし、仮に官邸が関与せず、検察が「政治判断」がしたとすれば公訴権を独占する検察が政治をしていることになります。
 官邸が闇で検察を動かしているか、検察が独自の政治判断で行動しているかです。いずれにしても、日本の現状は民主主義の原則である三権分立が為政者の怯堕によって踏みにじられているわけです。
 残念ながら、メディアがそれを後押ししているところに我国の悲劇があります。
 この不条理と闘う政治家をとことん応援していきます。

佐藤栄佐久氏は、”新聞でもテレビでも「信じられない」「ありえない」「検察の信頼は」等のコメント、見出しが躍っていますが、検察と直接対峙した経験のある者としては、全く意外ではなく、さもありなん、というのが正直な思いです。”と述べておられます。

検察と直接対峙した経験のある方の言葉ですので、その意味するところには大変大きなものがあるはずです。

経験もなく、検察組織に詳しくもない私のようなものでも、日々報道されている、特捜部の捜査活動を見聞きしているだけで、彼らがゴロツキのように感じていました。そして、なぜそのような活動が国家権力の名のもとに公然と行えるのか理解できずにいました。

そして、彼らの捜査結果を絶対正しいと信じているかのように振る舞う政治家が多いことも納得できませんでした。

残念でならないのは、門外漢の人間が「なんかおかしいぞ」と感じていたことなのに、今回のような結果が出て初めて、「信じられない」、「ありえない」とマスメディアが報道していることです。

最近は、マスメディアが報じていることには疑いをもって、よくよく吟味してから判断するようになりました。そして、マスメディアをコントロールしている”組織”を強く意識するようになりました。

実体験者のお話は、真実味が深く、胸を締め付けられる思いがする。佐藤様のこの体験を、何故テレビでは呼ばないのか、TV局の作為もわかります。しかし、今、国民にとっての真実を知る権利に答えるためにはマスゴミが変わらなければならない。歪められた真実と隠蔽は、国民の思考を不健全にしてしまう。今国民に正しい判断情報を提供していれば、中国の問題もこんなにならなかった。小沢氏の日、中、米のトライアングル外交が、そして人脈がこうした方向に行かずに済んだのに。国民を不幸に導くマスゴミこそ変わらなければ、正しい人間、力のある人間が抹殺され続けるのだ。

もう何十年も前に、全て、
故平野龍一氏が指摘されていた問題のようです。
そして、日本の刑事司法はかなり絶望的である、とも述べられていたとのこと。

佐藤栄佐久氏は何故もっとも身近な政治家であり娘婿である玄葉光一郎氏と“知事抹殺”ならぬ“小沢一郎抹殺”について語りあわないのだろうか。本まで書いて世に問うているのに。それとも既に何回も語り合ったのだろうか?
小沢一郎氏と政策の方向性が如何に異なっていようとも、民主主義の確立が最優先だと思うのだが。
そこが理解出来ない。

愛知一郎様
>小沢一郎氏と政策の方向性が如何に異なっていようとも、民主主義の確立が最優先だと思うのだが。
そこが彼の政治家としての限界ということではないのでしょうか?
私情が普遍的理念を乗り越えて行けない。だから、周辺から同情されるだけで終わってしまう。
己が経験した理不尽さを最後にすべしと闘っている鈴木宗男議員には政治家として全く及ばない。まして独自の政治理念を創造し、語ることのできる小沢一郎氏と対比などできません。残念ですが。

やはりねつ造なんですかね。
地方新聞の記事です。
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/09/20100923t63025.htm
脅かしで調書を取ってるのですね。小沢さんの秘書のケースも同様なのでしょう。いずれのケースも「真実は犯罪性が無かった」ということでしょう。

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