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【インタビュー】結城登美雄:日本の農業に未来はあるか─農業人口が5年で75万人減

農林水産省が7日発表した2010年の農林業センサス(速報値)で、農業人口の減少が加速化している実態が明らかになりました。

農業就業人口は5年間で75万人減少し、260万人になり、減少率22.4%は今までで最大でした。

日本の農業は、私たちの食料はどうなってしまうのか、本誌ブロガーでお馴染みの結城登美雄氏にインタビューしました。

* * * * *

結城登美雄氏(民俗研究家)
「都合のいい情報にまどわされるな」
100922_yuki.jpg

━「日本の農業」の現状は産業論でとらえると厳しい数字です。

22%も雇用人口が減る農業を産業と言えますか。産業論としてとらえても、「6次産業化(※)」「輸出入促進」など対策止まりで根本的な問題は残ります。

人は食べなきゃ生きられないのですから、人の生存に関わる問題として食料、農業を考えなければいけません。

─今回の農林業センサスをどう見たらいいのでしょうか。

今39歳以下の農家は何人いると思いますか。2009年の時点では約23.5万人でした。農家は全体の約7%しかいません。

さて、39歳以下の食べる人は何人でしょう。約5,600万人です。39歳以下では、3人の農家が1000人分の食料をまかなう計算になります。

graph.jpg
1970年の農業人口は1000万人を超えていた(出典:農水省 農業構造動態調査結果)

この現状のままで10年は持たないのではないでしょうか。

正確な情報さえ伝わっていれば、おのずと「自分たちの食べものは大丈夫?」という問いになるはずなのですが、どうも本当のことを伝えられてないように思えて仕方ありません。農林業センサスは都合のいいところを強調するだけの嘘つき情報になっています(2010年度最新版は現在"暫定版"のみ公開中)。

━「自分たちの食べものは大丈夫?」と考えても、土地がなければ自分で作ることもできず、次の一歩が見当たらないように思います。

農家という呼び方をやめて、「私に代わって食べものを作ってくれる人」と言い換えれば意識は変わりませんか。土地がなくても自分の代わりにつくってくれる人を買い支えればいいのです。

農家の意識も変えるといいと思います。鳴子の米プロジェクト(過去のブログ参照)は消費者に対して「あなたの"食べる力"を貸してほしい」という姿勢で生まれたプロジェクトです。

まず両者がお互いの意識を変えていけば、そこに新しい関係ができあがります。センサスの一部の数字を追って他人事のように「日本の農業」を論じるよりも正確に情報をつかんで自分のこととして考え、身の回りで「食べものネットワーク」を作っていくところから始めるといいでしょう。

(文責・構成:《THE JOURNAL》編集部)

※ 生産(1次産業)から加工(2次)サービス(3次)を連携させて付加価値や雇用の創出を狙う政策で、戸別所得補償政策と並び民主党農政の柱の1つ。

【関連記事】
■結城登美雄:日本農政への代替案「CSA」─参加と負担が担い手をつくる
http://www.the-journal.jp/contents/yuuki/2010/07/csa.html

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 「農業をやりたい人が減った」のではなくて、農地の流動性の低さが主因かと思います。

 各種法律で規制されているほかに、耕作放棄状態であっても「他人に貸すことすら嫌」という高齢者世帯が実に多いのです。
 耕作放棄地を相続した後継者も同じ傾向。
 固定資産税がタダ同然なので、耕作放棄にしておいても痛くないのです。
 線引きが変わって、将来宅地として売れるようになるかもしれない、となればますます手放したがりません。

 逆に農業をやりたい側にとって、なんとか農地を借りたとして、その耕作放棄地を元の農地に復活させた後になって地主から返せと言われたら苦労が丸損・・・
 土作りだけで10年かかります。20年30年のスパンで借りてやっと。

 どっちにせよ、貸し借りの話は地元の人たち同士とか、よほどの信頼関係がないと成立しません。

 私も何反か田畑が欲しいと思っていますけど、宅地ほど簡単には手に入らないんですよねぇ。。

農業に関わる法改正は必ず必要である。農協に関する法改正は特にである。また各県にある経済連。全国を束ねる全共連。これら全てが改革が必要である。ただし、これらを改革すると言うことは日本全体のシステムを改革しなければならない。それだけ神道(農業での利権の取得)とこの国の行政システムは深く関わっている。変わらなければ・・・。

日本農業は、このままでは壊滅します。
様々な意見があり、どれも耳障りが良い提案ですが、そもそも論に立ち返る事なしで論議されています。
民主党代表選挙で小沢さんが言われていた言葉に”セーフティネット”無しでの議論が問題なのだと言えます。
もはや日本農業が職業として成立するには大規模経営抜きには論じられません。
しかし、農地関連の法律がネックであるがごとく”和民”の渡辺氏が言われてますがこれこそが問題なのです。
農地の所有者たる農家が渡辺氏を筆頭に企業経営者を全く信用していないのです。

いま日本には埼玉県の面積に匹敵する休耕地があると言われていますが、企業による大規模経営が可能であれば食料自給率が飛躍的にに改善出来るはずです。
しかし企業家に信頼が無い為、農家は減反政策による保証金を貰うほうが安心なのが問題なのです。

また休耕地についての認識も一般の国民はどれだけ解っているのでしょうか?
一旦、休耕地になった農地は翌年からすぐ農地として利用出来ません。
農地として生産可能な耕地にするのはなにを作るのかによっても違うのでしょうが、何年かの手入れが必要なのです。
つまり今休耕地になっている農地を持っている農家はもう農業をする気持ちは無いはずです。
ですから資金的に見ても企業経営による農業は不可欠なのですが、農地を提供する農地の保有者が企業家を全く信用していない事が最大の問題で”和民”の渡辺氏らが法律改正を望んでいる事では解決しません。
彼らの要求は力で農家の権利を侵害しようとしている事でしかないのです。

農地関連の法律は改正で充分でセーフティネットを法律化し農家が農地の提供をしやすくすることに重点を置いて農政を行なうべきです。
それと農地が休耕地にならないように個別保障は農業新時代との過渡期は維持すべき制策と知るべきです。

最近テレビで紹介されている成功している企業化された農業はベンチャー企業です。
大企業の参入は賛成ですが、参入する企業のモラルの低さが問題になっている事を念頭に置いてこの議論はなされなければ、日本農業は5年で壊滅が決すると日本人は覚悟すべきです。

<農業の発展は一括交付金で>さきほどニュースステーションで片山総務大臣と古舘氏の地方分権の話しは素晴らしかった。小沢さんが一括交付金の公約を演説したとき、猛反対した麻生知事まで、同じことを言う片山氏を絶賛するのだから、菅首相の勉強会では小沢案より数段上の政策が語られたのだろう。あくまで地域が知恵を出して使うということだから、農業につかっても良いのだろう。結城氏にはこの財源をふんだんに使って新たなプロジェクトをたちあげ論説してはしい。

日本の野菜って全くおいしくないのですが大丈夫なのでしょうか。
スーパーで普通に並んでる野菜を食べても形と色は良くても(悪いのもありますが)味がほとんどしません
ヤングジャンプの華麗なる食卓でもインド人が八百屋で食べてがっかりしていました
特殊なところに行かないとおいしい野菜が食べられない現状に農業人口・生産量と共に危機感を感じます

 農林水産行政の立場からすれば セーフティネットが必要です。
消費者の立場からすれば 安全安心&安定価格の食物が欲しい。
農林水産業に従事する者にとっては 生活も出来ないものに魅力は感じられない。。。。。

 国も消費者も国内の農林水産業は大切だと認識されている。でも専業生産者は生活も維持できないし、魅力が感じられない。。。

 どこに問題があるのでしょう??

 一つだけ確かなことがあります。
これまでのやり方がまったく機能しなくなっていること。
国の農林水産行政の従来のやり方が役に立たない。代表的なものが”規制”です。
農協システムが農家を潰している。
流通システムが農業を押さえ込んでいる。
兼業農家に農業に対する真摯さが無くなってしまった。
農林水産業従事者自身が狭い見地から自分だけのやり方にこだわり過ぎ自滅している。

それ以下でも以上でもないように見受けられます。

元土建業が水耕栽培等の施設農業に参入しているが、数年で廃業している例が多い。
企業農業にあまり期待しない方が良い。
ワタミなどのように売り先を持った企業の参入は可能性がある。しかしコストの問題で大きく変動する牛丼チェーンを見ても企業が恒常的な担い手とは思えない。

結局、農地を分割し一、二反部で誰でも農家になれ、安く家を持てるくらいにした方が将来展望が開けるのではないか?リタイアした老人が年金を貰いながら趣味的農業をするのが経営的にも安定する。
プロ農家を含めた援農システムを作れば労働面でも安定し、そこに雇用が生まれる。
リタイアした老人自体は数知れず存在し続けるのだから。

(その2)
細分化した農地に若者を参入させたければ、子供を二、三人持ち片方が農業を受け持ち、片方が介護業をすれば、自宅が持てランドクルーザーが転がせる位の生活ができるような政策パッケージを作る。そうすれば、どんな限界集落でも参入可能になる。
要は農業のみで何とかしようとするから展望が開けない。
さまざまな機能を持たせれば日本でも農業は存続可能になる。ポイントは国の関与。企業と国では、まだまだ信頼性が違う。

<ボタンの掛け違い ~「農地解放」の功罪>
現代日本農業の最大の問題点は、江戸時代の身分制(当時の農業従事者の身分という意味ではない)に戻ったかのような『世襲家業制』ではないだろうか。
農家以外は(基本的に)農家になれない。
農家以外は(基本的に)農地も買えなければ農業法人も立ち上げられない。
大規模化がよいかとか悪いとか、個人経営と企業化とどちらがよいかなどといった議論は、まずはこの大本を是正してからだと思う。

しかし何故こんなことになってしまっているのだろうか。
一つには、多くの方が指摘するように、戦後のGHQ主導による農地開放政策が大きかったと思われる。
短期的には“功罪の功”が多かったのかもしれないが、中長期的には(結果として)“罪”の方が多かった、すなわち失政であったことが歴史的には明白になりつつあるだろう。
GHQと当時の日本政府は、お互いの駆け引きに対外的事情も加えて、あまりに多くの要素をこの政策の目的とすぎたのではないか、一石何鳥も狙いすぎたのではないか(互いに違う腹なのに)と思う。

一方で戦前の反米資本家層の弱体化を謀りつつ、反対に「反共」目的で共産化しやすい小作人を小型資本家に仕立て上げた。じゃあ元小作農の民主的産業化路線を徹底して推し進めたのかといえば、その主導的組織となるはずの農業協同組合は、短期的な食糧増産のための妥協の産物として、旧来の農業会を引き継がせて統制経済路線の組織としてしまった。
産業政策的要素よりも、そうした短期の政治的要素をより優先させたのである。
それら政策理念の混在(=混乱)は、当然ながら関連法を理念の薄い“辻褄合わせ”的なものにしてしまった。農地法、農業委員会、食糧管理法、… 皆そうであろう。

結果、近代的産業化させるはずだった農業は、産業経営から程遠い世襲家業となった。
その後の農政の付焼刃的な対策が効果を上げない理由は明白ではないか。ボタンは最初から掛け違っていたんだと思う。

掛け違ったボタンは、元からやり直さなくてはうまくいかないだろう。
勿論、いまさら農家の個人資産を取り上げることも、多くの雇用を抱える農協を一気に解体することもできないだろうし、社会的にするべきではない。彼らの生活をチャラにすることが目的ではない。
しかし、農業就業への『世襲家業制』は解放されなければならないし、農協は政府の統制下から離れ本来の産業組合に生まれ変わらなければ生き残ることはできないだろう。
そうならなければ、農業に“経営”が浸透するのは厳しいし、産業として成長することも難しいのではないかと思う。
法人化や大規模化等の論議はあくまで戦術論であり、まずは大本の農業政策の基本思想を転換しない限り、何をやっても大した成果は期待できないのではないかと、素人ながらに危惧する次第である。

通りすがり | 2010年9月24日 05:28 さん

>農業のみで何とかしようとするから展望が開けない。
本当にその通り。
企業の視点で見ると、消費者までの中抜きをどれだけ減らせるか、その間にどれだけ付加価値を創造出来るかが鍵だと思います。

>政策パッケージ
「ポイントは国の関与」というのは非常に的を得ていると思います。
ただ、ご提案の内容は、小さな政府・地方主権では対応出来ないんですよ。
特に、予算の手当ての面で。

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