Calendar

2010年7月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

Recent Entries

« 今井彰×高野孟:元プロジェクトXプロデューサーが語るNHKの真実
メイン
高野孟のほろ酔い談義──2025年までの遙かなる道程 »

森達也:映画「ザ・コーヴ」を観た(3)

 多くの人が「ザ・コーヴ」を批判する理由のひとつは、大がかりな盗撮によって、作品のクライマックスであるイルカ漁のシーンが撮られていることだ。

 確かに僕も盗撮は好きではない。この手法を使ったことはほとんどない。でも盗撮は倫理的に絶対に許されないとするならば、僕のつくってきた作品もすべて、上映や放送などできなくなる。

 『A』や『A2』を例に挙げれば、オウム信者を逮捕する警察官、あるいはオウム施設を取り囲むメディアや地域住民たちなどを、僕は被写体にした。街を撮るときには多くの人がフレームに映りこむ。現場にいた彼らすべてに僕は、これは映画の撮影であり、いずれスクリーンに上映される可能性があるなどと説明していない。許可も得ていない。そんなことは物理的に不可能だ。

>>続きは「Infoseek 内憂外患」で

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/7199

コメント (2)

■コメント投稿について編集部からのお願い

《THE JOURNAL》では、今後もこのコミュニティーを維持・発展させていくため、コメント投稿にルールを設けています。投稿される方は、投稿の前に下記のリンクの内容をご確認ください。

http://www.the-journal.jp/contents/info/2009/07/post_31.html

ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

私、この映画を見ていませんので、映像表現などへの感想ではありませんが、この映画では「イルカの肉は有毒です。水俣病の悲劇の後、日本で設けられた世界で最も厳しい規制値だけでなく、どの国の基準値も上回るレベルです。実際に日本で検査されたイルカ肉の多くは、水俣病を引き起こした魚よりも高いレベルの水銀値をもっていました。 (ルイ・シホヨス監督)」「イルカの肉には水銀の含有量が多く摂取を続けると、第2の水俣病になる恐れがある」という立場で、映画後半で水俣病、その患者さんの映像が挿入されていると聞いております。

この監督らの発言をみると、なんと底の浅い、上っ面だけの水俣病理解なのだろうと思わざるを得ません。その上っ面を撫でただけの理解では、患者さんを負の刻印として利用する「人権侵害」をしているのではないかと懸念を持ちます。監督らは、挿入した水俣病、その患者さんの映像で「自分は(水俣病患者・被害者の)人権を侵害しているとの後ろめたさを常に抱え続けるべきだ。それがドキュメンタリーを撮る側の誠実」を持っているのでしょうか?

土本典明監督の名前が出てきましたが、土本監督には「医学としての水俣病 」3部作があります。
http://cine.co.jp/php/detail.php?siglo_info_seq=13

ルイ・シホヨス監督らは、こうした土本監督の仕事を見ているのでしょうか?
日本で「第2の水俣病」といえば、私の住む新潟県阿賀野川流域でおきた新潟水俣病を指します。イルカの肉の摂取を続けると、なる恐れがあるという「第2の水俣病」とは何でしょう。監督らは、水俣病のことを知っているのでしょうか??

「医学としての水俣病 」のなかに出ていたと記憶してますが、当時、日本で最高の水銀含有の魚は、鹿児島湾でとれた魚です。桜島の噴火、噴出で海水中に放出される水銀によるものです。このような地球の火山活動などによって、地殻から放出された水銀が海水中に5600万トンあると見られてます。海水中の水銀濃度は気象庁の観測では概ね0.000006ppm、魚など海中の生物はこれを取り込んでおり、魚類では0.148ppm。生態系・食物連鎖で上位にあるマグロやイルカなど歯クジラ類に多く含まれている。これは周知の事実です。

監督は、水銀汚染を知ってから安全な「小魚しか食べない」そうですが、水俣湾の小魚は高濃度の水銀を含んでいました。煮干や目刺しにするカタクチイワシ、水俣湾の漁獲高の第一位を占め、タチウオなどの餌生物であるカタクチイワシは、平均値5.0 ppm(1961年時点)。他の地域では、0.033ppm。約150倍。監督が安全だと食している小魚すら「摂取を続けると」水俣病になるほど、チッソ(株)が排出した水銀を蓄積していた。

先祖伝来の水俣湾の豊かな海の幸に依存した暮らしをしていた漁民たち。それだからこそ起きた水俣病。

「イルカの肉には水銀の含有量が多く摂取を続けると、第2の水俣病になる恐れがある」と映画は扱っているそうですが、監督の母国、米国がメチル水銀に関する基準摂取量を設定する際に、イルカと同じ歯クジラのゴンドウクジラを千年以上も食べている人々の健康調査を参考にしています。

北大西洋のフェロー諸島の「フェロー出生コホート研究」とよばれる研究です。
ノルウェーとアイルランドのほぼ真ん中に位置する北大西洋上の18群島からなるデンマーク自治領のフェロー諸島では、1000年以上前に海洋哺乳類を狩猟する伝統をもった古代スカンジナビア人移住者が住み着き、長年にわたってハクジラのゴンドウクジラを捕獲し、住民の蛋白源として食していた。フェロー住民は鯨が島の近海に現れると砂浜のある海岸まで船で追い込み、そこで捕獲、写真を見ると大地町とほぼ同じです。。捕獲された鯨は売買されることなく捕獲に参加した住民や希望者全員で分け合ってます。ゴンドウ鯨の肉や脂身は、冷蔵庫で保存されたり、伝統的な塩漬けにして屋外で乾したりし、通常茹でた鯨肉および脂身にマスタードを塗って食べられています。ゴンドウクジラに含まれる平均水銀濃度は3.3 ppm(このうち約半分がメチル水銀)で監督の言う「水俣病を引き起こした魚よりも高いレベルの水銀値」(水俣の1962年全ての魚種の平均値2ppm)です。主な食用魚の鱈で0.07ppm(大半がメチル水銀)で、成人の鯨肉の平均摂取量は12 g/日、魚肉は72 g/日であり、平均水銀摂取量は約36 μg/日と推定されてます。

約47000人の人口があり、、クジラを食べない人とともにクジラ摂食による高濃度メチル水銀曝露者が存在しているので、メチル水銀曝露の範囲が広範で比較検討できます。1980 年代半ばに小漁村に住む妊娠可能な女性(20~50 歳)53 名の血中水銀濃度が調べられ、デンマーク本土の約8倍と高かった。
1986~87年の21ヵ月間にフェロー諸島で出産した母子の内から毛髪および胎盤が採取でき、
かつ妊娠経過、妊娠中の鯨および魚の摂取量、飲酒・喫煙等の質問紙調査ができた1023組(総出産数の75.1%)が研究に参加しました。そして、母親の毛髪水銀濃度は0.2~39.1ppm、中央値は4.5。月当たりの鯨肉の摂食回数あるいは週当たりの魚(鱈)摂食回数が多くなるにつれ、水銀濃度は、有意に高くなっています。この1023人の母親集団に水俣病あるいはそれに類似する症状を示す人はいませんでした。

1000年以上の伝統的暮らしでは、「水俣病を引き起こした魚よりも高いレベルの水銀値」のゴンドウ鯨の肉や脂身を食べ続けても、水俣病は起きていません。この研究からは歯クジラの「イルカの肉には水銀の含有量が多く、摂取を続けると、第2の水俣病になる恐れがある」とは、いえません。
監督の母国、米国がメチル水銀に関する基準摂取量を設定するのに使ったこの研究を、監督らは知らなかったのでしょうか?

水銀値を云々するだけでは、水俣病は語れない、描けない。そこで生きている人々の暮らし振りに目を遣らねば、見えてこない。私が土本典明監督の水俣病を扱った映画を見て抱いている感想です。

私、この映画を見ていませんが、監督らの発言やHPなどを見ると、上っ面を撫でただけの理解で、患者さんを負の刻印として利用する「人権侵害」をしているのではないかと懸念を持ちます。見られた方、水俣病映画としてはどうでしたか?

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※[投稿]ボタンをクリックしてから投稿が完了するまで数十秒かかる場合がございますので、2度押しせずに画面が切り替わるまでお待ちください。

Profile

日々起こる出来事に専門家や有識者がコメントを発信!新しいWebニュースの提案です。

BookMarks




『知らなきゃヤバイ!民主党─新経済戦略の光と影』
2009年11月、日刊工業新聞社

→ブック・こもんず←




当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.