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《インタビュー》藤原和博:「天下り根絶」以後の官僚が生きる道

 先週各党が発表した政権公約には「天下り廃止」の文言が並んだ。

 官僚の天下り根絶など公務員制度改革をアピールして政権交代を果たした民主党は、2010年度予算の無駄を洗い出すために「事業仕分け」を行ってきた。省庁や公益法人のずさんな経営実態、天下りの構図を明らかにし、賛否両論さまざまな議論を巻き起こした。

 今回は実際に「事業仕分け」に参加し、評価者として官僚の天下りにメスを入れた元杉並区立和田中学校校長の藤原和博氏にインタビューした。

 *   *   *   *   * 

藤原和博氏(大阪府教委特別顧問)
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─民間出身の評価者として「事業仕分け」に参加して、新たな発見はありましたか?

 私が担当したグループは文部科学・農林水産・防衛で、そのうち自分が責任を持てる文部科学の文教だけに評価者として参加しました。

 「事業仕分け」が始まる前に内閣府でレクチャーがありました。そこで発見したのは、役人は自分が起こした事業に対して責任が問われないということです。

 一般企業が新規事業を始める場合、当事者はリターンが出るまで頑張り抜くことが基本です。しかし役人の世界では、優秀な人は仕事についてから2,3年後に別の部署へ異動があり、リターンが出る前に途中でやめてしまうのです。責任を背負わない役人に事業を任せられますか。私は役人に事業(ビジネス)をさせてはいけないと思いました。

 数100億円をつぎ込んで事業化しながら、赤字を出し続けた「私のしごと館」(2010年3月営業終了、管理運営:独立行政法人「雇用・能力開発機構」)がいい例です。事業を立ち上げた時点で「功績」になってしまう構造があるのです。

─各党の政権公約に「天下り根絶」をそろってうったえていることについてどう考えますか?

 「天下り根絶」はあまりにもパターン認識しすぎです。私が許せないのは、天下りそのものではなく、天下りの官僚OBが基金のお金、つまり税金で雇われていることです。

 事業仕分けに参加してわかったことは、50億円を1単位として「基金」をつくり、運用利息で給料が払われるような仕組みがあることです。天下りで役職に就くのであれば、税金からでなく自分で寄付を集めるなどして運営しなければいけません。

 業界事情に精通している人が役員になることは一般企業では当たり前ですし、給料を稼げば誰も文句は言わないでしょう。

─「天下り根絶」後の官僚OBが活躍する場所はありますか?

 例えば、和田中学校をモデルにして始まった「学校支援地域本部」が全国に約2000箇所あります。それは学校を支援するといって集結したボランティア組織が運営しており、政治家や官僚が叫び始めている「新しい公共」の実態だと思います。和田中の「学校支援地域本部」は、子どもだけでなく大人が学び公共心を養う場所になっています。

 地元で小中学校を盛り立てる「学校支援地域本部」の活動に力を貸してもらえれば、生き甲斐にもなり「学校を核にした地域社会の再生」に大いに貢献することになります。

 教育は法律や制度をかえてもすぐに功を奏することが少ないです。変えるには校長に、官僚出身でもいいから、民間人を据える手があります。故郷の出身中学校の民間校長として、官僚時代に養ったネットワークを子どもたちに繋ぎ替えてやる志があるのなら校長として給料をもらえるようになるのではないでしょうか

2010年6月18日、《THE JOURNAL》編集部取材
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【プロフィール】藤原和博(ふじはら・かずひろ)
1955年東京都生まれ。。東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任、96年から同社フェロー。03年に杉並区立和田中学校校長に就任、東京都内では義務教育初の民間人校長となる(08年退職)。「地域本部」という保護者と地域ボランティアによる学校支援組織を学内に立ち上げ、英検協会と提携した「英語アドベンチャーコース」や進学塾と連携した夜間塾「夜スペ」を提唱した。現在、大阪府教委特別顧問、東京学芸大学客員教授。

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官僚と言うのは、本当に税金という公共財を給料として手にしながら考えているのは自分の出世のみ、知り合いでJALから役所へ一般募集で就職された人が、民間の仕事と全く逆の考えで辞められた方を知ってます。藤原様がリクルートから、これだけの実績を残された。こう云う人の力が官僚に変わって国を動かしたら、グローバルレベルの発展、税金の無駄を省けるのでしょう。この事業仕分けをもっと国民の中に浸透させ、役人の監視システムを政権と組んで遣って行きたい物です。小生も及ばずながら、無給で地域の環境の維持の為に活動させてもらっております。当方は多くの方々が地域を守り活動をボランティアで高齢者が活動しております。役人は身体を使った仕事、汚れるしごとをやりません。本当に自分の出世しか考えていない輩ですね。

藤原さま

民間人初の中学校長として、地域を巻き込んだ新しい教育・新しい公共の試みは、地域との関わりが薄くなってきた現代に求められている「核」となり得るものではないでしょうか?また、事業仕分け人としての官僚の評価には頷けるものがありました。役人が事業に対する責任を問われないしくみになっていることは、大きな問題であり、その一因である在任期間の短さは、現代の複雑な社会構造から考えると専門性の上でも多くの問題があるのではないでしょうか?

天下り禁止の考え方に関しても藤原さんの意見に賛同致しますが、官僚の活用方法については、他の方法があるのではないでしょうか?そもそも優秀な官僚は、課長クラスでも大学教員に転職できることが多いのですから、「学校支援地域本部」の重要性を認めたとしても参加するでしょうか?

優秀な官僚であるならば、これまでの金融系とは一線を画す、民間シンクタンクを設立し、政策を構築して政党や企業に提言したり、政治家・政策秘書を育成するような講座を開設することは可能ではないでしょうか?そこでは、研究員(元政治家や官僚)を初めとする多くの人材が必要となり、新たな雇用が発生します。
これから地方に主権が移ることにより、地方自治体や地方議会の役割は高くなりますので、地方公務員の削減とセットで国と地方の人事交流し、官僚を地方に移籍させるなど、地方での活用方法はあると思います。官僚は、現在のポジションに相当する退職後のポジションを求めており、もしも「学校支援地域本部」への活用があるとすれば、それなりのポジション、例えば地方の部長クラスや地方議会議員としての関わりになるのではないでしょうか?

(私も同じK Fujiwara)

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