農の将来に道を開いた「鳴子の米プロジェクト」に総務大臣表彰
《THE JOURNAL》ブロガーの甲斐良治氏が紹介してきた「鳴子の米プロジェクト」が「09年度地域づくり総務大臣表彰」の表彰団体に選ばれ、本日表彰式が行われた。
このプロジェクトの総合プロデューサーを務めた結城登美雄氏は、地域づくりの視点で評価されたことに「大変嬉しい」と心境を語った(インタビュー全文は以下に掲載)。
中山間地に適した米の品種「ゆきむすび」を鳴子のシンボル米として栽培。生産者が安心して農業を続けられる所得最低ラインの生産者米価を決めて5年間保証した。消費者は購入により生産者を支え、差額は農業を志す若者たちの就農支援や商品開発等に使うという新しい地域づくりの仕組みが評価された。
これまで2度農水相からの賞を断ってきました。3度目の今回は総務省から「地域づくり」が評価されたということで賞を受け取りました。
「鳴子の米プロジェクト」は、国が切り捨てようとしている山間地農業を村の力、地域の力、人の力で支える「地域づくり」プロジェクトです。食味計を片手に○○産の米が最高だともちあげるような歪んだ商業主義と距離をおき、作る人と食べる人との信頼関係を地道に培ってきたものです。
美味しさや売上げでなく、「地域づくり」が評価されたことはとても嬉しく思います。
【その他の表彰団体に関する記事】
<団体>
■千葉県松戸市:「孤独死ゼロ作戦」の常盤平団地(産経新聞)
■岩手県宮古市:郷土の味発信に大臣表彰(岩手日報)
■東京都小平市:小平の市民団体に大臣表彰(朝日新聞)
<個人>
■愛知県豊田市:地域づくり総務大臣表彰(毎日新聞)
■山形県鶴岡市:加茂水族館長に総務大臣表彰(河北新報)
<地方自治体>
■福井県小浜市:食育など評価(朝日新聞)
【関連記事】
結城登美雄:「ないものねだり」から「あるもの探し」へ
http://www.the-journal.jp/contents/yuuki/2010/01/post_100108.html
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投稿者: 《THE JOURNAL》編集部 | 2010年1月12日 18:10
本文でも、食味計のお話がでたので、「私的美味しいお米」の話をしてみたい。
私は、食味計の基準を否定するものでない。
けれど、おいしいと言う基準は、非常に曖昧であると思っている。
お国自慢でないが、おらの国が一番。
つまりは、長年食べなれたものが、一番美味しいと誰もが感じるはずです。
良い例がお袋の味です。
濃い味に慣れ親しんだ人は、薄味だと物足りなく感じ、薄味だとその逆になる。
そうした中で、美味しいお米(ごはん)の目安の1つに、リンク先で指摘していることが、挙げられると思っている。
現在、お米の品種は、200種以上あると聞いている。(この中の一部に不安を持つ品種もあるが、それは、又別の機会にでも)
それぞれに特徴があり、それぞれの親の性格の良いところを遺伝的に継承している。
検証データがあるかどうかも知らないが、私の実感として、「お米を炊く時の水の量」が、美味しいご飯を決めている1つの要因でないかと思っています。
「こしひかり」全盛期に、ササニシキが生まれた時、こしひかりをしのぐと言われたと記憶している。
けれど、全国的に普及しなかった。
その理由のひとつに、炊飯器の水分基準メモリがあるのでないかと私は、疑っている。
あれは、こしひかりを基準にしており、ササニシキの特質のものでないはずです。
現在のそれぞれの品種にも、それに適した水加減があると思っています。
お米やさんもそうした指摘をすればいいのにと思っています。
次に美味しいお米の見極め方ですが、底が黒いお皿でも、黒い紙の上にでも炊く前のお米を乗せひろげみて、光を当てて見ることです。
何を調べるかと言うと、お米に「ひび}が入っていないかということです。
玄人でないと、ほんのわずかの「ひび」は見極めしにくいですが、素人でも見極められる「ひび」のあるお米は最悪です。
小さな「ひび」があると、最適の水分量で炊いても、旨み成分は逃げて、ふっくらとしたごはんに決してなりません。
この「ひび」が、入る理由は色々あります。
保管や運搬が乱雑に扱われれば、当然「ひび」は、入りやすい。
これは、取り扱うお店の警鐘の意味でいいますが、全国的に有名な「魚沼産こしひかり」が、お土産やさんに乱雑に積み上げられていれば、仮に本物でも必ずしも美味しいお米といえない。
何人もの人に、表裏と返されて、高温などにさらされていれば、決していい状態にあったといえません。
美味しいお酒が、和紙でくるんであって、低温保存される等、よい状態で保存されている事を見てもわかります。
後、「はさ掛け米」が、美味しい理由のひとつに天然乾燥で仕上げられているからです。
自然の光と風でゆっくりと乾燥させているからです。
刈り取り直後のお米の水分は、前日までのお天気にもよりますが、お米の水分量は18~25%あります。
お米として、出荷する時に、14~15%まで、乾燥させます。
現在のほとんどのお米は、乾燥機を使います。
強制的に熱風を送り、大きなタンク内でお米を循環させて、一定の水分量に調整します。
高温で乾燥させれば、乾燥時間も短い等と効率的だからです。
循環しますから、お米同士も擦れ合います。
そうしたことから、亀裂が入りやすい。
最近は、低温乾燥で、循環もゆっくりとしてありますが、生産者によって必ずしもそれが、守られているとは限りません。
もう1つ、美味しいお米の見極め方ですが、先ほどと同様の感じで、お米を見ると、お米の色以外の色が混じっているものです。
うまくいえませんが、黒い点の様なものや白い塊のような物があるものは、美味しくありません。
黒い点は、虫食い後で、虫が美味しいところを食べています。
白い塊は、乳白といって、たんぱく質の塊であり、良い条件で育たない時にできます。
ただ、お米の種類によって、お米の色も違います。
もち米は、全体が乳白色ですし、黒米や赤米と言って、元々色付のものもあります。
ブレンド米以外でいろいろな色のお米がある時は、単純品質米でないことは、疑ってください。
美味しいお米の目安はこれ以外にも沢山あります。
作られた場所、棚田のような中山間地、一日の温度差があるところ、よい風が吹く、田んぼの質など、数え上げたら限がありません。
また、最初に言ったように好みがあります。
私自身、「魚沼産こしひかり」や先日のコラムで紹介された「中山間地米」のように、ごはんだけで食べられる美味しいお米は、口に合いません。
このコラムのリンク先でも、語っていますが、低アミロース米が口に合わない人もいるはずで、色々なお米をブレンドすることで、美味しくなる。
その中で、生産者の顔が見えるお米は、間違いなく美味しい。
見える分、作り手も曖昧なお米は、出荷しません。
投稿者: 本田 勉 | 2010年1月13日 07:09
本田さんありがとうございます。
おかげで、お米に関して相当うるさい人間になりそうです。
ある意味読まなければよかったです(笑)
ステップ1として「ひび」と「色」に着目したいと思います。
これからも愛あるウンチクのご披露をお願いします。どんな分野であれプロフェッショナルな人間の話はおもしろいし、勉強になります。
投稿者: 図南 | 2010年1月13日 15:44
水かげんと言う奴は、本当に大切ですね。
新米と、ひとくくりに言いますが、店で買ってきた新米と、農家で買ってきた新米では、まるで水加減が異なります。
どちらかと言うと、店でのモノは、水を多めにしたほうがいいようです。
私のとこでは、知り合いの農家から買ってくるものが多いのですが、時々スーパーで買ってきて、びっくりする事があります。
天日干しの米、これはなかなか手に入りません。
近所の田んぼで、干してあるのを見るのですが、どうも、その農家の「食用」のようです。
あの作業の大変さを見ると、知り合いに頼むわけにもいかず、「ああ、好いな~」と、毎年思っています。
郷里のいとこも、天日干しはめんどくさがります。
しかし、なんにしても「ご飯は、おいしい」。
お米を、大切にしましょう。
日本の農業を、大切にしましょう。
投稿者: 元株や | 2010年1月13日 16:35