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« 民主党政権は「記者クラブ帝国主義」を打破できるのか? 首相就任会見の生放送に挑戦する!(生放送は終了しました)
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うーん、どうなのかなというところも...... ── 鳩山内閣の顔ぶれ »

民主党政権の"対米対等外交"はすでに始まっている──普天間基地のシュワブ移転は中止か?

takanoron.png  「米、三沢基地のF16撤収打診、嘉手納F15削減も、 日本難色で保留」という9月11日に共同通信が配信し12 日付地方各紙に載った記事が、なかなかに意味深長である。

※全文は、47news:http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009091101001075.htm
東奥日報「米軍三沢基地」特集サイト:http://www.toonippo.co.jp/kikaku/misawa/index.html 

●米側から基地縮小を提案

 第1に、オバマ政権はすでに在日米軍基地の縮小・再編計画を進 めていて、すでに今年4月の段階で、青森県三沢基地に配備しているF16 戦闘機約40機をすべて早ければ年内に撤収させること、沖縄 県嘉手納基地のF15戦闘機約50機の一部を削減させる ことを日本側に打診していた。

 ゲーツ米国防長官は今年4月6日に10年度国防予算の大幅 な見直し計画について記者会見し、最新鋭のステルス戦闘機F22 ラプターの新規発注を中止する一方、F16を含む旧式の戦闘機250 機を一挙に退役させる方針を明らかにしていた。日本側への打診は その直後に行われたものと見られる。

 つまり、少なくとも在日米空軍基地の縮小もしくは廃止について 日米間で話し合いが成り立つ余地は十分にあるということである。

 第2に、にもかかわらず、この打診を受けた「日本側」は、共同 通信の表現によると「北朝鮮情勢や在日米軍再編への影響を懸念 し、いずれにも難色を示して保留状態」にした上で「日米同盟関係 への影響などから秘匿性の極めて高い情報として封印」したという。

 この辺に日米関係をおかしくしてきた問題点がいろいろ垣間見え ていて、まずこの「日本側」とは内閣なのか外務・防衛大臣なのか 官僚レベルなのか。仮にも官僚レベルの勝手な判断で大臣や首相に も伝えずに、米側に「難色を示し」た上で「封印」して「保留状 態」にしたのであれば、厳罰に値する重大事件である。大臣には耳 打ちはしたが閣議には持ち上げないようにしたというのであれば、 官僚による内閣に対する情報操作である。閣議に上がって麻生太郎 首相が難色を示し「封印」を指示したのであれば、基地負担の軽減 を交渉する絶好の機会を投げ捨てた政治判断が問われることになる。

 いずれにしても、こんな風にして日本外交は自分の首を絞め続け てきたのである。「日米同盟重視」と言いながら実は日米同盟を軽 視している。

 第3に、この記事が出てきたタイミングである。民主党と他の2 党の党首会談が9日に開かれて「日米地位協定の改定を提起し、米 軍再編や在日米軍基地の在り方についても見直しの方向で臨む」と の内容を政権公約に明記することで決着、連立政権を発足させるこ とで正式合意が成り、それに対して11日、中曽根弘文外相と 浜田靖一防衛相はそれぞれ閣議後の会見で、在日米軍基地の見直し について「今まで政府間合意を見直すことなど考えたこともなかっ たので想像がつかない。日米同盟にとってかなり大きな問題にな る」などと懸念を表明した。

 その11日に「複数の日米関係筋」が共同通信に対して上記 の4月打診の事実を「明らかにした」ということは、「日米関係 筋」の少なくとも「米」側に、民主党政権の基地見直し方針をむし ろ歓迎する向きがあることを暗示している。

●三沢基地は空白に?

 そもそも三沢の米空軍基地は、冷戦時代には、旧ソ連の極東にあ る機械化師団が北海道に上陸侵攻して陸上自衛隊が戦車3000 両を並べて迎え撃つということになった場合に、米軍のF16 が背後から飛び立って戦術核を含む対地攻撃を行い、あるいは対潜 哨戒機で敵原潜を撃沈するための出撃基地と位置づけられていた。 冷戦が終わって旧ソ連の脅威が基本的に消滅した後は、F16 の主要目標は北朝鮮にシフトされ、金正日政権が危険な動きを見せ た場合に先制攻撃を仕掛ける急先鋒の任務を与えられた。ネオコン が対外政策を取り仕切っていたブッシュ政権第1期には、実際にそ のような軍事オプションが真剣に検討され作戦も立案されたが、第 2期には北との対話路線に転じたためその任務も薄まり、オバマ政 権になると対北朝鮮の軍事オプションは完全に消えたので、F16 の存在意義はほぼ消滅したと言ってよい。

 9・11以降には、「長距離先制攻撃」と称して、三沢のF 16を長駆、イラクやアフガニスタンまで空中給油しながら飛ばして 爆撃することも試したりしていたが、これは暇にしていてはもった いないし隊員の士気も落ちるから無駄を承知でやっただけの話で、 どうしても三沢基地からの出撃でなければならなかった訳ではな い。オバマ政権はこんな馬鹿馬鹿しいことは繰り返さないだろう。

 仮にF16が年内にも撤退しても、後継部隊はすぐにはやっ てこない。F16の後継機として米ロッキード・マーチン社を 中心に国際共同開発が進められているのはF35ライトニング というステルス戦闘機だが、早くても2013年に配備開始で、 三沢にまで持ってくるのは2015年頃になるだろうが、それま でに米国が北朝鮮と国交を樹立しているのはまず間違いないところ で、となるとわざわざ三沢に配備することに何の意味があるのかと いうことが日米間の"対等外交"の交渉事となるだろう。つまり、F16 がいなくなって5年も6年も戦闘機不在の状態が続いて、その間に 北東アジアの戦略環境も大きく様変わりして、結局、三沢の空軍基 地と隣接の天ケ森射爆場は無用の長物となる可能性が大きいという ことである。

 もっとも、そうなっても米国は三沢基地そのものを返還するとは 言わないだろう。同基地の奥まった一角には極東最大の通信・盗聴 基地があって、その14基の巨大ドームに覆われたアンテナの うち8基は、冷戦時代の名残であるロシア国内軍事通信の傍受用だ が、少なくとも4基は秘密のヴェールに包まれた米国の全世界的盗 聴システム「エシュロン」用と考えられている。エシュロンは、国 際商用通信衛星インテルサットを監視して、現在では特にアル・カ イーダなどテロ集団の動きを嗅ぎ出すのに役立っているとされてい るが、それだけでなく、日本を含む各国のビジネス動向を探る"産 業スパイ"の役目も果たしているとされる。

 EUは、三沢を含む世界20カ所の拠点を持つエシュロンに よる産業スパイと個人プライバシー侵害を公然と非難しているが、 日本は自国が盗聴されているというのに米国に言われるままに基地 を提供し、その維持費用まで思いやり予算で賄っているというお人 好しぶりである。"対等外交"と言うからには、仮に空軍基地と射 爆場は要らないがエシュロンは必要と言われた場合も、それならエ シュロンについてちゃんと情報公開しろと迫らなければならない。 国民の血税が注がれている以上、米軍にはその使途についての説明 責任がある。

●海兵隊航空基地は嘉手納へ?

 さて、4月の米打診で興味深いのは、嘉手納のF15一部削 減の提案である。これはどう見ても、普天間海兵隊ヘリポートの代 替施設をキャンプ・シュワブ沿岸に建設する計画を断念し、嘉手納 空軍基地の一角に移駐することで済ませようという考えが米側で強 まっていることの反映である。

 普天間移転問題は、10年以上にわたって日米双方にとって 重荷となってきた。95年9月の米海兵隊員による少女暴行事 件をきっかけに在沖米軍に対する怒りが高まる中、日米は SACO(沖縄に関する特別行動委員会)を設置して一部基地の条件付 き返還を協議、その中で、海兵隊8000人のグアムへの移転と 普天間基地のシュワブへの移転について合意したものの、シュワブ については新たな騒音被害やジュゴンやサンゴなどが生息する貴重 な海洋環境の破壊などへの懸念から地元が反対し、未だに着工も出 来ないままである。

 防衛省は4月に県に対して「環境に与える影響は少ない」とする 出鱈目な環境アセスメント評価の準備書を送付、県知事が10月13 日までにそれに対する意見書を出して着工を急ぐことになってい る。自公両党の推薦で3年前に当選した仲井真弘県知事は、代替施 設の建設場所を数十〜数百メートル沖合に移すことを条件に着工に 同意しようとしているが、先の総選挙では沖縄の4つの小選挙区で は基地建設推進派の自公候補が全滅、県内移転に反対する民主党県 連が勢いづいて知事に翻意を迫っている。沖合に移したところで、 騒音は多少軽減されるかもしれないが、海洋環境破壊はさらに酷くなる。

 こうした状況で、米政府内では、シュワブ移転を断念しようとい う空気が強まっている。理由の第1は、そもそも沖縄に海兵隊が駐 留する主な目的は朝鮮半島で陸上戦闘が起きることに備えることに あったのだが、その可能性はほとんどゼロになっていて、だからこそ8000 人のグアム移転の準備も進めているのであって、シュワブに何が何 でもしがみつく根拠が薄まっていることである。

 第2に、逆にそれにこだわって県民感情が悪化し、それだけでな く日米関係そのものがとげとげしくなることのデメリットを無視で きない。

 第3に、地元の「北限のジュゴンを見守る会」など日米の自然保 護団体が米国でペンタゴンを相手取って行った「ジュゴン訴訟」で 08年2月、サンフランシスコ連邦地裁は、ペンタゴンががジュゴン への影響などを評価・検討していないことは米国文化財保護法に違 反しているとして、基地建設による天然記念物ジュゴンへの影響の 回避を求める判決を下した。ブッシュ政権はこれを無視する態度を 採ったが、オバマ政権はこのことも考慮に入れなければならないと いう認識を持っていると言われる。

 そこで、嘉手納への移転という案が浮上するのだが、これについ ては、ワシントンの事情に明るいニューヨーク在住のジャーナリス ト=ピーター・エニスが昨年と今年、2回に渡って週刊東洋経済へ の寄稿で十分に可能な解決策だと指摘している。嘉手納には余った 広大な敷地があり、物理的にはヘリポート移転に何の問題もない。 ただ空軍と海兵隊の縄張り争いがあって、空軍がそのようなものを 持ち込まれることを嫌がっているという問題があるが、それは米政 府内で調整すれば済むことである。他方、日本側では、自民党建設 族に繋がる地元土建業界がシュワブ建設の巨大利権にしがみつこう とするだろうが、これも政権交代が実現すれば押さえ込むことが出 来るかもしれない、と彼は言う。

 民主党はかねてから「県外移転」を掲げてきたが、県外と言って もどこなのか、何の現実性もないという批判が党内からもあって、 先の衆院選マニフェストではそれを外した。が、長島昭久衆院議員 らが今年3月に設けた私的勉強会は7月、普天間ペリポートを嘉手 納に移転し、同ヘリ部隊の飛行訓練は下地島にある民間パイロット 訓練用の既存飛行場で受け入れる----という一種の「県内移転」の 妥協策をまとめて岡田克也幹事長に提出している。

 従って、民主党が「シュワブ断念・嘉手納移転」の方向を固め て"対等外交"に打って出れば、この問題は急転直下、解決する可 能性が大いにある。

 最近東京を訪れた、米民主党中枢にパイプを持つ外交専門家は次 のように指摘している。

▼シュワブ断念・嘉手納移転をホワイトハウスは真剣に検討してい る。SACOにこだわるのは日本では外務・防衛両省の官僚であ り、米国では過去にこの問題を担当したことがあるカート・キャン ベル国務次官補と海兵隊出身のウォレス・チップ・グレッグソン国 防次官補の2人だが、ホワイトハウスは「こんな問題をいつまでも 引き摺らないで早く決着したい」という考えだ。

▼鳩山がオバマと会った時に、日米双方とも政治主導で官僚の無能 と惰性を押さえ込みましょうと持ちかければ、案外話は進むのでは ないか。愚かな米マスコミは鳩山が"反米"であるかのことを言 い、日本のマスコミもそれに従って鳩山政権への"懸念"を書き立 てているけれこも、むしろ鳩山のほうからそれを言い出せば、"対 等外交"は米国のためにもなることが理解されるのではないか......。

 蛇足ながら、小沢一郎がまだ代表だった今年2月に、在日米軍再 編に関連し「米国もこの時代に前線に部隊を置いておく意味はあま りない。軍事戦略的に米国の極東におけるプレゼンス(存在)は第 7艦隊で十分だ」と述べ、この時も自民党とマスコミが砲列を揃え て「何を馬鹿なことを言っているんだ。そんなことを言って米国を 怒らせたら大変だ」といった非難を浴びせたが、小沢はおそらくオ バマ政権が軍事予算の縮減と在日基地の見直しにどういう手を打っ てくるかについて何らかの情報を持っていて、敢えてそのように発 言したものと考えられる。民主党政権の対米対等外交の前哨戦は とっくに始まっていると見るべきである。

 もう1つ蛇足。与党3党合意の日米地位協定見直しでは、まず基 地の土壌汚染など環境汚染に対する責任を明記すべきだということ になるが、普天間の汚染は劣悪だと言われていて、仮に嘉手納移転 が実現しても、そのままでは到底民用に活用することは出来ないと 考えられている。地位協定見直しも急務である。▲

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私もそのように思います。
アメリカは金がない。とんでもない額のお札を刷っても、かつての日本と一緒で、ブラックホールに飲み込まれてしまう。
おまけに、その金を狙ってまたまた「貪欲」連中がうごめき始めている。
世界に部隊を展開する余裕はもうないのだろう。
問題は、そのアメリカの弱みにうまく付け込むことだろう。
小沢氏の観測気球は、本当に見事だった。
日本の国土を占領軍から取り返すには、まさに絶好のチャンスだろう。

日本の安全保障に関する私見
(1)極東の力の実態
東アジアにおける力の実態は米国・ロシア・中国の3つである。北朝鮮が何らかの力の一端を有しているというような報道は、謀略を意図したものと一蹴すべきであろう。さて、この中で歴史的に領土拡張の野心を有し、実際に極東において侵略を行ってきたのはロシアである。中国は伝統的に「威をもって服させる」のが外交戦略である。唯一、モンゴル帝国が中国を併合した時に日本にまで侵略の野望を示したが(元寇)、漢・唐・明・初期の清など日本に対し圧倒的な軍事的優勢を誇った歴代王朝においても日本に侵略を企図した様子はないようである。であるから、ロシアが出てきたときには軍事的に対抗するしか方法がないが、中国の場合には政治的対応の優劣が求められるという図式になる。 
 米国の態度を理解するのは困難である。建国以来、欧州に対してはモンロー主義をとるのに対し、アジアに対しては積極的に介入してくる傾向にある。ハワイ・グアムの併合でもって領土的野心は終了であろうが、清朝に対する門戸開放要求以降の動きをみる限り、政治的介入を辞めるつもりはないように見受けられる。
 日本の安全保障を歴史的に振り返り現代に当てはめるとすれば、最も危険なのはロシアであり、それを抑えるという意味において中国の軍事拡張は歓迎すべき事項であろう。ロシアが再度極東において軍事大国化するのは歴史の必然であり、中国の軍事拡大もそれに対抗するという意味合いも当然含まれているはずである。このような中・ロの軍事拡大に対し、日本ができる対応としては、従来通り米国にアジア介入をさせることである。岡崎久彦氏がかつて指摘したように「米国について恐れるべきは、極東への介入姿勢ではなく、その孤立主義への回帰である」ということにつきる。明治新政府が、熟慮の末日英同盟を最終的に選択しそれが日本を繁栄に導いたこと、および、日英同盟の破棄が最大の悲劇を招いたことを、我々は歴史の教訓として銘記すべきである。

(2)日米同盟の今後
民主党の主張する「対等な日米同盟」がどのようなものを意味するのかあいまいという指摘が多くのメディアから指摘されているが、私の理解ではかつての日英同盟を理想の姿として描いているのではないだろうか。私の拙い理解ではあるが、日英同盟においては、日本の安全保障が脅かされた場合英国は全面的に支援する(当然その逆も)という同盟関係を基軸とするが、日本は政治的に英国から独立していた。もちろん英国の世界戦略に全面的に協力はしていたが、究極的には日本の国益を最大限に求めていた。
しかし、日米同盟が日英同盟のような形になるためにはいくつかの問題点がある。最大の問題点は、日本は米国と全面戦争を行い敗れたという史実である。英国が究極的には「日本が英国の安全保障上の脅威になることはない」と考えていたのに対し、米国はそのように断言できないであろう。これが故に、在日米軍の全面撤収ということに米国が心理的抵抗を有することになると推測できる。一方、日本の立場から言えば、敗戦国とはいえ、いつまで他国の軍隊を領土内に駐留させるのかという不満がある。日本民族は誇り高い民族であるが故に、100年後も米軍が駐留しているということになれば、親米感情もやがては反米感情に変化する可能性がある。今回の政権交代を見てもわかるように、一度民意が離れだしたら、それを押しとどめるのは容易なことではない。恐らくは米国首脳部も、いつまでも在日米軍を駐留させておくことは米国の長期戦略上も好ましいものとは考えていないのであろう。高野氏が本論説で指摘されているように、ここに日米の接点があるように思える。相互信頼の構築と高度の政治交渉を行うことができれば、在日米軍全面撤収ということも決して不可能なことではない。
 最後に、民主党政権が「対等な日米同盟」を目指すのであれば、米国の長期的極東戦略上、日米同盟堅持が最善の選択であり、そのためには戦後1世紀以内の駐留軍撤収が不可欠であるという点と、日本自身が米国の安全保障上の脅威にならない点、および、日本軍(あえて自衛隊とは言いません)が極東有事の際には先頭に立ってその解決に貢献する点、この3点において相互理解を得ることが重要と考える。一方、テロとの戦い・中東やインド洋への軍隊派遣などにおいては、米国の真意をしっかりと把握し、可能な限りの援助を行うべきである。日英同盟破綻の引き金を引いたのは、第一次大戦で欧州に日本海軍派遣を要請した英国の真剣な頼みを、日本が真摯に検討しなかったことであったことも銘記すべきであろう。あの折、数隻でも日の丸を靡かせた軍艦を英仏海峡に並べることができたら、20世紀の悲劇はなかったかもしれないと考えると、テロとの戦いにおいてどのように米国と共同歩調を取っていくかということは21世紀の我が国の安全保障を決するといっても過言ではなく、民主党政権の真摯な対応を期待するところである。それは必ずしも給油活動でなくてもいいのであるが、米国議会・米国メディア・最終的には米国国民から見て、日本が同盟国に足る振る舞いをしているという評価がなされることが重要である。「対等な同盟」というのは「日本国内政治の独立性」というところまでにとどめるべきで、日英同盟のおりのように日本の国益だけを海外戦略において追い求めては同盟国の失望を買うだけであろう。米国の世界戦略からの独立ということは日本の安全保障上あり得ないということだけは肝に銘じてほしい。

「もはやカラッポの在日米軍」

米共和党右派のシンクタンクであるハドソン研究所主席研究員の日高義樹が次のような事を述べている。

日本の民主党は「在日米軍は要らない」と発言して、新しい主張をしているつもりのようだが、在日米軍はそういわれるまでもなく、急速に姿を消しつつある。私はこの7月中旬、アメリカ空軍の対北朝鮮爆撃訓練を取材するため、グアム島のアンダーソン基地を訪問したが、そこで見たアメリカ空軍の体制は、日米安保条約の空洞化が恐ろしい勢いで進んでいることをはっきり示していた。

グアム島のアンダーソン基地に、12機のF22戦闘爆撃機が飛んできたのはこの5月中旬のことである。レーダーに映らないステルス仕様の最新鋭機はアラスカのエーメンドーフ基地からやってきたが、そのうちの2機はそのまま沖縄の嘉手納基地に向けて飛び立った。

「アンダーソンにはF22が常駐することになるが、嘉手納には一時的に2、3機を送るつもりだ」アンダーソン基地のアメリカ第360飛行大隊の作戦担当者、トッド・フィンゲル大佐が私にこういったが、アジアのアメリカ空軍の主力は、嘉手納をはじめとする日本の基地にはもはや常駐していないのである。

「北朝鮮が不穏な動きをすればいつでも爆撃機を出動させる」アメリカ空軍の首脳が私にこういったが、グアムに常駐するB52が爆撃する前に、ステルスのF22が北朝鮮の防衛体制を破壊してしまう。このようにグアム島のアメリカ空軍が目覚ましく強化されている一方、在日米空軍は急速にその存在理由を失いつつある。在日米空軍の基地は中継地として使われているだけだ。

「在日米空軍、とくに第5空軍は、カラッポのアパートの管理人のようなものだ」笑いながらこういったのはアンダーソン基地の幹部である。一方、在日米軍の中心になるはずのアメリカ陸軍は施設を保有しているだけで日本には戦闘部隊を置いていない。座間基地に新しくできたアメリカ陸軍のアジア通信センターはきわめて小規模なもので、招待を受けて通信センターを訪問したという知り合いの海上自衛隊幹部は私にこういった。

「座間の通信センターの規模は、艦艇1隻に装備されているのと同じ程度のものだ」日本の陸上自衛隊は座間の通信センターをことさら大きく宣伝しているが、実体はこの程度なのである。そのうえ、これまでアメリカ陸軍が担当してきた在日米軍の補給兵站も、現在ではアメリカ海軍が担当している。日本に点在するアメリカ軍基地へ送られる物資の補給は、すべてアメリカ海軍横須賀基地が行なっているのである。

その横須賀を母港とするアメリカ海軍第7艦隊は、朝鮮半島に緊急事態が生じた場合には、北朝鮮によるミサイル攻撃を避けて、はるか洋上に避難する体制をとっている。このように、日米安保条約に基づいて日本を防衛することになっている在日米軍は、いまやほとんど存在していないに等しいのである。

日米安保条約が空洞化してしまったのは、アジアにおける軍事情勢が一変したからである。第2次大戦後、在日米軍がアジアの紛争地点である朝鮮半島や台湾海峡からほんの少し離れただけの日本列島に待機して、緊急出動態勢をとることができたのは、北朝鮮や中国が、圧倒的な戦力をもつアメリカ軍に攻撃を仕掛ける力をもっていなかったからだ。ところが、いまやそうした情勢に大きな変化が起きた。いつの間にか北朝鮮も中国もミサイル戦力を強化し、日本にいるアメリカ軍を攻撃できる能力をもってしまった。

「中国は、台湾の対岸に膨大な数の中距離ミサイルを配備することができるようになった。北朝鮮も大量のミサイルを保有している」
ゲイツ国防長官が議会でこう警告したが、日本で待機して紛争に備えるというアメリカ軍の戦略は、アジアの軍事情勢が大きく変化したため、在日米軍にとって大きな危険をもたらすものになった。

だがもっとも深刻な問題は、日本側がこうした新しいアジアの軍事情勢の変化を正確に認識できないために、日米のあいだで情勢に対応するための話し合いができないことである。

以上

どうやらブッシュ政権後期以降、米国の世界戦略は大転換を始めているようだ。もし日高義樹氏が言うように日米安保が空洞化しているのならば、鳩山政権も激動の時代にあった外交、安全保障戦略(例えば小沢氏の主張する国連待機軍構想など)を立てるべきだろう。

つい最近、この件のニュース記事を読み、日本政府はどういうつもりなのだろうかと腹が立ちました。政府のその理由は先のとおりのようですが、またか、と思わざる得ません。もういい加減にしてほしいです。

辺野古基地建設に私は反対ですが、嘉手納統合案については嘉手納住民はどう反応するのでしょうか。仮に、F15戦闘機約50機の一部を削減、とともに実施されるとすれば、騒音は軽減されそうですが、どうなのでしょうか…。

政府はいまこそ、住民とよく話し合って、しっかり対応すべきではないでしょうか。

F35ライトニング 、エシュロンについてまったく知らなかったので、大変勉強になりました。

アメリカ自体が、三沢基地や嘉手納から戦闘機の削減を打診していて日本のほうが難色・・・これは酷い話ですね。何処まで話が進んでいたのか明らかにすべき重大事項です。
その分、日本にも覚悟を決めて憲法改正を含めた自衛隊・軍備・米軍基地、思いやり予算、給油問題そして国連の交際協力を真剣に議論することは新政権だからこそ期待します。

以前、きっこさんが言ってたことを民主党は調べねば成りません。
きっこさん、勝ってに登用ゴメン。
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2007/10/post_d7ea.html

野党時代の民主党が幾ら言っても相手にすらしなかった問題。さあ公にして下さい。

対等な日米関係で論じられるのは主として日本の安全保障に米国がどのような形でかかわるか、日本が米国に安全保障上の軍事部門でどのようなかかわりを持つかが主として論じられている。その対象は日本から見れば北朝鮮であり、中国です。一方米国は世界戦略から見ており一番大事なのは中東の石油で次に中国の台頭に向けての対処です。北朝鮮は対中国対処の際に生じている足に刺さった棘でほおっておけば自由に歩けなくなるがまだ致命傷ではなく、動きを制約している。但し棘が持つ毒が体に回れば化膿し状況により片足が泥沼に入っているアフガン等南西アジアとの相乗によりしばらくは入院する羽目になるかどうかの瀬戸際に立っているといって良いだろう。
 この膠着状況を打破するため対北朝鮮の6カ国協議が不調になった今米朝、韓朝の2カ国協議が最近始まった。各個撃破されることを恐れた米韓が北に対して行おうとしたと思われるのが
 17日0524asahi.COMで発信された「金正日体制の「保障」検討、米韓(北の)核廃棄が条件」という記事にです。内容は読んでいただければと思います。
 これは以前辺さんのところで私がコメントしたことと相似するものでありこれに日本が加わり一挙に日米韓朝の国交正常化にもつながるものと思います。鳩山政権の英断を(オバマとの会談で4カ国同時国交正常化を提案)すべきではないかと思います。
 激動する国際情勢を見ながらまたアメリカの世界戦略の変化を見ながら日本が国益に沿った大胆な提案を、行動を自主的に行うことが対米対等外交にもつながるものと思う。
 拉致問題で騒ぐのも良いが井の中の蛙から日干しになった蛙にならないよう国内で相当の反対が起ころうとも世界や、東アジアの安定した地域に向けた岡田大臣の決断を期待する。この北朝鮮問題の解決が日本の安全保障政策を大きく左右することになろう。
 

細かい説明は省きますが、今更、日本国内に新たな米軍基地を造ると、日本国内、日米関係共々、重大な亀裂を生じさせることになると思います。

この数十年で、時代も人々も大きく変わったのです。沖縄の基地に拘っているのは、戦勝国の戦果として、無いよりはとっておきたいと思う米軍と、それで発生する利益を享受し続けたいと願う、県内外の一部の方々でのみであり、それに輪を掛けているのが、日本政府だという構図で、今となっては、もはや、バレバレなんですが、そういう状況に、米国政府も困り果てているのだと思います。

そもそも、何故、今更、外国軍の為の基地建設なんでしょうか?。

また、嘉手納基地統合案についてですが、これは、実際に、嘉手納基地の近隣に住む者として申し上げますが、数年前から、そうなると確信しています。

というのは、現実として、ジェット機の発着場である嘉手納基地の上空を、頻繁にヘリコプターが飛び回るようになっているからです。勘のいい人なら、即、なるほどと思う事でしょう。

また、今回の「F15、50機のうちから…」などと伝えているのは、とても笑えるのですが、「排出ガス取引」宜しく「騒音量取引」(笑)などと新手のアイディアを出してきて、例えば「F15を10機削減すると何db減るので、そのぶん、普天間のヘリを30機移転しても、何db削減でき、大変、お得ですよ!」とか何とか言って、周辺住民の同意に結びつけるなどですね。

ジュゴンや珊瑚のバックには、アングロサクソンやゲルマンなどのヨーロッパ勢が控えていますが、騒音規制なら、周辺住民だけで片がつく訳で…。

なんとも、馬鹿にされたものですね、日本人…。

有事でもないのに、住宅地域上空を、ジェットエンジンを空ぶかししながら自由奔放に飛び回る姿は、まるで、野蛮な暴走族のようです。(毎日、観察していると気づきますが、住宅地の上空にさしかかったら、静かに飛ぶジェントルマンもいます)。

車だって、住宅街を、意味も無く空ぶかしして走行したら、ひんしゅくを買うものです。

私に言わせると、米軍や米政府が、あのパイロットら一人一人のマナー(教育)を徹底すれば、基地周辺の騒音も、かなり減ると思います。勿論、離陸時と有事の際は、そんな事言ってられませんがね。
とは言っても、米軍の占領意識が消える事は無さそうです。

しかしながら、現実を踏まえ上での結論としては、二者択一なら、私は、嘉手納基地統合案を支持しますね。
それなら、新たな占領地を与えずに済みますから…。
以上、現地レポートでした!(笑)。

梶原一様

申し訳ありませんでした。
住民の方々のお気持ちに配慮できていなかったこと、反省しています。

私は東京在中で、市民運動にちょっとだけ参加している者なのですが、沖縄基地問題については、ごく最近、その集会に参加したばかりで、ほとんど無知に等しいです。

私は個人的に沖縄とは縁があるのですが、そのゆえに、逆に、この問題を避けてきました。これではいけないと思い、ごく最近、集会に参加するようになりました。
今後も、できるだけ参加し、よりよい運動ができるように学んでいきたいと思います。

現地レポート、ありがとございました。大変勉強になりました。

失礼がありましたこと、お詫び申し上げます。

実名は後難が怖過ぎるので、ご容赦下さい。

>陸上自衛隊が戦車3000 両を並べて迎え撃つ

陸自の戦車保有数はピーク時で1000両だったと記憶しているのですが、後の2000両は何処から持ってくる予定だったのでしょうか?
後、搭乗員はどうやって確保する予定だったのでしょう?
戦車への搭乗訓練を受けていない隊員をいきなり実戦に投入する計画だったでしょうか?
ご教示賜われれば幸甚です。

>「日米同盟重視」と言いながら実は日米同盟を軽 視している。

在日米軍のプレゼンスを重視しているからこそ、「難色を示した。」のでは無いかと思われるのですが、そのことが何故「日米同盟を軽視している。」事になるのでしょうか?

>2015年頃になるだろうが、それま でに米国が北朝鮮と国交を樹立しているのはまず間違いない

その様に判断された根拠は何でしょうか?
また、国交があれば航空戦力が不要と考える根拠は何でしょうか?
冷戦期の米ソにも国交はありましたが、航空戦力が不要との判断には到りませんでしたが?

ご教示を賜われれば幸甚です。

>金正日政権が危険な動きを見せ た場合に先制攻撃を仕掛ける急先鋒の任務
>オバマ政 権になると対北朝鮮の軍事オプションは完全に消えたので、F16 の存在意義はほぼ消滅したと言ってよい。

何故、「軍事オプションは完全に消えた。」とお考えでしょうか?
対話路線を基本としても、万が一「危険な動き(弾道弾による攻撃の準備)」が進めば、軍事オプションを選択せざるを得ない可能性がある筈ですが?

また、「危険な動き」を選択させず、対話の道を選択させるためのカードとしての価値をどのようにお考えでしょうか?

さらには、日本の周囲には20年連続で10%を超える大軍拡を継続中であり、インドやベトナムを侵略し、カシミールやチベットや東トルキスタンを植民地支配し、大躍進政策・文化大革命・天安門事件・法輪功弾圧と、無際限の大量虐殺を繰り返す、そしてチベット大虐殺の指揮者が支配する、中国と言う恐怖が存在します。
フィリピンの様に、アメリカの軍事的プレゼンスが無くなった途端、中国に自国の資源を強奪された実例もあります。

中国への抑止について、どのようにお考えでしょうか?

お考えを承れれば幸いです。

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