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鈴木亘:自公政権下における過去4年の社会保障政策の評価 »

相川俊英:ムダを知る住民を無視してムダはなくせない

 四年前とよく似た熱気が日本列島を席捲している。政権交代を掲げる民主党への支持のうねりである。郵政民営化に熱狂した人たちが自民党に背を向け、反対陣営に駆け込んでいる。四年前に振り撒かれたバラ色の夢が痛みを強いる棘でしかなかったことに気付き、怒り心頭に発したのである。つまり、熱波は民主党への積極的な支持ではなく、嫌自民の怒りの爆発なのだ。それゆえに有権者は四年前とは異なり、冷静だ。期待を裏切られた失敗体験が生々しいからだ。マスコミの世論調査の結果をみると、バラマキのマニフェストをまとめた民主党に過大な期待を寄せてはいない。多くの有権者が政権交代で日本がガラリと変わるとは思っていないのである。

 民主党の政権公約の柱は「国民の生活が第一」というものだ。そのためにすべての予算を組み替えて、子育て・教育、年金・医療、地域主権、雇用・経済に、税金を集中的に使うと主張している。税金のムダづかいを根絶し、国民生活の立て直しに使う考えだ。こうした総論に異を唱える人はいないだろう。問題は各論だ。とりわけ、どれがムダづかいの公共事業かという個別具体論である。

 日本各地を取材している記者からすると、この点に疑問を抱かざるを得ない。必要性や妥当性に問題ありの公共事業は、日本各地に存在する。道路はもちろん、ダムや橋梁、空港や港湾、整備新幹線や土地改良事業など、日本社会はむしろ、ムダのない地域にとって不可欠な事業を探すのが難しいほどだ。ムダな事業ではないかと異議申し立てする住民が各地域にいるが、地元の民主党が彼らと共に行動している事例はきわめて少ない。むしろ、事業を積極的に推進する側にいて、異議申し立てを無視するケースが多い。総論と各論、そして、永田町での主張と地元でのそれに齟齬がある。つまり、二枚舌である。

 マニフェストの中で中止を具体的に明記していたのは、川辺川ダムと八ッ場ダムのみで、あとは「時代に合わない国の大型直轄事業は全面的に見直す」と当たり前のことを書いたにすぎない。選挙戦でも各地の候補は地元の公共事業に関して推進を主張している。政権交代でガラリと変わることはやはり、なさそうだ。それもガラリと変えたくはないという民意があるからだろうか。

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aikawa_toshihide.png【プロフィール】 相川俊英(あいかわ・としひで)
1956年群馬県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1992年よりフリージャーナリストに。1998年から週刊ダイヤモンド委嘱記者に。地方自治を主なテーマとして全国を取材・執筆、サンデープロジェクトの特集レポーターも務めている。主な著書に「長野オリンピック騒動記」「東京外国人アパート物語」「コメ業界は闇の中」「ボケボケパラダイス」など。

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無駄か有効かじゃなく、お金が凍りついてしまうかグルグル回るかが大事という気もしますが、とりあえず無駄と思うもの。
・霞ヶ浦導水事業

<相川俊英様>
はじめまして、よろしくお願いします。
さて、記事を読ませて頂き、私が民主党に感じている不安をずばり指摘して頂き、うれしく思います。
おっしゃる通り、民主党の最大の弱点は、地方議会議員なのです。地域主権を標榜しながら、議員一人ひとりの資質もさることながら、党の理念すら理解しているとは思えない議員が存在しています。
理由は簡単で、中央は既得権益打破の野党で地方は既得権益にズブズブの与党、というダブルスタンダードを長年続けてきたからで、小沢代表以前の民主党は、多くの地方自治体で勝馬の首長に自公とともに相乗り推薦をしてきました。また、民主党の唯一の支援団体だった連合が県連に及ぼす影響は強く、連合は無駄遣いを推進する側だったりする事情もあり、ご指摘の様な事態になっています。
私は、民主党が国民政党になるには、地方議会の立て直しが必要で、その為には、連合に頼らない後援組織の確立が急務だと思っています。

em5467-2こと恵美さんに大いに賛同。
とくに「連合に頼らない後援組織の確立が急務」この部分は小生も大いに感じているところです。

論者の「ムダを知る住民を無視してムダはなくせない」は全くそのとおりだと思う。

とにかく公共事業などのムダをなくするためには
1)現場を知らない霞ヶ関官僚から地方へ補助金を移す。
2)事業の効用を判断する基準の明確化

2)については霞ヶ関ではある程度行われているが、自治体や圧力団体、族議員の声によって判断基準が引き下げられたりしている。また与党政治家はそれが政治力だと誤解しているようだ。

ところで補助金を地方自治体に渡せば、圧力団体や族議員の存在は必要なくなるが、今度は各自治体において2)についての明確な基準が必要だろう。

また基準を作っても、族議員に代わって地方議員が利権誘導を行う心配がある。その為には地方議会も野党が「行政と与党の癒着」をチェックできるように健全な対立関係を維持できるようにすべきだろう。

おっしゃる通りです。サンプロで拝見してます。現場を知る説得力あるご意見です。良く自民党が政権能力が民主党に無いと良く申します。小沢氏の合流前には確かに、地方は相乗りで自公民というのを見ていました。これで、民主党は地方政治には興味が無いのかとおもっていました。よって、どこでも地方選の投票率は低く、県民にとって県政は重要なもので有る筈が、そう云う感じはしなかった。地方分権を提唱する党にとっては、地方を握れば、中央に大きな影響を与えるはずの政策に疑問を感じていました。又自民はダメ、民主は不安という層の多さは、これからの政治次第で国民は見方を変えて行く、浅尾慶一郎氏の離党等を見てもその不安はぬぐえません。一番重要なのは、民主党のまとまりがこれからどうなって行くか?これが国民の不安解消のバロメーターでは無いでしょうか?政権が長くなるかはそれに尽きると思います。

無駄か有益か?という判断基準を資本主義的判断でくくると、今までの与党的パラダイムの延長になってしまう。
ではなくてここで思いきって、判断基準を環境問題に据え変えて、自然保全にしてはいかかがだろうか。
ダムとかコンクリートの護岸とか撤去する。
そのための公共工事にする。
景観がきれいになれば観光立国でもやっていける。
世界にくらべたら観光収入は少ない日本。地方も観光業で活性化し、地方分権も地域主権も発動しやすくなる。
作ってきたものを壊すわけだから、無駄かもしれないが、ここは長い目でみて自然がもどり、CO2対策にもなり、精神的にも豊かになれる。
すでに多くの日本人は物で幸福感は得られないことは感じているはずだ。
国破れて山河あり。
かつて日本の自然を褒め称えた異国人さんはたくさんいる。

現在、相川氏が論ぜられているような、郵政民営化の揺り戻し現象が起きているかのような論が多いのですが、私はいささか疑問を持っております。
>郵政民営化に熱狂した人たちが自民党に背を向け、反対陣営に駆け込んでいる。
とあるように、一部ではそうでしょう。今回はそれに、保守層の多数が民主に流れて新しい保守層を形成しているのが現実です。
私は郵政民営化よりもより大きな期待が政権交代に集まっていると見ています。
しかし耳触りのよいマニフェストを信じるのも懲りている。そうそう、マニフェストを信じないといった風土も形成されています。
そういった流れの中で政権交代の土壌が国民の側から出来上がっているのに、まるで流行り病のように扱っているのが解せませんね。その他はおおむね相川氏の論じる通りであると思われます。

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