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« 小沢一郎というパラドックス ——検察は大久保秘書をどう起訴に持ち込むのか?
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二木啓孝×高野孟「小沢一郎と民主党が沈没する前にやるべきこと」(後編) »

いきなり「企業・団体献金の全面禁止」に踏み込んだ小沢 ——こういう独断専行は大歓迎だ!

takanoron.png 民主党の小沢一郎代表は17日の定例会見で、「企業・団体献金を全面的に禁止すべきだ」との考えを表明、翌18日には鳩山由紀夫幹事長に対して「岡田克也党政治改革本部長に言って実現してほしい。分かりやすい仕組みにしないといけない」と述べ、党として検討するよう正式に指示した。

 私は17日付の論説で、民主党がまず「公共事業受注企業からの献金禁止」条項をマニフェストに復活させ、その後、企業献金を減らし、政党交付金も減らし、個人献金中心の政治資金制度に段階的に進むべきだと提唱した。そのように段階論を採ったのは、そうでもしないと小沢一郎が到底納得しないだろうとの“配慮”からだったが、小沢はそんな私の気遣いなど飛び越えてもっと先へ突き進んでしまった。

 小沢は、公共事業受注企業からの献金を禁止することについては、大小ほとんどの企業が国や地方自治体と何らかの形で関係があって、そこで仕分けすることは出来ないと指摘、「禁止するのであれば、企業献金と団体献金を全面的に禁止することだ」と言明した。団体には、今回の事件で問題となった政治団体はもちろんのこと、労働組合、農協、医師会など社会・経済団体などすべてが含まれる。そしてそれに代わるものとして、ネット献金を可能にするとか税制優遇をするとかを含め「個人献金しやすい制度」にしていくべきだと述べた。

 小沢の唐突な発言に、民主党内では特に労組依存の議員を中心に戸惑いが、自民党内では反発が、それぞれ広がっている。麻生太郎首相も18日夜、「企業献金が悪という考えには与しない」と反対を表明した。おかしいのはマスコミの反応で、そうしたと戸惑いや反発の声を大きく採り上げて「本当に出来るのか?」「小沢の疑惑隠しではないか?」などと揶揄気味の論調に終始、19日付朝日に至っては小沢が「このタイミングで“大胆提案”に踏み切った理由も不可解」とまで書いている。不可解なことは何もなく、私が17日付の論説で述べたように、今回の事件による小沢パラドックスの行き詰まりを前に向かって打開する——すなわち、小沢が辞任するにせよしないで済むにせよ、国民の間に必ず残る「もやもや感」を払拭して政権取りに立ち向かう——には、小沢と民主党が政治資金制度の改革に正面切って取り組むことが必須で、それは完全に論理的である。

 与党内でも、菅義偉選対副委員長を中心に個人献金の拡大のために税制控除も含め検討すべきだという考えがあり、公明党は企業・団体献金の規制強化をかねてから主張してきた。この際、民主党が身を切るようにして「どうしたら個人献金中心の制度に転換できるか」の議論の流れを作り出すことが出来れば、それ自体が政権交代の主要な争点の1つになっていくだろう。

 そういう意味で、小沢の党内調整抜きの独断専行発言は大いに結構なことであり、今後の議論の起点になるに違いないので、その発言の詳しい要旨を資料として添付する。

 なお、18日付朝日が掲載した「政治・社会意識基本調査」では、応援したい政治家への選挙ボランティアについて、「してもよい」「そうは思わない」は共に47%、応援したい政治家への寄付については、「してもよい」26%、「そうは思わない」68%だった。

《資料:17日小沢発言の要旨》

 17日の小沢会見での記者とのやりとりは次の通り(産経ニュースの詳報に基づいて、関連部分のみを抜き出した上、口語的な冗長表現を削除し補正を加えるなどした)。

−−代表の事件を受けて、政治資金規正法改正の議論が活発になってきている。民主党内の一部では、いわゆる公共事業の受注企業からの献金を全面的に禁止すべきだという意見や個人献金の条件を緩和して企業献金から個人献金に移行すべきだという意見が出ている。代表の考えとは少々違うと思うが、今後の政治資金規正法の改正のあり方についての考えは?

「私の考えと違うというわけじゃありません。私は日本の社会はもう少しオープンにすべきだと。政治資金も同じ。あるいは行政も同じ。民間の会社経営も同じ。もう少しディスクロージャーを徹底することによって、国民がその資料を基に判断するのが最も民主的な社会だと私は言っているわけです。ただ、私自身の不徳の致すところもあって、こういうことになっておりまして、その中から企業献金(をどうすべきかを考えると)、公共事業(受注企業)ということではなくて——公共事業といいますと、あなた方はゼネコンのことばかり思い浮かぶでしょうけれども、ほとんどの企業が、例えばこの間、防衛庁のああいう汚職事件がありましたが、三菱重工をはじめ、それこそ何千億の事業を引き受けているわけでしょう。大小あっても、ほとんどの企業が国や都道府県市町村と何らかの形で関係ありますから——禁止するということであれば、私は企業献金、そして今回それこそ問題になっている団体献金を全面的に禁止するということだと思います。公共事業でもって仕分けはできない、事実上。いろいろな個人、会社、業界が政治団体をいっぱい持っていて、それを通じて寄付がいっぱい行われているでしょう。その出資者はかなりのケースで企業でしょう。だから、そういう意味では今度の問題を教訓とすれば、全企業、団体献金を禁止するということならば、私はいいんじゃないか(と思う)。それで、なるべく個人献金しやすいような制度的なものにするとか、あるいはみなさん方がもう少し強力に啓蒙活動をやっていただくとか。なにしろ、オバマさんは600億(円)ものお金集めてやってきたわけですから、(そのうち)個人献金の金額がどの程度の割合なのかは私は知りませんけれども、いずれにしても本当に大勢の人が、トータルの量は別として、数では、献金したことは間違いわけですから、その意味で私は日本においても、もしやるとするならば企業献金、団体献金の禁止を徹底しなければ意味がないと思います」(中略)「岡田克也党政治改革本部長に言って実現してほしい。分かりやすい仕組みにしないといけない」と述べ、党として検討するよう指示した。
−−個人献金についてだが、アメリカのオバマ大統領が個人献金集めた手法として、インターネットを使って、広く集めた。こうした方法なら透明性も高く、政治参加も、国民意識も高まるメリットもあるが、こうした制度導入する考えは?

「今でもインターネットでやることは可能だと思いますけれども、ただ、やっぱり、その制度をはっきりさせるということも、もちろん必要です。やっぱり、みんなが少しずつでも、政治活動のために献金しようという意識にならないと、基本的には解決しないと思いますね。ただ、そういったことが、みんなの意識として盛り上がって来るまでに、例えば税制上の優遇措置を講ずるとかいう方法で、国民のみなさんの意識を高めていくことを考えないと、なかなか現実問題、個人献金一本と(ちうことにはならない)。企業・団体献金禁止ということになりますと、個人献金の慣習があまりない日本の場合は、何らか助長する仕組みが、あなたの言ったインターネットという形なのか、あるいは、税額控除——これ、本当、税額控除だと皆さん献金してくれるでしょうけど、財政当局がかなり税収が減っちゃいますから、その意味の問題もありますが、いずれにしろ、一つの考えとしてはそういうこともあるでしょうし、そうやりやすい雰囲気をつくっていくことは大事なことだと思います」(中略)

−−企業団体献金の禁止の関連だが、労働団体のようなものをイメージしているが、そうではなくて、政治団体も含んで禁止するのか。企業団体献金の禁止については法案を提出することになると思うが、法律の成立にかかわらず、民主党は受け取らないということにするのか?

「あの、団体っちゅうのは別に労働組合だけじゃないですから、農業団体だ、いや医師会の団体だ、いっぱいあるでしょうが」

−−政治団体を含むか、含まないか?

「えっ、政治団体の質問ですから、ですから今、問題になっているのが、政治団体からだったから、政治団体で政治資金規正法にのっとって報告したわけでしょう。ところが実際には、西松でやったお金だうんぬんという話になってるわけでしょう。他の政治団体も調べてください。企業やいろんな産業界の政治団体いっぱいありますよ。その出資してる原資はほとんど企業ですよ。だから私は、公共事業うんぬんというのも仕分けができないし、団体、政治団体というものの実態もそのお金がどこから出てるかわからないわけですから、そういう意味では、政治団体ももちろん含んで、やるなら禁止するということが、一番すっきりすると私は思います。それから、私ども、もう選挙すぐですから、われわれ民主党が単独でそうするということもそりゃあもちろん結構なことですけれども、皆さんの意見を聞かなきゃ。私一人で言うと、また、あいつが勝手にしゃべったといわれますけれども、政権を取ったら、私は政治資金のあり方にしろ、まずは、国の基本の統治の機構、政治のあり方、それを根本的に変えようと思ってますので、もちろん政治とカネを巡る問題も当然、取り上げていくべきだろうと思います。いずれにしても、透明化、透明化って言ってますけれども、私は、何回も言いますけど、私自身、全部献金は公表してますし、事務所費も全部、領収書付けて皆さん方にお見せしたじゃないですか。私は全部それを透明に致しております。まあ、いずれにしろ、そういった問題も、わが党が政権を任されたら考えていかなくちゃいけないと思います」▲

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コメント (8)

前回の高野氏の論説にコメントしたのと同じ主旨。
名立たる政治家諸氏にビジョンがないといわれるのと同様。
マスコミは単に一時的な扇情的報道に終始し、ことの本質に目を向ける気配すらない。

高野様
お邪魔致します。
この企業・団体献金の前面禁止が実現したら、大政治改革となるでしょう。今回の国策暴走検察捜査の大ピンチを大チャンスに変えることが出来ると思います。自民党は、死活問題ですから、絶対賛成できません。問題は、党内にも根強い反対論があることです。大きな影響がある発言だと思います。

企業献金だけでなく団体献金の廃止にも言及する事で、建前抜きの本質論を語った小沢氏だが、それによって、共産党を含めた全勢力から批判を浴びる事になる。
マスコミは、いつまで青臭い建前論を振りかざし、「小沢でない民主党」への誘導を続けるのだろうか。

小沢氏の考える民主主義としては、当然の主張です。同時に、与党の議員さんたちには、踏み絵になります。民主党でも、困る方は、多いでしょうが、個人からでも、献金してもらえる「政治家」になれ、ということでしょう。**さんでは、選挙を、戦えない、とか、**さんと一緒のポスターでは、困る、というのは、政治家として覚悟がたりませんよね。大久保秘書のいきなりの逮捕に関しては、検察暴走説ではないと思ってます。麻生総理が、妙に、落ち着いているからです。もちろん、自分達も縛られているんですが、少なくとも、総理でいられるってことです。全く関係ない話ですが、安部元総理が、田勢さんの番組に出た時、田勢さんが「やる気満々ですね。安部さんが、麻生内閣の命運を握っていますからね。」と、言っていました。これも、関係ない話でしょうが、いまさら、清和会でも経世会でもないと思うのですが、誰か、ア**カに伝えてくれませんか。政権交代した方が、お金が浮いてもっとア**カのためになりますよ、と。民主党の現議員さんで、政治家になりたい方、がんばりどころです。

~前原誠司元代表が14日の集会で「あれだけの献金を貰うと、『それが合法であればいいのか』という問題がある。私からすると考えられない数字だ」~

~前原によれば、民主党は以前にはマニフェストに「公共事業受注企業からの献金禁止」を掲げていたが、小沢が代表に就任した後、07年参院選からこの項目が消えた


そして、以下のURL
http://hiroseto.exblog.jp/9582775

企業から「特定個人への献金」が際立っていれば悪で、「所属政党議員の合計」が際立っていても、犯罪としては立件されないのは、
構わないのでしょうか。

「公共事業受注先からの献金」が悪で、「発注先企業」の献金なら良いと思っておられるのでしょうか。

前原氏は、「経世会」が金権政治で、「清和会」が「金権政治とは無縁」と、「盲信」しているのでは無いでしょうか。
 
「発注先企業」のトヨタグループや、キヤノングループ等の指導者は、自分等に都合が良い様に、「労働者派遣法」を改悪させたり、税制の優遇措置を「小泉政権」を通じて実現させ、散々儲けて、内部留保を溜め込み、製品が売れなくなれば、「人件費を使う事」を嫌がって、何の躊躇いも無く「非正規労働者」を路頭に放り出す・・・。

そのトヨタ自動車やキヤノンが所属する、経団連から自由民主党への献金は、20数億円で民主党は1億円にも満ちません。

これが「金権政治」で無くて、何なのでしょうか。「総合建設会社」を通じて、大型土木事業に税金を注いだ事を、「企業への税制優遇」を通じて、「製造会社」が散々儲け、税金まで形を変えて、「掠め取って」いるのは、犯罪では無いのでしょうか。

もう、北川正恭氏が、SHARPを亀山に誘致した「手法」は使えません。

だからと言って、「景気対策」と言って八ツ場ダム・設楽ダム等の大型土木事業の「環境破壊」には
使えません。

結局「何に金を使うか」の認識が
ずれているとしか思えませんが・・・。

小沢氏からすれば、「文句ギャーギャー」の前原氏、「表立って小沢氏への批判をしない」岡田氏に向けて、「やれるものならやってみろ それが出来るなら立派なものだ」と言っている様な・・・。

確かに何も出来なければ、「彼等も口先だけだった」と、人間としての信用を下げるだけに成ります。彼等を試しているのでしょうか?

小沢氏も、「代表」に執着する程、馬鹿とは思えませんが・・・。

「まさに正論、やってもらいましょう」
今の自民の政治は世のため人のためでなく、家業(商売)としての政治。誰の何のための政治なのかを語る議員は公明党を含め与党には存在しない。
議員歳費だけでなく、+α があるから世襲議員が続出する。そして、自己の資産を際限なく形成する。
企業献金・団体献金がなければ行えない政治はおかしい。
今の政治資金規正法の小刻み改正では今の政治の仕組みは変えられない。
小沢氏の打ち出しは、まさに正論。
民主党にやってもらいましょう。

いいじゃないですか。
徹底抗戦する以上、徹底的にやってもらいましょう。

このまま政治と宗教の問題にも一気に踏み込んで欲しいですね。

自公も思わぬ反撃に後悔してももう遅い。

選挙の争点の一つに十分値します。今回の騒動を仕掛けた側は今頃余計なことをしたと後悔してるでしょうね。

企業団体献金全面禁止!
是非民主党内でまとめて欲しいですね。
岡田副代表のお手並み拝見です。

次の衆院選の争点は、「企業団体献金禁止」と「政治家の世襲制限(地方議会・首長も含めて)」でぐいぐい押していきましょう!

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