これが「日本最強内閣」か?
10日発売の『文芸春秋』4月号が「これが日本最強内閣だ」という特集を組んでいる。堺屋太一(作家)、御厨貴(東京大学教授)、後藤謙次(キャスター)の3人が座談会で選んだ閣僚名簿の他に、政治記者84人と識者33人へのアンケート結果も載せている。識者アンケートへの答えは、(所詮はお遊び企画だから当然だが)おふざけや偏りも少なくなく、一番「まとも」と言うか、よく人物を見ているなあと感じられるのは田原総一朗(ジャーナリスト)、水野和夫(三菱UFJ証券チーフエコノミスト)、与良正男(毎日新聞論説委員)の3人だろう。そこで、座談会の結論、政治記者アンケートの上位1位(と接戦の場合2位も)、識者のうち上記3人の組閣案を一覧表にして掲げる。読者の皆さんも自分で考えて、これよりもっと強力な内閣の布陣を提案して貰いたい。

●私の採点簿
総理大臣には岡田の呼び声が高い。小沢(が現在の苦境を乗り切ったとして)で政権を獲りに行って、彼の体調問題もあるので、いずれ岡田に代わるというのが順当な見方だが、大穴というか一種のサプライズで仙谷というのは大いにあり得る。その場合、仙谷とコンビの枝野が官房長官で支えるのは当然で、そこを見ているのは水野の見識である。ただしこれは小沢の影響力があるうちは実現しない。他方、菅義偉が自民党ではあるが官房長官にうってつけというのは衆目の一致するところである。仙谷と枝野の名前が法務大臣でも挙がるのは、2人とも優秀な弁護士だからである。
外務相としては、岡本行夫は確かに有能だが、古巣の外務省に君臨して官僚的惰性と戦うことが出来るのか、対米コンプレックスに基づく「日米同盟重視」という名の屈従路線を鮮やかに転換することが出来るのか、疑問が残る。対米自主とアジア重視の新外交をグローバルな視野を持って展開できるという意味では寺島が最適任だろう。鳩山由紀夫も寺島の補佐を受ければ面白い外相になる。
防衛相が前原で期せずして満場一致というのは、私は納得が行かない。本誌が繰り返し指摘してきたように、「中国の軍拡は現実的脅威」などと発言して、潜在的脅威と現実的脅威の区別もつかない本質的に防衛の素人であることを露呈したことで、私の彼への評価は急落した。彼は確かに“防衛通”ではあるが、裏返せば防衛省官僚からのレクチャーを受けすぎて脳が痺れていて、その主張は自民党リベラル派とほとんど変わりがなく、防衛政策の根本的な見直しが出来るのかどうか疑問がある。前原は公共事業見直しにも詳しく、むしろ相応しいのは国土交通相だろう。では防衛相に誰がいいかとなると……うーん、難しい。
厚労相は長妻、行革相は渡辺というのは誰も文句がないだろう。堺屋らの案で長妻と丹羽が並んでいるのは、厚生相は長妻、労働相は丹羽と分けているからである。総務相は片山がベストだろう。文科相は橋下は確かに面白いが、単に学力テスト結果の公表の是非を巡って文科省を「馬鹿ですねえ」と罵倒したことが受けているだけで、教育政策全般への見識の深さと政策立案の能力・実績では鈴木寛とは比較にならない。
経済・金融関係では、榊原、茂木、中川秀直が有用な人材。峰崎や古川は一般には誰?という感じかも知れないがプロ筋の評価は非常に高い。江田と大塚の才覚も使い方次第である。与謝野は能力的には優れているが余りに旧自民党的で、もういいだろうという感じである。
農水相は石破が現に頑張っているが、筒井は構想力抜群で農政の怠惰を叩き直すには最適任だろう。環境相は岡崎トミ子が一番真面目に仕事をするだろう。▲
コメント (12)
ナベツネ・青木会談の頃から、「自民も民主も看板を掛け替えて総選挙」という動きが出てきているように思います。
次を構想して遊ぶのもいいですが、西松の「検察見込み捜査+リークに踊らされて世論をミスリードする記者クラブ」は放置でいいのでしょうか。
日本人の潔癖性が日本人を不幸にしています。
また、ロッキードと同様の冤罪が繰り返されるのかと思うと、残念でなりません。
投稿者: 小舘 | 2009年3月12日 13:46
この記事読みました。がっかりしました。挙げられている方達では、無く、3人の会話の内容についてです。政治の混迷は、「官僚依存」といいながら、具体的な解決法の、提示もなく、面白おかしく、語っているように、感じました。裕福なご隠居の茶飲み話みたいです。塩野七生さんの、いつものエレガントさを、忘れたような、「日本へ」の、次のページだから、尚更です。塩野さんは、10年以上も前から、脱官僚支配のために、大連立を、と書いていました。もちろん大マスコミ主導ではなく、政治主導のです。国会の支持をバックに、大鉈をふるい、官僚を掌握してから、政策実行を、粘り強くすることだと。大鉈をふるう役は、小沢氏だと書いていました。せめて、文藝春秋くらい、まじめにやって欲しいというのも、幻想でしょうか。
投稿者: うめ | 2009年3月12日 15:16
どれも飲み屋で酒も入って悪ふざけで考えたみたいな内閣ですね。
論評に値せずって感じでどーでもいいです。
それならコメントするなと言われてしまいますが^^;
投稿者: 世捨て人候補 | 2009年3月12日 20:36
うめさんのおっしゃるとおり、文春のこの記事の3人の座談会はレベルが低い。これがメインになっているから敬意を表して一覧表に載せたが、これが誰か1人の人選なら無視しただろう。奥田が総理? 冗談でしょう。トヨタってキャノンと並んでいま一番みっともない企業じゃないですか。「百年に一度の大不況」とかいうマスコミの煽りに乗って、先頭切って派遣切り。日本を代表する世界企業、経団連会長を出してきたトップ企業として、ここは泰然として「あわてふためくな、諸君」とでも言わなければならないはずなのに。桜井外相? 日本は破滅だよ。阿川が環境相? 地球環境はお終いだ。財務小泉、官房野中も馬鹿げている。
投稿者: 高野孟 | 2009年3月12日 21:00
「これが日本最強内閣だ」という見出しは中づり広告で見ましたが、読む気はもちろんありません。というよりむしろ、この見出しが出た時点でアウトです。
おふざけか何か知りませんが、こういう企画の背後にはどうしても、政界再編なる「自民党的なものの生き残り」を図る勢力の意図を感じないわけにいきません。
いかに自民党の中に有為の人士がいたとしても、彼らには一度、少なくとも数年の間野党の生活をなめてもらわなければなりません。それでもなお政治家をやっていける人だけが日本の政治には必要なのです。それ以外の利権屋は、自民党が野党になることによって駆逐されるでしょうし、そうでなければなりません。
投稿者: vox_populi | 2009年3月12日 22:52
最強内閣
総理 渡辺よしみ
副総理 田中 まきこ
総務 中村 維夫 ドコモ相談役
法務 社民党 福島
外務 姜 尚中
財務 堀 紘一
文科 和民 社長
厚労 志位 委員長
農水 生キャラメル 社長
経産 貞方邦介 アルカサバ
国交 石原 東京都
環境 猪瀬 副知事
防衛 田母神
金融 片山さつき
財政 佐藤ゆかり
行革 田原 朝まで生テレビ
官房 田中やすお
自治 白川勝彦
少子化 山田たかお ずうとるび
北海道&沖縄 鈴木 むねお
拉致対策 小沢 一郎
消費者担当 ユニクロ柳井
食品安全 ギャル曽根
総理補佐官 鳩山ゆきお
総理補佐官 石破 茂
総理補佐官 元谷 アパ社長
地方再生担当 宮崎県知事
副官房 橋下 大阪府
副官房 管 直人
どうでしょうか?
結構 長持ちすると思います。
投稿者: こはるちゃん | 2009年3月13日 00:17
私もうめ様のご意見に賛成です。
ツクズヅク思うのは、何てこの人達は「人を見る眼が無いんだろう?」ってことです。テレビの劣悪な低予算のヴァラエティ番組並みの酷さ!洞察も捻りもヴィジョンも、ナーンニモ無し。敢えて申し上げますが、こいつらは政治を何だと思ってるんでしょうねぇ?
「文芸春秋」については、もともと穏健な、政財界のエスタブリッシュメント寄りの商売をしてきた雑誌ですから、別に驚きはしませんが、こんなことをやってたら、先行き商売が立ち行かなくなりますよ?「週刊文春」もそうですが読者層のターゲット分析と情報ニーズを完全に読み違えています。
企業広告依存の体質が、メディアとしての「存立理由・目的」を見失わせているのでしょう。そういう雑誌はいずれ消えゆくサダメにあるのです。
投稿者: hal2001 | 2009年3月13日 00:18
大爆笑してしまいました。
総理:奥田、外相:桜井よし子?!
堺屋さんたち3人、よくも恥ずかしくないですね。2ちゃんねる並ですよこれじゃ、いや2ちゃんねるですらここまで酷くない、多分。
防衛が前原さんだけというのも笑ってしまいました、だけど、代わりに誰がという人物が不在なんですね。
今思いつきました、防衛:小沢はどうですか?
投稿者: 山崎 | 2009年3月13日 02:47
残念ながら、「高野孟氏」の意見には首を傾げたくなる判断が
至るところに散見する。
「御用ジャーナリスト」の面目躍如よろしく、「識者判断」において
「よく人物を見ているなあと感じられる」のは
「田原総一朗(ジャーナリスト)」、
水野和夫(三菱UFJ証券チーフエコノミスト)、
与良正男(毎日新聞論説委員)の3人だろう、とのたまわれている。
「水野氏」だけが例外であり、「田原と与良」は「問題外の人物」
ではないか。よくぞ、そこまで両人を持ち上げたものである。
その見識をまずは疑いたい。
次に、「組閣人事」だが、
「総理」に「仙谷」、「外相」に「岡本」、
「文科相」に「橋下」、「財務相」に「与謝野」、
「防衛相」に「前原」、「行革相」に「渡辺」など
が実際に登用されれば、「日本沈没」は必至であろう。
上記に替えて、「田中真紀子」、「田中康夫」、
「加藤秀樹」、「「山崎養世」、「藤原和博」、
「植草一秀」の「6名」は、「日本復活のキーマン」
として枢要な人材であり、この方々の登用こそ
お薦めしたいが、「高野さん」、如何でしょうか?
投稿者: ガランサス | 2009年3月13日 04:33
コメント欄は賑やかですが、知識貧困ゆえか、もともとの「高野論説」自体、さして興が湧きません。
虚しいですよ。こんな「お遊び」。
投稿者: 近藤良夫 | 2009年3月13日 13:03
おもわず笑いを禁じえなかった。
田原が一番現実的と言うか、国民の受けがよさそうに思えた。
堺屋は寝言を言ってるようにしか見えない。
全員防衛=前原というのが興味深い。
投稿者: effexor | 2009年3月17日 00:31
首相 アル・ゴアで環境ビジネスで日本の向こう100年の基盤を作ったらどうでしょうか。
投稿者: 松本茂樹 | 2009年3月17日 00:43