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2009年2月28日

小沢一郎発言「在日米軍は第7艦隊で十分」の見識・その1 ―― 脅威の見積もりなしに行われる議論の不思議

takanoron.png 在日米軍再編に関連して小沢一郎民主党代表が「第7艦隊がいれ ば十分だ」と発言したことが波紋を呼び起こしている。

●小沢発言

 小沢の発言は次の通りである。

▼ただ米国の言う通り唯々諾々と従っていくということでなく、私たちもきちんとした世界戦略を持ち、どういう役割を果たしていくか。少なくとも日本に関係する事柄は、もっと日本自身が役割を分担すべきだ。そうすれば米国の役割は減る。この時代に前線に部隊を置いておく意味はあまりない。軍事戦略的に第7艦隊が今いるから、それで米国の極東におけるプレゼンスは十分だ。あとは日本が極東での役割をしっかり担っていくことで話がつくと思っている(24日、奈良県香芝市で記者団に)。

▼(米空軍などは)いらないと言っているのではなく、日本もきちんとグローバル戦略を米国と話し合って役割分担し、その責任を今まで以上に果たしていかなければいけないという意味で言っている。日本も米国におんぶに抱っこになっているから。自分たちのことは自分たちでやるという決意を持てば、米軍が出動部隊を日本に置いておく必要はない。ただ、どうしても東南アジアは不安定要因が大きいので、米国のプレゼンスは必要だ。おおむね第7艦隊の存在。あとは日本の安全保障、防衛に関連することは日本が、自分のことなんだから果たしていくということだ(25日、大阪市で記者団に)。

●それへの反応

 これに対して政府・与党側や在日米外交筋からは25~26日にかけて一斉に反発が湧き起こった。

▼「日本の周りには核実験をし、搬送手段を持ち、日本を敵国かのごとく言っている国が存在する。その時に同盟国である米国が海軍だけ。あとは空軍も海兵隊も陸軍もいらないと。防衛に少なからぬ知識がある人はそういう発言はしないのではないか」(麻生太郎首相)
▼「自前の防衛予算を3倍から5倍にでもしようかという勢いかもしれないが、暴論以外の何ものでもない」(町村信孝元官房長官)
▼「(小沢発言は)日本の軍備増強でカバーしていく発想。民主党の旧社会党系、共産党、社民党の方々がよくご一緒に行動しておられるなと思う」(伊吹文明元幹事長)
▼「日米同盟にひびが入る。民主党政権が実現すると、我が国の安全保障は根底から覆される。次期総選挙の争点だ」(山崎拓元防衛庁長官)
▼「極東における安全保障の環境は甘くない。空軍や海兵隊などの必要性が分かっていない」(ケビン・メア駐沖縄総領事)

 また本来的に反安保の社民党・共産党からは戸惑いのコメントがあった。

▼日本は世界全体が軍縮に向かうイニシアチブを取るべきだ。軍拡の道を進むことで(米国の)イコールパートナーになるのは間違っている(志位和夫共産党委員長)
▼「軍備拡張にはとにかく反対だ」(福島瑞穂社民党党首)

●何が問題か

 第1に、このような議論が全体として不毛なのは、冷戦が終わって旧ソ連の脅威が基本的に消滅した後で、この国がいかなる現実的・潜在的な軍事的脅威に直面しているのかという冷静な「脅威の見積もり」(という防衛論の大前提)を欠いたまま行われていることである。

 そもそも旧ソ連の対日脅威というのも、実体的には、戦闘爆撃機によるエアカバー(爆撃等による制空)の下での空挺部隊や特殊部隊の降下は可能であっても、主力の機甲師団の渡洋上陸による本格的な侵攻は、ウラジオストック港への渡洋上陸艦の集結が行われていない状況では全くの潜在的脅威に止まっていた。ところが当時マスコミは、潜在的と現実的の区別など(意図的に?)無視して脅威が差し迫っているかに煽り立て、とりわけ週刊誌などは「ある日突然、札幌のあなたの家の庭先にソ連軍の戦車が!」などと面白おかしく書き立てた。そういう無責任な記事のために、青森の女性が稚内の男性に嫁ぐ縁談が女性の親の反対で破談になったという笑えない実話さえ生まれたほどだった。

 実際に現地の指揮官などと個人的に議論すれば、現実的な脅威が差し迫っている訳ではなく、もしそうならすでに自衛隊も迎撃のために臨戦態勢に入っていなければならないが、そういう事態とは認識していない旨明言する。しかし、防衛省や政府・与党にしてみれば、脅威が迫っていることにしておいた方が防衛予算も通りやすいので、そのような報道の過熱を放置するどころか、恐ろしげな情報をリークするなどして裏から火に油を注ぐような真似さえする。

 そのように、脅威は元々大げさに扱われやすいもので、その最悪の事例の1つが、「サダム・フセインが大量破壊兵器を隠していて、それが今にもテロリストに手渡されようとしている」というイスラエル情報機関が流した偽情報にブッシュ前大統領が引っかかってイラク戦争を始めてしまったことである。

 さて、冷戦が終わって旧ソ連の脅威は潜在的なレベルでさえもほぼ消滅し、それならばそれを主敵として組み上げられてきた在日米軍と自衛隊の兵力・装備・配置、さらに両軍の日本防衛のための共同作戦計画も大幅に縮小する方向で徹底的に再検討されなければならなかった。が、不思議なことにそういう動きは一切起こらず、例えば陸上自衛隊は3000両の戦車を北海道に配置して旧ソ連の上陸強襲作戦に備えるという構えを、今日に至るも基本的には崩 していない。そうこうする内に今度は北朝鮮のミサイルが脅威だということになり、それでも足りないとなると、中国の海軍力の増強が著しいことが盛んに採り上げられた。北のミサイルは米国による“先制攻撃”を抑止しつつ外交交渉の切り札としても活用することが狙いであり、また中国の海軍増強は、米第7艦隊と少なくとも緒戦において張り合えるだけの力を持たないと「いざとなれば台湾を武力解放する」という建前が維持できないからである。いずれも米国との関係の上で企図されていることであり、日本に軍事攻撃を仕掛けることは特に予定されていない。ところがそんなことはお構いなしで、北が怖い、中国が危ないという世論操作が罷り通る。民主党の前原誠司元代表が米国で演説して「中国の軍拡は日本にとって現実的な脅威だ」と言ったのは、明らかに防衛省の情報操作に乗せられたもので、彼が防衛に関して素人であることを露呈したものだった。

 こうして、冷戦時代からポスト冷戦20年を経た今日まで、この国は本当のところ、どこからの、どういう種類の、どのくらい大きな脅威に直面しているのか、正確な認識を持ったことがない。その状況をそのままにして、在日米軍にせよ自衛隊にせよ、その兵力・装備・配置が適正であるかどうかを議論すること自体が珍妙である。

 もちろん、上述のように旧ソ連の脅威が元々過大に言われていて、その脅威の相手を北朝鮮と中国に“横滑り”させながら基本的に冷戦時代と変わらない態勢を維持してきた訳で、どちらにしても日本防衛の目的からして在日米軍は過大であるに違いなく、小沢が言うのは正しい。ただし彼も、日本が晒されているのはどういう脅威であって、だから第7艦隊の象徴的存在で十分なのだということを説得的に説明する必要があるだろう。また、第7艦隊を含む在日米軍は、日本防衛の約束のためだけに居るのではなく、西太平洋からインド洋、ペルシャ湾までの地球の半分での米軍事戦略の展開の最重要拠点として日本を利用しているという側面があり、それを日本としてどこまで許容するのかという問題もある。

 それに対して政府・与党側の批判は総じて、自分の頭で脅威の性質と適正な日米兵力の水準について考えたことのない人の発言で、つまりは「米国が必要だとおっしゃっているのに、なんて小沢は失礼なんだ」ということに尽きる。こういう思考が日本のあるべき防衛の姿を見えなくしてきたのである。[続く]▲

高野孟×太田昭宏「どうなる?自公連立」

■太田昭宏公明党代表×高野孟 「どうなる?自公連立」予告編

 THE JOURNAL×Infoseekニュース内で好評放映中の本格政治番組『檄論檄場』では、第3回のゲストに太田昭宏公明党代表を迎えた。
 
 創価学会青年部長時代の話にはじまり、定額給付金、自公協力のこれから、そしてヘベレケ会見に象徴される麻生政権不甲斐なさについて太田氏は「情けないと思うところがいっぱいある」とまで語った。

 番組の模様は、3月2日(月)からInfoseek内の特設サイト「内憂外患~どうするニッポン」で放送される。
http://news.www.infoseek.co.jp/special/j-is/

2009年2月26日

次期衆院選に出馬断念か?酔いどれ大臣

 帯広市からの情報によると、酔っぱらいで辞任した中川昭一前財務相は今日、明日にも地元で記者会見し「お酒はキッパリ止めました」と宣言する予定だが、後援会内部では「出馬は無理。民主党候補には到底勝てず、比例でも引っかからない程度の票しかとれない」という意見が大勢を占めている。

 議論はすでに「出馬すべきかすべきでないか」ではなく、「出馬を1回見送ればいいか2回見送らなければならないか」に移ってきているという。2回見送りということになれば再起のチャンスはほとんどないだろう。「総理になる」と公言し地元でもその期待が高かった中川だが、断酒宣言で政治生命を維持できるかどうか、瀬戸際である。

 対抗馬は民主党の石川知裕(35)で小沢一郎の元秘書。若い上に勢いがあり、酔っぱらい事件がなくてもかなり善戦すると見られていた。

田中良紹×田中康夫「中川“ヘベレケ会見”から何が見えるか」

 THE JOURNALブロガーである田中良紹氏と新党日本代表の田中康夫氏が、前回に引き続き、ニッポンの政治について大マスコミの情報ではわからない「なぜ?」を徹底解説します。「中川ヘベレケ会見」「予算審議の問題点」「麻生外交の大間違い」のほか、後半には有田芳生氏が後期高齢者制度問題についてレポートします。ベテランジャーナリストの“読み”をぜひご覧ください!

■BS11「にっぽんサイコー」第47回2009/02/21(土) 
【配信】
チームニッポン http://www.team-nippon.com/
(HP内で田中良紹氏の「ニッポン維新」も連載中)
新党日本 http://www.love-nippon.com/

2009年2月23日

田中良紹×田中康夫「小泉“笑っちゃう”発言から何が見えるか」 

 THE JOURNALブロガーである田中良紹氏と新党日本代表の田中康夫氏が、小泉「笑っちゃう」発言の真意を分析。窮地に追い込まれたかに見える麻生自民党ですが、その裏ではどのような次のシナリオが練られているのか・・・

■BS11「にっぽんサイコー」第46回2009/02/14(土) 
【配信】
チームニッポン http://www.team-nippon.com/
新党日本 http://www.love-nippon.com/

 

2009年2月20日

倒閣運動はじまる 百年に一度の経済危機に前代未聞の酩酊国会

 麻生政権の相次ぐ失態で、与党内からも公然と麻生退陣を求める声があがっている。
 自民党の後藤田正純衆院議員は18日、「麻生内閣は危機管理能力のなさを露呈し、信頼という誠実さがない。誰が総理であるべきか、しっかりと示さないと、自民党は終わる。できれば禅譲していただき、若い世代に自民党を託してもらいたい」(朝日)と語った。

 また、ロシア訪問中の小泉元首相は18日のモスクワ市内での会見で「与党が3分の2を使う(衆院)本会議が開会されるならば私は欠席する」(毎日)と述べ、第二次補正予算案の採決に党の方針に従わないことを明言した。

 与党内で同時多発的に発生した麻生降ろしで、政局の流れは一気に加速している。すでに麻生首相の下では次の選挙を戦わないことは与党内で暗黙の了解となっており、次の首相選びをめぐる駆け引きがすでにはじまっている。

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二木啓孝氏(ジャーナリスト)
「おもしろうて やがて腹立つ 会見かな」(2/20)

 小泉発言は打ち上げ花火で第2弾、第3弾はない。なぜなら、今回は小泉さんが採決を欠席するだけで、新しい仲間を募って何かをするという話ではないから。メディアはこぞって取り上げているが、具体的に何かするということはない。

 なので、麻生さんは意地でもこのまま首相を続ける。とはいうものの、中川さんの問題の泥酔会見、辞任のゴタゴタ、さらに昨日には麻生首相が中川さんをかばって酒は飲んでないことを主張する往生際の悪さ。国会は空転するだけです。

 国会の経費は1日3億円。(騒動がおこったあと)中川さんがスパッと辞めれていれば半日で済む話が、3日も4日も国会が止まっている。合計で10億円以上の浪費です。麻生首相らには、国会は国民の税金で開かれているという自覚がまったくない。そういうことに思いをいたさないということに腹が立つ。

 また、中川さんの酒癖が問題であることは財務省スタッフも記者もみんな知っている。にもかかわらず、あのベロベロ会見のときに「大臣、おかしいですよ」と誰も言わず、国際的に恥をさらしてしまった。女性記者が昼食のときに同席したかどうかが話題になっているが、なぜ、会見のときに誰も問いたださなかったのか。そのことが疑問です。中川さんの会見は「おもしろうて やがて腹立つ 会見かな」ですよ。

 毎日新聞の記者だった鈴木棟一さんは、過去に委員会の与野党のやりとりがあまりにも馴れ合っているので、「くだらんからヤメロ!」と記者席から怒鳴ったことがある。それに対して「くだらんとは何だ!」と委員長が言い返して怒鳴り合いなり、最後は鈴木さんが衛士につまみ出された。怒鳴ることがいいか悪いかは別にして、今回のサミットに同行した記者は、政治家と馴れ合っていたのではないか。
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田原総一朗氏(ジャーナリスト)
「自民党は野党になるしかない」(2/19)

 すでに自民党内は麻生さんで選挙をすれば惨敗だという空気になっている。

 「猿は木から落ちても猿だが、議員は選挙に負けたらただの人」といわれるように、自民党の衆議院議員は自分たちが落選することが一番困る。なのに、麻生さんが首相だとみんな落選することがわかっているので、いまでは情けないことに、民主党に勝てる人を選ぶのではなく、麻生さんより「マシな負け方」をしてくれる人に首相になってほしいと考えている。

 名前が挙がっているのは、谷垣禎一元財務相や石原伸晃幹事長代理。小池百合子元防衛相は前回の総裁選でいい成績ではなかったので、ダメだと言われている。いっそのこと参議院から舛添要一厚労相を首相にしてはどうかとか、あるいは、もう一度小泉さんに頼もうなんて意見もある。

 いま一番自民党が真剣に論議しているのはポスト麻生の問題で、9~12月のGDPが年率で12.7%落ち、1~3月も大幅に落ちると言われているのに、景気・経済のことを真剣に考えている議員は自民党にほとんどいない。自民党の議員は、国のことも自民党のことも考えず、自分のことしか考えていないのだ。

 もはや自民党には人材がいない。次の選挙では民主党が勝つだろう。自民党は野党になるしかないのだ。

2009年2月19日

中川氏の酒席に同席した美人記者がネット上で話題に

 小泉元首相の再可決欠席宣言により中川氏のヘベレケ会見の不祥事は小さな扱いになったが、ネット上ではがぜん盛り上がりをみせている。

 話題となっているのは、中川氏の飲酒が疑われる昼食会に参加した読売新聞の女性記者。ネット上では記者の実名、写真、経歴などが公表され、その他にもテレビ局や通信社の女性記者の名前も挙がっている。真偽はいまだ不明だが、「ブランデー飲んでた」(nikaidou.com)といった裏情報まで流れている。

 同席した財務省の玉木林太郎国際局長は問題の昼食会でワインを注文したことをすでに認めているが、読売新聞は18日の記事では「中川氏が飲酒しているところは確認していない」と飲酒そのものを否定。ちなみに、読売新聞社のサイトに掲載している記者紹介の写真記事などはすでに削除している。

 その一方、あまりの情報流出の早さにマスコミ業界では「財務省筋から情報が流れているのでは」と推測する向きも多い。
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【関連記事】
■中川財務相辞任 批判の嵐、官邸のむ(毎日)

2009年2月18日

会見前に飲んだ?飲んでない? 毎日と読売の記事に相違

 ヘベレケ会見で批判を受け、前言撤回して辞任した中川前財務相だが、肝心の飲酒量がはっきりしないため騒動がおさまらない。
 なかでも注目されているのが、ローマ滞在中に中川氏と行動をともにした同行記者の存在だ。毎日新聞は18日の朝刊で中川氏の飲酒状況を詳細に解説。問題の記者会見の前には、G7の昼食会を抜け出して財務省幹部や女性新聞記者と会食し、そこで中川氏らはワインを注文していたという。
 一方、読売新聞は自社の記者がその会食に同席していることを認めているが、「中川氏が飲酒しているところは確認していない」と、毎日新聞とは事実関係が異なる記事を掲載している。
 いずれにしても、下記の表にあるとおり中川氏が行きの飛行機の中から問題の会見の直前まで頻繁に酒を飲んでいたことは明らかだ。本人はヘベレケ会見について「体調が悪かった」と弁解しているが、それにしては出発時から飲みすぎではないか。

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鳩山邦夫は旧郵政官僚の操り人形ではないのか? ――「かんぽの宿」売却問題の怪しい背景

takanoron.png 15日のサンデー・プロジェクトでは、郵政民営化推進の立役者だった菅義偉=自民党選対副委員長(当時総務副大臣)とそれに反対して自民党を離党することになった亀井静香=国民新党代表代行との対論がメインだったが、その中で、コメンテイターの財部誠一が「かんぽの宿」の一括売却問題を巡る鳩山の言動について「3月の郵政民営化見直しの期限にタイミングを合わせて旧郵政官僚が西川の首を掻くことを狙って仕掛けた陰謀ではないのか」という趣旨のことを問うたのに対し、菅は番組中では「背景には色々な動きがある」と奥歯に物が挟まったような答え方をしたものの、番組終了後には財部に近寄って「あれは陰謀ですよ」と明言した。

 鳩山邦夫総務相が“正義の味方”であるかのようにメディアからも野党からも持ち上げられているが、実は彼は、総務省=旧郵政省官僚の郵政民営化への恨みに根ざした日本郵政=西川善文社長に対する意趣返しと改革の揺り戻しの手先として操られているだけではないのか。そうだとするとこの一件は、麻生太郎首相自身の「元々反対だった」発言と表裏一体の、「官から民へ」の改革の流れに逆行しようとする麻生政権の反動性の現れでしかない。民主党はじめ野党が揃って鳩山大臣に調子を合わせているのは「笑っちゃうくらい」の話ということになる。

●陰謀のシナリオ?

 田中良紹がTHE JOURNAL2月7日付「かんぽの宿のイヤな感じ」で「鳩山総務大臣の個人の正義感だと思うほどおめでたい人間は政治の世界にはいないだろう。その意図が何かを突き止める事が先決である。総務省と日本郵政の内部にシナリオを書く者がいる。鳩山大臣はそれに振り付けられて躍っているだけだ」と述べている。実際に誰がシナリオを書いたのかについて証拠はないものの、旧郵政省の総務省官僚や旧郵便局の職員の中に、民営化そのものに激しい反感を抱き続ける者がいて、自民党内に昨秋発足した民営化反対=造反組を中心とする議員連盟「郵政研究会」とも連動してこの騒動を仕掛けたという推測は大いに成り立ちうる。

 昨年10月10日の郵政研究会の初会合では、最高顧問に就任した川崎二郎が「郵便局会社と郵便事業会社を本当に分ける必要があったのか。いつの間にか4つの会社に分かれたが、見直していいんじゃないか。株の持ち合いをきちんとしないと持たなくなるという議論もあった。合わせて検証していきたい」と挨拶、郵便局会社と郵便事業会社の一体的な経営の確保、日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生保の株式上場の“弾力化”(つまり政府が100%保有する株式を2010年を目途に上場・売却する方針の凍結)と相互株式持ち合いによる連携強化などを求めていくことを決議した。彼らとて、今更郵便事業を国営に戻すことが出来るとは考えていないだろうが、4分社化を中心とする民営化スキームを大幅に修正して組織を再々編し事実上の官営事業として存続を図ろうしているに違いない。

 これを受けて11月には自民党政務調査会が正式の党機関として「郵政民営化推進に関する検討・検証プロジェクトチーム」 (座長=中谷元・元防衛庁長官)を発足させた。正式機関だけに、民営化推進派にも配慮してあくまで「民営化推進」の立場からの検討という形を採っているが、そこでの議論も4分社化の再検討を中心とする揺り戻し路線であることに変わりはない。

 実際に見直し内容を決定し首相に意見を述べるのは、郵政民営化法に定められた「郵政民営化委員会」(委員長=田中直毅・国際公共政策研究センター理事長)であり、田中はじめ5人の委員は言うまでもなく小泉・竹中が任命した人たちであって、自民党や総務省が何を言おうと受け付けない公算が大きい。そこで、かんぽの宿問題をスキャンダルに仕立てて西川善文日本郵政社長を叩き、あわよくば首を取る一方で、鳩山総務相と麻生首相を巻き込んで民営化推進の流れに歯止めをかけようとする陰謀シナリオが描かれたのだろう。

●粗雑すぎる鳩山の議論

 鳩山の主張の第1は「オリックスの宮内会長は規制改革会議の議長をやり、郵政民営化の議論もそこでなされた。そこに一括譲渡となると、国民が出来レースではないかと受け取る可能性がある」というにある。

 確かに宮内は規制緩和の急先鋒であり、その関連の政府審議会の長を10年以上にわたり歴任している。小泉・竹中時代には「総合規制改革会議」の議長だったが、オリックスの1月7日付プレスリリースによると、同会議でも、その04年3月廃止後に設けられ引き続き宮内が06年9月まで議長を務めた「規制改革・民間開放推進会議」でも、答申中に「郵政民営化」のテーマは出て来ていない。また竹中平蔵も1月19日付産経の「ポリシー・ウォッチ」で、「郵政民営化のプロセスに規制改革会議が関係したことはない。基本方針を決めたのは経済財政諮問会議であり、制度設計は内閣官房の準備室が行った。その際にいくつかの委員会も作られたが、宮内氏がそのメンバーになったことはなかった。同氏が郵政民営化にかかわったというのは、ほとんど言いがかりのようなものである」と述べている。

 竹中はさらに次のようにも言う。

「より重要なのは、民間人が政策過程にかかわったからその資産売却などにかかわれない、という論理そのものに重大な問題があることだ。今や政策決定における民間人の役割は極めて大きなものになっている。経済財政諮問会議や各省の審議会・委員会にも民間人が関与する。しかし、いったん政策が決められたとして、それに関係する経済活動がその後できないとなると、民間人はだれも政府の委員会メンバーになどならなくなる。郵政民営化の枠組みを決めた諮問会議の民間議員は、郵政の株が売却される際、それを購入してはいけないのか…。これは、政策決定における民間人排除の論理に等しい」

 その通りで、宮内は広い意味の小泉・竹中人脈の一角には違いないが、直接に郵政民営化の議論に加わったわけではないし、仮に議論に加わっていたとしても事後的にこのような契約の当事者となるのは、公正な手続きを経てさえいれば何の問題もない。これがダメ だと言うなら、例えば医師の診療報酬などを決める厚生労働省の審議会に初めから利害当事者である医師会代表が加わっているのはもってのほかだということになる。

 鳩山の言い分が罷り通れば、竹中が多用して成果を上げた、民間有識者を審議会等に入れてバンバンと提言ペーパーを繰り出して官僚の保守・保身を押さえ込むという手法が、最終的に息の根を止められる。官僚の思うつぼである。

 鳩山の主張の第2は「なぜ一括売却しなければならないのか」ということである。

 一括については、そうするより仕方がなかったのではあるまいか。70施設のうち黒字なのは10程度と言われており、他はトントンか赤字で、07年度の日本郵政の赤字負担は40億円に上る。2012年9月末までに売却すると法で決められている中で、1件ずつ買い手を探しているのでは到底時間的に間に合わないし、しかも事業の継続と雇用の維持を条件にしている以上、黒字施設はすぐに売れても赤字施設には買い手が付かず、売却が難航することが予想される。だからこそ比較的優良な施設とそうでないものを抱き合わせにしてパッケージにし、一括して引き受けて貰う以外に方法がなかったのではないか。事業を廃止し雇用も放棄するのであれば、残った土地・建物を単なる不動産として売却するのだから、109億円よりだいぶ高く売れるかもしれないが、それでは、元々簡保加入者の保養・福祉施設だった時代からの愛用者の利益も従業員の生活も守ることが出来ない。鳩山は、これが事業譲渡であって不動産売却ではないということを理解していないように見える。

 鳩山の主張の第3は「土地取得代・建設費2400億円の70施設がなぜ109億円で売られるのか。少しでも高く売却出来るようにするのが私たちの務めだ」ということである。

 「2400億円で作ったものをたった100億円で?」という言い方も粗雑に過ぎていて、まさにこれを不動産売却と混同していることを示唆している。事業譲渡である以上、赤字施設の価値はゼロであって、それを作った積算費用がいくらであるかは関係ない。野党議員の中にも、「簡保は加入者はじめ国民の財産であり、それをこんな値段で…」などという者がいるが、それを言うなら、そもそも旧簡保がその国民の財産を2400億円も費消してほとんどが赤字の施設を100近くも作って簡保幹部の天下り先にしてきた、そのデタラメ経営の責任こそ改めて問うべきだろう。

 他方、109億円が高いか安いかというのはそれだけで計ることが出来ず、オリックスにせよどこにせよ引き受けた企業は、当分の間、年間40~50億円の赤字の補填の他に恐らく数百億円を注ぎ込んで赤字施設の黒字転換を図らなければならないはずで、そこまで含めて是非を評価すべきである。

 ここまで大騒ぎをしてストップをかけた以上、鳩山と総務省は西川に対して別の名案を示さなければならなくなった。しかも2012年の売却期限に間に合うように。どんな案が出てくるのか見物である。

●民営化の本質はどこへ?

 さて、このかんぽの宿問題は実のところ瑣末な話であって、郵政民営化を巡って今問い直さなければならない最大の問題は、日本最大の銀行(ギガバンク)となろうとしているゆうちょ銀行を日本の21世紀金融戦略の中でどう位置づけるのかということである。

 元々郵貯民営化の本質は、日本国民が明治から100年かかって築き上げてきた郵貯・簡保350兆円という世界最大の国営銀行にして日本最大の銀行を、旧大蔵官僚のやりたい放題の管理下から解き放って民間金融の体系に組み込むという、まさに「官から民へ」の世紀の大手術にあった。

 本誌がしばしば述べてきたように、旧大蔵省は発展途上国型の官僚主導の心臓部であった。「財政・金融一体」のスローガンの下、一方では税のほとんどを中央に吸い上げて省庁縦割りの予算として配分し、また郵貯・簡保を原資として財政投融資として旧公社・公団・財団などに注ぎ込み、あるいは国債を買わせ、他方では銀行はじめ証券・保険も含めた金融界を「護送船団方式」と呼ばれたほどに緊縛して右へ行け左へ行けと支配することを通じて、財政・金融両面から日本経済の血液たるマネーの循環の元栓を握ってきたことである。

 ところがその金融における政官業癒着の体制が、バブルの創出とその破裂を生み、不良債権問題という100年来最悪の金融スキャンダルを引き起こした。日本経済を10年以上にもわたって苦しめた不良債権問題の主犯は疑いもなく旧大蔵省のデタラメ金融行政にあったのであり、それに対する政治的な懲罰として、98年の金融庁の発足と旧大蔵省の看板引き下ろし=財務省への改編、そして日銀法の改正による介入権限の制限という革命的な改革の第一歩が踏み出されたのだった。ちなみに、これも本誌が前に書いたことだが、この時、最後の大蔵事務次官、最初の財務事務次官として「財政・金融分離」に徹底的に抵抗した筆頭が武藤敏郎であり、そんな人物を福田康夫前首相が日銀総裁に据えようとしたのは、98年の財金分離革命を台無しにする行為であって、野党がそれに反対して潰したのは当然だった。

 しかし不良債権の処理は長引いて、結局は小泉政権下で竹中が強権を用いてケリをつけた。そこで小泉・竹中コンビが間髪を入れずに着手したのが、郵政民営化だった。その意味するところは、金融の機能を奪われて半身になった財務省の徴税と予算、郵貯・簡保と財政投融資という2大財政機能のうち後者を同省から剥奪するにあった。350兆円が官僚とそのOBたちの食い物にされているのを放置するのでなく、民間金融の中で生き生きと自由に活用されるように大転換を図ることが出来れば、21世紀の日本経済は金融面から大いに元気を与えられることになる。これこそが、98年に続く革命的改革の第2弾となるはずだった。さらに付け加えれば、財務省のもう1つの重大な機能、すなわち徴税・予算の権限を剥奪するのが「地方分権」もしくは「地域主権国家への転換」で、これが革命的改革の第3弾となることが期待されている。

 革命的改革の第2弾を実現するためには、一方では、不良債権処理を終えた後の日本の金融のあり方について構図を描き上げ、他方では、これから民営化される郵貯・簡保をその中にどう位置づけるかの大議論を巻き起こすことが必要だった。ところが自民党内からは「郵便局の数が減ったら大変」とか「ハゲタカファンドに食い物にされたらどうするんだ」といった低次元極まりない反対論が高まって、議論は完全に本質から外れた方向に流れていって、挙げ句の果てに「民営化に賛成か反対か」という単純化された争点による郵政総選挙、刺客騒動となってしまった。

 その結果、今日もなお日本の金融の将来像は不明確なままで、一体ギガバンクを日本の金融体系の頂点に位置づけるのか、いや貸し出しも取り立ても運用もろくにやったことのないゆうちょ銀行を頂点に置くわけにいかないから3つのメガバンクの横か斜め上あたりに置くのか、それともかつて京都大学の教授たちが提言したように地域分割してローカル・バンキング(地銀、信金・信組)のバックアップをしながら「銀行とは何か」を学ぶようにするのか、何も定まっていない。これではせっかく民営化しても日本の金融に大元気をもたらすきっかけにはならない。メガバンクの大物経営者出身の西川社長に問うべきは、まさに世界の金融が大変調に陥っている中での日本の金融戦略の方途とその中でのゆうちょ銀行の位置づけであって、過去の不良資産の売却の仕方などという枝葉末節ではないはずである。

●絶好のチャンスなのに

 10~12月の四半期GDP速報で年率換算12.7%のマイナスというのも、金融資本主義の暴発が必要以上に実体経済と人々の生活を傷つけていることが主な原因であり、財政出動による目先の景気対策よりも、長期的な成長戦略とそれに沿った金融再建方策こそが危機脱出の決め手となると考えられる。

 いま政治が知恵を注ぐべきはそのことなのに、郵政民営化問題は4分社化か3分社化かなどというまたもや瑣末なところに流れ、加えてかんぽの宿騒動となって、何をしているのか分からなくなっている。

 15日のサンプロで私は亀井に「今なお民営化反対と言うが、では350兆円を大蔵官僚の手に委ねておいた方が良かったということですか」と問うたのは、少しでも議論を本質に引き戻したいという願いからだった。彼の答えは「いや、私は財務省と戦う立場だ。ただハゲタカに食われると…」などとハッキリしない答えだった。他方、菅に対しては、「民営化は正しかったが、その先、日本の金融体系の中にギガバンクをどう位置づけるのかの構想が小泉にも竹中にもなかったことが欠陥だ。菅にはあるのか」と質問したが、「これからしっかりやっていく」というような話だった。

 米国はじめ世界の金融資本主義が倒壊している中で、日本こそが「モノづくり大国」としての生き方とそれに相応しいカネがカネを生むのでないまっとうな金融のありかたについて新しいモデルを提示しうる絶好のチャンスが訪れているというのに、政治がこれではせっかくのチャンスを生かすことが出来ない。▲

2009年2月17日

中川財務相が辞任

 中川財務・金融相は17日昼に財務省内で緊急記者会見し、G7会合後のヘベレケ会見で世界中から批判を受けた責任を取り、09年度の予算案・関連法案が衆議院を通過後、辞任する意向を表明した。

 中川氏は17日中にも都内の病院に入院する予定だが、予算審議には出席するという。

追記:中川氏は17日夕方、前言をひるがえして麻生首相に辞表を提出。後任には与謝野馨氏が就任する。

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有田芳生氏(新党日本副代表)
「麻生政権のおともだち政治にトドメを刺した」(2/18)

実際に風邪をひいていたのかどうかは別にしても、あの記者会見の様子は泥酔状態であったことは否定できないと思います。

もちろん本人の体たらくが一番の問題なのだが、おかしいのは会見に出る前に、中川氏の出席を誰も止めなかったこと。会見が始まってからでも、途中退席させることはできたはずです。官僚も含め、危機管理機能や危機意識が欠けているのではないか。

しかも、記者会見の様子が世界で報道された後、庶民の感覚では中川氏の即刻辞任は当然だと感じていたにもかかわらず、麻生首相は一度は続投を指示した。事の重大さを認識していない。

麻生首相の「おともだち政治」がいかに日本をダメにしているということはすでに国民は気づいているが、それにトドメを刺すような騒動だった。日本の恥さらしだ。
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高野孟氏(THE JOURNAL主幹)
「即刻辞任すべき」(2/17)

野党各党の談話の中では、医師免許を持つ共産党の小池晃=政策委員長が一番説得力があった。「風邪薬を飲み過ぎてああいう症状になった人は見たことがないが、お酒を飲んでああなった人はたくさん見たことがある」。即刻辞任すべきだ。

酔いどれ大臣 世界で衝撃デビュー

 政界きっての酒豪として有名な中川財務相が、G7会議閉幕後の日本側記者会見で全世界に衝撃的な印象を与えた。

 会見の様子はすでにYoutubeなどでアップされているように、眠気のためかろれつがまわらず、飲酒が疑われる異常な状態だった。

 中川氏の醜態は海外メディアでも話題となり、AP通信は「中川財務相は寝入ったように見えた。15時間のフライトからの時差ボケを克服するのは容易ではないが、あなたの国の経済は年間で2.5%の減収が予測され、トヨタや日産のような大手自動車メーカーが1万人規模の人員削減を行っている。あなたの目を覚ましておくには十分(な惨状)ではないか」と辛辣な記事を世界中に打電している。

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小野善邦氏(総合研究フォーラム理事、元NHK記者)
「睡眠作用のある薬を飲んでいたのではないか」(2/16)

 昔から酒好きで有名な人ではあるが、今回はひどかった。

 原因はいくつか考えられる。相次ぐ国内の政局の疲れ、15時間のフライト、G7会合の中での緊張。そういったことが重なって疲れていて、酒と薬でまぎらわせようとしてボーっとしたのでしょう。

 最初に会見の様子をみたとき「これは酔っ払ってるな」と思いましたが、あの様子を見ると薬の作用もやはりあったのでしょう。これは推測ですが、その薬には睡眠作用も含まれていると思います。

 彼の立場としてみれば、麻生首相がいくらふがいなくても支えなくてはいけない。また、麻生首相は「金融恐慌による日本経済のダメージは少ない」と言ったけど、実際は世界でも最悪レベルの経済状態。予算審議には苦労するし、そして彼は次の衆議院選挙も決して安泰ではない。そういったストレスから中川氏の悪い癖が出た。

 だが、少なくとも記者会見に出てはいけなかった。秘書官以下、同行スタッフはなぜ止めなかったのか。日本だけではなく、全世界に向けて記者会見しているわけだから、いくら本人が出席したがっても止めるべきだった。結果的に日本の恥さらしになってしまった。

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【プロフィール】 小野善邦(おの・よしくに)
1936年愛知県生まれ。1960年NHKに入局。NHK時代にはドキュメンタリーを中心に活動し、NHK特集のチーフプロデューサーなどを務める。退局後、(財)放送番組国際交流センター専務理事、大阪芸術大学教授・放送学科長、図書館長などを歴任。著書に「キャサリン・グラハム わが人生」「わが志は千里に在り―評伝・大来佐武郎」ほか多数。

2009年2月16日

「PEOPLE〜高野孟のラジオ万華鏡〜」今回のゲストは麻枝光一さん

「PEOPLE〜高野孟のラジオ万華鏡〜」今回のゲストは麻枝光一さん

TOKYO FM・JFN系全国31局ネットで大好評オンエア中の「PEOPLE 〜高野孟のラジオ万華鏡〜」

今月のラジオ万華鏡のゲストは、麻枝光一(まえだ・こういち)氏です。
お名前に「麻」という字が入っていますが、日本初の大麻&マリファナグッズ専門店「大麻堂」「ヘンプ・レストラン麻」などを経営されています。

本編放送日時は、09年2月22日(日)AM5:00〜6:00 / 東京はAM5:00〜5:45ですが、その前に。
収録後に撮影した、麻枝さんと高野孟との雑談風景を公開いたします。

■収録後の様子

GDP年率12.7%減、内閣支持率は10%を切る

 予想されていたこととはいえ、衝撃的な数字である。

 内閣府が16日に発表した2008年10月~12月の国内総生産(GDP)速報値は前期比3.3%減、年率換算で12.7%という大幅なマイナス成長となった。この数字は、第一次石油危機の1974年1-3月期以来の落ち込み。

 また、日本テレビが13~15日に行った世論調査によると、麻生内閣の支持率は9.7%にまで落ち込んだ。支持率一桁は01年の森内閣以来の歴史的低水準で、いつ退陣してもおかしくない領域に突入した。
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【参考記事】
■日本テレビ世論調査

2009年2月12日

麻生内閣支持率また下落 ――郵政民営化での迷走発言が響く

takanoron.png 10日付朝日新聞が発表した麻生内閣支持率は、1カ月前の19%から5ポイント下落して14%、ついに10%台前半に突入した。不支持率は6ポイント上がって73%だった。また同日付読売新聞では、支持率19.7%、不支持率72.4%だった。下げ止まらない内閣支持率に加えて、これから覆い被さってくるのが景気指標の悪化で、16日に内閣府が発表する昨年10~12月の四半期GDP速報は恐らく実質で年率換算10%以上のマイナスとなり、国民の不況感は一段と深まる。

●「5月解散」は無理?
 首相周辺と自民党執行部が描いている戦略は、ここは耐えに耐えて、09年度予算案と関連法案を出来るだけ年度内に成立させて、ともかくも「定額給付金」をバラ撒いて国民の気分を一新し、支持率も30%程度にまで回復した上で、「5月(連休明け?)解散、5月下旬ないし6月初め投票」というものである。

 しかし、第1に定額給付金は国民の7割以上が「要らない」と言っていて、支持率回復の決め手にはならない。首相は「カネを貰って嬉しくない奴はいないはずだ」と高を括っているようだが、国民は「そりゃあカネを貰えば嬉しいが、そんなことよりもっと賢いカネの使い方が出来ないのか。知恵を出せよ、麻生」と要求しているのであって、このまま給付金を強行しても麻生がさらに馬鹿にされるだけである。第2に、5月中旬には今年1~3月期の四半期GDP速報が出て、恐らく10~12月期よりもっと悪い結果となって、その直後に投票すれば、自民党が150議席を割るほどの致命的な敗北に陥る可能性が高くなる。

 とすると、「4月末解散、5月上旬投票」で、GDP速報が出る前に投票してしまうというのが1つの手だが、連休を挟んでの選挙戦という異例を犯さなければならない上、麻生の期待する給付金効果が見極められない。かといって先に延ばすと、6月の主要国サミットに重なる。選挙戦を抜け出して麻生が会議に参加しても、帰国後に政権を失う公算が大きい首相を誰も相手にはしてくれず、“成果”をアピールする機会とはならない。それよりさらに先送りすれば、今度は7月12日投開票の東京都議選と重なってくる。衆院選と都議選のダブル選挙か?という声もないではないが、連立与党の公明党はそれを何より嫌っており、また都議選では自民党と公明党も激しく競い合うので、それでなくともギクシャクが目立つ衆院選の自公選挙協力がますます上手く行かなくなる。

 ならば、いっそ9月任期満了ということになるが、そうなると逆に、不人気の麻生内閣をそこまで持たせなければならない理由が何もないことが露わになる。そもそも自民党が麻生総裁を選びそれを公明党も大喜びしたのは、首相就任後に直ちに解散に打って出るという前提で、福田よりは選挙向けの顔としてマシだろうと、少なくとも当時は、判断したからであって、解散も出来ない、したとしても大負けするというのでは、与党にとって役立たずということになる。

 結局、自民党としては、迷走居士の麻生を頂いたまま9月まで無為に過ごすのか、それとも彼を引き下ろして選挙の洗礼を経ない4人目の総裁を選ぶという恥を晒すのか、という地獄の選択を迫られることになる。どうせ下ろさなければならないのなら早い方が打撃が少ない訳で、予算成立の目途が立った時期から党内でその動きが活発になろう。

●郵政迷走発言の酷さ
 支持率が一段と低下した主要な要因は、2月5日衆院予算委員会での麻生の「郵政民営化」をめぐる発言とその後の迷走にある。これは、数ある彼の失言・妄言の中でも極めつけの酷さで、朝日7日付社説「麻生首相の見識を疑う」が、「耳を疑う」「いつもの迷走発言と片づけるにはことが重大すぎる」と書いたのは当然だった。
 今更ぶり返すのも馬鹿馬鹿しいが、記念すべき妄言なので、詳しい要旨を再録しておこう。彼は民主党議員の質問に答えてこう述べた。

「民営化された以上、儲からないシステムではだめだ。今のシステムで儲かりますか。3年後、5年後と、きちんと運営して黒字になってもらわないといけない。いま4つに分断した形が本当に効率がいいのかどうか、もう1回見直すべき時に来ているのではないか。3年で見直すとか、5年で見直すとか言っているから、十分に見直しておかしくないんじゃないか」
「郵政民営化、小泉総理の下に、(私は)賛成じゃありませんでしたので、(島村宜伸農水相が)解散の詔書にサインしないとかいって、えらい騒ぎになった。しかし私は内閣の一員ですから、最終的に賛成した。みんな勘違いしているが、(私は)郵政民営化の担当大臣ではなかったんです。私は反対だと分かったので、私だけ外されていました。担当大臣は竹中(平蔵)さんだった。ぬれぎぬをかぶされると俺もはなはだ面白くないから」

 発言の前半は、郵政民営化関連法に政府の郵政民営化委員会が3年ごとに民営化の進捗状況や経営形態を総合的に見直すべきことが明記されており、今年3月がその最初の期限に当たるため、自民党にプロジェクトチームが発足して「4社より3社がいいのではないか」という案を含め検討を進めていることを踏まえたもので、別に問題はない。酷いのは後半で、第1に、個人の意見がどうであれ、自公連立政権が決定してそれを争点に総選挙まで行って国民に理解を求めた政策に後継首相が責任を持たないということはあり得ない。第2に、しかも彼は、小泉内閣がそれを決めた時の閣僚であり、「最終的に賛成」したのであればなおさらその決定に共同の責任がある。第3に、その05年郵政選挙で得た300議席という遺産の上に自らの内閣が成り立っているのであって、それに郵政民営化そのものに反対ならすぐにでもそれを訴えて総選挙を打たなければ辻褄が合わない。そんな当たり前のことに思い及ばずに、自分が郵政民営化に初めから賛成だったかに思われるのは「ぬれぎぬ」だと主張するとは、一体どういう頭の構造なのか。「ぬれぎぬ」とは「身に覚えのない罪」のことで、とすると郵政民営化自体が罪であって、自分はそれとは関係ないと言っていることになる。

 自民党幹部が「それを言っちゃおしまいよの世界だ。だったら島村さんみたいに辞めなきゃ」と語った(7日付朝日)のはそのとおりで、まさに首相として失格であることをさらけ出したと言える。

 しかもその後も迷走は続く。9日の予算委では「郵政選挙で国民に問うたのは郵政の民営化であって、4分社化は問うていない」と発言した。これについて記者団から問われると彼は、「法律的にはあの中に(4分社化は)入っていますよ。だけど、あの時、4分社化を知っている人はほとんどおられないというのが私の認識です。郵政民営化かそうでないかであの選挙は問われた。一般的な有権者の意識は、(記者の)皆さんほど詳しくないと思っています。内容を詳しく知っておられる方は、ほとんどおられなかったと思います」と述べた。国民と選挙を馬鹿にしているのである。
 確かに、あの時の小泉のやり方は、自民党内の民営化反対派を“仮想敵”に仕立て上げて刺客まで送り込んでドラマ化し、「賛成か反対か」と激しく問いかけるというもので、本来であれば、当時本誌が繰り返し主張したように、小泉案や反対派の「民営化しなくても郵政はこうやって立て直せる」という案、さらには民営化自体には反対でなかった民主党の案を並べて、さあ国民の皆さん、どの案がいいか選んで下さいという落ち着いた選挙をやるのでなければならなかった。内容抜きで賛成か反対かを迫ったという意味では、麻生に言い分は一面の正しさはある。が、それでも国民は誠実に郵政民営化の何たるかを考えながら、精一杯に選んだのであって、有権者が中身も知らずに小泉流儀に踊らされただけであるかに言うのは間違っている。
 もう1つ、昨年の自民党総裁選では「私は郵政民営化を担当した大臣」だと発言していたことも指摘された。これについて彼は記者団に「総務大臣を2期やりました。1期目は間違いない郵政民営化を担当したが、2期目、決定する時には郵政民営化担当というのは外されて(旧)郵政省所管の大臣だった。2つを分けてお話にならないと混線する」と語った。それならなぜ総裁選の際にわざわざ「郵政民営化を担当した大臣」などと言ったのか。恐らくは自分が小泉内閣を含む歴代自公連立政権の継承者として相応しいことをアピールするためだったに違いない、それを今になって「ぬれぎぬ」とはどういうことか。

 こうして麻生は、国民からはもちろん自民党の大半や公明党からも最終的に「失格」の烙印を押されたに等しい。もはや積極的な麻生支持者は党内では菅義偉選対副委員長ただ1人と言われていて、その理由は浪花節的な義侠心のみとされているが、その菅までが11日の講演で「国民に誤解を与え党内に軋轢を生む発言は慎まないといけない」と麻生に苦言を呈した。末期症状の証左である。▲

2009年2月10日

内閣支持率14%! 森内閣に迫る低さ

 朝日新聞が7、8の両日に実施した全国世論調査によると、麻生内閣の支持率は前回調査を5ポイント下回る14%となった。不支持率は6ポイント増の73%で、今後支持率が劇的に回復することはもはや絶望的だ。

 なお、同日に発表された読売の内閣支持率は19.7%(前回比-0.7%)、共同は18.1%(前回比-1.1%減)で、不支持率は両社とも7割を超えている。

 朝日は、自民党参院議員の「100年に一度の経済危機というが、自民党も100年に一度の危機だ」という声を取り上げ、予算成立後に計画されていた春解散も先送りされる可能性が出てきたと分析している。

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2009年2月 9日

パレスチナ問題で和平進展はあるのか?

中東和平の方向性を左右するイスラエルの総選挙は10日、投票が行われる。
事前の報道によると、今年1月まで続いたガザ空爆の影響後もハマスへの強硬姿勢を崩さない右派リクードが優勢を保っており、選挙後の和平推進は絶望的な情勢だ。

一方、日本ではイスラエルによるガザ空爆が1月中旬に停止された後、パレスチナ問題への関心は急速に失われている。今回のガザ空爆については、報道の問題点もたびたび指摘されていたが、停戦後もその状況は変わっていない。ガザ空爆中にインターネットを使って現地から伝わってくる情報をメールなどを使って日本に広め、大手メディアとは異なるスタンスで情報発信をしてきた島根大教員の清末愛砂氏に聞いた。

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清末愛砂氏(島根大教員)(2/10)

─イスラエルは1月に一方的停戦を宣言、空爆を中止しました
「一方的停戦」は、イスラエルの常套手段です。たとえば、2005年にもガザなどの入植地から撤退したときも一方的な撤退でした。これは、被占領者の立場は一切考えないということです。なので「一方的停戦」のニュースを聞いたとき「またか・・」と思いました。

─日本の報道姿勢についてはどのように思われましたか?
日本では全体的に報道が少なかったですね。また、イスラエル報道官の情報をそのまま流すような状況が顕著に見られ、この空爆の重大さを報じていなかったように思います。
パレスチナでこれほど大掛かりな空爆があったのはおそらくはじめてではないでしょうか。まるで、パレスチナの地そのものの壊滅を狙っているかのような空爆でした。

─そのなか、日本ではインターネット発の情報が大きな役割を果たしました
インターネットの影響力は大きかったと思います。私のほかにも京大准教授の岡真理さんらがメールを使って情報を流したり、あるいはアルジャジーラが現地の情報をYouTubeにアップすると、それがネットで流されるといったことがおこりました。
アルジャジーラはガザの状況について映像で詳しく報じていて、「パレスチナ住民の命が危ない」ということをはっきりと打ち出していました。
ただ、そういった情報にアクセスできた人はいいのですが、アクセスできない人、もしくはしない人は、アクセスした人との情報量の差がとても大きかったとように思います。

─パレスチナ人は以前からインターネットを積極的に使っていたのでしょうか?
インターネットが普及するようになってからはパレスチナ人も積極的に使うようになっています。
ただ、今回の空爆が始まった当初はジャーナリストがガザに入れなかったため、ガザ在住のパレスチナ人特派員や大学の教員などが情報を流していました。
しかし、彼らも自由にインターネットを使えるわけではありません。限られた時間と電気不足の状況下で、発電機を使って短時間で情報を流していました。彼ら自身も危ない状況下にあるにもかかわらず情報発信を行ったのは、「自分たちはここを追われたらどこにも行くところがない。最後の場所を守るんだ」という思いがあったからだと思います。燃料がなくなれば命の危険も増します。それを計算しながらの必至の情報発信だったのです。

─アメリカでは大統領がオバマに代わり、和平推進に期待する声もありますが・・
オバマはブッシュよりは賢い人ですので、ある程度は理性的な見方ができるとは思いますし、パレスチナ人もブッシュがひどかっただけに、オバマに期待している面はあるとは思います。ただ、彼が考えているのはパレスチナ問題よりもアフガニスタンを中心に考えていますので、和平進展はそれほど期待できないのではないでしょうか。

─今回の紛争について、私たちはどのように考えるべきなのでしょうか
ものの始まりはハマスによる攻撃にあると考えるのではなく、やはり1948年にパレスチナ人に対する不正義に立ち返って考えることが必要なのではないでしょうか。でないと、ガザがこのような状況になった理由が理解できません。また、パレスチナ人が、なぜこれほど怒っているのかということも理解できないと思います。こういった理解をせずに意見を語ったり、解決に持っていこうとすることはとても不公平なことだと私は思います。

2009年2月 8日

塩崎恭久×高野孟「麻生政権を叱る」

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◆檄論檄場 第2回 塩崎恭久×高野孟「麻生政権を叱る」

 高野孟が“時代のキーパーソン”を迎えてお届けする動画企画「檄論檄場」。第二回は塩崎恭久元官房長官をお迎えしました。

 経済対策を最重要課題としたが、補正予算を出さずにいた昨年の麻生政権。地元に戻れば「どうなっているんだ?!」と突き上げられる始末。危機感を覚えた同氏ら49人は“速やか議連”をが立ち上げました。彼らの目指すものは? を徹底解説します。

■動画はコチラのURLから!
http://news.www.infoseek.co.jp/special/j-is/movie0902_01.html

2009年2月 7日

トヨタ、3月期決算は3500億円の赤字に転落

 トヨタ自動車は6日、09年3月期の連結決算が税引き後利益で3500億円、営業利益で4500億円の赤字に転落する見通しだと発表した。営業赤字としては日本の上場企業として過去最大である。そのため08年度当初の世界全体での生産計画の2割に当たる179万3000台を減産する。世界No.1自動車メーカーであり、日本を代表するトップ企業のこの転落ぶりが産業界に与えるインパクトは計り知れない。

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高野孟氏(THE JOURNAL主幹)
「時代逆行的な経営判断に原因があったのではないか」(2/7)

米国では1月の新車販売が前年同月比で4割も減っているが、世界全体でそれほどの市場縮小が起きているわけではない。なのにトヨタがここまで業績を悪化させるのは、北米市場に重点を置いて大型のしかも高級車に力を入れすぎたという時代逆行的な経営判断に原因があったのではないか。6日のトヨタ社長会見でその点を厳しく突っ込む記者はいなかったようだ。また、同社はこれに先だって内外にわたる大幅な人員削減を発表している。素早いと言えばそうだが、経団連会長も出してきたような日本を代表する企業で、しかもほんの1年前、08年3月期には「過去最高の税引き後利益1兆7178億円」を出していて誰よりも体力のあるはずの会社が、「首切りの嵐」の先陣を切るような行いに出るのはどうも納得がいかない。歯を食いしばって、少なくとも1年間は社員・労働者の生活を守る覚悟を示すのがトップ企業の矜持というものではないのだろうか。

麻生「郵政民営化反対だった」発言でまた波乱

 麻生太郎首相が5日の衆院予算委員会での答弁で、「郵政民営化に私は賛成じゃなかったが、内閣の一員だから最終的に賛成した。私は総務大臣だったが、郵政民営化担当は、私が反対だと分かったので外された。担当は竹中(平蔵)さんだった。ぬれぎぬを被されると俺もはなはだ面白くない」と発言、たちまち政界に大波紋を引き起こした。

 7日付朝日新聞は、社説「麻生首相の見識を疑う」で「いつもの迷走発言と片づけるにはことが重大すぎる」と指摘、第2面の半分以上を費やして「首相発言、与党あせん」と題した記事を掲げ、その中で…

・「それを言っちゃあおしまいよの世界だ。だったら島村(宜伸農水相:郵政解散に反対して詔書署名を拒否して罷免)さんみたいに辞めなきゃ」(自民党幹部)
・「答弁が出た瞬間、あぜんとした。信念を貫けず、ぶれたことを、あえて話す必要があるのか。政治家としての資質に関わる」(閣僚の1人)
・「あの選挙は何だったのか。すぐに選挙をやり直せということだ」(竹中平蔵慶応大学教授)

 などの発言を紹介している。また毎日新聞は、社説で「首相発言のあまりの軽さよ」と歎き、記事では民営化支持派はもちろん見直し容認派からも批判が相次いだと報じている。読売と日経は社説に採り上げていない。

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高野孟氏(THE JOURNAL主幹)
「常軌を逸している」(2/7)

麻生が、日本郵政の4社体制について「4つに分断した形が本当に効率がいいのか、見直すべき時に来ているのではないか」と述べたのは、自民党の郵政事業に関するプロジェクトチームが「3社化」を議論しているのを意識したものだったに違いないが、それにしても党側が取りまとめに苦労している問題をこのようにホイホイと口にするこの人の軽さは常軌を逸している。

2009年2月 6日

「かんぽの宿」日本郵政が一括売却を断念

「かんぽの宿」の売却問題が急展開をみせている。日本郵政は6日、オリックスへの一括売却を断念し、白紙撤回する見通しとなった。すでに、日本郵政の西川善文社長は4日の衆院予算委で、この問題について「ゼロから検討する」と述べ、白紙撤回を含めた見直し方針を表明していた。

鳩山総務相は、郵政民営化の議論にかかわった宮内義彦氏が率いるオリックスグループにかんぽの宿70施設を一括売却することについて、「『出来レース』と受け取る可能性がある」と問題視し、入札の過程も不透明だとして詳細資料の提出を日本郵政に命じている。

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五十嵐敬喜氏(法政大学教授)
「稀に見るインチキ入札」(2/6)

今回の問題に対しては疑問があまりも多すぎて、どこから切り込めばいいのか分からないくらいです。本当に『分からない』だらけ。まず、競争の条件がハッキリしていないということ。確定した条件がないなかで行われている。つまり何を競っていたのかが分からないということです。通常、まずは価格です。二番目は価格+総合評価といいまして、どうやって運用するかという事業計画ですね。その総合評価の何を見て判断したのかが分からない。07年5月15日の入札参加表明応募締め切りの段階で27社の応募があって、それから第一次、第二次提案と進んでいくんですが、どういった条件を元に振り落としたのか、また誰が審査したのかが分からない。最終的にオリックスが残るのですが、最後の第2次提案に残った2社の間で何が争われ、誰が審査してオリックスをOKとしたのかが分からない。

かんぽが、まったく私的な財産であれば、どのようにしようとかまいませんが、郵政のかんぽについては株式の100%を国が持っています。したがって、国の入札に従うべきであると私は考えます。もうひとつ、今回の問題で誰が得したのかということですね。郵政民営化は国民のためだったはずですが、今回の問題で得をしたのは誰なんでしょうか。国民に還元されるものはあるのでしょうか。そして、最終的に問題が起きるまで売却にいたる経緯を誰も説明しなかった。そういったことなどから、今回の問題は、いくつもの疑惑が重なった、稀に見るインチキ入札だったと私は見ています。

当然、オリックスへの一括売却を白紙に戻すのは当たり前です。鳩山総務相が圧倒的に正しいでしょう。繰り返しになりますが、かんぽが完全に民営化されていたら政府が口を出すべきではありません。しかし、かんぽの株式は100%国が保有している状況ですから、総務相として口を出すのは当たり前のことでしょう。
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落合洋司氏(弁護士)
「法の改正も検討すべき」(2/6)

今回の問題に関しては『かんぽの宿』を売却する経緯が国民に対してきちんと知らされていないことが大きな問題。確かに、こちらがアクションを起こせば情報を入手できる状況にあったかもしれないが、なんだかわけの分からないうちに物事が進んでいった感じがします。
鳩山総務相については、実は死刑を機械的に行っているようなイメージがあって、あまり好感を持っていなかったのですが、今回の問題については、総務相として、国民の声を代弁して発言しているような面があるのと思います。
そもそも、私は民間に一括譲渡するか廃止するか、という選択肢しかないのかという疑問を持っています。かんぽの宿事業は年間約40億円の赤字が出ており、日本郵政が早期に譲渡する方針を決めた大きな理由でした。平成24年9月までに民間への譲渡か廃止が法律で決まっている。つまり、法律で守られているなかで赤字が蓄積されてきたということ。たんに自由競争の中で一民間企業が維持してきたというわけではない。そういう施設を右から左に安く売ってしまうというシステムは考え直すべきだと考えます。売るのか維持するのか、その中間部分をきめ細かく法的に考えていくべきで、必要であれば法律の改正も検討すべきでなのかと思います。

2009年2月 5日

続 "虚構"の静岡空港──県がひた隠す開港延期の本当の理由(前編)

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【関連記事】
■"虚構"の静岡空港──県民に知らされていない大問題

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 今年3月に予定されていた富士山静岡空港(静岡県島田市、牧之原市 以下静岡空港)が6月に延期されることになった。延期の理由は、滑走路西側に残る立ち木153本と土地が航空法に触れたためだ。県の測量ミスが開港延期の原因だったことが明確になった一方で、「あいつがゴネているから開港が遅れた」と批判にさらされてきた地権者がいる。静岡空港の問題にもっとも長く、もっとも近い立場で関わってきた当事者、大井寿生氏に開港が延期になった本当の理由を聞いた。
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─問題となった立ち木について、石川嘉延県知事は9月の会見で「木が成長した」と答えていました

とっさに答えたのでしょうけど、いい大人の言うことではないですよね。
それまでは立ち木は制限表面(高さ制限)の下にあったということですよね。逆に言うと、40年以上もほぼ同じ高さだった木が、3年やそこらで10メートルも伸びますかね(笑)

─そもそも立ち木が残ってしまったのはなぜなのでしょう?

「こんなアバウトな測量で自分の土地は分割されるの?」と、県のやり方に疑問を抱いたことがきっかけでした。当時はどこまで土地が削られるかは図面でしか示されていませんでした。それで、2006年末の土地収用に関する審議の中で、「土地の範囲に疑問があるからもう一度測り直して下さい」と発言したのですが、途中で審理が打ち切られてしまいました。

実は、その時はまだ立ち木の存在に気づいてなかったんです。2007年の春先に茶畑に肥料をやらなきゃと思い、ふっとあたりを見回した時に完璧に制限表面を出ている立ち木の存在に気づいたのです。

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立ち木を除去したい県が出してきた「地すべり対策」という奇策
─立ち木が発見されたとき、県からはすぐに伐採する話が出なかったのですか?

いいえ。立ち木の存在を県は公表しませんでした。というのも、測量データの範囲外にある立ち木の存在を認める事は測量ミスを認める事になるからです。しかし、県としては、立ち木の存在を認めたくない、でも除去したい。

─となると、県はどのような形で立ち木を伐採するように言ってきたのですか?

あるとき、立ち木周辺の土地に地滑りの可能性があるから調査させてほしいと言ってきました。地すべり対策は地域の安全のためですから、もちろん私も調査に協力しました。しかし、調査が進むにつれて、「立ち木部分を含む山を全部取っちゃいましょう」と言われたのです。でも、これは違いますよね。立ち木は空港の土地収用の問題で、地すべり対策とは別問題です。しかし、県からは行政代執行をほのめかしながら地すべり対策を理由として立ち木を切ることを強く求められました。

─行政代執行とは?

もし、私たち地権者側が伐採しなければ、行政が強制的に立ち木を切ってしまうということです。しかも、その経費は地権者が負担で、私に出された見積もり額は4120万円。ようするに、「反対するより地すべり対策として伐採したほうが得でしょ」ということです。

─でも、立ち木は伐採されなかった。なぜ行政代執行を免れる事ができたのですか?

行政代執行というのは静岡県空港部が申請を出し、知事が命令を下す。そして実際にその作業をするのは静岡県建設部です。私が建設部に(大井氏自身が作成した)資料を持っていき、作業範囲以外にも制限表面をこえる土地があることを説明し、たとえ作業を終えても、また同じ事が起こると訴えました。説明した翌日、空港部は手のひらを返したように行政代執行の回避に動きましたよ。事情を把握した建設部が空港部に代執行を避けるよう手を回したわけです。執行の期日まで一週間も時間はありませんでした。

>>後編に続く

(コメント欄は後編に設置)

続 "虚構"の静岡空港──県がひた隠す開港延期の本当の理由(後編)

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【関連記事】
■"虚構"の静岡空港──県民に知らされていない大問題

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当初の開港予まで約半年に控えた2008年9月、国の事業認定取り消しを求めた裁判の場で、国と県は初めて立ち木の存在を認めた。そして、翌月には開港延期と、暫定開港のために1億1000万円かけて追加工事することを発表する。
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立ち木所有者の大井寿生氏

県が自らの誤りを早く認めていれば、滑走路を短くする必要もなかったのに
─立ち木の影響で、当初より滑走路を300m短縮した2200mでの暫定開港となります

立ち木が発見された当初、「どうしても立ち木問題で県の責任を認めたくないのなら、滑走路を短くするほかない」と私は言ってはいたのですが、まさか本当に滑走路を短くするとは思いもしませんでしたよ。


本来であれば「測量が間違っていました。誤りを認めます」と言って責任を取れば、立ち木の除去にも応じて、予定通りに2009年3月に開港しています。国から言われてようやく間違いを認めましたが、完成直前まで自分たちのミスを隠していた行政の姿勢は、県民の公益を考えているとは思えません。

筋の通っていない県の対応
─えっ、開港に反対しているわけではないのですか?

空港そのものには最初から反対でしたが、開港直前まで工事が進んでしまったいま、開港を止めようとは思いません。

─では、なぜそこまでして県に対抗するのですか?

今までこの問題に存分に関わり、理不尽な事がまかり通っていることを見てきました。自分は地権者としてたまたま問題点に気づきましたが、県の体質が変わらない限りこのような問題は今後も続くはずです。立ち木は自分のカードであり、そう簡単には切りません。もちろん開港を止めるためではないですよ。

─協議には応じていくのですか?

2年前から県には「協議に応じる」と答えています。手続きに落ち度があったことを県が素直に認めて解決する姿勢があるなら、協議に応じます。ただ、測量ミスを隠し、代執行の圧力までかけて、自らの過ちをうやむやにしたことの責任は取られるべきだと思っています。

─地権者が反対するから協議が進まず、開港が延期しているという印象が伝わっているようですが

県は「アイツ(大井氏)がゴネてるから開港が延期している、暫定工事もアイツのせいで一億何千万円かかるんだ」としたいわけでしょう。私は、正しい情報を伝えるために何度もメディアには説明しているのですが、なかなか書いてはもらえません。「県の方で裏が取れない」と言うんです。とは言うものの、他のメディアが書けば書き始めるのですが。

─静岡県内の反応は?

県内でも東部地区は羽田空港、西部地区はセントレアのほうが便利だから静岡空港なんて使わない。だからこの問題の関心も薄い。一時ワーッと騒ぎになって、ちょっと時間が経てば風化してしまうのが現状です。

─これまで関わってきたなかで、県の一番の問題点は?

今回の測量で一番問題なのは、「個人の財産を強制的に分割する」という作業です。個人の財産について空港建設に必要のない土地は保護されるはずなのに、こんなずさんな測量で財産が分割されていました。

それにも関わらず、収用委員会では審理を打ち切られたり、地滑り工事を名目に除去を求められたりと、つねに責任を曖昧にしています。そういう筋の通らないことをやって、ごまかそうとして、結局、県にとって最終的に何が大事かというと、自分自身の保身なのです。そういうことに対して「通すべき筋は通せ」と言いたいのです。

先ほども言いましたが、もはや空港をなくすことは無理な話です。巨額の税金が費やされ、自然も人間関係も壊されてしまった。だけど、「何か違うだろ」という気持ちが今でもあるのです。

>>前編を読む

2009年2月 3日

佐藤優、宮崎学、魚住昭、田原総一朗が語る! ──田原総一朗ノンフィクション賞創設記者会見&シンポジウム

 先月15日、THE JOURNALブロガーである宮崎学さんや二木啓孝さんらが運営する「フォーラム神保町」「田原総一朗ノンフィクション賞」を創設したことをうけ、設立発表とシンポジウムが開催されました。
 
 シンポジウムには、日本を代表するノンフィクションライターである佐藤優氏、宮崎学氏、魚住昭氏、そして賞の“冠”である田原総一朗氏が参加、白熱した議論が交わされました。

 今回のNewsSpiralでは、当日の模様を音声で特別公開します。(質疑応答部分を除く)
 テーマは出版不況、ノンフィクションの危機、ジャーナリズムの衰退・・・ などなど、メディアを取り巻くさまざまな問題が取り上げられます。ぜひお聞きください!
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■ダウンロードはこちら(mp3)
【パネリスト(発言順、敬称略)】
二木啓孝(司会)、佐藤優、宮崎学、魚住昭、田原総一朗
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※「田原総一朗ノンフィクション賞」の詳細はフォーラム神保町HPをご覧ください。
http://www.forum-j.com/bana024.html

「政党なんて道具」 塩崎元官房長官が政界再編を示唆

■【内憂外患】自民党 塩崎元官房長官、麻生政権を叱る! 予告編

 塩崎恭久元官房長官は1月30日、THE JOURNAL×Infoseekニュースの特別番組「内憂外患」に出演し、「これを成し遂げたいと思っても成し遂げられないというのがあまりにも続くのであれば、どうあるべきか考えなくてはいけない」と述べた。そのうえで、「政党なんていうのは道具ですから」と語り、麻生政権の動向によっては、自らが中心となって政界再編を起こす考えがあることを示唆した。

 塩崎氏は現在、自民党の若手・中堅議員49人を集めた「速やかな政策実現を求める有志議員の会」(速やか議連)の代表世話人を務めている。速やか議連は「経済危機対策10兆円」「天下りや渡りの禁止」「議員定数と歳費の削減」などの大胆な政策を打ち出しており、反麻生勢力と考えられている。

 番組の模様は、Infoseek内の特設サイト「内憂外患~どうなるニッポン」で2月8日(日)から放送される。

http://news.www.infoseek.co.jp/special/j-is/hotjournal0902_001.html

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『知らなきゃヤバイ!民主党─新経済戦略の光と影』
2009年11月、日刊工業新聞社

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