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2006年10月31日

道政、道警を考えるシンポジウム in 札幌

道警裏金問題や道政運営の問題を考える「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金報道』を考える集い」が10月29日に札幌で行われました。

ジャーナリストの田原総一朗氏、大谷昭宏氏、宮崎学氏に元道警釧路方面本部長など6人のパネリストがメディアと権力の関係について討論しました。

《ざ・こもんず》運営事務局は現場に飛び、その模様を撮影してきました。

今回はダイジェスト版として、その一部を配信します。

内容は、随時「Pod Commons」で配信していきます。

ご期待ください!

ダイジェスト版ダウンロード

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2006年10月30日

秋深まる札幌に行ってきた

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 10月29日、札幌市で 「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金』を考える集い」が行われた。

 なぜ、この集会が開かれることになったのか。かいつまんで説明しておくと、2004年、私と大谷昭宏、それに北海道新聞の記者2人、4人共著で旬報社から『警察幹部を逮捕せよ!―泥沼の裏金作り』という本を出版した。本の内容はタイトル通り、約10億円にも上る北海道警の裏金作りの実態を暴いたものである。これに対して、当時の北海道警の総務部長だった佐々木友善という男が、この本によって名誉を傷つけられたとして北海道新聞や記者、出版社を相手取り損害賠償訴訟を起こしてきたのだ。

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『警察幹部を逮捕せよ!―泥沼の裏金作り』
2004年6月、旬報社

 前述のとおり、この本は私と大谷、道新記者の4人の共著である。しかし、訴状を見る限り、私と大谷は訴訟の被告から外されている。そこで、私と大谷は民訴訟42条「訴訟の結果に利害関係を有する第三者は訴訟に参加することができる」にのっとり、「訴えられてもいないのに被告になる」という補助参加を札幌地裁に申し立てた。そして、こんな訴訟を起こされたことで我々の名誉が傷つけられたとして民事で佐々木氏を訴えるとともに、名誉棄損の刑事事件として東京地検に告訴することも視野にいれている。

 これまで、北海道新聞は2003年から1000本を超える北海道警察裏金問題に関連する報道を行ってきた。この一連の記事は、2004年に日本ジャーナリスト会議(J.C.J)のJCJ大賞及び日本新聞協会の新聞協会賞を受賞したのだが、これまで地方新聞が地方行政(警察も行政である)に対して批判的な記事を書くことはタブー視されていた。北海道新聞のこのキャンペーンは、そのタブーに挑んだものなのである。

 その証拠に、道新がこれらの記事を書いた当初、3大新聞(読売、朝日、毎日)は冷淡な反応を示した。なかでも、朝日新聞においては冷淡というよりも敵対的であったともといえる。例えば、道新が紙面で扱う記事というのは警察に直接コメントをとっているのだから、その内容が掲載前に警察に知れることとなる。道新が掴んだ情報から正論を書き、「道議会で大きく扱われるだろう」という記事を書いた場合、警察が事前に朝日新聞に情報を洩らし、朝日新聞は「収束に向かうだろう」という内容の記事を載せる。こういった一連の流れによって朝日新聞は警察からの情報を優先的に得られるようになり、また、道新は道庁に対する取材がやりにくくなるという結果を招くのである。

 現行の記者クラブ制度においては、北海道庁の取材は官(道庁)のサジ加減一つでいかようにでもなる。そうなると競合する3大新聞が官に優遇され、道新は競争から脱落する可能性が生まれる。そういった不条理な流れから、道新はこれまで北海道警に対する取材を行ってきたチームを解体するという「経営判断」を迫られることになったのだ。残念ながら、こうしたメディアの「経営判断」なるものは常に存在する。海外でもイラク戦争報道事件で前BBC会長のグレッグ・ダイク氏がブレア英首相とぶつかって辞任に追い込まれたという例があるが、ジャーナリストとしての生業を選択した以上、我々には自分が取材して得た情報は誰に対しても譲ることは出来ないというジャーナリストの「掟」を守る姿勢が必要である。

 今回の佐々木友善氏による「北海道新聞等に対する名誉毀損訴訟」は、取材チームの解体とあいまって道新に対する最後の「仕上げ」とも言うべき行為である。北海道新聞による「経営判断」は生きていく上でやむを得ないという見方もできるが、メディアと警察というのは敵対的な関係になると必ずメディア側が負けるということを再認識させられることとなった。

今後この問題がどういった結末を迎えることとなるのか、当事者の一人として注視していきたい。

「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金』を考える集い」の模様は、後日『Pod Commons』にてノーカット版をアップいたします。

お楽しみに!

Profile

宮崎 学(みやざき・まなぶ)

-----<経歴>-----

1945年、京都のヤクザの家に生まれる。
早稲田大学法学部に進むが、学生運動に没頭して中退。
週刊現代記者として活躍後、京都に戻り家業を継ぐが倒産。
「グリコ・森永事件」ではキツネ目の男に擬され、重要参考人Mとして警察にマークされる。
自身の半生を綴った「突破者」で作家デビューを果たした。
2005年には英語版「TOPPA MONO」も翻訳出版された。
最近は、警察の腐敗追及やアウトローの世界を主なテーマにした執筆活動を続けている。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
http://miyazakimanabu.com/

魚の目(魚住昭責任編集)
http://uonome.jp/

-----<著書>-----


『ラスト・ファミリー 激論 田岡由伎×宮崎学』
2010年1月、角川書店


『談合文化論』
2009年9月、祥伝社


『近代ヤクザ肯定論―山口組の90年』
2007年6月、筑摩書房


『安倍晋三の敬愛する祖父 岸信介』
2006年9月、同時代社


『法と掟と』
2005年12月、洋泉社


『近代の奈落』
2005年12月、幻冬舎


『TOPPAMONO』
2005年9月、Kotan Pub


『万年東一(上)』
2005年6月、角川書店


『万年東一(下)』
2005年6月、角川書店



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